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通信システム、通信システムにおける中継端末および通信方法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P110004845
整理番号 04-101JP01
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-508027
登録番号 特許第4737694号
出願日 平成18年1月20日(2006.1.20)
登録日 平成23年5月13日(2011.5.13)
国際出願番号 JP2006301272
国際公開番号 WO2006098088
国際出願日 平成18年1月20日(2006.1.20)
国際公開日 平成18年9月21日(2006.9.21)
優先権データ
  • 特願2005-073546 (2005.3.15) JP
発明者
  • 藤井 威生
  • 児島 江里奈
出願人
  • 国立大学法人電気通信大学
発明の名称 通信システム、通信システムにおける中継端末および通信方法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要

無線端末のパケット伝送において、マルチホップ通信でのダイバーシチ利得で特性の改善を図りつつ、なおかつ無駄な再送による電力の消費を抑えることができる通信システム、通信システムにおける中継端末および通信方法を提供する。
送信端末Sが1回目にパケットを送信する際、中継端末R1~R13は、パケットを受信した全端末において再送によるデータ伝送を実行する。
送信端末Sが2回目以降にパケットを送信する際に、中継端末は、パケット送信における中継と、返りのACK(またはNACK)中継のホップ数から、中継端末自身の貢献度を判定する。そして、貢献度の高い中継端末は「中継モード」、貢献度の低い中継端末は「休止モード」として自律的に決定する。

従来技術、競合技術の概要
【0002】
近年、基地局や有線網などの特定のインフラに頼らず、複数の無線端末が相互に通信を行うアドホックネットワークが注目されている。アドホックネットワークでは、互いの通信範囲内の端末同士では直接通信を行う一方、直接通信できない端末同士では、通信を中継する端末を中継したマルチホップ通信を行うことにより、柔軟かつ容易にネットワークを構築することができる。
【0003】
マルチホップ通信に関する技術の例として、伝送する通信回線の特徴により伝送に係るパケットのサイズを決定することによって、ビットエラー率の低減と通信効率の向上を図ることのできるものがある(例えば、特開2003-209577号公報参照)。
【0004】
一般に、ある端末(送信端末)が遠方の目的端末と、他の端末を介して通信を行う場合、中継端末が次に通信を行う端末を決めることで通信経路を決定するルーティングが必要となる。無線を用いたアドホックネットワークでは、端末の移動や接続切断などによりネットワーク情報が刻々と変化するため、任意の送信端末と目的端末の間の通信を効率よく行う上でのルーティング方式は複雑となり、多くの課題がある。
【0005】
そこで、無線を用いたアドホックネットワークにおいては、目的端末で誤りが発生した場合、目的端末から送信端末に向けてARQ(Automatic Repeat reQuest:自動再送要求)を行い、このARQに応じて、送信端末と中継端末とから一斉に再送を行うことで、ルーティングなしの通信を可能とする方式が提案されている。
【0006】
ARQに関する技術の例として、信号の受信には失敗したがその際に取得している各種情報と、ARQにより再送信された元の同じ信号とを結合させるというものがある(例えば、特表2001-518725号公報参照)。
【0007】
ところで、マルチホップ通信が必要となる環境において、送信端末と目的端末との距離が離れている場合や、フェージングによる電力の落ち込みが発生した場合、通常のマルチホップ通信を行うとパケットに誤りが発生し、特性が大幅に劣化することがある。
【0008】
上記の特性劣化を改善する方法の一つとして、複数のアンテナを用いてパケットを送信するアンテナダイバーシチ技術が知られている。この送信アンテナダイバーシチ技術の一つとして、STBC(Space-Time Block Code:時空間ブロック符号化)が知られている。これは、異なる符号化を施して複数の送信アンテナからそれぞれ同時にパケットを送信することで、受信側においてダイバーシチ利得を得るものである。図7(A)は2つの送信アンテナを用いたSTBC通信システムの構成例である。
【0009】
図7(A)では、情報源71からSTBC機能を備えた送信端末72に複素信号(シンボル)S0,S1,・・・が送られる。送信端末72では、連続する2つのシンボルS0,S1から、図7(B)に示すような第1のSTBC送信パターン(パターン1:S0,パターン2:S1)および第2の送信パターン(パターン1:-S1*,パターン2:S0*)を作成し、パターン1の信号S0,S1*をアンテナ731から、パターン2の信号S1,S0*をアンテナ732から送信する。受信端末74では、図7(A)の式に示すように、重み付け合成を行い最大比合成(MRC)と同等のダイバーシチ利得を得ることができる。
【0010】
アドホックネットワークにおいてダイバーシチ利得を得る場合、一つの端末に複数のアンテナを用意するのは、端末の小型化が求められるため難しい。そこで、周囲に分散して存在する端末(分散端末)を活用し、それぞれの端末をアンテナダイバーシチブランチとしてパケットを同時に送信することで、STBCにおけるダイバーシチ利得を得る方法が提案されている(例えば、児島江里奈、藤井威生、神谷幸宏、鈴木康夫「OFDMアドホックネットワークのためのSTBCを用いた分散ARQ」,信学技報,2004年6月,RCS2004-77,pp.7-12参照)。STBCでは、送信側でチャネルの情報を必要とせず、また分散端末での送信時に端末間で位相の共有が必要にならないというメリットもある。図8に複数端末によるSTBCのモデルを示す。
