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固体高分子型燃料電池用セパレータおよびそれを用いた固体高分子型燃料電池 UPDATE コモンズ

国内特許コード P110004764
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2004-108598
公開番号 特開2005-294083
登録番号 特許第4336855号
出願日 平成16年3月31日(2004.3.31)
公開日 平成17年10月20日(2005.10.20)
登録日 平成21年7月10日(2009.7.10)
発明者
  • 中北 賢司
  • 富村 哲也
出願人
  • 三重県
発明の名称 固体高分子型燃料電池用セパレータおよびそれを用いた固体高分子型燃料電池 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】 酸化ガス流路と燃料ガス流路と冷却水流路を、特定構造をもって形成することにより、優れた反応効率と優れた冷却効率を実現することが出来、しかも、酸化ガス流路や燃料ガス流路における水の滞留を可及的に防止せしめて安定した発電効率を得ることの出来る、新規な構造の固体高分子型燃料電池の提供。
【解決手段】 第一セパレータ20における酸化ガス用溝48と第二セパレータ22における燃料ガス用溝64を、何れも、水平方向に平行に延びるように形成して、それら酸化ガス用溝48と燃料ガス用溝64を、膜/電極接合体(MEA)を挟んで略平行に延びるように形成して対向位置せしめた。また、相互に重ね合わされる第一セパレータ20と第二セパレータ22の間に冷却水流路78を形成した。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


固体高分子型燃料電池は、良く知られているように、固体のイオン交換膜等の固体高分子膜を電解質としてその両面に重ね合わせた一対の触媒電極の表面に対して、酸化剤としての酸素(空気)と燃料としての水素を供給し、電気化学的に反応させることによって電力を得るものである。



ところで、固体高分子型燃料電池では、目的とする電圧を安定して効率的に得るために、各触媒電極の表面上に酸素や水素を安定して供給することが重要であると共に、適当な温度に維持することも重要となる。



そこで、一般に、固体高分子電解質膜の両面に対してそれぞれシート状の酸化電極と燃料電極を配設した膜/電極接合体に対して、その酸化電極の表面に第一セパレータを重ね合わせると共に、燃料電極の表面に第二セパレータを重ね合わせた構造の単セルが採用されており、かかる単セルを複数段重ね合わせて電気的に直列接続せしめた構造とされている。そして、第一セパレータに設けた凹溝を酸化電極で覆蓋することによって酸化ガス流路が形成されると共に、第二セパレータに設けた凹溝を燃料電極で覆蓋することによって燃料ガス流路が形成されている。また、第一セパレータ又は第二セパレータの電極と重ね合わされる主面に対する裏側の副面には、第一セパレータ又は第二セパレータに設けた凹溝を隣接する別の単セルの副面で覆蓋することによって冷却流路が形成されている。



また、相互に重ね合わされた各単セルの外周縁部には、重ね合わせ方向に貫通するようにして、酸化ガス供給孔および酸化ガス排出孔と、燃料ガス供給孔および燃料ガス排出孔、更に冷却水供給孔および冷却水排出孔が、それぞれ形成されている。そして、これらの給排孔を通じて給排される酸化ガス,燃料ガス,冷却水が、各単セルにおいて、それぞれ、上述の酸化ガス流路,燃料ガス流路,冷却水流路に流通せしめられるようになっている。



ここにおいて、これら酸化ガス流路,燃料ガス流路,冷却水流路の形態は、発電の効率や安定性に関して重要な影響を与えるものであると考えられており、従来から、各種の流路形態が提案されている。これら3種の流路形態の好ましい一つの態様が、特開2002-83610号公報(特許文献1)に開示されている。



