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ウイルス潜伏感染の検査方法および検査用キット コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P110005287
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2005-261917
公開番号 特開2007-068508
登録番号 特許第4182227号
出願日 平成17年9月9日(2005.9.9)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
登録日 平成20年9月12日(2008.9.12)
発明者
  • 岩月 啓氏
  • 山本 剛伸
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 ウイルス潜伏感染の検査方法および検査用キット コモンズ 外国出願あり
発明の概要

【課題】皮膚生検や採血などによる痛みや出血を伴う侵襲的プロセスを経ることなく、潜伏感染関連遺伝子産物を検出することによるウイルス潜伏感染の検査方法を提供することを課題とする。さらには、上記ウイルス潜伏感染の検査に使用する検査用キットを提供することを課題とする。
【解決手段】病変部における痂皮や鱗屑にはウイルス感染細胞が多く含まれ、乾固壊死の状態であることから、痂皮および/または鱗屑を採取して検査用検体とし、該検査用検体中に含有可能性のある潜伏感染関連遺伝子産物を検出することによる。検査用キットとして、(1)ウイルス潜伏感染関連遺伝子産物の逆転写用アンチセンスオリゴヌクレオチド、(2)ウイルス潜伏感染関連遺伝子産物増幅用プライマーセット、および(3)ハウスキーピング遺伝子増幅用プライマーセットを含む。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


ヘルペスウイルス科のEpstein-Barr virus(以下単に、「EBウイルス」という。)は、約40年前にバーキットリンパ腫というアフリカの小児に多くみられる腫瘍から発見された。EBウイルスは一般には唾液を介して感染し、ヒトのリンパ球の一つであるB細胞を主な標的として感染し、その後体内に潜伏持続感染する。EBウイルスがB細胞に初感染し、発熱や肝脾腫などの症状があらわれた場合を伝染性単核球症という。しかし、免疫系の発達が未熟な乳幼児期での初感染はほとんどが感染しても無症状で(不顕性感染)、伝染性単核球症と診断されるのは、乳幼児の一部や青壮年での初感染の場合が多くを占める。



EBウイルスが原因となる代表的な疾患として、急性の感染症では伝染性単核球症やEBウイルス関連血球貪食症候群、悪性の疾患ではバーキットリンパ腫や上咽頭癌、胃癌などがある。さらに、慢性活動性EBウイルス感染症などがあげられる。



慢性活動性EBウイルス感染症は、大部分がB細胞以外のT細胞やNK細胞にEBウイルスが感染し発症する。症状として、発熱、肝腫、脾腫、リンパ節腫脹などが挙げられ、EBウイルスがNK細胞に感染した場合には蚊刺過敏症(蚊アレルギー)の症状を持っている場合がある。蚊刺過敏症の症状として、重症で発熱を伴い、蚊刺部の発赤、腫脹は10~20cm以上に拡大し、水疱形成に引き続き1~2cmの潰瘍を形成する。吸収不全を伴う慢性下痢、間質性肺炎、心筋炎、冠動脈瘤などの心血管障害、葡萄膜炎、脳炎、脊髄炎、末梢神経炎などの神経症状などが比較的高頻度に観察される。予後はきわめて不良で、数年後には最終的に心不全、肝不全、腎不全などの多臓器不全や、悪性リンパ腫、白血病など悪性疾患を患う場合がある。



