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鋳鉄の非破壊評価方法及び装置 コモンズ

国内特許コード P110004872
整理番号 P05021402-00JP00
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2002-061397
公開番号 特開2003-262618
登録番号 特許第4192230号
出願日 平成14年3月7日(2002.3.7)
公開日 平成15年9月19日(2003.9.19)
登録日 平成20年10月3日(2008.10.3)
発明者
  • 高木 敏行
  • 内一 哲哉
  • 阿部 利彦
  • セルギイ・コノプリュック
  • 黄 皓宇
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 鋳鉄の非破壊評価方法及び装置 コモンズ
発明の概要 (57)【要約】【課題】 渦電流を利用して、鋳鉄のチル化組織の有無、フェライト基地若しくはパーライト基地の判定又はフェライト/パーライト率の同定を正確に測定し、従来の非破壊検査の弱点を解決できる鋳鉄の非破壊評価方法及び非破壊評価装置を提供する。【解決手段】 鋳鉄のチル化組織の電磁的性質又はフェライト・パーライト相の電磁的性質の差異に基づいて、鋳鉄のチル化組織の有無、フェライト基地若しくはパーライト基地の判定又はフェライト/パーライト率の同定を渦電流の渦電流信号により検出することを特徴とする渦電流を用いた鋳鉄の非破壊評価方法。
従来技術、競合技術の概要
鋳鉄は、自動車(ガソリン車)用エンジン・部品、船舶用又は車両用ジーゼルエンジン、産業機械などの構造用材料として広く使用されている。
鋳鉄は、内部の黒鉛の形状から大きくねずみ鋳鉄(片状黒鉛鋳鉄)と球状黒鉛鋳鉄の2つに分けられる。前者は内部に片状黒鉛を多数含み、これが内部切り欠きとして作用し、一般に低強度で強度にばらつきを示す信頼性の低い材料である。しかし、鋳造性はよく、バランスのとれた工業的性質を持つため、広く鋳造材として使用されている一般向け材料である。
これに対して、後者は片状黒鉛を球状化したものであり、高強度かつ高靭性を示す。
【0003】
鋳鉄のマトリックスとなる基地の種類は、完全なパーライト地から完全なフェライト地があり、およその地の比率は製造条件により変えることができる。
一方のフェライト基地は、延性に優れ、鋳鉄材料の靭性を向上させるが、強度を低下させるという性質がある。他方、パーライト基地は硬く、鋳鉄材料の強度を上昇させるが、靭性を低下させるというフェライトとは反対の性質をもつ。
前記球状黒鉛又は片状黒鉛という黒鉛の形状とともに、鋳鉄中のフェライト基地とパーライト基地の面積比率は鋳鉄の機械的な性質を決める重要なパラメータである。
鋳鉄には、さらに製造過程で急冷される箇所に大きなセメンタイトFeC組織が発生する場合がある。このセメンタイト組織は、鋳鉄組織の中で最も硬くて脆くて割れやすい性質がある。従って、一般に強度の高い構造部材用鋳鉄には、チル化組織があれば不良品として扱われる。
【0004】
一般に製造工程が同一であれば殆ど同じ製品ができるものであるが、鋳造品の場合は、その製造上の性格から、かなり変動がある。このため、鋳造品は工程の管理を厳密にすると同時に、材質や欠陥存否の検査が重要である。
しかし、現在鋳造品の材質、欠陥に関する包括的な非破壊評価は確立しておらず、破壊試験に頼っているのが現状である。
以上から、鋳造品の製造法改良、品質保証、供用中検査を真の意味で実現するためには、簡便かつ信頼性のある非破壊評価手法を確立する必要がある。
このような中で、超音波鋳鉄評価を中心に鋳造欠陥検査および材質評価の技術開発が行われており、引張り強度と関係する黒鉛球状化率の評価は可能となった。
しかし、強度及び靭性に関係するフェライト/パーライト率、チル化組織の有無の評価については全く解決されていない。また、超音波試験による欠陥検出では、表面近傍の深さ5mm以内が不感帯となり、これも問題となっている。
ドイツにて開発されている電磁的手法として、高調波法に基づく磁性測定により鉄鋼材料の硬さを推定するものがある。しかし、このシステムは複雑であり、また取得できる情報は磁性に関係する材質に限定されている。
【0005】
