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シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法と、その方法で得られたシリカ被覆酸化亜鉛微粒子 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110005232
整理番号 P07-002
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-127324
公開番号 特開2008-280465
登録番号 特許第5150826号
出願日 平成19年5月11日(2007.5.11)
公開日 平成20年11月20日(2008.11.20)
登録日 平成24年12月14日(2012.12.14)
発明者
  • 鈴木 昇
  • イクバル アーメド シッディキ
  • 佐藤 正秀
  • 古澤 毅
出願人
  • 国立大学法人宇都宮大学
発明の名称 シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法と、その方法で得られたシリカ被覆酸化亜鉛微粒子 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】 紫外線吸収作用の保持と光触媒機能の抑制とが可能なシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を得る方法を提供する。
【解決手段】 解砕された酸化亜鉛微の二次粒子、テトラエトキシシラン、エタノール、アンモニア水溶液及び水とを混合し懸濁液を得る混合工程と、前記混合工程で得られた懸濁液を攪拌しつつ、エタノールの気化温度を越えない範囲で急速に高温にすると共にその後、紫外線吸収作用が保持され且つ光触媒機能の抑制が可能となる厚みのシリカ薄膜が酸化亜鉛ナノ粒子の表面に形成されるまで当該高温を維持するよう該懸濁液にマイクロ波を照射するマイクロ波照射工程とから成り、均一なシリカの膜が形成されることを特徴とする。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


酸化亜鉛は光触媒としての機能を有する物質であり、照射された紫外線を吸収する機能があり、その酸化亜鉛の粒子は白色であり、粒子径がナノ(nm)クラスとなる微細な粒子(ナノ粒子)は光透過性(透明性)を示す素材であることから、化粧品においては、皮膚に有害な紫外線を遮蔽(UVカットと呼ばれている)する材料(サンスクリーン材と呼ばれる)として使用することが研究されている。
しかしながら、酸化亜鉛の粒子が化粧品などに含まれる有機成分と接触すると、その酸化亜鉛の粒子が紫外線を受けてその有機物を分解し、化粧品を変色させるという、色を重要視する化粧品にとって好ましくないことが起こる。
即ち、肌に付着している化粧品に含まれた酸化亜鉛の粒子は、太陽光線の紫外線を受けると光触媒としての機能が惹起され、その酸化亜鉛粒子の表面に接触している有機物を分解し、有色物質に化学変化させ、結果として化粧材の変色を起こさせるのである。
例えば、化粧した当初には紫色であった目の周囲に塗られた酸化亜鉛を含むアイシャドウが、直射日光にあたって数時間で、本人が全く予期しない黄色に変色してしまい、顔の化粧が台なしになることがある。



そこで、酸化亜鉛のこのような有機物を分解して変色させる悪作用を抑制させるために、酸化亜鉛の表面を他の物質でコーティングする方法が研究されてきたが、その酸化亜鉛の粒子をコーティングするための方法としては従来ゾルゲル法がある。
しかしゾルゲル法によって酸化亜鉛粒子をコーティングする場合には、数時間あるいはそれ以上に時間を充分かけて皮膜を形成させるしかないため、その間にコーティング材の大きさなど不均一な粒子が多く発生してしまい、そのような不均一なコーティング材によって酸化亜鉛粒子の表面をコーティングしても薄く且つ均一な層に形成させることは非常に困難であった。



またゾルゲル法では、酸化亜鉛の粒子の表面全部を確実に被覆しようとすると、コーティング材が有機物の場合では被覆層を数十nmほど厚くしなければならず、そのように厚くすれば酸化亜鉛の粒子の表面が覆われて酸化亜鉛が周囲の他の物質に接触するのを遮断させて有機物の分解変色を抑制する効果を得ることが可能とはなるが、その代わりその厚い被覆層に遮蔽されて酸化亜鉛の表面まで紫外線が到達しにくくなって紫外線を吸収する機能が阻害されてしまうというマイナス面が現れる。