【0011】
アドホックネットワークのための、STBCを用いた端末分散ARQによる信号の送受信概略図を図9に、時間経過による信号の伝送状況の例を図10に示す。なお、通信方式には、ARQによる再送時の端末間のタイミングオフセットなどを考慮して、ガードインターバル(GI:Guard Interval)によるタイミング誤差の影響低減効果のあるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を用いる。
まず、パケット送信時における、送信端末Sおよび中継端末Rn(n=1,2,3・・・)の動作を図11に示す。送信端末Sが目的端末Dに向けてパケットを送信すると(ステップSa1)、受信待機状態(ステップSb1)である中継端末Rnはこれを受信し(ステップSb3)、仮復調を行う(ステップSb5)。
【0012】
誤りなしで復調を行った場合(ステップSb7で「Yes」)、中継端末Rはパケットの再送を待機する(ステップSb9)。復調に誤りがあった場合(ステップSb7で「No」)、ステップSb1の受信待機状態に戻る。また、パケットの再送待機の時間が規定時間を経過した場合は(ステップSb11で「No」)、処理を終了する。
【0013】
一方、送信端末Sは、一定時間内に受信端末DからのACK(Acknowledgement)を受信しているか否か判断する(ステップSa3)。送信端末SがNACK(Negative Acknowledgement)を受信している場合、あるいは一定時間を過ぎても送信端末SがACKを受信していない場合(ステップSa3で「No」)、送信端末Sは、規定再送回数以下のパケットの送信回数であれば(ステップSa5で「Yes」)、パケット再送の回数(r回とする)と同じ数の再送用制御信号を送信する(ステップSa7)。例えば、パケット再送の回数が2回目ならば、再送用制御信号は2つ送信する。
【0014】
規定再送回数を超える場合(ステップSa5で「No」)、パケットを破棄し処理を終了する。
ここで、再送用制御信号には、送信端末Sのアドレス、目的端末Dのアドレス、パケットID、再送タイミング用ビット、送信回数、最大再送回数等を含んでいる。
【0015】
中継端末Rnが最初に受信した再送用制御信号が,送信端末SからN回目の送信であるとすると、現在のパケット再送回数がr回の時(ステップSb13で「Yes」)、中継端末Rnは送信された再送用制御信号に含まれる情報をチェックし、あらかじめ中継端末Rnに保存しておいた送信回数情報を更新する(ステップSb15)。この再送用制御信号に、ステップSb3で受信して中継端末Rnで保持しているパケットのIDが含まれている場合、中継端末Rnは再送タイミングを同期させ、送信端末Sからの制御信号を(r-N)回、目的端末Dまたは他の中継端末Rm(n≠m,m=1,2,3・・・)に送信する(ステップSb17)。
【0016】
次に、送信端末Sと、ステップSb3で送信端末Sからのパケットを受信した中継端末Rnの両者は、目的端末Dまたは他の中継端末Rmに向けて一斉に再送パケットを送信する(ステップSa9,Sb19)。このとき、送信端末Sと中継端末RnはSTBCの2つの送信パターンを自律的に選択して送信する。送信端末Sと中継端末Rnの両方から、STBCを用いた再送パケットを受信した中継端末Rmまたは目的端末Dは、STBCのパターン毎にチャネル推定値を分離し、重み付け合成を行い復調する。
【0017】
そして、送信端末SはステップSa3の動作に、中継端末RnはステップSb9の動作に戻る。
【0018】
次に、ACK送信時における目的端末Dおよび中継端末Rmの動作を図12に示す。
【0019】
目的端末Dはパケットを受信し(ステップSc1)、パケットに誤りがあった場合(ステップSc3で「Yes」)、送信端末Sに向けてNACKを送信する(ステップSc5)。パケットに誤りがなかった場合(ステップSc3で「No」)、目的端末Dは送信端末Sに向けてACKを送信する(ステップSc7)。
このACK、NACKの中継は、制御信号の中継の逆を行う。パケットがr回の再送で目的端末Dに届いた場合、目的端末はACKまたはNACKを(r+1)回送信する。
【0020】
送信されたACKまたはNACKをM回目で受信した(ステップSd1)中継端末Rmは、(r+1-M)回の送信を行って送信端末SまでのACKまたはNACKの中継を行う(ステップSd3)。
産業上の利用分野
【0001】
本発明は、送信端末から目的端末までパケットデータを送信する際に、中継端末で通信の中継を行う通信システム、中継端末および通信方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 送信端末から目的端末まで、少なくともひとつの中継端末で中継を行ってパケットデータを送信する通信システムにおいて、
前記送信端末が、パケットデータを前記目的端末に向けて送信する第1の送信手段と、
前記目的端末から送信された、前記第1の送信手段で送信したパケットデータに対する応答信号を受信する受信手段と、
前記応答信号の有無、種類により、送信端末および目的端末の情報やパケットデータの情報を含む制御信号を送信する第2の送信手段とを有し、
前記第1の送信手段が、前記第2の送信手段で制御信号を送信後、前記パケットデータを再送する手段をさらに有し、
前記目的端末が、前記第1の送信手段によって送信されたパケットデータに対する応答信号を、前記送信端末に向けて送信する第3の送信手段を有し、
