TOP > 国内特許検索 > 光制御素子

光制御素子 コモンズ

国内特許コード P110004939
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2004-215574
公開番号 特開2006-041013
登録番号 特許第4982838号
出願日 平成16年7月23日(2004.7.23)
公開日 平成18年2月9日(2006.2.9)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発明者
  • 向井 剛輝
出願人
  • 国立大学法人横浜国立大学
発明の名称 光制御素子 コモンズ
発明の概要

【課題】 光制御素子や発光素子において光子の横方向への導出入を可能とすること。
【解決手段】 発光素子、光制御素子は、所定の光波長の光共振域を備える微小な光共振器(誘電体領域4)と結合光導波路10とを一体に備えた構成とし、光共振器に対して結合光導波路を介して所定波長の光子を導入及び/又は導出する。下部電極5を含む基板2上に多層反射層3と誘電体領域4と上部電極6を順に層状に備え、誘電体領域4の少なくとも一つの側部に結合光導波路10を横方向に一体に備え、誘電体領域4は所定の光波長の光共振域を備える光共振器を形成する光共振器と結合光導波路とを一体形成することによって、光共振器からの光子の横方向への導出、及び光共振器への光子の横方向からの導入を行う。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


量子情報処理や量子暗号通信等においては単一光子の発光、制御が必要である。通常知られている光源を用いて単一光子を発生させるには、光源の出力を減衰させることが考えられる。しかしながら、通常の光源から発生される光の粒子数分布はポアソン分布に従うため、一つのパルス内に複数の光子が含まれる可能性がある。そのため、単一光子を制御することができる光学素子が求められている。



通常光場は連続的なモード密度を持つが、共振器構造によって光モードを離散化させることができる。従来、種々の光共振器が提案されている。例えば、内壁の全反射を繰り返すWhispering-Gallery(WG)モードにより高いQ値を持つ光共振モードを得る構成として、微粒子(Micro particle)やマイクロディスク(Micro disc)による光共振器が提案されている。上記構成の光共振器は、全反射を用いているため、外部への光の取り出しの点で問題がある。



また、上下の分布反射ミラー(DBR)で構成した微小光共振器(Micro cavity)構造として柱状構造(Pillar)のものが知られており、ドライエッチング等によって細い柱状構造に加工し、上下のDBRと横方向の空気との屈折率差によって、光場を3次元的に閉じこめている。図14(a)は柱状構造の一例であり、Cd0.88Zn0.12Teの基板100上に活性層102を挟んでCd0.40Zn0.60TeZnとCd0.75Zn0.25Teの積層101,103を柱状に重ねて生成する。(非特許文献1,2参照)。



柱状構造の共振器では、横方向の量子化をするために柱のサイズを小さくしていくと、構造の安定性の点や、ドライエッチングによる非発光再結合の増加の点で懸念がある。このような表面損傷を抑える観点から表面が結晶面によって自然形成される半導体の選択成長技術を用いてピラミッド構造を形成し、このピラミッド構造により光場を3次元的に閉じこめる光共振器も提案されている。図14(b)はピラミッド構造の一例であり、ピラミッド形状の共振器104はGaAs基板上に正方形マスクによりZnSを選択成長させることによって、ZnSの側面はGaAs基板の(001)表面から37°の角度に向いた等価な4つの{034}結晶面となる。(非特許文献2参照)。



また、長波長系のInAs量子ドットを含む周期的多層膜構造において、エッチング技術を用いてポスト型に形成した共振器が提案されている(非特許文献3参照)。この構成では、GaAs中の一つのInAs量子ドットをλ/4の厚さのGaAsとAlAsを交互に並べたDBRで、ドット層の上部に12組、下部に30組を配置した共振器構造として、三次元的に光子を閉じ込め、基板に垂直な方向に放射光が得られるように設計されている(非特許文献4、5参照)。




【非特許文献1】“Optical confinement in CdTe-based photonic dots” APPLIED PHYSICS LETTERS VOLUME80, NUMBER 8 (25 FEBRUARY 2002)

