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新規な抗マラリア剤 コモンズ

国内特許コード P110005313
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2006-276588
公開番号 特開2008-094740
登録番号 特許第4431796号
出願日 平成18年10月10日(2006.10.10)
公開日 平成20年4月24日(2008.4.24)
登録日 平成22年1月8日(2010.1.8)
発明者
  • 佐々木 健二
  • 加来田 博貴
  • 日和佐 佳子
  • 本島 和典
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 新規な抗マラリア剤 コモンズ
発明の概要

【課題】高い有用性と安全性を有する抗マラリア剤の提供。
【解決手段】下記一般式で示されるビスピリジニウム塩。


【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


マラリア原虫感染によって引き起こされるマラリアは人類最大の寄生原虫感染症であり、世界保健機構(WHO)の最新統計によると、毎年、世界中で2億6700万人もの人々がマラリアに感染し、そのうち200万人が死亡している。マラリアの起因病原体は、プラスモジウム(Plasmodium)属に属する原虫であり、例えば、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの熱帯地域全体に分布する熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)、世界各地の熱帯と温帯の一部に分布する三日熱マラリア原虫(P. vivax)、主として熱帯西アフリカに分布する卵型マラリア原虫(P. ovale)、及び世界各地に分布する四日熱マラリア原虫(P. malariae)などの原虫がハマダラ蚊を媒介としてヒトに感染する。日本国内でも輸入感染症として増加する傾向にあり、中には、診断、治療の遅れから死亡する例も見られる。



マラリアの治療及び予防には、キニーネ、クロロキン、ピリメタミン、アルテミシニン、メフロキン等が用いられている。しかしながら、クロロキン網膜症に代表されるように、従来の抗マラリア剤は安全性の点で問題があり、薬剤耐性の問題も生じている。このような状況に対し、WHOも新規化学治療法剤の開発を重要な目標に掲げている。そのため、マラリア感染症を治療するための毒性が低い新しいタイプの抗マラリア剤の開発が望まれている。またマラリアの感染地域には発展途上国が多く含まれるために、抗マラリア剤を安価に合成・供給することができることが望まれている。



本発明者らはこれまで、安価な原料を用いて少ない工程数で収率よく合成できる、高活性な抗マラリア剤の探索を行なってきており、多くの成果を報告している。そのような一連の研究の中で本発明者らは特開2005-179212号公報において、ビス第四アンモニウム塩化合物を有効成分として含有する抗マラリア剤を開示している。なおこれと同様にダイマータイプの化合物であるビスチアゾリウム塩が抗マラリア活性を有するというHamzeらの報告もある(J. Med. Chem., 2005, 48, 3639-3643)。



また本発明者らは、高い抗マラリア活性を有するN,N’-オクタメチレンビス(4-カルバモイル-1-ヘキシルピリジニウム ブロマイド)についても報告している(Bioorg.Med.Chem.Lett., 2006, 16, 2758-2760)。しかしこの化合物のリンカー部分であるアミド結合の代わりにピリジニウムジカチオン部位で結合させ、かつアミドを側鎖に配した構造を有するビスピリジニウム塩化合物については、これまで検討されていなかった。



なお、含窒素ヘテロ環を含む化合物をハロゲン化銀写真感光材料として用いることが特開平8-76314公報において報告されており、該含窒素ヘテロ環は結合してビス型構造を形成してもよい旨が記載されている。しかし特開平8-76314公報において報告されているのはハロゲン化銀写真感光材料であり、この特許は抗マラリア活性に関連するものではない。




【特許文献1】特開2005-179212号公報

【特許文献2】特開平8-76314号公報

【非特許文献1】Hamze, A. et al., J. Med. Chem., 2005, 48, 3639-3643

【非特許文献2】Fujimoto, K. et al., Bioorg.Med.Chem.Lett., 2006, 16, 2758-2760

産業上の利用分野


本発明は、ビスピリジニウム塩化合物を有効成分として含有する新規な抗マラリア剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(3)で示されるビスピリジニウム塩化合物を有効成分として含有することを特徴とする抗マラリア剤。
一般式(3)
【化学式1】


式中、R1は炭素数1から20の直鎖のアルキレン基、炭素数3から20の分岐したアルキレン基、そのベンゼン環に置換基を有してもよいフェニレン基又は炭素数1から5のアルキレン基を両端に有し且つそのベンゼン環に置換基を有してもよいフェニレン基を表し、
2つのR2は同一もしくは異なり、それぞれ水素又は炭素数1から20のアルキル基、又は置換基を有してもよい芳香環を末端に有する炭素数1から15のアルキル基を表し、
-はアニオンを表す。

【請求項2】
下記一般式(5)で示されるビスピリジニウム塩化合物を有効成分として含有することを特徴とする抗マラリア剤。
一般式(5)
【化学式2】


式中、R1は炭素数1から20の直鎖のアルキレン基、炭素数3から20の分岐したアルキレン基、そのベンゼン環に置換基を有してもよいフェニレン基又は炭素数1から5のアルキレン基を両端に有し且つそのベンゼン環に置換基を有してもよいフェニレン基を表し、
4つのR2は同一もしくは異なり、それぞれ水素又は炭素数1から20のアルキル基、又は置換基を有してもよい芳香環を末端に有する炭素数1から15のアルキル基を表し、
-はアニオンを表す。

【請求項3】
1,1’-(1,6-ヘキサメチレン)ビス[4-{(n-ブチルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項4】
1,1’-(1,8-オクタメチレン)ビス[4-{(n-ブチルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項5】
1,1’-(1,10-デカメチレン)ビス[4-{(n-ブチルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項6】
1,1’-(1,12-ドデカメチレン)ビス[4-{(n-ブチルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド]。

【請求項7】
1,1’-(1,6-ヘキサメチレン)ビス[4-{(n-ヘキシルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項8】
1,1’-(1,8-オクタメチレン)ビス[4-{(n-ヘキシルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項9】
1,1’-(1,10-デカメチレン)ビス[4-{(n-ヘキシルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項10】
1,1’-(1,12-ドデカメチレン)ビス[4-{(n-ヘキシルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項11】
1,1’-(1,6-ヘキサメチレン)ビス[4-{(n-オクチルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド]。

【請求項12】
1,1’-(1,8-オクタメチレン)ビス[4-{(n-オクチルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項13】
1,1’-(1,10-デカメチレン)ビス[4-{(n-オクチルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項14】
1,1’-(1,12-ドデカメチレン)ビス[4-{(n-オクチルアミノ)カルボニル}ピリジニウム ブロマイド] 。

【請求項15】
N,N’-ジベンジル-N,N’-ヘキサメチレンビス(4-カルバモイル-1-n-ヘキシルピリジニウム ブロマイド) 。

【請求項16】
N,N’-ジベンジル-N,N’-ヘキサメチレンビス(4-カルバモイル-1-n-オクチルピリジニウム ブロマイド) 。

【請求項17】
N,N’-ジベンジル-N,N’-オクタメチレンビス(4-カルバモイル-1-n-ヘキシルピリジニウム ブロマイド) 。

【請求項18】
N,N’-ジベンジル-N,N’-オクタメチレンビス(4-カルバモイル-1-n-オクチルピリジニウム ブロマイド) 。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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