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プリオン病感染因子のスクリーニング方法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P110004871
整理番号 K089-395
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2001-024279
公開番号 特開2002-228665
登録番号 特許第3421744号
出願日 平成13年1月31日(2001.1.31)
公開日 平成14年8月14日(2002.8.14)
登録日 平成15年4月25日(2003.4.25)
発明者
  • 北本 哲之
  • 三好 一郎
  • 毛利 資郎
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 プリオン病感染因子のスクリーニング方法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要 血液製剤等の医薬品、食品、化粧品等のプリオンによる感染の有無を迅速に決定するために、動物モデル等によるCJD等のヒトプリオン病感染因子の早期検出が必要とされている。非ヒト動物の濾胞樹状細胞(FDC)における異常プリオンタンパク質の沈着を指標とすることを特徴とする、サンプル中のヒトまたはヒト以外のプリオン病感染因子のスクリーニング方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要 クロイツヘルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jacob病、以下CJDと略す)は、神経難病の一つであり、初老期に痴呆をきたす疾患である。発病すると、患者は約3-5ヶ月後にはいわゆる寝たきりの植物状態となりやがて死に至る。CJDに対する有効な治療法はなく、対症療法のみ行われているのが現状である。CJDは、単なる痴呆をきたす神経変性疾患という側面だけでなく、ヒトからヒトへ、または動物から動物へ感染することが知られている。ヒトの脳を食べることによって感染したと考えられているkuru病、成長ホルモン製剤によって感染したCJD、最近問題となっている硬膜移植後のCJD等がヒトからヒトへの感染の例である。また、イギリスで問題となっている新変異型CJD(new variant CJD, nvCJD)は牛海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy、BSEと略す。一般的には狂牛病と呼ばれている)のウシからヒトへの感染と考えられている。1982年、CJDの感染因子はタンパク質性のものであるという仮説から、プリオンという感染因子が命名された。1985年には感染因子プリオンを構成するプリオンタンパク質の遺伝子がクローニングされた。この結果、プリオンタンパク質は正常な動物の脳でも発現しており、発病した患者においては、正常型プリオンタンパク質とは明確に区別可能な異常型プリオンタンパク質が沈着していることが明らかになった。現在、ヒトにおけるプリオンの異常に起因するいわゆるプリオン病として、上記kuru病、CJDの他、Gerstmann-Straussler症候群(GSSと略す)、致死性家族性不眠症(Fatal familial insomnia;FFIと略す)が知られている。ヒトの場合、プリオンタンパク質は253個のアミノ酸から構成されており(配列番号2)、N末端の22アミノ酸からなるシグナル配列、C末端の23アミノ酸が除去された後、糖脂質GPI(Glycosyl-phosphatidyl-inositol)を介して細胞膜表面上に結合しているタンパク質である(配列番号3)。一方、1989年にプリオンタンパク質遺伝子の変異が発見され、家族性であるGSSや家族性のCJDがプリオンタンパク質のアミノ酸1個の変異のみで発病することが見出され、プリオンタンパク質がCJDにおいて重要な役割を持っていることが明らかとなった。また、上記nvCJDは、若年(10代から30代)で発病し、他のCJDで知られている中枢神経系における異常型プリオンタンパク質の沈着だけでなく、他のCJDでは認められなかったリンパ装置の濾胞樹状細胞(Follicular Dendritic Cell:FDC)への沈着も認められることが報告された(Hill A.F.ら、Lancet 1997, 349:99-100)。nvCJDは、キャリアー患者の存在がどの程度であるかが不明であり、イギリスにおいては血液製剤をイギリスの自国の血液で供給することを禁止する程の深刻な問題となっている。その理由の一つとして、同一種におけるプリオンの伝播(感染)は容易であり、感染率が高く、また潜伏期間も短いのに対し、一つの種から別の種への移行には長期の潜伏期間が必要であり、感染率も非常に低いという事実が挙げられる。この種間障壁のために、動物モデル等を用いてCJD等のヒトプリオン病の感染因子の存在を検出することは非常に困難なものであった。例えば、上記nvCJDについて、ヒト型トランスジェニックマウスへの感染実験が試みられている(Hill, A.F.ら、Nature 1997 Oct 2;389(6650):448-50)が、発症までに長い潜伏期間(228日以上)を要し、成功率も高いものではなかった(56匹中25匹のみ成功)。最近、ウシ型のトランスジェニックマウスを用い、約250日の潜伏期間で感染したことが報告されている(Scott M.R.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96:15137-42)。また、試料中のプリオンの検出方法として、トランスジェニック動物を用いた系が報告されている(特表平11-510496号)が、マウスを用いた例では50日前後でのスクレイピーの発症が報告されているが、ヒトのプリオン病に関しては発症までに200日近くを要している。一方、本発明者等は、オートクレーブ法という新しい免疫染色法を用いてCJD患者及びCJD感染マウスの中枢神経のシナプスに異常プリオンタンパク質が沈着することを証明した(Kitamoto, T.ら、Am. J. Pathol. 140:1285-1294 (1992);Muramoto, T.ら、Am. J. Pathol. 140:1411-1420 (1992))。また、中枢神経系以外の細胞、FDCでも異常プリオンタンパク質が沈着することも発見した(Kitamoto, T.ら、J. Virol. 65:6292-6295 (1991))。FDCへの異常プリオンタンパク質の沈着は、マウスの発病よりずっと以前の段階から検出でき、発病前診断が可能である(Muramoto, T.ら、Am. J. Pathol. 140:1411-1420 (1992); Muramoto,T.ら、Am. J. Pathol. 143:1470-1479 (1993))。通常、感染因子(マウスプリオン)のマウスへの頭蓋内投与では、マウスは120-140日で発病するが、FDCへの異常プリオンタンパク質の沈着を指標とすると、投与30日後には感染因子を投与されたマウスの全てで検出が可能であった。
