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進化型画像自動分類装置、フィルタ構造生成方法、及びプログラム コモンズ

国内特許コード P110004959
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2006-035085
公開番号 特開2007-213480
登録番号 特許第4660765号
出願日 平成18年2月13日(2006.2.13)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
登録日 平成23年1月14日(2011.1.14)
発明者
  • 長尾 智晴
  • 森 喬顯
出願人
  • 国立大学法人横浜国立大学
発明の名称 進化型画像自動分類装置、フィルタ構造生成方法、及びプログラム コモンズ
発明の概要

【課題】画像から算出した特徴量群を用いた識別器(分類器ともいう。)による画像分類装置に係り、特徴量群算出部の前段に設けたフィルタ列を進化的計算により最適化させることにより、特徴量群算出部のインプット画像として、当該識別器による分類に適した変換画像データを得ることにより、画像の分類の精度を向上させることを課題とする。
【解決手段】識別器106を、学習用画像データをフィルタ列で変換した画像を入力して計算した特徴量群を入力し、学習用画像データの正解の分類を出力するように学習させる。そして、その識別器106を用いて評価用画像データをフィルタ列で変換した画像を入力して計算した特徴量群を入力し、分類結果を得て、正答率を算出する。そして、この正答率を適応度として用いて進化的計算により最適なフィルタ列を得る。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


近年工業製品製造ラインにおいて、機械によるオートメーション化が急速に進んでいる。検品ラインにおいても不良品の抽出を画像を用いてコンピュータで処理することにより自動化する取り組みがおこなわれている。しかし現状では疵を認識する際の条件を画像処理の熟練者が手動でプログラムを組むなど、多大なコストと時間が必要とされている。さま最近パターン認識の分野で高い汎化能力を示す学習方法が考案されているが、それらを適用してもなお人間の識別能力に及ばない。



そこで発明者の所属している研究室が提案している進化的画像処理とこれらのパターン認識の手法を組み合わせることにより、高い認識結果を得られる識別器の獲得を目指すのが本発明の目的である。進化的画像処理とは与えられた任意の画像処理を最適化問題として定式化し、その問題を進化的計算法によって解く考え方である。



パターン認識とは、認識対象がいくつかの概念に分類できるとき、観測されたパターンをそれらの概念のうちのひとつに対応させる処理である。たとえば数字の認識は入力パターンを0~9の10種類の数字のいずれかに対応させることが目的である。



パターンを認識する機械を実現するためには特徴量抽出と学習・識別のふたつの課程で行われる。特徴量抽出では認識対象から何らかの特徴量を計測・抽出し、それを数値化する。このような特徴量はまとめて特徴ベクトルx=(x1、x2、…、xMTとして表される。もし特徴ベクトルの選び方が適切ならば、同じクラスの特徴ベクトルは互いに似ており、異なるクラスの特徴ベクトルは互いに違っていると考えられる。ここで得られた特徴ベクトルからその対象がどのクラスに属するかを判定する識別方法を学習する。そのためにはまずクラスの帰属が既知の学習用のサンプル集合から特徴ベクトルとクラスとの確率的な対応関係を知識として学習することが必要である。このような学習は教師あり学習と呼ばれている。次に学習された特徴ベクトルとクラスとの対応関係に関する確率的知識を利用して、与えられた未知の認識対象の特徴からその認識対象がどのクラスに属していたかを決定する方式が必要となる。その際間違って識別する確率をできるだけ小さくすることが望ましい。この未知のデータに対する識別能力を汎化能力とよぶ。パターン認識の手法としてサポートベクタマシン(Support Vector Machine:SVM)を用いた。



SVMを用いた画像分類装置について説明する。図25は、従来技術における識別器の学習実行処理に係る構成を示す図である。学習用画像データ2502と学習用分類データ2502のセットである学習用画像分類データセット2501をL個用意し、特徴量群算出部2504で学習用画像データ2502から複数の特徴量を算出する。そしてこれらの特徴量群と学習用分類データ2503を対として識別器2505に入力する処理をL個の学習用画像分類データセットについて行ない、学習実行処理を行なう。



図26は、従来技術における識別器の分類実行処理に係る構成を示す図である。特徴量群算出部2504で判定用画像データ2601の特徴量群を算出し、その特徴量群を識別器2505に入力し、分類実行処理することにより、判定用画像データ2601の分類結果を得る。



