TOP > 国内特許検索 > 遺伝子損傷マーカー

遺伝子損傷マーカー コモンズ

国内特許コード P110005017
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2001-291793
公開番号 特開2003-096091
登録番号 特許第3762979号
出願日 平成13年9月25日(2001.9.25)
公開日 平成15年4月3日(2003.4.3)
登録日 平成18年1月27日(2006.1.27)
発明者
  • 金沢 和樹
  • 榊原 啓之
出願人
  • 国立大学法人神戸大学
発明の名称 遺伝子損傷マーカー コモンズ
発明の概要 (57)【要約】【課題】 本発明は、2’?デオキシグアノシン、およびその酸化物である8?ヒドロペルオキシ?2’?デオキシグアノシン(8?OOHdG)を使用して、化合物の抗酸化能を評価するための方法を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明は、酸化マーカーとしての8?ヒドロペルオキシ?2’?デオキシグアノシン(8?OOHdG)の使用を提供する。また、本発明は、化合物の抗酸化能を評価する方法であって、1)2’?dG水溶液に標的化合物を添加する工程と2)活性酸素種を生成させるための処理をする工程、または酸化開始剤もしくは活性酸素種を前記混合液に添加する工程と3)前記混合液をインキュベートする工程と、4)前記混合液中に生成した8?ヒドロペルオキシ?2’?デオキシグアノシン(8?OOHdG)の量を測定する工程と、を含む方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要
癌およびその他の酸化的損傷による疾患は、活性酸素種によって引き起こされる遺伝子の酸化的損傷が原因となって引き起こされると考えられている(1-3)。前記損傷は、主に8-ヒドロキシル類である8-オキソ-7,8-ジヒドロデオキシグアノシン(8-ヒドロキシー2’-デオキシグアノシン、8-OHdG)および/または8-ヒドロキシ-2’-デオキシアデノシンが塩基内に形成されることによって引き起こされる(4-7)。これまでに、いくつかの癌腫細胞において、8-OHdGが蓄積し、遺伝子に変異を生じることが観察されている(8-10)。ヒト骨格筋、呼吸上皮、白血球の8-OHdGのレベルは、それぞれ加齢、都市公害、および喫煙と関連していることが報告されている(11-13)。また、尿中の8-OHdGは、癌に伴うヒト酸化ストレスのマーカーとされている(14-17)。
【0003】
抗酸化物質は、活性酸素を除去することができるので、食物中の抗酸化成分によって上記疾患を予防することが可能であると推測される(18)。どの食物中の如何なる抗酸化成分が、活性酸素を除去して効果的に遺伝子損傷を予防することができるのかを明らかにするためには、さらなる理解が必要とされ、数多くの研究が行われてきた。
【0004】
従来、天然物、食品成分、医薬品などに含まれる抗酸化物質の抗酸化能を判定するための適切な方法は開発されていなかった。特に、抗酸化物質が遺伝子損傷を抑えることができるか否かを判定する手法は、その要望にも関わらず開発されていなかった。さらに、このような抗酸化物質は、遺伝子が損傷を受けるよりも早く抗酸化能を発揮してこそ意味があるため、このような能力をもった抗酸化物質が望まれていた。
【0005】
本発明者らは、遺伝子が損傷されるよりも早くかつ容易に、抗酸化能を発揮できる抗酸化物質を同定しなければならないと考えた。しかし、これまでに確立された抗酸化物質の活性を評価するための様々な方法は、そのほとんどのが、使用した標的が適切ではなかったことなどの理由で、遺伝子の酸化的損傷に対する防御効果を評価するには不適切な方法であった。また、従来の方法の中には、非常に複雑であり、抗酸化能の判定とは無関係の因子を含む方法も多かった。
【0006】
上記のような方法において、8―ヒドロキシ誘導体を形成する活性酸素種としては、過酸化水素(20-23)、チオールラジカル(24)、および脂質ペルオキシド(25)が報告されている。しかし、これらはいずれも、酸化種を発生するために遷移金属、紫外線、またはガンマ線を必要とする。前記のような補因子が必要であると、アッセイ系が複雑となり、評価の際に間違いを生じてしまうおそれがあった。
【0007】
これに対し、酸素ラジカルは、通常細胞内に多量に存在しており(26)、特にミトコンドリアにおいて、電子伝達系の副反応として、酸素分子から直接そのラジカルであるスーパーオキシドアニオンを発生することが明らかとなっている(27,28)。このほか、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド(AAPH)は、AAPH-ペルオキシラジカルを介して化学量論的な分子状酸素ラジカルを生成することが証明されていた(19)(図1)。
【0008】
また、1950年には、1,1―ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)を使用した抗酸化能を測定するための簡便法が開発されているが、この従来法は生体に存在しない物質を使用しているため、生体に適用することができなかった。ヒトなどの生物の遺伝子損傷に対する防御能を様々な成分、物質について直接判定する方法が望まれていた。また、簡便さは変わらないが、従来法よりも幅広い多くの成分を被検対象にする方法が望まれていた。
産業上の利用分野
本発明は、遺伝子塩基の一つである2’-デオキシグアノシンに分子状酸素ラジカルを作用させたときに定量的に生成する8-ヒドロペルオキシ-2’-デオキシグアノシン(8-OOHdG)を、酸化マーカーとして使用することに関する。さらに、8-OOHdGの生成反応を利用して、水溶性物質及び脂溶性物質の抗酸化能を簡易に判定できる方法に関する。また、細胞に分子状酸素ラジカルを作用させた場合に生成する8-ヒドロキシ-2’-デオキシグアノシン(8-OHdG)を酸化マーカーとして使用し、細胞内における化合物の抗酸化能を判定する方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 化合物の抗酸化能を評価する方法であって、
1)2'-デオキシグアノシン(2'dG水溶液に標的化合物を添加する工程と、
2)活性酸素種を生成させるための処理をする工程、または酸化開始剤もしくは活性酸素種を前記混合液に添加する工程と、
3)前記混合液をインキュベートする工程と、
4)前記混合液中に生成した8-ヒドロペルオキシ-2'-デオキシグアノシン(8-OOHdG)の量を測定する工程と、
を含む方法。
【請求項2】 化合物の抗酸化能を評価する方法であって、
1)2'-デオキシグアノシン(2'dG水溶液に標的化合物を添加する工程と、
2)2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド(AAPH)を前記混合液に添加する工程と、
3)前記混合液をインキュベートする工程と、
4)前記混合液中に生成した8-ヒドロペルオキシ-2'-デオキシグアノシン(8-OOHdG)の量をHPLCによって測定する工程と、
を含む方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
神戸大学連携創造本部では、神戸大学で創出された知的財産の管理,活用等を行っています。上記の公開特許に関心のある方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせ下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close