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金属の電解採取用陽極および電解採取方法 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P110004714
整理番号 DP1407
掲載日 2011年8月16日
出願番号 特願2009-278607
公開番号 特開2011-122183
登録番号 特許第5013438号
出願日 平成21年12月8日(2009.12.8)
公開日 平成23年6月23日(2011.6.23)
登録日 平成24年6月15日(2012.6.15)
発明者
  • 盛満 正嗣
出願人
  • 学校法人同志社
発明の名称 金属の電解採取用陽極および電解採取方法 実績あり 外国出願あり
発明の概要

【課題】陽極上への副反応生成物の蓄積と、それに起因する電解電圧の上昇を抑制することができる電解採取システム、およびこのシステムを用いた電解採取方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る電解採取システムは、電解液中に配置された陽極と陰極との間に所定の電解電流を流して、該陰極上に所望の金属を析出させるものであって、電解液は、上記所望の金属のイオンを含む硫酸系または塩化物系の水溶液であり、陽極は、非晶質の酸化イリジウムまたは非晶質の酸化ルテニウムを含む触媒層を導電性基体上に形成したものである。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


一般に、金属の電解採取は、採取したい金属のイオンを含む水溶液(以下、電解液という)に陽極と陰極とを浸漬させて通電し、陰極上に当該金属を析出させることにより行われている。陽極としては、鉛または鉛合金からなるものが多用されている。また、電解液としては、硫酸系、塩化物系等の各種の電解液が使用されている。



例えば、亜鉛を電解採取する場合は、亜鉛鉱から抽出した亜鉛イオンを含む硫酸系の電解液が使用される。この亜鉛の電解採取では、陰極上に亜鉛が析出するとともに、陽極上で主反応として酸素が発生する。また、陽極上では、亜鉛イオンの抽出工程などにおいて電解液中に混入した+2価のマンガンイオンの酸化も生じ、陽極上にはオキシ水酸化マンガン(MnOOH)、さらには二酸化マンガン(MnO)などのマンガン化合物が析出する。マンガン化合物は酸素発生に対する触媒性が極めて低く、導電性も低いため、酸素発生電位を増加させ、その結果電解電圧が上昇する原因となる。また、鉛または鉛合金電極を陽極に用いる場合、電極の耐久性を高める目的で電解液に+2価のコバルトイオンが加えられている場合もある。このとき陽極上では副反応として+2価のコバルトイオンの酸化も生じ、これによって生成する+3価のコバルトイオンは電極と反応して化合物を生成する。このような化合物は、電解を長時間行うと、スラッジとなって電解液に沈殿する。そして、この沈殿物の一部は電解液中に溶解して、鉛イオンやコバルトイオンが溶け出し、陰極に生成する亜鉛に混入して亜鉛金属の純度を低下させる要因になる。



コバルトおよびニッケルの電解採取においても、同様に、硫酸系の電解液が使用される。この場合も、陰極上にコバルトまたはニッケルが析出するとともに、陽極上では酸素発生が主反応として生じるが、電解液中に不純物として存在する+2価のマンガンイオンが上記に述べたような副反応を起こして、電解電圧が増加する原因となる。また、コバルトの電解採取では、電解液中に+2価のコバルトイオンが存在し、陰極ではこれが還元されてコバルト金属が析出するが、陽極では酸素発生とともに+2価のコバルトイオンが酸化されて、オキシ水酸化コバルト(CoOOH)が生じる。このオキシ水酸化コバルトは酸素発生に対する触媒性が極めて低く、導電性も低いため、マンガン化合物と同様に電解電圧を上昇させる原因となる。



また、コバルトおよびニッケルの電解採取では、塩化物系の電解液が使用される場合もある。例えば、コバルトの電解採取では、コバルト含有鉱から抽出した+2価のコバルトイオンを含む塩酸酸性の電解液が使用される。この電解液を用いた場合、陰極上ではコバルトが析出し、陽極上では主反応として塩素が発生する。しかし、陽極上では、副反応として電解液に含まれている+2価のコバルトイオンが酸化されてオキシ水酸化コバルトが析出し、上記と同様に電解電圧を上昇させる原因となる。また、塩化物系電解液を使用したニッケルの電解採取において、電解液中に+2価のマンガンイオンが存在すると、前述のように陽極上にオキシ水酸化マンガンや二酸化マンガンが析出して、電解電圧を上昇させる原因となる。



上記のように、亜鉛、コバルト、ニッケルの電解採取では、陽極の主反応は酸素発生または塩素発生であり、酸素発生を主反応とする場合には、鉛または鉛合金からなる陽極がよく用いられる。鉛または鉛合金からなる電極は低コストであるというメリットがあるが、酸素発生の過電圧が大きいため電解電圧が高く、また上記のように電解液中に鉛イオンが溶出することで陰極上に析出する金属の純度が低下することが問題であった。また、塩素発生に対しては触媒性が低く、酸素発生よりもさらに過電圧が高い点で好ましいものではなかった。そこで、このような問題を克服する陽極として、近年では、チタン等の導電性基体を貴金属または貴金属酸化物を含む触媒層で被覆した不溶性電極が使用されるようになってきている。例えば、特許文献1には、酸化イリジウムを含有する活性コーティングを被覆してなる不溶性電極を使用して、銅を電解採取する方法が従来技術として開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、電解によって電解液から所望の金属を採取する電解採取用陽極、および電解によって電解液から所望の金属を採取する電解採取方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ニッケルの電解採取に用いられる陽極であって、導電性基体と、前記導電性基体上に形成された触媒層を有し、前記触媒層が非晶質の酸化イリジウムを含み、前記陽極における副反応を抑制可能としたことを特徴とする電解採取用陽極。

【請求項2】
前記触媒層が、非晶質の酸化イリジウムと非晶質の酸化タンタルを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の電解採取用陽極

【請求項3】
ニッケルまたは亜鉛の電解採取に用いられる陽極であって、導電性基体と、前記導電性基体上に形成された触媒層を有し、前記触媒層が非晶質の酸化ルテニウムを含み、前記陽極における副反応を抑制可能としたことを特徴とする電解採取用陽極。

【請求項4】
前記触媒層の前記非晶質の酸化ルテニウムが、非晶質の酸化ルテニウムと酸化チタンの複合酸化物であることを特徴とする請求項3に記載の電解採取用陽極

【請求項5】
前記副反応が、マンガン化合物の生成反応であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の電解採取用陽極

【請求項6】
前記導電性基体と前記触媒層との間に形成された、タンタルまたはタンタルの合金からなる中間層を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の電解採取用陽極

【請求項7】
陽極に請求項1~6のいずれかに記載の電解採取用陽極を用いることを特徴とする電解採取方法。
産業区分
  • 冶金、熱処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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