このように、フェライト/パーライト率、チル化組織の有無に関する非破壊評価手法が確立していない現在、材質や機械特性を調べるためには切出し及び研磨による顕微鏡観察、押込み式の硬さ試験、引張り試験等を実施しなければならない。これらの試験は、製品を切断する、或いは製品に圧痕を残すといった破壊試験である。
従って、現状の検査技術では、多くの費用と労力を必要とするばかりでなく、実製品の全数検査が原理的に不可能であるという課題があり、非破壊評価手法の確立が待たれている。
一方、製品のフェライト/パーライト率、チル化組織の分布が非破壊で容易に把握できれば、製品結果を設計に容易に反映させることも可能である。材質評価が簡便に行うことが出来ない現在、鋳造品製造過程において材質をコントロールあるいは改良することは非常に難しい。
簡便な非破壊評価はこれまで難しかった製造過程へのフィードバックを容易にし、製造方法を最適化することが可能である。例えば、鋳鉄の軽量化といった製品の高性能化につながるものである。
産業上の利用分野
本発明は、渦電流を利用して、フェライト基地若しくはパーライト基地の判定又はフェライト/パーライト率の同定を正確に測定できる鋳鉄の非破壊評価方法及び非破壊評価装置に関する。
なお、本明細書で使用する「非破壊評価」は、通常単なる傷又は欠陥等の存在を検知する意味で使用されている非破壊検査又は探傷という意味だけでなく、鋳鉄固有の組織の量的割合を測定する意味において使用する。
したがって、「非破壊評価」は非破壊検査又は探傷を含む概念で使用するものであり、検査又は探傷のみを目的とする場合には、非破壊検査又は探傷という言葉に置換えることもできる。
特許請求の範囲 【請求項1】 被検査体である鋳鉄のフェライト・パーライト相の電磁的性質の差異に基づいてフェライト基地若しくはパーライト基地の判定又はフェライト/パーライト率の同定を、それぞれ渦電流によるインピーダンスの変化、誘導起電力又は磁束密度の電磁気的情報を渦電流信号として検出し、当該渦電流を用いて鋳鉄の非破壊評価を行うに際して、被検査体である鋳鉄とプローブ間の距離及び10kHzから1MHzの間でコイル励起周波数を調節することにより被検査体である鋳鉄に渦電流を誘起させると共に、誘起した渦電流を検出し、この渦電流信号に基づいて検量線を求め、この検量線との対比から新たな被検査体である鋳鉄のフェライト基地若しくはパーライト基地の判定又はフェライト/パーライト率の同定を行うことを特徴とする鋳鉄の非破壊評価方法。
【請求項2】 2個以上のプローブを用いて複数の周波数により測定することを特徴とする請求項1記載の渦電流を用いた鋳鉄の非破壊評価方法。
【請求項3】 多数の鋳鉄のフェライト/パーライト率と渦電流信号との相関を調べた検量線をデータ-ベースとして保存するとともに、個々の鋳鉄の渦電流による渦電流信号を測定して、前記保存されたデータ-ベースの検量線との対比から、鋳鉄のチル化組織の有無若しくは量又はフェライト/パーライトの有無若しくは量を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の渦電流を用いた鋳鉄の非破壊評価方法。
【請求項4】 パーライト率と硬度、引張強さ又は靭性との相関から、鋳鉄の硬さ、引張強さ又は靭性を求めることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の渦電流を用いた鋳鉄の非破壊評価方法。
【請求項5】 一方で超音波により鋳鉄内の黒鉛形状である球状化率を測定するとともに、他方でフェライト/パーライト率を測定することにより、鋳鉄の引張強さ、硬さ又は靭性を求めることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の鋳鉄の非破壊評価方法。
【請求項6】 請求項1~5のいずれかに記載する鋳鉄の非破壊評価方法に用いる渦電流を用いた鋳鉄の非破壊評価装置であって、プローブを被検査体である鋳鉄に、リフトオフ調節可能に配置したことを特徴とする渦電流を用いた鋳鉄の非破壊評価装置。
【請求項7】 2個以上のプローブを備え、複数の周波数により測定することを特徴とする請求項6記載の渦電流を用いた鋳鉄の非破壊評価装置。
【請求項8】 2個以上のプローブが、被検査体に対してタンデムに配置されていることを特徴とする請求項7記載の渦電流を用いた鋳鉄の非破壊評価装置。
産業区分
  • 試験、検査
  • 鋳造
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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