このようにSVMを用いた画像分類において、分類の正答率を向上させる方法として2通りのアプローチがある。ひとつはSVMの入力として、目的とする分類に適した特徴量を選択すること、もうひとつは画像からより的確に特徴量を抽出することである。



既存の画像解析ソフトでは、1枚の画像から100を超える特徴量を得ることができる。これらの特徴量すべてをSVMに入力して分類することもできるが、実際には適切な入力特徴を選ぶことが汎化能力の向上につながる。逆に言えば特徴量を増やせば増やすほど汎化能力が向上するとは限らないのである。したがって目的とする分類に適した特徴量を用意することが重要になる。



また画像から特徴量を算出する際に、たとえば画像にノイズがのっていて対象とする物体を的確に抽出することができない場合などは特徴量の値も正確ではなくなり、分類に悪影響を及ぼすと考えられる。このようなことを解決するためには画像にあらかじめ画像フィルタを適用し、対象物体の特徴量を的確に抽出できるようにすることが考えられる。しかしながら現在画像処理の分野で用いられているフィルタの数は膨大であり、どのフィルタをどのような順序で適用すればよいかを人手で判断するのは非常に困難である。発明者の所属する研究室ではこのような問題をGAなどの進化計算法を用いて解決する進化的画像処理を提案している。進化的画像処理とはフィルタの構造をGAや遺伝的プログラミング(Genetic Programming; GP)に適用し、目的とする画像処理を自動構築するものである。

【特許文献1】特開2001-134763号公報

【特許文献2】特開2005-309535号公報

産業上の利用分野


本発明は、画像から算出した特徴量群を用いた識別器(分類器ともいう。)による画像の分類装置に係り、特徴量群算出部の前段に設けたフィルタ列を進化的計算により最適化させることにより、特徴量群算出部のインプット画像として、当該識別器による分類に適した変換画像データを得ることにより、画像の分類の精度を向上させる技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
画像の特徴量群から当該画像の分類を判定する機械学習による識別器に入力する特徴量群を算出する特徴量群算出部に入力する変換画像データを、変換対象の画像データを変換して生成するフィルタ群の構成を定義するフィルタ構造を個体として、世代毎に設けられる個体集団から、適応度に従って一部の個体群を選択し、選択した個体群に含まれる個体の生殖処理により世代交代させる進化的計算により、最適解あるいは実用解となる個体であるフィルタ構造を探索する進化型画像自動分類装置であって、以下の要素を有することを特徴とする進化型画像自動分類装置
(1)フィルタ構造を個体として、世代毎に個体集団を記憶する個体集団記憶部
(2)前記特徴量群算出部と前記識別器を有し、世代毎に、個体集団記憶部に記憶している個体集団に含まれる各個体であるフィルタ構造について、学習用画像データを変換対象として当該フィルタ構造に従って学習用の変換画像データを生成し、生成した学習用の変換画像データから特徴量群を算出し、学習用の変換画像データの特徴量群を入力して学習用画像データの正解の分類である学習用分類データを出力するように識別器を学習させ、評価用画像データを変換対象として前記フィルタ構造に従って評価用の変換画像データを生成し、生成した評価用の変換画像データから特徴量群を算出し、前記学習した識別器に、評価用の変換画像データの特徴量群を入力して分類結果を出力させ、分類結果が評価用画像データの正解の分類である評価用分類データと一致する正答率を算出し、算出した正答率を適応度として、各個体の適応度を算出する適応度計算部
(3)世代毎に、算出した適応度に従って個体集団から一部の個体群を選択する個体選択部
(4)世代毎に、選択した個体群に含まれる個体のフィルタ構造から次世代の個体となるフィルタ構造を生殖処理により生成し、生成したフィルタ構造群を次世代の個体集団として個体集団記憶部に記憶させる生殖部。

【請求項2】
フィルタ構造は、順次前段フィルタの出力画像データを入力して画像を変換する多段フィルタを示すフィルタ識別情報の列であることを特徴とする請求項1記載の進化型画像自動分類装置。

【請求項3】
進化型画像自動分類装置は、更に、実用解の条件となる適応度基準を、前記算出した適応度が越えた場合に、当該適応度のフィルタ構造を出力する学習個体出力部を有することを特徴とする請求項1記載の進化型画像自動分類装置。

