TOP > 国内特許検索 > 熱流動現象の模擬方法及び模擬試験装置

熱流動現象の模擬方法及び模擬試験装置 コモンズ

国内特許コード P110004984
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-105374
公開番号 特開2007-316059
登録番号 特許第4863414号
出願日 平成19年4月13日(2007.4.13)
公開日 平成19年12月6日(2007.12.6)
登録日 平成23年11月18日(2011.11.18)
優先権データ
  • 特願2006-127094 (2006.4.28) JP
発明者
  • 森昌司
  • 奥山邦人
出願人
  • 国立大学法人横浜国立大学
発明の名称 熱流動現象の模擬方法及び模擬試験装置 コモンズ
発明の概要

【課題】高温・高圧の沸騰水型原子炉内に発生する沸騰二相流の熱流動現象を常温・低圧の環境で再現し、沸騰二相流が燃料棒の伝熱表面に形成する液膜の挙動を常温・低圧の環境で模擬するとともに、液膜の膜厚又は液膜流量の測定を可能にする。
【解決手段】沸騰二相流の密度、表面張力及び粘度の物性値と実質的に同一又は同等の密度、表面張力及び粘度の物性値を常温・低圧の環境で示す二相流体を所定断面且つ常温・低圧の直線流路に通して、燃料棒の伝熱表面の液膜を常温・低圧の環境で再現して液膜の挙動を模擬し、液膜の膜厚又は液膜流量を測定する。
【選択図】図6

従来技術、競合技術の概要


沸騰水型原子炉(BWR)の原子炉圧力容器内に配置される燃料集合体においては、燃料棒は、例えば、数mm程度の間隔で正方格子状に稠密に配置され、冷却材としての水が単相流の状態で燃料集合体の下部から流入し、発熱する燃料棒の間隙を流動し、燃料棒の発熱によって沸騰しながら燃料棒の間の間隙を上昇する。蒸気及び水の沸騰二相流が燃料集合体の内部に発生するので、炉心熱設計を行う場合、この沸騰二相流の挙動を詳細に把握する必要がある。



燃料棒の限界出力(限界熱流束)付近では、高速の蒸気流が燃料棒廻りに生成するので、極めて薄い液膜が環状流として燃料棒の外周面を覆い、熱伝達率が非常に高い状態が燃料棒の伝熱表面に生じる。更に出力が上昇すると、燃料棒表面の液膜が蒸発して燃料棒表面が乾く液膜ドライアウト現象が発生する。このようなドライアウトが一旦発生すると、熱伝達率が急激に悪化するので、燃料棒の壁温が急上昇し、場合によっては発熱管の焼損(バーンアウト)現象が発生し得る。このため、このような限界条件における燃料棒上の液膜挙動を正確に把握することは、原子炉の熱設計を行う上で極めて重要である。



従来、沸騰水型原子炉の開発・設計では、開発から実証に至る過程において、試験・実験的アプローチが重視されてきた。現状では、原子炉燃料の開発・設計は、実機条件(圧力7MPa、温度285 ℃)の実証試験(電気加熱)を行い、設計変更又は条件変更を繰り返して最適化を図るという手法が採用されている。このような開発・設計手法では、高温高圧試験を繰り返し実施しなければならないことから、莫大なコスト及び時間が必要とされる。例えば、原子炉燃料の設計を最適化するには、数週間を要する高額な実証試験を数十回も繰り返し実施して改良を図る必要が生じる。このような試験・実験的アプローチは、コスト及び時間的な不利を生じさせるのみならず、燃料の大型化や、格子稠密化等の近年の傾向と関連して、試験・実験機器の容量的な問題を生じさせており、試験・実験的アプローチを採用すること自体、困難になりつつある。このため、試験・実験に依存した開発・設計から解析中心の開発・設計への移行が望まれるとともに、簡易且つ効率的に試験・実験を行うことができる試験・実験方法及び試験・実験機器の開発が要望される。



熱流動現象の試験・実験を簡易且つ効率的に実施することを可能にする方法として、6フッ化硫黄ガスを液体アルコールに噴霧して気液二相流を形成し、高温・高圧環境の気液二相流を低温・低圧環境において模擬する模擬試験方法が特開2002-189096号公報に開示されている。しかしながら、この模擬試験方法は、加圧水型原子炉(PWR型原子炉)の蒸気発生器における気液二相流の流動現象を6フッ化硫黄ガス及び液体アルコールの気液二相流によって模擬し、液滴分離装置の液滴分離性能を評価することを意図したものであるにすぎない。

【特許文献1】特開2002-189096号公報

産業上の利用分野


本発明は、熱流動現象の模擬方法及び模擬試験装置に関するものであり、より詳細には、沸騰水型原子炉内の高温・高圧環境に存在する沸騰二相流の熱流動現象を常温・低圧の環境で再現する熱流動現象の模擬方法及び模擬試験装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
沸騰水型原子炉内の高温・高圧環境に存在する沸騰二相流の熱流動現象を再現する熱流動現象の模擬方法において、
前記沸騰二相流の密度、表面張力及び粘度の物性値と実質的に同一又は同等の密度、表面張力及び粘度の物性値を常温・低圧の環境で示す二相流体の流れを液体及び気体の混合流体によって形成し、
前記二相流体を所定断面且つ常温・低圧の直線流路に通して、該流路の流路壁面に液膜を形成し、高温・高圧の環境で前記沸騰二相流が前記沸騰水型原子炉の燃料棒の伝熱表面に形成する液膜を常温・低圧の環境で流路壁面に再現して該液膜の挙動を模擬し、
前記液膜の膜厚及び/又は液膜流量を測定することを特徴とする熱流動現象の模擬方法。

【請求項2】
前記液体は、エタノールであり、前記気体は、HFC134a ガスであることを特徴とする請求項1に記載の熱流動現象の模擬方法。

【請求項3】
流路方向に間隔を隔てた複数の計測点において液膜の膜厚を電気抵抗法又は光学的測定法によって計測することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱流動現象の模擬方法。

【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の模擬方法によって限界出力を最適化した燃料集合体を有することを特徴とする沸騰水型原子炉。

【請求項5】
沸騰水型原子炉内の高温・高圧環境に存在する沸騰二相流の熱流動現象を再現する熱流動現象の模擬試験装置において、
前記沸騰二相流の密度、表面張力及び粘度の物性値と実質的に同一又は同等の密度、表面張力及び粘度の物性値を常温・低圧の環境で示す二相流体が供給される常温・低圧の直線流路と、
前記二相流体を形成する液体及び気体の混合流体を前記直線流路に供給する流体供給手段と、
前記混合流体によって前記直線流路の流路壁面に形成された液膜の膜厚及び/又は液膜流量を測定する液膜計測手段とを備え、
前記沸騰水型原子炉の燃料棒の伝熱表面に形成される液膜を常温・低圧の環境で前記流路壁面に再現して前記液膜の挙動を模擬するとともに、前記液膜の膜厚及び/又は液膜流量を測定するようにしたことを特徴とする熱流動現象の模擬試験装置。

【請求項6】
前記液膜計測手段は、流路方向に所定間隔を隔てた複数の計測点において液膜の膜厚を電気抵抗法又は光学的測定法によって計測する膜厚計測装置を備えることを特徴とする請求項5に記載の模擬試験装置。

産業区分
  • 原子力
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007105374thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
※ 掲載特許について詳しくお知りになりたい方はHPの「お問い合わせ」ページにてお問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close