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ベシクルの製造方法、この製造方法によって得られるベシクル、ベシクルの製造に用いられる凍結粒子の製造方法 コモンズ 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P110004812
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-053089
公開番号 特開2008-212813
登録番号 特許第4009733号
出願日 平成19年3月2日(2007.3.2)
公開日 平成20年9月18日(2008.9.18)
登録日 平成19年9月14日(2007.9.14)
発明者
  • 市川 創作
  • 黒岩 崇
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 ベシクルの製造方法、この製造方法によって得られるベシクル、ベシクルの製造に用いられる凍結粒子の製造方法 コモンズ 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要


【課題】 粒径など所望の物性を制御しつつ、所望の物質の高い内包率が達成できるベシクルの製造方法を提供する。
【解決手段】 内包させる物質を溶解あるいは懸濁状態で含む水溶液と、乳化剤を含む油相とからW/Oエマルションを作成し、次いで、前記W/Oエマルションの水溶液が凍結粒子となり油相は液体の状態を維持する温度まで冷却して油相を除去し、この後、前記凍結粒子にベシクル構成脂質を含む油相を添加し、攪拌することで凍結粒子表面の乳化剤をベシクル構成脂質に置換し、そして、脂質膜によって表面が覆われた凍結粒子に外水相を添加し、外水相と脂質膜とを水和させる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


ベシクルはリポソームとも言われ両親媒性の脂質分子により形成される閉鎖小包体であり、研究用のモデル細胞膜やDDS製剤およびマイクロリアクターなどの様々な用途への利用が期待されている。



ベシクル作製法の一例として、固体表面上に形成した脂質薄膜を水和する方法がある。例えば、ガラス基材上に脂質薄膜を形成し、これに水溶液を加えて激しく振盪することで、ベシクルを調製することができる。しかし、この方法で得られるベシクルの粒径は一般に不均一であり、また所望の物質のベシクル内への内包効率は極めて低い。さらに、粒径がマイクロメートルスケールの大きなベシクルを調製することは困難である。



一方、大きなベシクルの作製に頻繁に用いられている方法として、非特許文献1に開示されるエレクトロフォーメーション法が知られている。この方法は、白金電極上に形成した脂質薄膜に水溶液中で電圧を印加して脂質薄膜の水和を行うことで直径数十μm~数百μm程度のベシクルを作製するものである。



一方、内包率が比較的高いベシクルを作成する手法として、エマルションを利用する方法が非特許文献2に提案されている。
ここで、本発明では、ベシクルに内包される物質を「内包物質」と呼び、「内包率」とは、最終的に得られたベシクル懸濁液全体に含まれる内包物質のうち、ベシクルに内包されたものの割合をパーセントで表したものである。また、「平均粒径」とは、ベシクル粒径の数分布において、個数基準の幾何平均として算出される粒径を指す。



また特許文献1には高分子電解質溶液の周囲に電解質複合体からなるゲル層を形成するマイクロカプセルの製造方法が提案されている。この方法はマイクロチャネルの一方の側に所定の物質を内包した高分子電解質溶液(分散相)を、他方の側に当該高分子電解質溶液と反応してゲルを形成する溶液(連続相)を配置し、分散相に圧力を加えることで連続相に微細な粒子として分散相を送り込み、分散相表面での反応でゲル層を形成するようにしている。




【特許文献1】WO2004/026457

【非特許文献1】Wick et al.: Chemistry & Biology, Vol. 3. 277-285, 1996

【非特許文献2】Szoka et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 75, No. 9, 4194-4198, 1978



産業上の利用分野


本発明はベシクルの製造方法に関し、特にW/Oエマルションを基材とし、その内部水相に水溶性物質、固体粒子、あるいは細胞など種々の物質を内包し、平均粒径が数十nm~数百μmのベシクル(以下、「本発明ベシクル」ともいう)の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(1)~(5)の工程からなることを特徴とするベシクルの製造方法。
(1)内包させる物質を溶解あるいは懸濁状態で含む水溶液と、乳化剤を含む油相とからW/Oエマルションを作成する工程。
(2)前記W/Oエマルションの水溶液が凍結粒子となり、油相は液体の状態を維持する温度まで冷却する工程。
(3)前記凍結粒子にベシクル構成脂質を含む油相を添加し、攪拌することで凍結粒子表面の乳化剤をベシクル構成脂質に置換する工程。
(4)前記凍結粒子表面の乳化剤をベシクル構成脂質に置換した後に油相を除去する工程。
(5)脂質膜によって表面が覆われた凍結粒子に外水相を添加し、外水相と脂質膜とを水和させる工程

【請求項2】
以下の(1)~(3)の工程からなることを特徴とするベシクルの製造方法。
(1)内包させる物質を溶解あるいは懸濁状態で含む水溶液と、乳化剤として機能する脂質を含む油相とからW/Oエマルションを作成する工程。
(2)前記W/Oエマルションの水溶液が脂質膜によって表面が覆われた凍結粒子となり、油相は液体の状態を維持する温度まで冷却して油相を除去する工程。
(3)前記凍結粒子に外水相を添加し、外水相と凍結粒子表面の脂質膜とを水和させる工程

【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のベシクルの製造方法において、前記外水相を添加する際に、同じ脂質膜にて覆われた前記ベシクルよりも微細なベシクルを混合することを特徴とするベシクルの製造方法。

【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のベシクルの製造方法において、前記外水相を添加する際に、グリセロールなどの外水相の凝固点を下げる物質を添加することを特徴とするベシクルの製造方法。

【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のベシクルの製造方法において、前記油相の除去は減圧蒸発にて行い、この減圧蒸発及び引き続き行う水和に用いる容器内側は疎水化しておくことを特徴とするベシクルの製造方法。

【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のベシクルの製造方法にて製造されたことを特徴とするベシクル。

【請求項7】
以下の(1)~(4)の工程からなることを特徴とするベシクル製造するための凍結粒子の製造方法。
(1)内包させる物質を溶解あるいは懸濁状態で含む水溶液と、乳化剤を含む油相とからW/Oエマルションを作成する工程。
(2)前記W/Oエマルションの水溶液が凍結粒子となり、油相は液体の状態を維持する温度まで冷却する工程。
(3)前記凍結粒子にベシクル構成脂質を含む油相を添加し、攪拌することで凍結粒子表面の乳化剤をベシクル構成脂質に置換する工程。
(4)前記凍結粒子表面の乳化剤をベシクル構成脂質に置換した後に油相を除去する工程。

【請求項8】
以下の(1)及び-(2)の工程からなることを特徴とするベシクルを製造するための凍結粒子の製造方法。
(1)内包させる物質を溶解あるいは懸濁状態で含む水溶液と、乳化剤として機能する脂質を含む油相とからW/Oエマルションを作成する工程。
(2)前記W/Oエマルションの水溶液が脂質膜によって表面が覆われた凍結粒子となり、油相は液体の状態を維持する温度まで冷却して油相を除去する工程。
産業区分
  • 処理操作
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007053089thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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