【請求項4】
画像の特徴量群から当該画像の分類を判定する機械学習による識別器と、識別器に入力する特徴量群を算出する特徴量群算出部と、特徴量群算出部に入力する変換画像データを、変換対象の画像データを変換して生成するフィルタ群の構成を定義するフィルタ構造を個体として、世代毎に個体集団を記憶する個体集団記憶部とを有し、世代毎に設けられる個体集団から、適応度に従って一部の個体群を選択し、選択した個体群に含まれる個体の生殖処理により世代交代させる進化的計算により、最適解あるいは実用解となる個体であるフィルタ構造を探索する進化型画像自動分類装置によるフィルタ構造生成方法であって、以下の要素を有することを特徴とするフィルタ構造生成方法
(1)世代毎に、個体集団記憶部に記憶している個体集団に含まれる各個体であるフィルタ構造について、学習用画像データを変換対象として当該フィルタ構造に従って学習用の変換画像データを生成し、生成した学習用の変換画像データから特徴量群を算出し、学習用の変換画像データの特徴量群を入力して学習用画像データの正解の分類である学習用分類データを出力するように識別器を学習させ、評価用画像データを変換対象として前記フィルタ構造に従って評価用の変換画像データを生成し、生成した評価用の変換画像データから特徴量群を算出し、前記学習した識別器に、評価用の変換画像データの特徴量群を入力して分類結果を出力させ、分類結果が評価用画像データの正解の分類である評価用分類データと一致する正答率を算出し、算出した正答率を適応度として、各個体の適応度を算出する適応度計算工程
(2)世代毎に、算出した適応度に従って個体集団から一部の個体群を選択する個体選択工程
(3)世代毎に、選択した個体群に含まれる個体のフィルタ構造から次世代の個体となるフィルタ構造を生殖処理により生成し、生成したフィルタ構造群を次世代の個体集団として個体集団記憶部に記憶させる生殖工程。

【請求項5】
フィルタ構造は、順次前段フィルタの出力画像データを入力して画像を変換する多段フィルタを示すフィルタ識別情報の列であることを特徴とする請求項4記載のフィルタ構造生成方法。

【請求項6】
フィルタ構造生成方法は、更に、実用解の条件となる適応度基準を、前記算出した適応度が越えた場合に、当該適応度のフィルタ構造を出力する学習個体出力工程を有することを特徴とする請求項4記載のフィルタ構造生成方法。

【請求項7】
画像の特徴量群から当該画像の分類を判定する機械学習による識別器と、識別器に入力する特徴量群を算出する特徴量群算出部と、特徴量群算出部に入力する変換画像データを、変換対象の画像データを変換して生成するフィルタ群の構成を定義するフィルタ構造を個体として、世代毎に個体集団を記憶する個体集団記憶部とを有し、世代毎に設けられる個体集団から、適応度に従って一部の個体群を選択し、選択した個体群に含まれる個体の生殖処理により世代交代させる進化的計算により、最適解あるいは実用解となる個体であるフィルタ構造を探索する進化型画像自動分類装置となるコンピュータに、以下の手順を実行させるためのプログラム
(1)世代毎に、個体集団記憶部に記憶している個体集団に含まれる各個体であるフィルタ構造について、学習用画像データを変換対象として当該フィルタ構造に従って学習用の変換画像データを生成し、生成した学習用の変換画像データから特徴量群を算出し、学習用の変換画像データの特徴量群を入力して学習用画像データの正解の分類である学習用分類データを出力するように識別器を学習させ、評価用画像データを変換対象として前記フィルタ構造に従って評価用の変換画像データを生成し、生成した評価用の変換画像データから特徴量群を算出し、前記学習した識別器に、評価用の変換画像データの特徴量群を入力して分類結果を出力させ、分類結果が評価用画像データの正解の分類である評価用分類データと一致する正答率を算出し、算出した正答率を適応度として、各個体の適応度を算出する適応度計算手順
(2)世代毎に、算出した適応度に従って個体集団から一部の個体群を選択する個体選択手順
(3)世代毎に、選択した個体群に含まれる個体のフィルタ構造から次世代の個体となるフィルタ構造を生殖処理により生成し、生成したフィルタ構造群を次世代の個体集団として個体集団記憶部に記憶させる生殖手順。

【請求項8】
フィルタ構造は、順次前段フィルタの出力画像データを入力して画像を変換する多段フィルタを示すフィルタ識別情報の列であることを特徴とする請求項7記載のプログラム。

【請求項9】
プログラムは、更に、実用解の条件となる適応度基準を、前記算出した適応度が越えた場合に、当該適応度のフィルタ構造を出力する学習個体出力手順をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項7記載のプログラム。
産業区分
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006035085thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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