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高分子繊維材料のメッキ前処理方法、メッキ方法及び被膜形成方法並びに導電性繊維材料の製造方法 コモンズ

国内特許コード P110005040
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2005-240569
公開番号 特開2007-056287
登録番号 特許第4314370号
出願日 平成17年8月23日(2005.8.23)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
登録日 平成21年5月29日(2009.5.29)
発明者
  • 堀 照夫
  • 趙 習
出願人
  • 学校法人福井大学
発明の名称 高分子繊維材料のメッキ前処理方法、メッキ方法及び被膜形成方法並びに導電性繊維材料の製造方法 コモンズ
発明の概要

【課題】本発明は、超臨界流体又は亜臨界流体を用いることで従来のエッチング処理が不要になるとともに簡略化された工程でメッキ用金属触媒を高分子繊維材料に付与することができるメッキ前処理方法及びメッキ方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】反応室30内に高分子繊維材料Mを配置し、供給室31内に有機金属錯体を投入する。高圧ボンベ1からシリンジポンプ2に液体二酸化炭素が供給されて所定圧力に昇圧されて超臨界状態となった二酸化炭素が反応器3に導入されると、供給室31内で超臨界流体と有機金属錯体とが混合して反応室30に流下し、撹拌装置33により撹拌されて有機金属錯体が溶解しながら超臨界流体とともに高分子繊維材料に含浸する。反応器3に設けられたヒータ32により反応室30内の温度を還元温度に設定することで、含浸した有機金属錯体が還元されて材料表面にメッキ用金属触媒が析出するようになる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


近年、導電性繊維により織成されたシート材は、携帯電話や電気・電子機器から発生する電磁波を遮蔽する電磁シ-ルド材としての用途が図られており、今後の需要の増大が期待されている。また、今日使用されている電線及び送電線等の導線は、ほとんどが銅等の金属が用いられているため重量が重く強度も弱いことから、これらの導線に代わり導電性繊維を用いるための研究開発が進められている。



導電性繊維には (a)金属繊維、(b)合成繊維表面にメッキ処理により金属被膜を形成した繊維、(c)高分子繊維材料内に導電性を有する金属やその化合物、又はカーボンブラック等の導電物質を内包した繊維が挙げられる。



導電性繊維の基材として高分子繊維材料を用いる場合軽量で高強度のものなど用途に合せて種々の機能を持たせることができることから、様々な技術開発が行われている。高分子繊維材料への導電性付与技術としては、(1)界面活性剤と帯電防止剤をプラスチックの内部へ配合したり、その表面に塗布する方法(特許文献1参照)、(2)導電性付与剤(カーボン系粉末や金属粉末など)を混合した高分子組成物を製造する方法(特許文献2参照)、(3)プラスチック成形品表面に金属蒸着膜(酸化錫など)をCVD法等により形成する方法(特許文献3参照)、(4)高分子材料の化学構造から導電性を付与させる導電性高分子を新規設計する根本的な方法などがある。



また、この他にも高分子繊維材料の表面に無電解メッキ処理により金属被膜を形成して導電性を付与する方法がある(特許文献4参照)。この方法では、一般的に、高分子繊維材料に前処理(脱脂→エッチング→中和及び湿潤化→触媒付与→触媒活性化)を行った後無電解メッキ処理を行っている。



例えば、アクリロニトリル系繊維 、ポリエステル系繊維等の合成繊維に無電解メッキ処理を行う場合、通常、次のような前処理が行われている。すなわち、基材繊維に対して、アルカリ脱脂液等によるクリーニング処理、又は基材繊維素材に適合した精錬・漂白処理を行い、次いで、繊維とメッキ被膜との密着力を強化するために、表面粗化処理(例えば、強酸又は強アルカリのエッチング液等による化学処理、低温プラズマ又は擦過等による機械的処理)による繊維表面の粗面化、膨潤化等を行う。この後、触媒化処理(例えば、塩化第一錫の酸性液による増感処理の後、塩化パラジウムの酸性液による活性化処理を行う等)を経て、無電解メッキ処理を行う。



表面の粗面化処理としては、プラズマを利用して、プラスおよびマイナスのイオンや遊離原子、ラジカルを発生させて、これによってエッチバックをするプラズマエッチングがあり、その他にも、コロナ放電処理、紫外線処理などによる改質技術がある。また、こうした粗面化処理を行わない方法として、メッキ触媒の含有する薄膜を有機バインダや紫外線硬化樹脂をプラスチック表面に形成するものである。



以上のようなメッキの前処理の方法以外に、超臨界流体を用いたメッキ前処理法が提案されている(特許文献5参照)。このメッキ前処理法では、プラスチックに超臨界流体を接触させてメッキ処理可能な表面処理を行う点及びメッキ用触媒を含有する超臨界流体を接触させてメッキ処理可能な表面処理を行うとともにメッキ用触媒を付着させる点が記載されている。