【非特許文献2】“Size Dependence of Confined Optical Modes in Photonic Quantum Dots” PHYSICAL REVIEW LETTERS VOLUME78, NUMBER 2 (13 JANUARY 1997)

【非特許文献3】“ワイドギャップ半導体量子ドットの自己形成とフォトニック・ドットの選択成長”電子科学研究Vol.7,1999、p1~p6

【非特許文献4】C.Santori,M/Pelton,G.Solomon,Y.Dale.andY.Yamamoto:Phys.Rev.Lett.,Vol.86,p.1502(2001)

【非特許文献5】「ナノエレクトロニクス」ナノテクノロジー基礎シリーズ p148,149 榊裕之、横山直樹 オーム社 2004.3.25

産業上の利用分野


本発明は、量子化された光子を制御する光制御素子、量子化された光子を発光する発光素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定の光波長の光共振域を備える光共振器と結合光導波路とを備え、前記光共振域を形成する誘電体領域の側面に前記結合光導波路を結合した形状に光半導体素子の製造工程によって一体生成し、
前記光共振器の横方向および上下の3次元方向におけるサイズはそれぞれ前記光共振域内に存在し得る光の所定波長の光波長程度であり、
前記光共振器の下面を除く外面を金属反射膜で被覆し、
前記光共振器に対して前記結合光導波路を介して量子化された所定波長の光子の導入及び/又は導出を、前記光共振器の上下方向のサイズを可変とすることによって制御することを特徴とする光制御素子。

【請求項2】
下部電極を含む基板上に多層反射層と誘電体領域と上部電極を順に層状に備え、
前記誘電体領域の少なくとも一つの側部に結合光導波路を横方向に一体に備え、
前記誘電体領域は所定の光波長の光共振域を備える光共振器を形成し、
前記誘電体領域の面内および上下の3次元方向におけるサイズはそれぞれ所定波長の光波長程度であり、
前記誘電体領域の下面を除く外面を金属反射膜で被覆し、
前記光共振器は、前記光共振器の上下方向のサイズを可変とすることによって光子を制御し、
前記結合光導波路は、光共振器に対して量子化された所定波長の光子を横方向に導入及び/又は導出することを特徴とする光制御素子。

【請求項3】
前記光共振器の外周に金属反射膜を設け、前記結合光導波路の外周には金属反射膜を設けないことを特徴とする、請求項1に記載の光制御素子。

【請求項4】
前記光共振器の光共振域において、光子が光共振器内で存在し得るエネルギー状態の共振モードを、当該光共振器の上下方向のサイズを可変とすることによって可変とし、
前記共振モードの変更によって、
前記光共振器内で発生した光子の当該光共振域内における存在を制御することによる発光、
及び/又は、
前記光共振器から取り出す光の波長を制御することを特徴とする、請求項1から3の何れか一つに記載の光制御素子。

【請求項5】
前記光共振器は前記誘電体領域と下層に設けた多層反射層とにより光共振域を形成し、
前記多層反射層における屈折率を可変とすることによって、前記光共振器の上下方向のサイズを可変として、共振モードを可変とし、発光、及び/又は光共振器から取り出す光の波長を制御することを特徴とする、請求項4に記載の光制御素子。

【請求項6】
前記共振モードは、
前記多層反射層への電流供給又は光照射による多層反射層の屈折率、又は前記多層反射層の温度を可変要素とすることを特徴とする、請求項5に記載の光制御素子。

【請求項7】
前記光共振器は前記誘電体領域と下層に設けた多層反射層とにより光共振域を形成し、
前記共振モードは、
多層反射層と誘電体領域との距離を可変要素とすることを特徴とする、請求項4に記載の光制御素子。

【請求項8】
前記共振モードは、前記温度を基準の可変要素とし、前記多層反射層の屈折率、又は多層反射層と誘電体領域との距離を個別の可変要素とすることを特徴とする、請求項4に記載の光制御素子。
産業区分
  • 固体素子
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2004215574thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
※ 掲載特許について詳しくお知りになりたい方はHPの「お問い合わせ」ページにてお問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close