しかしながら、かかる特許文献1に開示されている流路構造では、未だ、発電の効率や安定性に関して十分に満足できるものとは言い難かった。具体的には、次のような問題を内在している。
(1)燃料ガス流路が、鉛直上下方向に延びる複数本の直線形態をもって形成されており、水平方向に延びる酸化ガス流路に対して直交している。そのために、固体高分子電解質膜を挟んで対向位置せしめられる燃料ガス流路と酸化ガス流路の重なり合う部分が狭くなってしまい、反応効率乃至は発電効率を十分に得ることが難しい。
(2)燃料ガス流路が、上端縁部に設けられた燃料ガス供給孔から下端縁部に設けられた燃料ガス排出孔に向けて鉛直上下方向に延びる直線形態をもって形成されている。そのために、固体高分子電解質膜の上端縁部と下端縁部との温度勾配が大きくなり、反応効率乃至は発電効率が局部的に低くなり易い。



なお、上記(1),(2)の問題に対処するために、例えば燃料ガス流路の隣接する複数本を上下端部で相互に接続することにより、全体として屈曲して延びる形態を実現することも考えられる。ところが、上下方向に延びる燃料ガス流路を接続して屈曲形態とすると、下端部の折り返し部分において水が溜まり易く、水の滞留によって燃料ガスの流通が妨げられる結果、安定した発電が実現され難くなるという問題があり、現実的ではないのである。

産業上の利用分野


本発明は、固体高分子電界質膜を用いた固体高分子型燃料電池およびそれに用いられるセパレータに係り、特に酸化ガス流路と燃料ガス流路および冷却水流路を、特定構造をもって形成することにより、優れた反応効率と共に優れた冷却効率を実現することが出来ると共に、酸化ガス流路や燃料ガス流路における水の滞留を可及的に防止せしめて安定した発電効率を得ることの出来る、固体高分子型燃料電池およびそれに用いられるセパレータに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
固体高分子電解質膜の両面に酸化電極と燃料電極を配設した膜/電極接合体に対して該酸化電極に重ね合わされて該酸化電極の表面に酸化ガス流路を形成する第一セパレータと、該膜/電極接合体の該燃料電極に重ね合わされて該燃料電極の表面に燃料ガス流路を形成する第二セパレータとからなる、固体高分子型燃料電池用セパレータであって、
前記第一セパレータ及び前記第二セパレータにおいて、周辺縁部に位置して積層方向で連通せしめられる酸化ガス供給孔と酸化ガス排出孔,燃料ガス供給孔と燃料ガス排出孔,冷却水供給孔と冷却水排出孔を、少なくとも各一対形成する一方、
前記第一セパレータの前記酸化電極に重ね合わされる主面において、水平方向に延びる複数本の水平凹溝を鉛直方向に離隔して形成すると共にそれらの水平凹溝を端部で上下に接続することで少なくとも一往復以上の長さで葛折状に延びる酸化ガス用溝を複数形成して、それら各酸化ガス用溝の一方の端部を前記酸化ガス供給孔に接続すると共に他方の端部を前記酸化ガス排出孔に接続し、
前記第二セパレータの前記燃料電極に重ね合わされる主面において、水平方向に延びる複数本の水平凹溝を鉛直方向に離隔して形成すると共にそれらの水平凹溝を端部で上下に接続することで少なくとも一往復以上の長さで葛折状に延びる燃料ガス用溝を複数形成して、それら各燃料ガス用溝の一方の端部を前記燃料ガス供給孔に接続すると共に他方の端部を前記燃料ガス排出孔に接続し、
前記第一セパレータ又は前記第二セパレータにおける前記主面と裏側の副面において、少なくとも一本の冷却用溝を形成して、該冷却用溝の一方の端部を前記冷却水供給孔に接続すると共に他方の端部を前記冷却水排出孔に接続して、
記第一セパレータ及び前記第二セパレータにおいて水平方向で対向位置する第一辺縁部と第二辺縁部のうち、該各第一辺縁部の上端付近に前記酸化ガス供給孔を形成する一方、該各第一辺縁部の下端付近に前記酸化ガス排出孔をそれぞれ形成すると共に、該第一セパレータの前記副面において、該第一辺縁部に位置して、該酸化ガス供給孔から鉛直方向に延び出す酸化ガス供給用接続凹所と、該酸化ガス排出孔から鉛直方向に延び出す酸化ガス排出用接続凹所とを形成すると共に、該酸化ガス供給用接続凹所を前記酸化ガス用溝の前記一方の端部に連通せしめる酸化ガス供給側貫通孔と、該酸化ガス排出用接続凹所を該酸化ガス用溝の前記他方の端部に連通せしめる酸化ガス排出側貫通孔とを、それぞれ該第一セパレータを板厚方向に貫通して形成したことを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ。