前記中継端末が、前記パケットデータを受信し、該パケットデータを前記目的端末または他の中継端末へ送信する第1の中継手段と、
前記受信手段により受信した前記応答信号を前記送信端末または他の中継端末へ送信する第2の中継手段と、
前記第1の中継手段により中継送信したパケットデータの中継送信回数と、前記第2の中継手段により中継送信した応答信号の中継送信回数とから、当該中継端末の貢献度を数値により判定する判定手段とを有し、
前記判定手段により、前記貢献度が高いすなわち当該貢献度の数値が所定のしきい値に達しまたは超えたと判断した場合、前記中継端末は引き続きパケットデータの送信を行う中継モードとし、
前記貢献度が低いすなわち当該貢献度の数値がしきい値に達しないまたは超えないと判断した場合、前記中継端末はパケットデータの中継を行わない休止モードとする
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】 前記中継モードおよび休止モードは、前記送信端末からのパケットデータの送信が行われるたびに前記判定手段によって決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】 前記第1の送信手段により再送するパケットデータと、前記第1の中継手段により送信するパケットデータとでSTBC符号化を行い、パケットデータを送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】 前記中継端末が、前記第1の中継手段で受信する際に誤りの発生したパケットデータを記憶する記憶手段と、前記第1の送信手段によって前記送信端末から再送するパケットデータと前記記憶手段に記憶している誤りの発生したパケットデータとを合成する合成手段とを有し、前記第1の送信手段により前記送信端末からさらに再送するパケットデータと、前記中継端末が前記合成手段により合成したパケットデータとでSTBC符号化を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】 前記目的端末からの応答信号の種類が、パケットデータを誤りなく受信した場合はACK信号、パケットデータに誤りがある場合はNACK信号であり、前記第2の送信手段が、前記目的端末からの応答信号を受信していない場合、または前記応答信号の種類がNACK信号であった場合に、制御信号を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】 送信端末から目的端末へ送信するパケットデータを中継する中継端末において、
前記送信端末から送信されたパケットデータを受信し、該パケットデータを前記目的端末または他の中継端末へ送信する第1の中継手段と、
前記目的端末から送信された応答信号を受信し、該応答信号を送信端末または他の中継端末へ送信する第2の中継手段と、
前記第1の中継手段により中継送信したパケットデータの中継送信回数と、前記第2の中継手段により中継送信した応答信号の中継送信回数とから、当該中継端末の貢献度を数値により判定する判定手段とを有し、
前記判定手段により、前記貢献度が高いすなわち当該貢献度の数値が所定のしきい値に達しまたは超えたと判断した場合、引き続きパケットデータの中継を行う中継モードとし、
前記貢献度が低いすなわち当該貢献度の数値がしきい値に達しないまたは超えないと判断した場合、パケットデータの中継を行わない休止モードとする
ことを特徴とする中継端末。
【請求項7】 前記中継モードおよび休止モードは、前記送信端末からのパケットデータの送信が行われるたびに前記判定手段により決定する
ことを特徴とする請求項6に記載の中継端末。
【請求項8】 前記第1の中継手段で受信する際に誤りの発生したパケットデータを記憶する記憶手段と、
前記送信端末から送信されるパケットデータと前記記憶手段に記憶している誤りの発生したパケットデータとを合成する合成手段とを有する
ことを特徴とする請求項6に記載の中継端末。
【請求項9】 送信端末から目的端末まで、少なくともひとつの中継端末で中継を行ってパケットデータを送信する通信方法において、
前記送信端末が、パケットデータを前記目的端末に向けて送信するステップと、送信したパケットデータに対する応答信号を受信するステップと、
前記応答信号の有無、種類により、送信端末および目的端末の情報やパケットデータの情報を含む制御信号を送信するステップと、
前記制御信号を送信後、送信したパケットデータを再送するステップとを有し、前記目的端末が、送信されたパケットデータに対する応答信号を、前記送信端末に向けて送信するステップを有し、
前記中継端末が、
前記パケットデータを受信し、該パケットデータを前記目的端末または他の中継端末へ送信するステップと、
前記応答信号を受信し、該応答信号を前記送信端末または他の中継端末へ送信するステップと、
中継送信したパケットデータの中継送信回数と、中継送信した応答信号の中継送信回数とから、当該中継端末の貢献度を数値により判定するステップとを有し、
前記貢献度を判定するステップにおいて、前記貢献度が高いすなわち当該貢献度の数値が所定のしきい値に達しまたは超えたと判断した場合、引き続きパケットデータの中継を行う中継モードとし、
前記貢献度が低いすなわち当該貢献度の数値がしきい値に達しないまたは超えないと貢献度の数値がしきい値に達しないまたは超えないと判断した場合、パケットデータの中断を行わない休止モードとする
ことを特徴とする通信方法。
産業区分
  • 電信
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中


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