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閉鎖性水域における人工排熱処理システム

国内特許コード P110004683
整理番号 2009-024
掲載日 2011年8月9日
出願番号 特願2010-153555
公開番号 特開2012-017549
登録番号 特許第5831894号
出願日 平成22年7月6日(2010.7.6)
公開日 平成24年1月26日(2012.1.26)
登録日 平成27年11月6日(2015.11.6)
発明者
  • 中尾 正喜
  • 西岡 真稔
  • 鍋島 美奈子
  • 矢持 進
  • 重松 孝昌
  • 遠藤 徹
  • 貫上 佳則
  • 森 信人
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
発明の名称 閉鎖性水域における人工排熱処理システム
発明の概要 【課題】陸上では効果が地理的に限定されていたヒートアイランド対策をより効果的に実現するとともに、閉鎖性水域内における貧酸素状態を改善することができる閉鎖性水域における人工排熱処理システムを提供する。
【解決手段】閉鎖性水域外の底層部から底層水を取水する取水手段101と、上記取水手段が取水した底層水を熱源として用いる熱交換手段103と、上記熱交換手段で用いた後に排出される排熱温水を閉鎖性水域内の底層部に排出する排水手段105とを備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、都市の中心部の気温が郊外の気温より高くなるという、いわゆるヒートアイランド現象が問題となっている。ヒートアイランド現象は種々の要因が重なりあって起こっているが、その一つに都市への人口集中によって、家屋、大型発電所、石油工場、石油化学工場などの施設から発生し大気へ排出される人工排熱量が増加していることが挙げられる。



これらの人工排熱は最終的には熱の逃し場として海水に放出される場合、このことが海水の水温上昇に影響を与える結果となっている。とくに、防波堤で囲まれた人工的閉鎖性水域では、外部水域との水交換が行われにくいため、海水が停滞しやすくなる。このため、夏場において人工的閉鎖性水域内の表層水温は低層水温と比べて高い傾向がある。



例えば大阪港においては、夏期特有の温度成層が、6月には、既に形成されており、7月にかけてその成層はより強固なものへと発達していく過程が見られる。そして、この表層の水温上昇は、海風が都心部に進入するに伴い沿岸付近のヒートアイランド現象を招くという問題にもつながっている。



従来、このようなヒートアイランド現象の対策として、保水性舗装や屋上緑化等の陸上での対策が主体的に行われている。(例えば下記特許文献1参照)



しかし、陸上におけるヒートアイランド対策は、巨額の投資にもかかわらずその効果は限られた地域に限定され、大きな効果を発揮するためには大規模な施工をしなければならないという問題があった。



一方、閉鎖性水域における他の環境問題として、貧酸素水塊の問題が挙げられる。すなわち、外部の水域と交流性の悪い閉鎖性水域では、有機物が堆積しやすく、底層においては貧酸素状態が広く生じやすくなる。その結果、水中の酸素が欠乏して浄化に役立っている好気性生物が死滅すると、水域内の環境条件のバランスが崩れ、赤潮プランクトンなどの有害生物が異常に発生してしまう。



外部の水域と交流性の悪い閉鎖性水域(海底に存在する急峻な窪みや、閉鎖的な内湾等)では一般的に水の流れが滞りやすい、また、夏季に成層が発達すると、表層の海水と底層の海水との密度差が大きくなり、上下の混合が起こりにくくなる。底層ではプランクトンの死骸などの有機物が堆積し、その分解が盛んに行われるため、酸素が消費される。結果として、水流の滞った海底付近では極めて溶存酸素量の少ない貧酸素水塊が形成される。



このように形成された貧酸素水塊は、強い風や潮の流れの変化などに伴い海面付近に上昇してくることがあり、この場合、海中あるいは海底に生息する生物の大量死をもたらし、いわゆる青潮を招く要因となっていった。



閉鎖性水域の浄化方法として、人工的に外部水域との交流性を持たせる方法がとられている。例えば下記特許文献2では、土木的手段により水域入口を通じて外部水域との水の交流をはかるともに、閉鎖水域内においても攪拌を行うという手段が行なわれている。



しかし、湖沼のような狭い水域を攪拌するのは比較的容易であるが、港湾のような広い閉鎖性水域内を攪拌するには大規模な水流発生装置が必要となり、コストが高くなるという問題があった。
【特許文献1】
特開2009-215853号公報
【特許文献2】
特開平06-257117号公報

産業上の利用分野


本発明は、家屋・発電所等の建物から発生する人工排熱を閉鎖性水域に排出する人工排熱処理システムである。

特許請求の範囲 【請求項1】
閉鎖性水域外の底層部から底層水を取水する取水手段と、
上記取水手段が取水した底層水を熱源として用いる熱交換手段と、
上記熱交換手段で用いた後に排出される排熱温水を閉鎖性水域内の底層部に排出する排水手段と、
を備え
上記排水手段が、小潮時には排水量を多くし、大潮時には排水量を少なくする、閉鎖性水域における人工排熱処理システム。

【請求項2】
上記熱交換手段で用いられた後に排出される排熱温水に酸素を含む気体を混入する酸素混入手段を備え、
上記排水手段が、上記酸素混入手段によって酸素が混入された高酸素濃度水を閉鎖性水域内の底層部に排出する
請求項1記載の閉鎖性水域における人工排熱処理システム。

【請求項3】
上記排水手段が、複数の排出口を有する排水管からなる
請求項1又は2記載の閉鎖性水域における人工排熱処理システム。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2010153555thum.jpg
出願権利状態 登録


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