【請求項2】
固体高分子電解質膜の両面に酸化電極と燃料電極を配設した膜/電極接合体に対して該酸化電極に重ね合わされて該酸化電極の表面に酸化ガス流路を形成する第一セパレータと、該膜/電極接合体の該燃料電極に重ね合わされて該燃料電極の表面に燃料ガス流路を形成する第二セパレータとからなる、固体高分子型燃料電池用セパレータであって、
前記第一セパレータ及び前記第二セパレータにおいて、周辺縁部に位置して積層方向で連通せしめられる酸化ガス供給孔と酸化ガス排出孔,燃料ガス供給孔と燃料ガス排出孔,冷却水供給孔と冷却水排出孔を、少なくとも各一対形成する一方、
前記第一セパレータの前記酸化電極に重ね合わされる主面において、水平方向に延びる複数本の水平凹溝を鉛直方向に離隔して形成すると共にそれらの水平凹溝を端部で上下に接続することで少なくとも一往復以上の長さで葛折状に延びる酸化ガス用溝を複数形成して、それら各酸化ガス用溝の一方の端部を前記酸化ガス供給孔に接続すると共に他方の端部を前記酸化ガス排出孔に接続し、
前記第二セパレータの前記燃料電極に重ね合わされる主面において、水平方向に延びる複数本の水平凹溝を鉛直方向に離隔して形成すると共にそれらの水平凹溝を端部で上下に接続することで少なくとも一往復以上の長さで葛折状に延びる燃料ガス用溝を複数形成して、それら各燃料ガス用溝の一方の端部を前記燃料ガス供給孔に接続すると共に他方の端部を前記燃料ガス排出孔に接続し、
前記第一セパレータ又は前記第二セパレータにおける前記主面と裏側の副面において、少なくとも一本の冷却用溝を形成して、該冷却用溝の一方の端部を前記冷却水供給孔に接続すると共に他方の端部を前記冷却水排出孔に接続して、
記第一セパレータ及び前記第二セパレータにおいて水平方向で対向位置する第一辺縁部と第二辺縁部のうち、該各第二辺縁部の上端付近に前記燃料ガス供給孔を形成する一方、該各第二辺縁部の下端付近に前記燃料ガス排出孔をそれぞれ形成すると共に、該第二セパレータの前記副面において、該第二辺縁部に位置して、該燃料ガス供給孔から鉛直方向に延び出す燃料ガス供給用接続凹所と、該燃料ガス排出孔から鉛直方向に延び出す燃料ガス排出用接続凹所とを形成すると共に、該燃料ガス供給用接続凹所を前記燃料ガス用溝の前記一方の端部に連通せしめる燃料ガス供給側貫通孔と、該燃料ガス排出用接続凹所を該燃料ガス用溝の前記他方の端部に連通せしめる燃料ガス排出側貫通孔とを、それぞれ該第セパレータを板厚方向に貫通して形成したことを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ。

