TOP > 国内特許検索 > 金属ナノチューブ製造装置および金属ナノチューブの製造方法

金属ナノチューブ製造装置および金属ナノチューブの製造方法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P110004739
整理番号 238
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2005-514928
登録番号 特許第4374439号
出願日 平成16年10月13日(2004.10.13)
登録日 平成21年9月18日(2009.9.18)
国際出願番号 JP2004015066
国際公開番号 WO2005040460
国際出願日 平成16年10月13日(2004.10.13)
国際公開日 平成17年5月6日(2005.5.6)
優先権データ
  • 特願2003-365120 (2003.10.24) JP
発明者
  • 福中 康博
  • 小西 陽子
  • 本山 宗主
  • 石井 隆次
出願人
  • 学校法人京都大学
発明の名称 金属ナノチューブ製造装置および金属ナノチューブの製造方法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要

NiやFe、Coなどからなる安価かつ高品質な金属ナノチューブを提供する。貫通孔を有する膜の一方の表面に、厚さ10~80nmの金属薄膜を形成して陰極とし、陽極と陰極とのあいだを電解液で満たして電圧を印加する。電解液中の金属イオンが貫通孔の壁面に電気化学的に析出し、金属ナノチューブが形成される。膜としては、ポリカーボネート膜などの熱可塑性樹脂多孔膜や、アルミナ多孔膜、アルミ陽極酸化膜などを用いることができ、貫通孔の直径が15~500nmであると好ましい。また、前記金属薄膜は、スパッタにより形成することができ、白金-パラジウム合金からなると好ましい。

従来技術、競合技術の概要


ナノチューブやフラーレン、ナノワイヤやナノシートなど、ナノメートル・オーダーの寸法を有する微細な物質は、バルクな状態では発現し得ない新規な特性を有しており、さまざまな分野でその応用が期待されている。



たとえば、カーボンナノチューブは、すぐれた電子放出材料としてフラットディスプレイパネルなどへの応用が進められているほか、水素の貯蔵源として燃料電池などへの応用も研究されている。また、従来の配線加工法では困難である超微細配線を実現できる配線材料としても期待されている。



金属でつくられたナノワイヤ(以下、金属ナノワイヤ)もまた、カーボンナノチューブと同様、配線材料としての応用が期待されているほか、磁気記憶媒体や磁気メモリ素子への適用、触媒としての利用なども検討されている。しかしながら、金属ナノワイヤは、アスペクト比(直径に対する長さの比=長さ÷直径)が小さいものについては、研究室レベルの製造例が多数報告されているものの、より利用価値の大きい高アスペクト比のものは、製造が困難である。



アスペクト比の大きい金属ナノワイヤを製造するための方法として、テンプレートを用いた電析が、たとえばG. Tourillon et al.,「電気化学的に合成したCoおよびFeのナノワイヤおよびナノチューブ(Electrochemically Synthesized Co and Fe Nanowires and Nanotubes)」(Electrochemical and Solid-State Letters,The Electrochemical Society, Inc.,2000年1月,第3巻,第1号,p.20-23、以下G. Tourillon et al.という)に開示されている。G. Tourillon et al.の方法は、直径30nmの貫通孔を多数有する厚さ6μmのポリカーボネート膜をテンプレートとして用い、このポリカーボネート膜の表面に古典的蒸着法によりAuの層を形成して陰極とし、陰極-陽極間の空間を0.1MのCoSO4またはFeSO4と、0.1MH3BO3との電解液で満たして、第一段階として-1.5Vで0.3~0.5sの矩形波、第二段階は-0.9Vで2s間の矩形波という2段階からなる周期関数的電圧を連続して印加する。ポリカーボネート膜の貫通孔壁面からCoまたはFeが析出し、CoまたはFeのナノワイヤを得ることができる。また、波形を変化させて、-1.5Vで0.1s間の第一段のパルス電圧を印加した後に、2s間電流を遮断する第二段階からなる周期波形を8分間継続する操作をおこなったところ、Coのナノチューブが形成されたと報告している。G. Tourillon et al.では、ナノチューブ形成のメカニズムを、ポリカーボネート膜のカーボネート(CO32-基)と電解液中の金属イオン(Fe2+、Co2+)の錯体化によるカーボネート膜壁面への金属イオン補足の第一段階機構と、それにひき続いた金属イオンの還元反応の第二段階機構により、金属のナノチューブが形成されるとしている。電析継続時間が20~22分を超えるとチューブ内が金属クラスターで埋まり、ナノワイヤが形成される。



