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アレーアンテナのビーム形成方法

国内特許コード P010000024
掲載日 2002年9月30日
出願番号 特願平10-265786
公開番号 特開2000-082908
登録番号 特許第3096733号
出願日 平成10年9月4日(1998.9.4)
公開日 平成12年3月21日(2000.3.21)
登録日 平成12年8月11日(2000.8.11)
発明者
  • 三浦 龍
  • 大堂 雅之
  • 小山 佳也
出願人
  • 国立研究開発法人情報通信研究機構
発明の名称 アレーアンテナのビーム形成方法
発明の概要 【課題】 複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナで、希望通信信号のみを選択的に効率よく受信できるようにする。
【解決手段】 m個のアレーアンテナ素子21 ~2m で受信した信号を各々前処理部31 ~3m で同相および直交成分からなる複素ベースバンド信号に変換し、参照データ系列発生器7から供給される希望通信信号の参照データ系列に基づきビーム形成装置6が複素ベースバンド信号の複製信号を発生させて、これらを各アンテナ素子毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役に乗算し、その同相および直交成分をそれぞれ低域通過フィルタ6a1 ~6am に通してアレー合成のための複素重みとし、各アンテナ素子ごとの受信複素ベースバンド信号を重み乗算部6b1 ~6bm で夫々乗算し、これら重み乗算部6b1 ~6bm の出力を全て加算することにより、アレーアンテナの受信ビームを得る。
従来技術、競合技術の概要


従来より、様々な方向から様々な周波数で送信されている通信信号の中から希望通信信号のみを選択的に受信できることが望まれており、非希望通信信号を抑制して希望通信信号を良好に受信するための技術が種々提案されている。
第1の従来技術として、“MMSE合成によるアダプティブアレーと空間ダイバーシチの等価性 -素子間隔と加入者容量に関する考察-,電子情報通信学会(技術研究報告 RCS97-249, p73-p80, 1998-02)”に記載されているように、各アンテナ素子の受信信号に乗算する重みにある初期値を設定し、その時の受信側で用意した既知の参照データ系列とアレーアンテナの合成出力信号との差を誤差信号とし、これが最小となるようにこの誤差信号をフィードバックし、各アンテナ素子による各受信信号とその誤差信号から、各アンテナ素子による各受信信号に乗算する重みの変化分を計算し、その変化分だけ重みを繰り返し更新し、希望通信信号を捕捉追尾するビームを形成するとともに非希望通信信号による干渉を抑圧する方法がある。
上述した第1の従来技術においては、アレーアンテナの合成出力信号と希望通信信号のもつ既知の参照データ系列との平均2乗誤差を最小にするように重み制御が行われるため、最終的には希望通信信号の到来方向にビームの山が向けられ、且つ非希望通信信号の到来方向にはビームの谷が向けられるようになることから、希望通信信号の受信に最適なビーム形成が実現でき、しかも演算は比較的簡単であるという特徴をもっている。
また、第2の従来例として、“SMI法に基づくアダプティブアレーを用いた高速ディジタル陸上移動通信の多重波抑圧,電子情報通信学会(論文誌 B-II, Vol. J75-B-II, No. 11, p806-p814, 1992-11)”に記載されているように、各アンテナ素子の受信信号から求まる共分散行列を時間を追う毎に逐次更新しながら計算し、これと各アンテナ素子の受信信号、並びに受信側で用意した既知の参照データ系列とから、上記各アンテナ素子の受信信号に乗算する重みを求め、希望通信信号を捕捉追尾するビームを形成するとともに非希望通信信号による干渉を抑圧する方法がある。
上述した第2の従来技術においては、フィードバック制御を全く行わずに、アレーアンテナの合成出力信号と希望通信信号のもつ既知の参照データ系列との平均2乗誤差を最小にするような重みを求めることができ、その結果、希望通信信号の到来方向にビームの山が向けられ、且つ非希望通信信号の到来方向にはビームの谷が向けられることとなり、希望通信信号の受信に最適なビーム形成が高速に実現できるという特徴をもっている。
また、第3の従来例として、“DBFによる移動体衛星通信用セルフビームステアリングアレーアンテナの構成法,電子情報通信学会(論文誌 B-II, Vol. J79-B-II, No. 8, p448-458, 1996-08)”並びに“車載DBFセルフビームステアリングアレーアンテナによる衛星電波の追尾受信実験,電子情報通信学会(論文誌B-II, Vol. J80-B-II, No. 7, p547-p557, 1997-07)”に記載されているように、参照データ系列を用いずに、各アンテナ素子のうちある特定の、または最も受信電力の強いアンテナ素子による受信信号、あるいは所定の方向を向いた複数の固定ビームのうち最も受信電力の強いビームによる受信信号を参照データ系列の代わりに用いて、各アンテナ素子あるいは各固定ビームによる受信信号に乗算する重みを求め、希望通信信号を捕捉追尾するビームを形成する方法がある。
上述した第3の従来技術においても、やはりフィードバック制御を全く行わずに希望通信信号の到来方向にビームの山を向けることができ、しかも通信信号の中に既知の参照データ系列をもつ必要がないという特徴をもっている。

