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アクチュエータ駆動システムおよびアクチュエータの制御方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110005048
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-161606
公開番号 特開2009-005436
登録番号 特許第5252616号
出願日 平成19年6月19日(2007.6.19)
公開日 平成21年1月8日(2009.1.8)
登録日 平成25年4月26日(2013.4.26)
発明者
  • 庄司 英一
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 アクチュエータ駆動システムおよびアクチュエータの制御方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】本発明は、アクチュエータの変位の後戻り現象を抑制し、印加電圧値を変化させることなく屈曲変位量および発生力を滑らかに変化させて過電圧等による電極の破壊や劣化を回避可能なアクチュエータの制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のアクチュエータ駆動システムは、第1面と第2面とを有するフィルム、および、該フィルムの第1面、第2面上にそれぞれ形成された第1電極、第2電極とを備えるアクチュエータと、前記アクチュエータに電気的に接続され、前記第1電極から前記第2電極へ正または負の電圧パルスを複数回連続して印加可能であり、少なくとも該電圧パルスの周波数及び/またはPWM値を変化し得る駆動装置と、を含む。
【選択図】 図4

従来技術、競合技術の概要


近年、2足歩行ロボットや、癒し効果を有する動物のロボット等が、メカトロニクスの分野で注目を集めている。しかし、ロボットの動作を、従来のように電磁モータを基本とするアクチュエータで制御しようとすると、その動作は生物の動作と比してどうしてもぎこちないものとなってしまう。そのため、アクチュエータにはエネルギー変換効率のみでなく伸縮,屈曲、ねじれ等の複雑な運動が要求されるようになっている。



このような要求に応えるべく、イオン伝導性高分子化合物、電子伝導性高分子化合物、非イオン性高分子化合物などを用いたアクチュエータが提案されている。アクチュエータは、1)伸縮,屈曲、ねじれ等の複雑な運動が可能である、2)スムーズな駆動が可能である、3)超小型・軽量化が可能である、4)駆動時のノイズや音が少ない、5)機械的な故障が少ない、6)大気、水、有媒体中といった広範囲な環境下で駆動可能である、といった優れた特徴を有しており、従来の電磁モータに替わる次世代のアクチュエータとして期待されている。



上記アクチュエータは、イオン伝導性高分子化合物を用いるものが主流であり、例えば非特許文献1には、イオン交換樹脂膜の両面に金属電極が形成されたメタル-コンポジットポリマ(IPMC:ionic polymer-metal composites)が開示されている(以下、特に断りのない場合、「アクチュエータ」という。)。



アクチュエータの動作原理は、例えば、フィルムがカチオン交換を行うアニオン性イオン交換樹脂膜の場合、次のように説明できる。すなわち、図7aに示すアクチュエータ10は、高分子化合物からなるフィルム12の第1面12a上に形成された第1電極14aおよびフィルム12の第2面12b上に形成された第2電極14bを備え、駆動装置(電源)20と電源電極20a、20bを介して電気的に接続されている。電源電極20aがプラスに、20bがマイナスになるよう直流電圧を印加すると、第1電極14aは陽極に、第2電極14bは陰極として機能し、膜内で自由に移動できるカチオンが第2電極14b(陰極)側に移動する。このカチオンに伴われてフィルム12(イオン交換樹脂膜)に含まれる水分子も第2電極14b(陰極)側に移動するため、第2電極14b側の浸透圧が上昇するが、フィルム12(イオン交換樹脂膜)に固定されているアニオンは第1電極14aに引き寄せられにくいため、第1電極14a(陽極)側の浸透圧は低下する。この結果、第2電極14b(陰極)側は膨張し、一方、第1電極14a(陽極)側は収縮して、アクチュエータ10は図7bのように屈曲変形する。



アクチュエータ10の屈曲方向を反転させるためには、直流電圧の極性を反転させればよい。すなわち、電源電極20aがマイナスに、20bがプラスになるよう駆動装置(電源)20をスイッチングすると、直流電圧が第2電極14b(陽極)から第1電極14a(陰極)に電圧が印加され、上記動作原理に従ってアクチュエータ10は反転屈曲する。



