TOP > 国内特許検索 > 抗脂血及び内臓脂肪予防食品

抗脂血及び内臓脂肪予防食品

国内特許コード P110004725
整理番号 S2009-1050-N0
掲載日 2011年8月17日
出願番号 特願2010-180700
公開番号 特開2011-055829
登録番号 特許第5768252号
出願日 平成22年8月12日(2010.8.12)
公開日 平成23年3月24日(2011.3.24)
登録日 平成27年7月3日(2015.7.3)
優先権データ
  • 特願2009-187574 (2009.8.12) JP
発明者
  • 北村 進一
  • 久保 亜希子
  • 犬飼 忠彦
  • 庄條 愛子
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
  • 有限会社 IPE
発明の名称 抗脂血及び内臓脂肪予防食品
発明の概要 【課題】 米への特別な加工が不要であり、脂肪蓄積を防止しあるいは高脂肪食下における血中の中性脂肪量の上昇を抑制する米由来の新規な食品又は組成物を提供する。
【解決手段】 野生種のうるち米にN-メチル-N-ニトロソウレア処理などを施し、アミロース合成酵素I(GBSSI)及びアミロペクチン枝作り酵素II(BEIIb)を欠損した突然変異体米であるwx/ae米及び/又は当該米から得られるデンプンを用いる。この米又はこの米から得られるデンプンはアミロースを実質的に含まず、アミロペクチン側鎖のグルコース重合度(DP)のピークが13~15に位置し、グルコース重合が12以上であるアミロペクチン側鎖が全アミロペクチン側鎖の65%以上であるアミロペクチンを含む。
【選択図】図7
従来技術、競合技術の概要


高脂血症は動脈硬化を引き起こし、狭心症や心筋梗塞などのいわゆる心臓疾患、および脳出血や脳梗塞などのいわゆる脳疾患を誘引する。高脂血症は、血液中に存在する脂肪重量が多い状態である。血液中に存在する脂肪のうち、中性脂肪は動脈硬化の原因とはならないが、中性脂肪が多いと、血液中のHDL(高比重リポタンパク)が減少し、LDL(低比重リポタンパク)が増加する傾向にあり、このことが間接的に動脈硬化の原因であると言われている。



血中の中性脂肪量の抑制には、脂肪だけでなく炭水化物を含めた食餌からの摂取エネルギーを抑制することが望まれる。炭水化物を代表する食物に米がある。日本人が摂取する米の量は近年減少傾向にあるが、米は日本人の主食であり、米を食べないというのは日本人の食生活からは考えられない。従って、米を食べても中性脂肪が増加せず、米を食べることにより血液中や内臓中の中性脂肪の蓄積抑制が見込めるならばより望ましい。



血中の中性脂肪量を抑制するには薬物療法による方法もある。これまでにも、米などの穀物から得られた中性脂肪抑制剤や中性脂肪増加防止剤などが数々提案されている。例えば、特開2006-158343号公報(特許文献1)には、発芽させた米を有効成分とした脂質の吸収を抑制する食品が開示されている。この発芽させた米は食後の血中中性脂肪濃度(血清トリグリセリド濃度)の上昇を抑制し、脂肪負荷後のレムナント用リポ蛋白濃度の上昇を抑える。



特開2003-9810号公報(特許文献2)には、発芽処理した玄米を含む高脂血及び高血症予防剤が開示されている。コーンスターチの代替として発芽処理した玄米を含む飼料をラットに摂取させた場合に、腎周囲の脂肪重量及び睾丸周囲の脂肪重量の増加を抑え、血清中の総コレステロールを低下させる。



特開平10-279487号公報(特許文献3)には、アミロース含量が30重量%以上の澱粉及び/又はその誘導体を湿熱処理することに得られる食物繊維含有澱粉素材からなる脂質代謝改善剤が開示されている。この澱粉素材は、アミロース含量が30%以上である澱粉を、食物繊維含量が好ましくは30重量%以上となるまで、減圧・蒸気による加圧加熱を繰り返して得られる。このものは、湿熱処理されていない澱粉を投与した場合に比べて、脂肪酸合成系酵素の活性を低下させ、それにより脂肪の蓄積を抑制する。また、血漿中のトリグリセリド量を低減させる。



