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6相多重立体放電装置 UPDATE

国内特許コード P010000008
掲載日 2002年9月30日
出願番号 特願平10-247691
公開番号 特開2000-048996
登録番号 特許第3094217号
出願日 平成10年7月29日(1998.7.29)
公開日 平成12年2月18日(2000.2.18)
登録日 平成12年8月4日(2000.8.4)
発明者
  • 松浦 次雄
  • 谷口 慶治
  • 渡辺 貞一
出願人
  • 福井県
  • 谷口 慶治
  • 渡辺 貞一
発明の名称 6相多重立体放電装置 UPDATE
発明の概要 【課題】単相交流変圧器6台を基本構成とする3相―12相交流変換電源と、これによって導かれる12本の放電電極を立体的に配置することにより、多重放電を実現し、立体的なプラズマ領域の構造を変化させることができる6相多重立体放電装置を実現することにある。
【解決手段】3相―6相変換方式にはスター-スター結線並びにデルタ-スター結線があり、この2つの結線方式の間には30度の相変位があることを用いて、変圧器だけで3相交流から直接12相交流に相変換して出力する3相―12相交流変換電源を構成する。複数個の3相―12相交流変換電源の出力を、それぞれ放電電極に接続し、円周上に等間隔に水平に配置して放電させるようにグループ化し、これを多重化する事により、プラズマを立体的に発生させ、中心部分に高密度な放電空間を有すると同時に、電極に流れる電流値を制御することにより、立体的なプラズマ領域の構造を変化できるようにした。
従来技術、競合技術の概要


近年、プラズマ物理学の進歩により放電の挙動が明らかとなるにつれて、アークプラズマは金属の切断や溶接ばかりでなく廃棄物の溶融処理に用いられるなど、工業的な応用分野が急激に拡大してきている。特に重金属やダイオキシンなどの有害物質を含んだ産業廃棄物の処理では、高温処理により無害化できる可能性が極めて高く、今後の処理技術の一つとして注目を集めている。
このようにアークプラズマの熱的応用は、その温度の高さや処理の速さの点で大いに期待されているが、現在あるアークプラズマの発生装置では高温の領域が狭く大量の廃棄物を処理するのに適していない。すなわち、アークプラズマの中心部では12,000(℃)となるにもかかわらず、わずか中心部から数センチメートル離れただけでその温度は500(℃)と急激に低下することが知られている。一般にアークプラズマによる高温領域はごく限られた範囲となっている。
このため廃棄物を効率よく溶融処理するための新しいプラズマ発生装置の開発が進められている。しかし、実際に使用されている廃棄物処理プラントの例では、効率よく熱伝達を行なうために、投入された廃棄物を所定の場所に集中するように装置を回転させたり、プラズマ発生部をすりこぎ状に回転させるなどの対策がとられている。
このような状況下にあって、さらに大型のプラズマ発生装置の出現が待たれているが、現在使用されているような直流方式では大型化するに従って電源装置のコストが大幅に上昇することが明らかである。この理由は、直流方式は一旦交流から直流に変換する交直変換装置が必要となるからである。そこで、交直変換装置が必要とならない交流方式によるプラズマ発生装置の出現が期待されるようになった。
交流方式によるプラズマ発生装置は、3相交流を電源とするものが普通であった。1992年、佐藤は複数の炭素電極を用いて多電極アーク放電を発生させるための交流方式による電源装置とそのアーク放電装置を発表した(特開平4-347577,1992)。この装置は、商用3相交流を3組組み合わせたもので、複数のアーク放電を同時に発生させることによりアーク放電領域の拡大を図ったものである。この装置では商用3相交流からの電源を3系統に分岐した後、それぞれを3本の電極に接続している。しかし、3相交流によってアークを発生させる場合の問題点、すなわち電流値がゼロとなる時の放電停止により安定した持続放電が得られないという欠点を改善することはできない。これを補うために、補助電極を放電空間の中心部に配置している。さらに、放電電極に供給される電力は、サイリスタによって制御されており、電源および制御回路が複雑になっている。
辻野の特許(特許2618813、1997)における12相交流電源装置では、上記佐藤の問題点を改善し安定した放電を得ている。しかし、いずれの実施例においても、商用3相交流電源から2種類の6相交流グループを得るための3相変圧器を必要としている(辻野の特許では、スター結線電源部と呼んでいる)。この3相変圧器からさらにスター結線グループ並びにデルタ結線グループとに接続することにより12相交流を得ており、商用3相交流電源から直接12相交流を得ていないので、合計15台の単相変圧器を必要とし回路構成が複雑となっている。
更に、実際に産業上で応用するためには、変圧器の容量、放電電流および放電電極の太さなどを目的に応じてスケールアップする必要が生じてくるが、辻野の方式では、3相電源部の変圧器を12相交流出力変圧器の容量の総和に合わせて大型化することが必要となり、実用上においては致命的な欠点となる。また、放電電極の配置の形状は、正12角錐状に配列されており、アークプラズマの集中化はなされているが、放電領域を立体的に拡大することは構造上からいって不可能である。
1994年、本発明者を含む松浦、辻野、田子、谷口等は、商用3相交流から6相交流を得る電源装置を考案し、新しい方式による6電極アーク放電装置の試作並びに実験を行っている(”6相交流によるアークプラズマの発生の実験”電気学会論文誌D、114巻1号、1994)。この装置によるアーク放電は、佐藤によるアーク放電とは異なり、安定した連続放電が得られている。この電源回路は単相変圧器6台で実現できるので、システムの構成が単純になる特長を持っている。
しかし、これは基礎的な実験であり実際の産業上の応用を図るためには次のような問題点がある。すなわち、放電空間が平面的であるので放電空間に投入された物質との熱交換が十分に行われず未処理のまま通過する割合が大きい。また、放電電極先端部によって囲まれた放電空間は、直径7cm~10cm程度と狭く、大量の処理物を連続的に処理するためには放電空間が不十分である。従って、アークプラズマの超高温をさらに有効に利用し、効率の良い高温処理システムを実現するためには、放電空間を拡張すると同時に立体的にも拡大すべき必要に迫られている。