図8bは、図8aのように±3Vの直流電圧をスイッチング間隔30秒で第1電極14a、第2電極14b間に印加した場合のアクチュエータ10の屈曲変位(以下、単に「変位」ともいう。)を表す。本測定に用いられたアクチュエータ10は、公知のアクチュエータであり、1cm×2cm、厚み約200μmのパーフルオロスルホン酸フィルム12の両面に、白金が無電解メッキされて構成されている。図8bは、温度25℃、相対湿度90%(a)及び30%(b)で、直流電圧±3Vをスイッチング間隔30秒周期で印加した場合のフィルム12の変位を示し、変位は後述する図5に示すように、アクチュエータ10に電位を印加しない場合の平衡位置からの屈曲幅L(mm)に対応する。




【非特許文献1】M.Shahinpoor,Electrochemica Acta 48(2003)2343-2353

産業上の利用分野


本発明は、アクチュエータの変位量や発生力を滑らかに変化させるアクチュエータ駆動システム、および、当該アクチュエータの制御方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1面と第2面とを有するフィルムと、
該フィルムの第1面上に形成された第1電極と、該フィルムの第2面上に形成された第2電極とを備え、
前記第1電極から前記第2電極へ、正または負の電圧値を印加することによって該第1電極方向または前記第2電極方向へ前記フィルムが屈曲し、該電圧値の正負の反転により該フィルムの屈曲方向も反転するアクチュエータにおいて、
前記アクチュエータは、前記第1電極から前記第2電極へ正負の直流電圧を交互に印加する電圧パルスの印加方法では、前記アクチュエータの屈曲反転が追従できなくなる該電圧パルスの周波数である周波数の閾値を有し、
前記第1電極から前記第2電極へ、正または負の同一の電圧値、前記閾値以上の同一の周波数、及び同一のPWM(Pulse Width Modulation)値をもつ電圧パルスを複数回連続して印加する、電圧パルス印加ステップを含むアクチュエータの制御方法であって、
前記電圧パルス印加ステップの前記正負の電圧値を変化させた別の電圧パルス印加ステップを含むことを特徴とする、アクチュエータの制御方法。

【請求項2】
請求項1に記載の前記第1電極から前記第2電極へ、正または負の同一の電圧値、前記閾値以上の同一の周波数、及び同一のPWM値をもつ電圧パルスを複数回連続して印加する、電圧パルス印加ステップを含むアクチュエータの制御方法であって、
前記電圧パルス印加ステップの前記閾値以上の周波数を変化させた別の電圧パルス印加ステップを含むことを特徴とする、アクチュエータの制御方法。

【請求項3】
請求項1に記載の前記第1電極から前記第2電極へ、正または負の同一の電圧値、前記閾値以上の同一の周波数、及び同一のPWM値をもつ電圧パルスを複数回連続して印加する、電圧パルス印加ステップを含むアクチュエータの制御方法であって、
前記電圧パルス印加ステップの前記PWM値を変化させた別の電圧パルス印加ステップを含むことを特徴とする、アクチュエータの制御方法。

【請求項4】
前記閾値の周波数は、30Hzである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアクチュエータの制御方法。

【請求項5】
前記電圧パルスのPWM値は、0%より大きく100%より小さい請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアクチュエータの制御方法。

【請求項6】
第1面と第2面とを有するフィルム、および、該フィルムの第1面、第2面上にそれぞれ形成された第1電極、第2電極とを備え、
前記第1電極から前記第2電極へ、正または負の電圧値を印加することによって該第1電極方向または前記第2電極方向へ前記フィルムが屈曲し、該電圧値の正負の反転により該フィルムの屈曲方向も反転するアクチュエータであり、
前記第1電極から前記第2電極へ正負の直流電圧を交互に印加する電圧パルスの印加方法では、前記アクチュエータの屈曲反転が追従できなくなる該電圧パルスの周波数である周波数の閾値を有するアクチュエータと、
前記アクチュエータに電気的に接続され、前記第1電極から前記第2電極へ正または負の同一の電圧値、前記閾値以上の同一の周波数、及び同一のPWM値をもつ電圧パルスを複数回連続して印加する電圧パルス印加ステップを印加可能な駆動装置と、
を含むアクチュエータ駆動システムであって、
前記電圧パルスの正負の電圧値び/または前記閾値以上の周波数及び/またはPWM値を変化させた別の電圧パルス印加ステップを繰り返し印加し得る、アクチュエータ駆動システム。
産業区分
  • 発電、電動
  • その他運輸
  • 省エネルギー
  • 工業用ロボット
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007161606thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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