特開2008-189625号公報(特許文献4)には、米などの植物由来原料をデンプン分解酵素処理及び蛋白分解酵素処理し、次いで固液分離によって液体成分を除去して得られた難消化性成分含有素材が開示されている。この素材を含む高コレステロール食をマウスに摂取すると、この素材の代わりにカゼインを含む高コレステロール食を摂取させたマウスに比べて、肝臓のトリグリセリド蓄積率が低下する。



特開2008-195694号公報(特許文献5)には、有色米の色素抽出物を有効成分とする脂肪蓄積抑制剤が開示されている。この脂肪蓄積抑制剤は、高脂肪食を摂取させたマウスの血清トリグリセリド濃度や肝脂質中のトリグリセリド含量を有意に低下させると共に腎周囲の脂肪量や副睾丸の脂肪量を有意に低下させる。



特開2004-161686号公報(特許文献6)には、含水率40%以上の蒸煮あるいは煮沸した穀類等をアスペルギルス属のかびで培養して含水率を低下させた後、当該得られた培養物の抽出物を有効成分とする高脂血症改善剤が、また特開2004-168720号公報(特許文献7)には、同様にリゾーパス属又はニューロスポラ属のかびで培養した培養物の抽出物を有効成分とする高脂血症改善剤が開示されている。これらの改善剤を、高脂血症を発症するマウスに摂取させると、それらを摂取させない場合に比べて血中の中性脂肪量が低下する。



特開2008-74735号公報(特許文献8)には、リパーゼ阻害作用を有する植物抽出物として黒米やタマネギ外皮の抽出物が開示されている。このリパーゼ阻害作用を有する抽出物は、プロトカテキュ酸、パラヒドロキシ安息香酸及びこれらの誘導体を含むものである。これらの化合物やこれらの化合物を含む抽出物はリパーゼの働きを抑え、食事中の脂肪の分解を抑制する。それにより血中への脂質吸収が抑制される。



一方、非特許文献1には、野生種のうるち米からアミロース合成酵素I(GBSSI)とアミロペクチン枝作り酵素IIb(BEIIb)の双方を欠失した二重変異体(wx/ae)米が開示されている。この二重変異体は、GBSSIを欠失したwx変異体とBEIIbを欠失したae変異体を交配して得られた株(変異体)の中から選抜されたものである。



この二重変異体では、胚乳断面のヨウ素染色や米粒のX線回折の結果、アミロペクチンの分子構造が野生種やwx変異体のそれとは異なっていることが示されている。しかしながら、この米が有するデンプンの機能は十分に解明されていない。

産業上の利用分野


本発明は、血液中及び内臓中の中性脂肪量の抑制又は脂肪蓄積抑制効果のある食品及び医薬組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アミロースを含まず、アミロペクチン側鎖のグルコース重合度の分布ピークが13~15に位置するアミロペクチンを含む米及び/又はアミロペクチン側鎖のグルコース重合度の分布ピークが13~15に位置するアミロペクチンからなるデンプンの、脂肪蓄積抑制用組成物の製造のための使用

【請求項2】
前記脂肪蓄積抑制用組成物は、高脂肪食の摂取に際して摂取される請求項1に記載の使用。

【請求項3】
アミロースを含まず、アミロペクチン側鎖のグルコース重合度の分布ピークが13~15に位置するアミロペクチンを含む米及び/又はアミロペクチン側鎖のグルコース重合度の分布ピークが13~15に位置するアミロペクチンからなるデンプンの、血液中の中性脂肪抑制用組成物の製造のための使用

【請求項4】
前記血液中の中性脂肪抑制用組成物は、高脂肪食の摂取に際して摂取される請求項3に記載の使用。

【請求項5】
グルコース重合度が12以上であるアミロペクチン側鎖が、全アミロペクチン側鎖の65%以上である請求項1~4の何れか1項に記載の使用

【請求項6】
前記米は野生種のうるち米からアミロース合成酵素I(GBSSI)及びアミロペクチン枝作り酵素IIb(BEIIb)を欠損したwx/ae米又は前記デンプンは当該米から得られるデンプンである請求項1~5の何れか1項に記載の使用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2010180700thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) 国内優先権:特願2009-187574
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close