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結晶性プラチナ粒子を製造するための方法

国内特許コード P110004695
整理番号 E086P12
掲載日 2011年8月10日
出願番号 特願2010-013142
公開番号 特開2011-149077
登録番号 特許第5501006号
出願日 平成22年1月25日(2010.1.25)
公開日 平成23年8月4日(2011.8.4)
登録日 平成26年3月20日(2014.3.20)
発明者
  • 下田 達也
  • 松木 安生
  • 申 仲▲榮▼
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • JSR株式会社
発明の名称 結晶性プラチナ粒子を製造するための方法
発明の概要 【課題】大きなサイズの結晶性プラチナ粒子を製造するための簡易な方法を提供すること。
【解決手段】上記方法は、プラチナ錯化合物と、酸と、炭素数2~12の1級アルコールと、脂肪族1級アミンとを、有機溶媒中で接触させることを特徴とする方法である。該方法によって製造された結晶性プラチナ粒子は大きなサイズを有し、好ましくは特定の面が実質的に排他的に露出した単結晶のプラチナキューブである。従って、該プラチナ粒子は電極材料、化学反応の触媒、燃料電池の電気触媒などの用途に好適に使用することができる。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



プラチナ、特にプラチナナノ結晶は、高い導電性、ユニークな触媒作用、化学的安定性などの諸特性から、電極材料、化学反応の触媒、燃料電池の電気触媒などの用途に適用されている。プラチナナノ結晶の特性は、サイズ、形状および構造を含む一連の物理的パラメータによって決定されることから、プラチナナノ結晶を形状制御的に製造するための検討が広くなされている。プラチナナノ結晶のうち、とりわけ結晶性プラチナナノキューブは、(100)が優勢な表面の存在およびその形状のため、上記の如き用途においてさらに魅力的な特性を発揮することが期待されている。

かかるプラチナナノ結晶の製造方法としては、粒子成長の制御剤および還元剤として働く高沸点溶媒中における高温有機相合成が検討され、報告されている。

例えば非特許文献1には、プラチナ錯化合物を、形状誘導剤としての硝酸銀の存在下にエチレングリコール還元系によって還元して金属プラチナに変換するに際して、PtおよびAgの使用比を調整することによって、オクタへドラル形状またはキューブ形状の結晶性金属プラチナを製造しうることが記載されている。また、非特許文献2には、オクタデセン中、200℃において、Fe(CO)の存在下に結晶性ナノキューブを製造する方法が記載されている。しかし、これらの文献に記載された方法によって製造されたプラチナナノ結晶は、結晶中に他の金属を含有していることから、プラチナ固有の特性が大きく損なわれていることが指摘されている(非特許文献3)。従って上記用途においては、他の金属を含有しない均一なPtナノ結晶の形状制御的合成が強く望まれている。





一方、上記以外のプラチナナノ結晶の用途として、結晶面上に強誘電性材料を結晶成長させてメモリ素子を構成することが考えられる。このとき、強誘電性材料の結晶成長のためにアニーリング工程を要するため、かかる用途においてはプラチナナノ結晶の熱安定性も重要となる。例えば強誘電材料として広く用いられているチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の場合、その配向成長は一般に400℃以上の温度で行われるが、従来知られている方法によって製造されたプラチナナノ結晶は、典型的には300℃以上において有機キャップ層が分解して凝集し、そのサイズ、形状および組成ないし結晶性が変わってしまうことが知られている。この点、プラチナナノ結晶の熱安定性は結晶サイズに依存し、大きなサイズのプラチナナノ結晶を製造することができれば極めて高い熱安定性を示し、アニーリング下においても初期特性を維持することができるものと考えられる。かかる観点から、大きなサイズのプラチナナノ結晶が嘱望されている。

しかしながらプラチナは、他の面心立方格子(fcc)金属に比べて内部歪みエネルギーが大きいため、ナノ結晶を大きなサイズに成長することは困難である。そして現在に至るまで、大きなサイズのプラチナナノ結晶の製造に関する報告としては、より小さな微結晶の凝集体に関するものがいくつか存在するにすぎなかった(例えば非特許文献4)。

近年、非特許文献5は、大きな面指数を有する大サイズのテトラヘキサへドラル型プラチナナノ結晶を電気化学的に製造するブレークスルー技術を報告した。同文献によると、ガラス状炭素上に担持されたプラチナナノ粒子に矩形波電圧を印加することにより、大きなサイズのテトラヘキサへドラル型プラチナナノ結晶が成長するという。しかし、同文献に記載された方法によって得られるプラチナナノ結晶は、ガラス状炭素上にのみ成長することができ、しかもテトラヘキサへドラル型であるため電気的に酸化されやすく、その用途は極めて限定される。

幅広い用途に適用することのできる大サイズの結晶性プラチナ粒子を得る方法は、未だ知られていない。

産業上の利用分野



本発明は、結晶性プラチナ粒子を製造するための方法に関する。

本発明はさらに、自己整列性を有する結晶性プラチナ粒子を製造するための方法および基板上に該粒子が整列してなる層を形成するための方法をも開示するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(P1)で表される錯化合物、(P2)で表される錯化合物、ビス(ジベンジリデンアセトン)プラチナおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジプラチナよりなる群から選択される少なくとも1種のプラチナ錯化合物と
酸と
炭素数2~12の1級アルコールと
脂肪族1級アミンと
を、有機溶媒中で接触させることを特徴とする、結晶性プラチナ粒子を製造するための方法。
【化1】


(式(P1)中、Rは、それぞれ、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基または炭素数1~6のフルオロアルコキシル基であり、Rは、それぞれ、水素原子または炭素数1~6のアルキル基である。)
PtX・D (P2)
(式(P2)中、Xはハロゲン原子であり、Dはジエン配位子である。)

【請求項2】
上記有機溶媒が、芳香族炭化水素溶媒と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
下記式(P1)で表される錯化合物、(P2)で表される錯化合物、ビス(ジベンジリデンアセトン)プラチナおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジプラチナよりなる群から選択される少なくとも1種のプラチナ錯化合物と
酸と
炭素数2~12の1級アルコールと
脂肪族1級アミンと
を、有機溶媒中で接触させて結晶性プラチナ粒子を製造し
次いで該結晶性プラチナ粒子をアルコール溶媒中で親水性ポリマーと接触させることを特徴とする、親水性ポリマー層を有する結晶性プラチナ粒子を製造するための方法。
【化2】


(式(P1)中、Rは、それぞれ、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基または炭素数1~6のフルオロアルコキシル基であり、Rは、それぞれ、水素原子または炭素数1~6のアルキル基である。)
PtX・D (P2)
(式(P2)中、Xはハロゲン原子であり、Dはジエン配位子である。)

【請求項4】
アミノ基を有するシランカップリング剤で処理された基板と
請求項に記載の方法によって製造された親水性ポリマー層を有する結晶性プラチナ粒子と
を、極性溶媒中で接触させることを特徴とする、基板上に結晶性プラチナ粒子が整列してなる層を形成するための方法。

【請求項5】
請求項に記載の方法によって形成されたことを特徴とする、基板上に結晶性プラチナ粒子が整列してなる層。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010013142thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 下田ナノ液体プロセス 領域
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