また、電極となるAu層をポリカーボネート膜の底面に古典的蒸着法により形成していることから、薄膜は相当不均一に形成されているとともに、金属層厚さは200nmは下らないものと予想され、ポリカーボネート膜表面は不均一にAuの被膜で覆われている可能性が極めて高い。G. Tourillon et al.において、電解により形成される金属層はナノチューブの壁面から径内側方向に成長しており、ナノチューブ内部にクラスターが生成すると記載されている。そこで、パルス電圧を用いて、微量ずつ金属層を形成させていく方法をとるため、壁厚がわずか1~2nmであるCoおよびFeチューブを得るために、前記金属イオン捕捉段階および金属イオン還元段階をあわせて15分も要している。



また、Niからなるナノワイヤおよびナノチューブの製造例が、Jianchun Bao ら,「ニッケルナノチューブアレイのテンプレートを用いた合成およびその磁気特性(Template Synthesis of an Array of Nickel Nanotubules and Its Magnetic Behavior)」(Advanced Materials,WILEY-VCH Verlag GmbH,2000年11月,第13巻,第21号,p.1631-1633、以下Jianchun Bao et al.という)に開示されている。このJianchun Bao et al.では、テンプレートとしてアルミナの多孔膜を用いており、このアルミナ多孔膜を有機アミンで処理したのち、0.3mA/cm2の電流密度で24時間電析をおこない、直径160nm、長さ20μm、壁厚30nmのNiナノチューブを得ている。また、同じ条件で48時間電析をおこない、直径160nm、長さ35μm、壁厚60nmのNiナノチューブを得ている。



しかし、Jianchun Bao et al.においては、長さ20μmのナノチューブを得るために、24時間もの電解時間を要するという非効率的なものであった。



本発明は、短時間で高品質の金属ナノチューブを製造することのできる製造装置および製造方法を提供することを目的とする。

産業上の利用分野


本発明は、ナノチューブ、とくに金属からなるナノチューブに関する。また、本発明は、金属からなるナノチューブの製造装置および製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 対向配置された陰極および陽極、ならびに陰極上に設けられた貫通孔を有する膜を備えた容器内の空間電解液が満たされてなり、前記膜の貫通孔の壁面に金属を析出させる金属ナノチューブ製造装置であって、
前記陰極が厚さ10~80nmの金属薄膜からなり、前記膜の貫通孔の内部空間が陰極の貫通孔を介して容器と接触し、陰極の貫通孔の端部が膜の貫通孔に沿って突出して円環状に露出した露出部が形成されており、
前記陰極および陽極が重力に対して陰極が上、陽極が下となるように水平に配置されている金属ナノチューブ製造装置。
【請求項2】 前記陰極が、金、銅、金系合金、銅系合金または白金-パラジウム合金からなる請求記載の金属ナノチューブ製造装置。
【請求項3】 前記陰極が、非平衡成膜法により得られる金属薄膜である請求項1まは2に記載の金属ナノチューブ製造装置。
【請求項4】 前記陽極が、ニッケル、コバルト、鉄、またはこれらの合金からなる請求のいずれかに記載の金属ナノチューブ製造装置。
【請求項5】 前記貫通孔の直径が、15~500nmである請求のいずれかに記載の金属ナノチューブ製造装置。
【請求項6】 さ10~80nmの金属薄膜を有する陰極と陽極とが重力に対して陰極が上、陽極が下となるように水平に配置され、陰極上に設けられた貫通孔を有する膜を備えた容器を用い、前記膜の貫通孔の内部空間を陰極の貫通孔を介して容器と接触させ、陰極の貫通孔の端部を膜の貫通孔に沿って突出させて、円環状に露出した露出部を形成する工程、
前記容器内の空間に金属イオンを含有する電解液を満たし、電圧を印加して電解することにより貫通孔の壁面に金属を電気化学的に析出させる工程およ
金属を析出させた膜を溶媒に浸漬し前記貫通孔を有する膜を取り除いて金属ナノチューブを得る工程
を含む金属ナノチューブの製造方法。
【請求項7】 前記金属薄膜が、金、銅、金系合金、銅系合金または白金-パラジウム合金からなる請求項6に記載の金属ナノチューブの製造方法。
【請求項8】 前記電解液のpHおよび前記電解における印加電圧の少なくともいずれか一の条件を調整することにより、金属ナノチューブの形状を制御する請求項6または7に記載の金属ナノチューブの製造方法。
【請求項9】 前記金属を含有する電解液のpHが0~5.5であり、電解における印加電圧が-0.5~-1.5Vである請求項8に記載の金属ナノチューブの製造方法。
産業区分
  • 表面処理
  • その他機械要素
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2005514928thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close