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癌の判定方法および癌診断キット コモンズ

国内特許コード P110005309
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2006-240787
公開番号 特開2008-061536
登録番号 特許第4923252号
出願日 平成18年9月5日(2006.9.5)
公開日 平成20年3月21日(2008.3.21)
登録日 平成24年2月17日(2012.2.17)
発明者
  • 小野 俊朗
  • 中山 睿一
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 癌の判定方法および癌診断キット コモンズ
発明の概要

【課題】消化器癌の検査、診断あるいは治療に有用なCT抗原を見出し、当該CT抗原を癌マーカーとする新規な癌診断方法および癌診断キットを提供する
【解決手段】精巣特異的タンパク質として知られているGKAP1(G kinase anchoring protein 1)は、胃癌組織で発現し、胃癌患者の血清中に抗体が存在するCT抗原であることを見出した。血清中の抗GKAP1抗体の存在、癌組織におけるGKAP1の発現を正常レベルと比較することにより、胃癌の診断が可能となる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


消化器癌、特に胃癌、大腸癌には、検査、診断あるいは治療に有用な癌抗原が少ない。それゆえ、消化器癌の検査、診断あるいは治療に有用な癌抗原を見出し、これをマーカーとして診断等に適用することは極めて重要である。



癌抗原のなかで、癌・精巣抗原(Cancer-Testis抗原、以下「CT抗原」と記す)は、各種の癌組織、および正常組織のうち精巣と一部卵巣・胎盤組織で発現が認められる抗原群である。現在多くのCT抗原が同定、報告されており、その数は確定していないが、約38個のCT抗原が知られている。しかしながら、これらのCT抗原のすべてが癌患者に対して免疫原性が強いわけではなく、癌の診断、検査のマーカー、あるいは癌治療に有望なCT抗原は限られている。



現在報告されている代表的なCT抗原として、MAGE(非特許文献1参照)、SSX(非特許文献2参照)、NY-ESO-1(非特許文献3参照)を挙げることができる。



MAGEとNY-ESO-1については欧米を中心に臨床応用され、一定の効果が得られた例もある(例えば、NY-ESO-1の臨床応用については非特許文献4参照)。



しかしながら、過去に報告されているCT抗原は胃癌や大腸癌などの消化器癌での発現はまれであり、しかも消化器癌患者の抗体産生の頻度もきわめて少ない。例えば、大腸癌患者のNY-ESO-1、MAGE、SSXに対する抗体産生能は何れも0%であることが報告されている(非特許文献5参照)。



また、CT抗原のうち、現在癌治療等への応用に最も有望とされているものはNY-ESO-1であるが、
本願発明者らが、様々な上皮系腫瘍の患者についてNY-ESO-1に対する抗体産生能を調べたところ、膀胱癌で7%(9/124、非特許文献5参照)、前立腺癌で4.6%(10/218、非特許文献6参照)、乳癌で1.6%(1/62、非特許文献7参照)、食道癌で3.9%(2/51、非特許文献8参照)、肝臓癌で2.2%(2/92、非特許文献9参照)であり、何れ癌種もそれほど高くないという結果を報告している。

【非特許文献1】van der Bruggen P, Traversari C, Chomez P, Lurquin C, De Plaen E, van den Eynde B, Knuth A, Boon T.A gene encoding an antigen recognized by cytolytic T lymphocytes on a human melanoma. Science 254: 1643-1647, 1991.

【非特許文献2】Gure AO, Tureci O, Sahin U, Tsang S, Scanlan MJ, Jager E, Knuth A, Pfreundschuh M, Old LJ, Chen YT. SSX: a multigene family with several members transcribed in normal testis and human cancer. Int. J. Cancer 72: 965-971, 1997.

【非特許文献3】Chen YT, Scanlan, MJ, Sahin U, Tureci O, Gure AO, Tsang S, Williamson B, Stockert E, Pfreundschuh M, Old LJ. A testicular antigen aberrantly expressed in human cancers detected by autologous antibody screening. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 1914-1918, 1997.

【非特許文献4】Jager E, Gnjatic S, Nagata Y, Stockert E, Jager D, Karbach J, Neumann A, Rieckenberg J, Chen YT, Ritter G, Hoffman E, Arand M, Old LJ, Knuth A. Induction of primary NY-ESO-1 immunity: CD8+ T lymphocyte and antibody responses in peptide-vaccinated patients with NY-ESO-1+ cancers. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97: 12198-12203.

【非特許文献5】Stockert E, Jager E, Chen YT, Scanlan MJ, Gout I, Karbach J, Arand M, Knuth A, Old LJ. A survey of the humoral immune response of cancer patients to a panel of human tumor antigens. J. Exp. Med. 187: 1349-1354, 1998.