産業上の利用分野


本発明は、3相交流を12相交流に変換する3相―12相交流変換電源を複数個用いて得られる出力電圧を、立体的に配置された放電電極に接続し、放電電極で囲まれた放電空間内に生じる高温で高密度なアークプラズマの立体的な構造を自在に制御する技術分野に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
二次側コイルに中間タップを持つ単相変圧器T、T、Tの一次側コイルをスター接続し、同様に二次側コイルに中間タップを持つ単相変圧器T、T、Tの一次側コイルをデルタ接続したものをそれぞれ商用3相交流電源に接続するとともに、さらに変圧器T、T、T、T、T、Tの二次側中間タップN、N、N、N、N、Nを互いに接続しこれを中性点として、単相変圧器T、T、T、T、T、Tの二次側出力から位相差が30度づつ異なる12相交流を取り出すことができ、且つ単相変圧器T、T、T、T、T、Tの一次側コイルと二次側コイルの間の結合度を電気信号によって変えられることを特徴とする3相-12相交流変換電源。

【請求項2】
請求項1に記載の3相-12相交流変換電源を用いて一次側コイルをスター接続した単相変圧器T、T、Tからの出力に接続された6本の放電電極及び一次側コイルをデルタ接続した単相変圧器、T、Tからの出力に接続された6本の放電電極をそれぞれ1グループとして円周上に水平配置したものを多重化する事により、立体的にプラズマを発生させ、中心部分に高密度な放電空間を有することを特徴とする6相多重立体放電装置。

【請求項3】
請求項2で得られた立体的にプラズマを発生させる装置を複数個多重化し、各装置毎の電極群に流れる電流値を制御することにより、プラズマの立体的な温度分布を自在に制御することができることを特徴とする6相多重立体放電装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP1998247691thum.jpg
出願権利状態 登録
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