【請求項3】
固体高分子電解質膜の両面に酸化電極と燃料電極を配設した膜/電極接合体に対して該酸化電極に重ね合わされて該酸化電極の表面に酸化ガス流路を形成する第一セパレータと、該膜/電極接合体の該燃料電極に重ね合わされて該燃料電極の表面に燃料ガス流路を形成する第二セパレータとからなる、固体高分子型燃料電池用セパレータであって、
前記第一セパレータ及び前記第二セパレータにおいて、周辺縁部に位置して積層方向で連通せしめられる酸化ガス供給孔と酸化ガス排出孔,燃料ガス供給孔と燃料ガス排出孔,冷却水供給孔と冷却水排出孔を、少なくとも各一対形成する一方、
前記第一セパレータの前記酸化電極に重ね合わされる主面において、水平方向に延びる複数本の水平凹溝を鉛直方向に離隔して形成すると共にそれらの水平凹溝を端部で上下に接続することで少なくとも一往復以上の長さで葛折状に延びる酸化ガス用溝を複数形成して、それら各酸化ガス用溝の一方の端部を前記酸化ガス供給孔に接続すると共に他方の端部を前記酸化ガス排出孔に接続し、
前記第二セパレータの前記燃料電極に重ね合わされる主面において、水平方向に延びる複数本の水平凹溝を鉛直方向に離隔して形成すると共にそれらの水平凹溝を端部で上下に接続することで少なくとも一往復以上の長さで葛折状に延びる燃料ガス用溝を複数形成して、それら各燃料ガス用溝の一方の端部を前記燃料ガス供給孔に接続すると共に他方の端部を前記燃料ガス排出孔に接続し、
前記第一セパレータ又は前記第二セパレータにおける前記主面と裏側の副面において、少なくとも一本の冷却用溝を形成して、該冷却用溝の一方の端部を前記冷却水供給孔に接続すると共に他方の端部を前記冷却水排出孔に接続して、
前記第一セパレータ及び前記第二セパレータにおいて水平方向で対向位置する第一辺縁部と第二辺縁部のうち、該各第一辺縁部の上端付近に前記酸化ガス供給孔を形成する一方、該各第一辺縁部の下端付近に前記酸化ガス排出孔をそれぞれ形成すると共に、該第一セパレータの前記副面において、該第一辺縁部に位置して、該酸化ガス供給孔から鉛直方向に延び出す酸化ガス供給用接続凹所と、該酸化ガス排出孔から鉛直方向に延び出す酸化ガス排出用接続凹所とを形成すると共に、該酸化ガス供給用接続凹所を前記酸化ガス用溝の前記一方の端部に連通せしめる酸化ガス供給側貫通孔と、該酸化ガス排出用接続凹所を該酸化ガス用溝の前記他方の端部に連通せしめる酸化ガス排出側貫通孔とを、それぞれ該第一セパレータを板厚方向に貫通して形成して、更に、
前記第一セパレータ及び前記第二セパレータにおいて水平方向で対向位置する第一辺縁部と第二辺縁部のうち、該各第二辺縁部の上端付近に前記燃料ガス供給孔を形成する一方、該各第二辺縁部の下端付近に前記燃料ガス排出孔をそれぞれ形成すると共に、該第二セパレータの前記副面において、該第二辺縁部に位置して、該燃料ガス供給孔から鉛直方向に延び出す燃料ガス供給用接続凹所と、該燃料ガス排出孔から鉛直方向に延び出す燃料ガス排出用接続凹所とを形成すると共に、該燃料ガス供給用接続凹所を前記燃料ガス用溝の前記一方の端部に連通せしめる燃料ガス供給側貫通孔と、該燃料ガス排出用接続凹所を該燃料ガス用溝の前記他方の端部に連通せしめる燃料ガス排出側貫通孔とを、それぞれ該第二セパレータを板厚方向に貫通して形成したことを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ。

【請求項4】
前記第一セパレータと前記第二セパレータのそれぞれの前記副面に形成された前記酸化ガス供給用接続凹所,前記酸化ガス排出用接続凹所,前記燃料ガス供給用接続凹所,前記燃料ガス排出用接続凹所の各位置を、相互に水平方向で異なるように設定した請求項3に記載の固体高分子型燃料電池用セパレータ。

【請求項5】
固体高分子電解質膜の両面に酸化電極と燃料電極を配設した膜/電極接合体に対して、該酸化電極の表面に第一セパレータを重ね合わせると共に、該燃料電極の表面に第二セパレータを重ね合わせて、該酸化電極と該第一セパレータの重ね合わせ面間に酸化ガス流路を形成すると共に、該燃料電極と該第二セパレータの重ね合わせ面間に燃料ガス流路を形成した単セルを用い、かかる単セルの複数を積層状態で重ね合わせることによって形成された固体高分子型燃料電池において、
前記第一セパレータおよび前記第二セパレータとして請求項1乃至4の何れかに記載のものを採用したことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
国際特許分類(IPC)
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画像

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出願権利状態 登録


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