【非特許文献6】Kurashige T, Noguchi Y, Saika T, Ono T, Nagata Y, Jungbluth AA, Ritter G, Chen YT, Stockert E, Tsushima T, Kumon H, Old LJ, Nakayama E. NY-ESO-1 expression and immunogenicity associated with transitional cell carcinoma: correlation with tumor grade. Cancer Res. 61: 4671-4674, 2001.

【非特許文献7】Nakada T, Noguchi Y, Sato S, Ono T, Saika T, Kurashige T, Gnjatic S, Ritter G, Chen YT, Stockert E, Nasu Y, Tsushima T, Kumon H, Old LJ, Nakayama E. NY-ESO-1 mRNA expression and immunogenicity in advanced prostate cancer. Cancer Immunity 3: 10, 2003.

【非特許文献8】Sugita Y, Wada S, Fujita S, Nakata T, Sato S, Noguchi Y, Jungbluth AA, Yamaguchi M, Chen YT, Stockert E, Gnjatic S, Williamson B, Scanlan MJ, Ono T, Sakita I, Yasui M, Miyoshi Y, Tamaki Y, Matsuura N, Noguchi S, Old LJ, Nakayama E, Monden M. NY-ESO-1 expression and immunogenicity in malignant and benign breast tumors.Cancer Res. 64: 2199-2204, 2004.

【非特許文献9】Fujita S, Wada H, Jungbluth AA. Sato S, Nakata T, Noguchi Y, Doki Y, Yasui M, Sugita Y, Yasuda T, Yano M, Ono T, Chen YT, Higashiyama M, Gnjatic S, Old LJ, Nakayama E, Monden M. NY-ESO-1 expression and immunogenicity in esophageal cancer.Clin. Cancer Res. 10: 6551-6558, 2004.

【非特許文献10】Nakamura, S, Nouso K, Noguchi Y, Higashi T, Ono T, Jungbluth AA, Chen YT, Old LJ, Nakayama E, Shiratori Y. Expression and immunogenicity of NY-ESO-1 in hepatocellular carcinoma. J. Gastroenterol. Hepatol. 21: 1281-1285, 2006.

産業上の利用分野


本発明は、新規な癌診断方法および癌診断キットに関するものであり、より詳細には、G kinase anchoring protein 1(以下「GKAP1」と記す)の発現または抗GKAP1抗体の存在を指標とする癌診断方法および癌診断キットに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検体由来の試料を用いた、被検体が癌を有しているか否かの判定方法であって、
被検体由来の試料において、配列番号1または配列番号5に示される塩基配列を含むポリヌクレオチドの転写産物の量を測定するポリヌクレオチド測定工程
上記ポリヌクレオチドの転写産物の量を正常な転写産物の量と比較する比較工程、および
上記ポリヌクレオチドの転写産物の量が上記正常な転写産物の量の少なくとも2倍である場合に、被検体が癌を有していると判定する判定工程
を包含することを特徴とする判定方法

【請求項2】
被検体由来の試料を用いた、被検体が癌を有しているか否かの判定方法であって、
被検体由来の試料において、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドのを測定するポリペプチド測定工程
上記ポリペプチドのを正常なポリペプチドの量と比較する比較工程、および
上記ポリペプチドの量が上記正常なポリペプチドの量の少なくとも2倍である場合に、被検体が癌を有していると判定する判定工程
を包含することを特徴とする判定方法

【請求項3】
被検体由来の試料を用いた、被検体が癌を有しているか否かの判定方法であって、
被検体由来の試料において、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドに特異的に結合する抗体の力価を測定する抗体測定工程
上記抗体の力価を正常な力価と比較する比較工程、および
上記抗体の力価が上記正常な力価の少なくとも2倍である場合に、被検体が癌を有していると判定する判定工程
を包含することを特徴とする判定方法

【請求項4】
上記癌が上皮系腫瘍または皮膚癌であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の判定方法

【請求項5】
上記癌が胃癌、乳癌、頭頸部癌、肺癌および悪性黒色腫から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の判定方法

【請求項6】
被検体由来の試料を用いて癌を診断するためのキットであって、
配列番号1または配列番号5に示される塩基配列を含むポリヌクレオチドを備えることを特徴とするキット。

【請求項7】
被検体由来の試料を用いて癌を診断するためのキットであって、
配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドに特異的に結合する抗体を備えることを特徴とするキット。

【請求項8】
被検体由来の試料を用いて癌を診断するためのキットであって、
配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを備えることを特徴とするキット。

【請求項9】
上記癌が上皮系腫瘍または皮膚癌であることを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載のキット。

【請求項10】
上記癌が胃癌、乳癌、頭頸部癌、肺癌および悪性黒色腫から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載のキット。
産業区分
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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