産業上の利用分野 サンプル中のヒトまたはヒト以外のプリオン病感染因子のスクリーニング方法、新規組み換えプリオンタンパク質、該タンパク質を発現するトランスジェニック動物及びノックイン動物
特許請求の範囲 【請求項1】 非ヒト動物の濾胞樹状細胞(FDC)における異常プリオンタンパク質の沈着を指標とすることを特徴とする、サンプル中のヒトまたはヒト以外のプリオン病感染因子のスクリーニング方法。
【請求項2】 該非ヒト動物がヒト化プリオンタンパク質遺伝子を発現するトランスジェニック動物であることを特徴とする、請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項3】 該非ヒト動物がヒト化プリオンタンパク質遺伝子を発現するノックイン動物であることを特徴とする、請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項4】 サンプルを該非ヒト動物に腹腔内、脳内、血管内、または経口投与することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
【請求項5】 FDCにおける異常プリオンタンパク質の沈着を、組織学的検出法、電気泳動法、及び/または結合アッセイによって検出することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
【請求項6】 FDCにおける異常プリオンタンパク質の沈着を、サンプル投与後14日~700日で検出することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
【請求項7】 ヒト化プリオンタンパク質が、非ヒト動物プリオンタンパク質遺伝子のエクソン3の一部をヒトプリオンタンパク質のエクソン3の一部と置換したものである、請求項1から6のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
【請求項8】 ヒト化プリオンタンパク質が、ヒトプリオンタンパク質におけるヒト特異的アミノ酸残基のうちC末端側の6残基が上記スクリーニングに使用する非ヒト動物プリオンタンパク質の対応するアミノ酸残基と置換したものである、請求項1から6のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
【請求項9】 ヒト化プリオンタンパク質が、配列番号6または7に示すアミノ酸配列を含むものである、請求項1から6のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
【請求項10】 非ヒト動物プリオンタンパク質遺伝子のエクソン3の一部をヒトプリオンタンパク質遺伝子のエクソン3の一部と置換した組み換え遺伝子によってコードされることを特徴とする、組み換えヒト化プリオンタンパク質。
【請求項11】 ヒトプリオンタンパク質におけるヒト特異的アミノ酸残基のうちC末端側の6残基が非ヒト動物プリオンタンパク質の対応するアミノ酸と置換したものである、組み換えヒト化プリオンタンパク質。
【請求項12】 配列番号6または7に示すアミノ酸配列を含む、組み換えヒト化プリオンタンパク質。
【請求項13】 請求項10から12のいずれか1項に記載のタンパク質をコードする遺伝子またはその断片。
【請求項14】 下記の(a)~(c)のヌクレオチド配列を含む遺伝子またはその断片。(a)配列番号4に示すヌクレオチド配列、(b)配列番号4に示すヌクレオチド配列と縮重関係にあるヌクレオチド配列、(c)(a)または(b)の配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るヌクレオチド配列であって、請求項10に記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
【請求項15】 請求項13または14に記載の遺伝子またはその断片を含有するベクター。
【請求項16】 請求項13または14に記載の遺伝子またはその断片が導入されたトランスジェニック動物。
【請求項17】 請求項13または14に記載の遺伝子またはその断片が導入されたノックイン動物。
【請求項18】 FDCにおいてヒト化プリオンタンパク質を発現することを特徴とするトランスジェニック動物。
【請求項19】 FDCにおいてヒト化プリオンタンパク質を発現することを特徴とするノックイン動物。
【請求項20】 脳及び/又はFDCにおいて請求項10から12のいずれか1項に記載のタンパク質を発現してなるトランスジェニック動物。
【請求項21】 脳及び/又はFDCにおいて請求項10から12のいずれか1項に記載のタンパク質を発現してなるノックイン動物。
【請求項22】 請求項10から12のいずれか1項に記載のタンパク質を発現するトランスジェニック動物の作出方法。
【請求項23】 請求項10から12のいずれか1項に記載のタンパク質を発現するノックイン動物の作出方法。
【請求項24】 以下の(a)~(f)の工程:(a)非ヒトプリオンタンパク質遺伝子またはその断片を含むベクターを構築し、(b)上記非ヒトプリオンタンパク質遺伝子のエクソン3の一部をヒトプリオンタンパク質のエクソン3の一部と置換し、(c)3'非翻訳領域にloxpで囲まれた抗生物質耐性遺伝子を挿入し、(d)得られた改変ベクターを該非ヒトのES細胞に導入し、(e)相同組み換えの認められたクローンからキメラ動物を作成し、(f)F1動物の受精卵にCre酵素発現プラスミドを導入して抗生物質耐性遺伝子を削除する、ことを含む、請求項23に記載のノックイン動物の作出方法。
【請求項25】 請求項18若しくは20に記載のトランスジェニック動物、または請求項19若しくは21に記載のノックイン動物を使用することを特徴とする、ヒトまたはヒト以外のプリオン病の予防及び/または治療のための薬剤のスクリーニング方法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 畜産
  • 有機化合物
  • 微生物工業
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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