【特許文献1】特開2004-253796号公報

【特許文献2】特開2000-212453号公報

【特許文献3】特公昭61-132652号公報

【特許文献4】特開2000-96431号公報

【特許文献5】特開2001-316832号公報

産業上の利用分野


本発明は、合成繊維、天然繊維等の高分子繊維材料のメッキ前処理方法及びメッキ方法並びにこうした高分子繊維材料を用いた導電性繊維材料の製造方法に関する。また、合成樹脂等の高分子材料の被膜形成方法及び高分子材料を用いた導電性材料の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
有機パラジウム錯体を含む超臨界流体又は亜臨界流体を、超臨界温度以上650K以下の温度及び超臨界圧力以上35MPa以下の圧力で高分子繊維材料の表面に浸漬した状態で5分から30分までの時間接触させる接触工程と、接触工程において高分子繊維材料に含浸又は付着した前記有機パラジウム錯体を接触工程の間にメッキ用金属触媒に還元して活性化する活性化工程とを備えることを特徴とする高分子繊維材料のメッキ前処理方法。

【請求項2】
前記高分子繊維材料は、アラミド繊維又はポリバラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維からなることを特徴とする請求項1に記載の高分子繊維材料のメッキ前処理方法。

【請求項3】
前記超臨界流体又は前記亜臨界流体は、CO2、H2O、N2、NH3、O2、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、プロピレン、アセチレン、エチルエーテル、エチルメチルケトン、ベンゼン、トルエン、ピリジンの中から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のメッキ前処理方法。

【請求項4】
前記活性化工程では、熱還元により前記有機パラジウム錯体を前記メッキ用金属触媒に還元することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のメッキ前処理方法。

【請求項5】
前記活性化工程では、還元剤により前記有機パラジウム錯体を前記メッキ用金属触媒に還元することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のメッキ前処理方法。

【請求項6】
前記還元剤は、水素、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素、ヒドロキノンの中から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項5に記載のメッキ前処理方法。

【請求項7】
前記超臨界流体又は前記亜臨界流体は、前記有機パラジウム錯体の分解を促進する添加剤を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のメッキ前処理方法。

【請求項8】
前記添加剤は、水、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2‐プロパノール、1-ブタノール、アリルアルコール、アセトン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンの中から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項7に記載のメッキ前処理方法。

【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のメッキ前処理方法で処理された高分子繊維材料に無電解メッキ処理を行うことを特徴とする高分子繊維材料のメッキ方法。

【請求項10】
前記無電解メッキ処理では、銅、銀、金、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム、コバルト又はインジウムの中から選択される少なくとも一種を含むメッキ液が用いられることを特徴とする請求項9に記載のメッキ方法。

【請求項11】
前記無電解メッキ処理では、メッキ液に超音波振動が付与されることを特徴とする請求項9又は10に記載のメッキ方法。

【請求項12】
有機パラジウム錯体を含む超臨界流体又は亜臨界流体を、超臨界温度以上650K以下の温度及び超臨界圧力以上35MPa以下の圧力で高分子繊維材料の表面に浸漬した状態で5分から30分までの時間接触させる接触工程と、接触工程において高分子繊維材料に含浸又は付着した前記有機パラジウム錯体を接触工程の間に還元、酸化又は硫化処理して前記高分子繊維材料表面に金属被膜、金属酸化被膜又は金属硫化被膜を形成する被膜形成工程とを備えることを特徴とする高分子繊維材料の被膜形成方法。

【請求項13】
前記有機パラジウム錯体は、ベータージケトネート類、ジエン類、メタロセン類の中から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項12に記載の被膜形成方法。

【請求項14】
前記被膜形成工程では、熱還元により前記有機パラジウム錯体を還元することを特徴とする請求項12又は13に記載の被膜形成方法。

【請求項15】
前記被膜形成工程では、反応剤により前記有機パラジウム錯体を反応処理することを特徴とする請求項12又は13に記載の被膜形成方法。

【請求項16】
前記反応剤は、水素、硫化水素、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素、ヒドロキノン、酸素、亜酸化窒素の中から選択されることを特徴とする請求項15に記載の被膜形成方法。

【請求項17】
前記超臨界流体又は前記亜臨界流体は、前記有機パラジウム錯体の分解を促進する添加剤を含むことを特徴とする請求項12から16のいずれかに記載の被膜形成方法。

【請求項18】
前記添加剤は、水、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2‐プロパノール、1-ブタノール、アリルアルコール、アセトン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンの中から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項17に記載の被膜形成方法。

【請求項19】
有機パラジウム錯体を含む超臨界流体又は亜臨界流体を、超臨界温度以上650K以下の温度及び超臨界圧力以上35MPa以下の圧力で高分子繊維材料の表面に浸漬した状態で5分から30分までの時間接触させる接触工程と、接触工程において高分子繊維材料に含浸又は付着した前記有機パラジウム錯体を接触工程の間にメッキ用金属触媒に還元して活性化する活性化工程と、活性化された前記メッキ用金属触媒を有する高分子繊維材料に無電解メッキ処理を施すことで表面に金属被膜を形成するメッキ工程とを備えることを特徴とする導電性繊維材料の製造方法。

【請求項20】
有機パラジウム錯体を含む超臨界流体又は亜臨界流体を、超臨界温度以上650K以下の温度及び超臨界圧力以上35MPa以下の圧力で高分子繊維材料の表面に浸漬した状態で5分から30分までの時間接触させる接触工程と、接触工程において高分子繊維材料に含浸又は付着した前記有機パラジウム錯体を接触工程の間に還元、酸化又は硫化処理して前記高分子繊維材料表面に金属被膜、金属酸化被膜又は金属硫化被膜を形成する被膜形成工程とを備えることを特徴とする導電性繊維材料の製造方法。
産業区分
  • 表面処理
  • 高分子化合物
  • その他繊維
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005240569thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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