ウイルスの検出方法は種々検討されており、多くの報告がある。生体液(血液、唾液等)や組織または細胞からウイルスを分離して同定する方法や、血清中のウイルスカプシド抗原(VCA)または核内抗原などを測定する免疫学的な方法があった。しかし、ウイルスを分離する診断では結果を得るまでに時間がかかり、免疫学的方法では抗体非特異反応が起きたり、高感度が得られないなどの問題があった。
その後、患者の組織や生体検体中のウイルスを直接検出する方法として、例えばEBウイルスについて、検体中に存在するウイルス抗原を蛍光などで標識した抗体と反応させて検出する方法や、皮膚生検を施行して得られた組織からDNAを抽出して増幅するPCR法(特許文献1)、リアルタイムPCR法(特許文献2)、RNAから逆転写酵素を用いてcDNAを調製したものについてDNAを増幅するRT-PCR法などの核酸増幅方法により検出する方法が報告されている。また、皮膚切片においてEBウイルス関連産物をin situ hybridization法で検出する方法(特許文献3)、細胞内EBウイルスの断片をサザンブロット法で検出する方法などが報告されている。その他、核酸増幅法やin situ hybridization法に適用可能なEBウイルス検出用オリゴヌクレオチドについても報告がある(特許文献4)。
上記、いずれの場合も皮膚生検や採血などの、痛みや出血を伴う侵襲的プロセスにより検体を採取しなくてはならず、とりわけ小児の患者には検査における苦痛が大きかった。




【特許文献1】特許第3360737号公報

【特許文献2】特開平11-137300号公報

【特許文献3】特開2003-24077号公報

【特許文献4】特表2002-505122号公報、

産業上の利用分野


ウイルスの潜伏感染によって生じる潜伏感染関連遺伝子産物を検出することによるウイルス潜伏感染の検査方法に関する。具体的には、皮膚に生じた痂皮(かさぶた)や鱗屑中に存在しうるウイルスの潜伏感染によって生じる潜伏感染関連遺伝子産物を検出することによるウイルス潜伏感染の検査方法に関する。さらには、これらの検査方法に使用する検査用キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程を含む、検査用検体中に含有可能性のある潜伏感染関連遺伝子産物を検出することを特徴とするウイルス潜伏感染の検査方法:
1)採取された痂皮および/または鱗屑からウイルスの潜伏感染関連遺伝子産物であるRNAを抽出する工程
)抽出されたRNAを基にして、核酸を増幅する工程;
)増幅した核酸からウイルス潜伏感染産物を検出する工程。

【請求項2】
ウイルスが、EBウイルス(Epstein-Barr virus)またはKSHV(Kaposi's sarcoma-associated herpesvirus)である請求項1に記載の検査方法。

【請求項3】
ウイルス潜伏感染関連遺伝子産物が、感染細胞の核内または細胞質に存在しうるRNAである請求項2に記載の検査方法。

【請求項4】
感染細胞の核内または細胞質に存在しうるRNAが、EBウイルス由来のEB virus-encoded small RNA(EBER)および/またはBamH1 A rightward transcripts(BARTs(BARF0))である請求項3に記載の検査方法。

【請求項5】
核酸を増幅する工程が、EBER由来核酸およびβ2-ミクログロブリン由来核酸を、同一の増幅条件において同時に増幅する工程を含む、請求項4に記載の検査方法。

【請求項6】
核酸を増幅する工程が、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)操作によるものであり、PCR操作用のcDNA混合溶液25μl当たりに、MgCl2が最終濃度1.5±0.2mM含まれていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一に記載の検査方法。

【請求項7】
PCR操作において、アニーリングを62±2℃の範囲で行うことを特徴とする請求項6に記載の検査方法。

【請求項8】
検体採取用の粘着部材を含むことを特徴とし、さらに以下の1)~)を含む請求項1~7のいずれか一に記載の検査方法に使用する検査用キット:
1)ウイルス潜伏感染関連遺伝子産物の逆転写用アンチセンスオリゴヌクレオチド;
2)ウイルス潜伏感染関連遺伝子産物増幅用プライマーセット;
3)ハウスキーピング遺伝子増幅用プライマーセット;
4)逆転写酵素

【請求項9】
前記1)~3)に含まれるアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび/またはプライマーセットが、以下である請求項8に記載の検査用キット:
1)配列表の配列番号1に記載のオリゴヌクレオチド;
2)配列表の配列番号2および1に記載のオリゴヌクレオチドの組み合わせによるEBER増幅用プライマーセット;
3)配列表の配列番号3および4に記載のオリゴヌクレオチドの組み合わせによるβ2-ミクログロブリン増幅用プライマーセット。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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