産業上の利用分野


本発明は、希望通信信号の到来方向に自動的に受信ビームを向けてこれを捕捉し、かつ追尾するとともに、非希望通信信号による干渉を軽減するアレーアンテナのビーム形成方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数のアンテナ素子で構成されるアレーアンテナに未知の方向から変調された希望通信信号が到来し、その希望通信信号がある時間毎に所定のビット数だけ受信側で既知の参照データ系列を伴っており、かつその受信タイミングは既知とし、
上記アレーアンテナからの受信信号を各アンテナ素子毎に共通の周波数及び共通ではあるが任意の固定位相を有する局部発振器によって同相および直交成分からなる複素ベースバンド信号に変換し、これを各アンテナ素子ごとに出力し、
受信と同じタイミングで既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変換した複製信号を受信側で発生させて、この複製信号を各アンテナ素子毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役に乗算し、その同相および直交成分をそれぞれ低域通過フィルタもしくは帯域通過フィルタに通して、これを複素重みとして各アンテナ素子ごとの受信複素ベースバンド信号にそれぞれ乗算し、
その乗算結果をアンテナ素子数分だけ全て加算することにより、希望通信信号の到来方向に向けた合成出力信号をアレーアンテナの受信ビームとして形成するようにしたことを特徴とするアレーアンテナのビーム形成方法。

【請求項2】
受信側で用意した既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変換した複製信号と、各アンテナ素子毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役との乗算結果を低域通過フィルタもしくは帯域通過フィルタに通すことで得られる複素重みを、上記各アンテナ素子による受信複素ベースバンド信号にそれぞれ乗算する際に、上記複素重みのエネルギーが予め定めた閾値以下であることを条件に、上記複素重みを強制的にゼロにすることにより、複数の非希望通信信号が希望通信信号とは異なる方向から同時に同じ周波数で到来する場合においても、上記非希望通信信号による干渉を抑圧できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナのビーム形成方法。

【請求項3】
複数のアンテナ素子で構成されるアレーアンテナに未知の方向から変調された希望通信信号が到来し、その希望通信信号がある時間毎に所定のビット数だけ受信側で既知の参照データ系列を伴っており、かつその受信タイミングは既知とし、
上記アレーアンテナからの受信信号を各アンテナ素子毎に共通の周波数及び共通ではあるが任意の固定位相を有する局部発振器によって同相および直交成分からなる複素ベースバンド信号に変換し、これら複数の複素ベースバンド信号を空間離散フーリエ変換により上記アレーアンテナからみて所定の複数の方向に指向した固定ビームによる受信複素ベースバンド信号に変換し、これを各固定ビーム毎に出力し、
受信と同じタイミングで既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変換した複製信号を受信側で発生させて、この複製信号を上記各固定ビーム毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役に乗算し、その同相および直交成分をそれぞれ低域通過フィルタもしくは帯域通過フィルタに通し、これを複素重みとして上記各固定ビームごとの受信複素ベースバンド信号にそれぞれ乗算し、
その乗算結果を固定ビーム数分だけ全て加算することにより、希望通信信号の到来方向に向けた合成出力信号をアレーアンテナの受信ビームとして形成するようにしたことを特徴とするアレーアンテナのビーム形成方法。

【請求項4】
受信側で用意した既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変換した複製信号と、複数の方向に指向した各固定ビームによる受信複素ベースバンド信号毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役との乗算結果を低域通過フィルタもしくは帯域通過フィルタに通すことで得られる複素重みを、上記各固定ビームによる受信複素ベースバンド信号にそれぞれ乗算する際に、上記複素重みのエネルギーが予め定めた閾値以下であることを条件に、上記複素重みを強制的にゼロにすることにより、複数の非希望通信信号が希望通信信号とは異なる方向から同時に同じ周波数で到来する場合においても、上記非希望通信信号による干渉を抑圧できるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のアレーアンテナのビーム形成方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP1998265786thum.jpg
出願権利状態 登録
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