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難分解性物質の分解菌及びそれを用いた環境の浄化方法 コモンズ

国内特許コード P110005033
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2005-030858
公開番号 特開2006-212000
登録番号 特許第4247395号
出願日 平成17年2月7日(2005.2.7)
公開日 平成18年8月17日(2006.8.17)
登録日 平成21年1月23日(2009.1.23)
発明者
  • 櫻井 明彦
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 難分解性物質の分解菌及びそれを用いた環境の浄化方法 コモンズ
発明の概要

【課題】 芳香族化合物やハロゲン化有機化合物、染料などの有害物質である難分解性物質を効率よく分解することができる、日本国内で分離した新規な微生物を提供すること。
【解決手段】 芳香族有機化合物等の環境汚染物質に汚染された環境を改善するのに極めて有効な新規な白色腐朽菌株、および当該白色腐朽菌株を用いた低コストで二次廃棄物等の発生が少ない環境汚染物質の分解方法の提供。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


近年、様々な有害化学物質による環境汚染が問題となっている。なかでも、ダイオキシン類や内分泌撹乱物質による環境汚染は、生態系に深刻な影響を及ぼすために世界的に深刻な問題となっている。ダイオキシン類は、人類が生み出した史上最強の毒物といわれ、発ガン性、肝障害、皮膚障害、催奇形性などの強い毒性を示す。さらに化学的に安定で分解されにくいばかりでなく、脂溶性が高く生体組織中に蓄積しやすいため食物連鎖の頂点に立つ人類への影響は大きい。また、ノニルフェノールなどの内分泌撹乱物質は、野生生物の生殖機能に影響を与えるため、その影響は何世代にも及ぶ。さらに染料等を含む着色廃水の処理も問題になっている。染料等は染色後の安定性を考慮して設計されているため、化学的に安定で分解されにくいばかりでなく、生物に有害な作用を示すものも多い。このため、これらの難分解性の有害化合物を分解する方法に関して、物理化学的な方法、生物学的な方法などの様々な処理方法が検討されている。



物理化学的な方法としては、これまで高温溶融法、加熱分解法、アルカリ処理法、超臨界水分解法、触媒酸化法、オゾン分解法などが研究されているが、エネルギー消費量が大きいことや処理コストが高いことなどの問題点を抱えている。微生物を用いる生物学的処理法は、これらに比べて一般に低エネルギー、低コストであるが、処理効率が低いことから実用化には至っていない。従って、分解能に優れた微生物を用いることにより実用的な環境修復技術を提供できると考えられ、木材腐朽菌が期待されている。木材腐朽菌は、様々な環境汚染物質に対する分解能を有する微生物として注目されており、木材腐朽菌の一種である白色腐朽菌は、菌体外に産生される酸化還元酵素(リグニンペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、ラッカーゼ等)により、天然の難分解性物質であるリグニンを分解することが知られている。さらにファネロケーテ属の白色腐朽菌により、塩素置換数が4個以上のダイオキシン類を分解できることも報告されている(非特許文献1及び2)。



このため、これまでに1500種以上の白色腐朽菌が分離・報告されているが、有害物質の処理へ応用は、ファネロキーテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、プリュロータス・オストリータス(Pleurotus ostreatus)、コリオルス・ベルシカラー(Coriolus versicolor)、ブェルカンデラ・アドスタ(Bjerkandera adusta)など数種に限られている。これらの中でも最も研究が進んでいるファネロキーテ・クリソスポリウムはアメリカ合衆国で分離されたものであり、日本では輸入検疫有害菌に指定されている。また、これらの白色腐朽菌は、一般に低栄養状態で分解酵素の分泌が活発であり、栄養が豊富で増殖が活発な状態では分泌酵素の生産性が低い。このため、分解酵素を大量に分泌させることが難しい。従って、日本で白色腐朽菌を環境修復に使用するためには、日本で分離されたものが必要であり、また、活発な増殖を行える栄養が豊富な状態での分解酵素の生産性が高い微生物の分離が望まれていた。

【非特許文献1】Bumpusら,Sceience,228,1434(1985年)

【非特許文献2】Takadaら,Appl.Environ.Microbiol,62,4323(1996年)

産業上の利用分野


本発明は、芳香族化合物及び/又はハロゲン化有機化合物などの難分解性物質の分解能に優れる新規な白色腐朽菌FERM P-20326株に関するものである。本発明の微生物は、難分解性物質の分解能に極めて優れており、ダイオキシン類等の有害な化合物も無害化できる。また、染料等を含有する有色排水の脱色や染料の分解ができる。このため、これらの難分解性物質を含む排水の処理、上記難分解性物質を対象とするバイオレメディエーション(生物学的修復)を始めとして、上記難分解性物質を分解又は無害化するための種々の技術分野に幅広く利用することができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(1)~(5)の菌学的性質を有する白色腐朽菌FERM P-20326株
(1)30℃、7日間培養の条件下においてpH3~8で生育し、pH2及びpH10では生育しない;
(2)pH6、7日間培養の条件下において10~40℃で生育し、45℃では生育しない;
(3)菌叢がポテトデキストロース寒天培地において、白色でフェルト状である;
(4)菌糸がかすがい連結を有する;及び
(5)マンガンペルオキシダーゼおよびリグニンペルオキシダーゼを分泌する

【請求項2】
請求項1に記載の白色腐朽菌を用いて、芳香族化合物、ハロゲン化有機化合物および染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の難分解性物質を分解する方法。

【請求項3】
培地中にMn2+及び/又はポリペプトン、バクトペプトン、酵母エキス、トリプトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機窒素を添加することを特徴とする、請求項2に記載の方法。

【請求項4】
培地中にMn2+及び/又はポリペプトン、バクトペプトン、酵母エキス、トリプトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機窒素を添加することを特徴とする、請求項1に記載の白色腐朽菌の培養方法。

【請求項5】
請求項1に記載の白色腐朽菌及び/又は該白色腐朽菌の培養液を有効成分とする芳香族化合物、ハロゲン化有機化合物および染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の難分解性物質分解するための剤。
産業区分
  • 微生物工業
  • 処理操作
  • 微生物工業
  • 衛生設備
  • 廃水処理
  • 廃棄物処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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