そこでそれとは逆に、紫外線の吸収効果を高めようとコーティング材の被覆層を薄くすると、コーティング層が不均一となっているため酸化亜鉛の粒子の一部が露出してしまい、この部分が酸化亜鉛が有機物に直接接触して有機物を変色させてしまうので、化粧品として重要な色彩安定性(変色防止性能)を得ることができなくなってしまうという問題が生じる。
これに関連して、下記特許文献1及び特許文献2には、紫外線吸収作用の保持と光触媒機能の抑制とが可能なシリカの薄膜を表面に被覆された酸化亜鉛微粒子に関した技術の提案がなされている。
一方、皮膜の製造方法としては、下記特許文献3には二酸化珪素などのコア材に酸化チタンなどの金属酸化物をコーティングする製造過程で、懸濁液に温度調節して30分程度の短時間にマイクロ波を照射すると金属酸化物を均一な厚さにコーティングできるとの記載がみられる。

【特許文献1】特開2003-292818号公報

【特許文献2】特開2007-16111号公報

【特許文献3】特表2006-527779号公報

産業上の利用分野


本発明は、酸化亜鉛微粒子の表面に光触媒機能を抑制する皮膜を形成するためのシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法と、その方法で得られたシリカ被覆酸化亜鉛微粒子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
10~70nmの平均二次微粒子径に解砕された酸化亜鉛のナノ粒子、テトラエトキシシラン、エタノール、アンモニア水溶液及び水とを混合し懸濁液を得る混合工程と、
前記混合工程で得られた懸濁液を攪拌しつつ、該懸濁液にマイクロ波を照射してエタノールの気化温度を越えない範囲まで加熱すると共に、該加熱した温度を維持するよう前記酸化亜鉛微粒子が備える紫外線吸収機能が保持され且つ光触媒機能の抑制が可能となる2~3nmの厚さのシリカ薄膜が前記酸化亜鉛微粒子の表面に形成されるまで前記マイクロ波の照射を継続するマイクロ波照射工程と、
から成り、均一なシリカの膜が形成されることを特徴とするシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法。

【請求項2】
酸化亜鉛微粒子の二次粒子をエタノールに混合して10~70nmの平均二次微粒子径に解砕されたナノ粒子を得る粒子解砕工程と、該粒子解砕工程で得られたエタノールに混合された酸化亜鉛のナノ粒子、テトラエトキシシラン、エタノール、アンモニア水溶液及び水とを混合し懸濁液を得る混合工程と、
前記混合工程で得られた懸濁液を攪拌しつつ、前記混合工程で得られた懸濁液を攪拌しつつ、該懸濁液にマイクロ波を照射してエタノールの気化温度を越えない範囲まで加熱すると共に、該加熱した温度を維持するよう前記酸化亜鉛微粒子が備える紫外線吸収機能が保持され且つ光触媒機能の抑制が可能となる2~3nmの厚さのシリカ薄膜が前記酸化亜鉛微粒子の表面に形成されるまで前記マイクロ波の照射を継続するマイクロ波照射工程と、
から成り、均一なシリカの膜が形成されることを特徴とするシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法。

【請求項3】
請求項1又は2に記載のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法において、混合工程で使用される酸化亜鉛ナノ粒子、テトラエトキシシラン、エタノール、アンモニア水溶液及び水の配合量が、酸化亜鉛ナノ粒子が2.5gに対して、テトラエトキシシランが0.75~2.0g、エタノールが20~120ml、水が15~90ml、アンモニア水溶液が10~60mlの範囲にあることを特徴とするシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法。

【請求項4】
請求項3記載のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法において、酸化亜鉛ナノ粒子を含む懸濁液へのマイクロ波照射時間が、エタノールの気化温度を越えない高温に到達するまでの時間を1分以内とし且つその後にその温度を維持する時間を1~3分に設定したことを特徴とするシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法。

【請求項5】
請求項1から4のうちいずれか1項に記載のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の製造方法で得られたシリカ被覆酸化亜鉛微粒子であって、酸化亜鉛の平均二次微粒子径が10~70nmで、且つその酸化亜鉛ナノ粒子の表面に均一に形成されたシリカの皮膜層の厚さが2~3nmであり、紫外線吸収作用の保持と光触媒機能の抑制とを同時に可能としたことを特徴とするシリカ被覆酸化亜鉛微粒子。


産業区分
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007127324thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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