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サイトカイン産生ヒト細胞株 コモンズ

国内特許コード P110005034
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2005-095832
公開番号 特開2006-271268
登録番号 特許第4238366号
出願日 平成17年3月29日(2005.3.29)
公開日 平成18年10月12日(2006.10.12)
登録日 平成21年1月9日(2009.1.9)
発明者
  • 稲井 邦博
  • 高木 和貴
  • 内木 宏延
  • 上田 孝典
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 サイトカイン産生ヒト細胞株 コモンズ
発明の概要

【課題】 炎症性サイトカインと、この炎症性サイトカインと協調して作用するケモカインとを、自立的に産生する細胞株を提供する。
【解決手段】 ヒト胸腺癌細胞から樹立したヒト細胞株であって、少なくとも炎症性サイトカインIL-6、ケモカインIL-8およびケモカインrantesを自立的に産生する。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


「サイトカイン」(cytokine)は細胞で産生され、それに対する受容体を有する細胞に働く分子量が1万~数万のタンパク質群の総称である。サイトカインは、ホルモンのように産生臓器は明確ではないものの、1)ホルモン同様に微量で効果発現、2)特定の標的細胞に作用、3)一つのサイトカインが複数の効果を発現、4)複数のサイトカインが共通の機能を保有、5)一つのサイトカイン産生が他のサイトカイン産生を誘導、調節するサイトカインネットワークの構築、といった共通の特性を示し、生体内で免疫・生体防御、炎症・アレルギー、発生・分化、造血機構、内分泌系、神経系に関与している。



このうち、生体内における様々な炎症症状を引き起こす腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-6(IL-6)などは「炎症性サイトカイン」と呼ばれるが、特にIL-6は多彩な生理活性を有し、Castleman病、慢性関節リウマチ、Crohn病を初めとする様々な炎症性疾患の病態に関与することが知られている。



一方、インターロイキン-8(IL-8)やrantes(ランテス)など貪食細胞とリンパ球の遊走、活性化に関わる分子量8-14kDa程度のサイトカイン群は「ケモカイン」と呼ばれ、45種類以上の構成メンバーからなるファミリーを形成している。ケモカインは、細胞遊走活性を有するサイトカインとして命名され、炎症性サイトカインなどの炎症刺激によって好中球や単球に作用し、急性や慢性炎症における白血球浸潤を誘導する生理活性物質として研究されてきた。実際に、慢性関節リウマチなどの関節炎局所で、多彩なケモカインが発現していることが明らかにされている。また近年、リンパ球や樹状細胞を標的細胞とするケモカイン群の存在が同定され、炎症や免疫応答における細胞遊走にとどまらず、免疫、癌、ウイルス感染などの分野でも重要な役割を果たしていることが明らかになってきている。



以上のとおり、炎症性サイトカインとケモカインとは密接に関連しており、とくにケモカイン受容体を標的にしたアンタゴニストは慢性関節リウマチ、喘息、乾癬などの免疫・アレルギー疾患を中心に、エイズ、アルツハイマー病、多発性骨髄腫などの治療薬、診断薬開発に利用されており、一部は臨床試験の段階にまで進行しているなど、将来、大きな医薬品市場を形成するものと予想されている。



従って、現在のサイトカイン研究は、サイトカインやケモカインの細胞産生メカニズム、あるいはそれらのアンタゴニスト刺激に対する細胞応答の解析が中心となっており、そのための研究材料としてサイトカイン産生細胞が注目を集めている。



例えば特許文献1には、IL-6を産生し、そのIL-6を自らが受容するというIL-6オートクライン増殖性のヒト骨髄腫細胞株が記載されている。



しかしながら、炎症性サイトカインについては、IL-6以外の産生細胞株は少数であり、IL-8やランテスを産生する細胞株はほとんど知られていない。



唯一、米国ATCCから供給されている子宮頚部(endocervical)由来の細胞株End1/E6E7(ATCC No.CRL-2615)が、IL-6、IL-8、rantesを含むサイトカイン産生細胞株である。ただしこの細胞株End1/E6E7は、子宮頚部細胞にレトロウイルスベクターをトランスフェクションして作成された細胞株である。正常子宮頚部細胞は、元来サイトカインを分泌する能力を有しているが、ヒトパピローマウイルス等のウイルス感染時には、サイトカイン分泌状況が変動することが示されており、この細胞株End1/E6E7におけるサイトカイン産生は自然なサイトカイン産生とは異なり、外来性のプロモーター/エンハンサーによって制御されている可能性が高い。従って、生体内で実際に機能している炎症性サイトカインの生理活性や、あるいはそのアンタゴニストの作用効果を解析するための系としては、必ずしも適切なものではない。

【特許文献1】特開2004-159662号公報

産業上の利用分野


この出願の発明は、サイトカイン産生ヒト細胞株に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、サイトカインと、このサイトカインと協調的に作用するケモカインとを自立的に産生するヒト細胞株に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒト胸腺癌細胞から樹立したヒト細胞株であって、インターロイキン-6、インターロイキン-8およびrantesを自立的に産生する細胞株Thy-L(FERM P-20424)
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005095832thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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