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非破壊検査装置及びこの装置による検査方法 コモンズ

国内特許コード P110005315
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2006-312092
公開番号 特開2008-089562
登録番号 特許第3924626号
出願日 平成18年11月17日(2006.11.17)
公開日 平成20年4月17日(2008.4.17)
登録日 平成19年3月9日(2007.3.9)
優先権データ
  • 特願2006-244403 (2006.9.8) JP
発明者
  • 紀和 利彦
  • 塚田 啓二
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 非破壊検査装置及びこの装置による検査方法 コモンズ
発明の概要


【課題】金属体等の被検体中に存在する未知の欠陥の位置や形状をより高速に、かつ定量的に評価し、被検体の内部構造を可視化可能とした非破壊検査装置及びこの装置による検査方法を提供する。
【解決手段】被検体にパルス状の磁場を印加して、この磁場に応じて被検体に誘導された磁場をセンサで検出する非破壊検査装置及びこの装置による検査方法であって、センサによって得られた計測信号とバックグラウンド信号から誘導成分信号を生成し、フーリエ変換した誘導成分信号の振幅をフーリエ変換したバックグラウンド信号の振幅で規格化して被検体の応答特性を特定する振幅情報を生成し、フーリエ変換した計測信号の偏角とフーリエ変換したバックグラウンド信号の偏角の差から被検体の応答特性を特定する位相情報を生成することにより、被検体の内部構造を反映した応答特性の振幅情報及び位相情報を得る。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来、交流磁場を利用した渦流探傷装置などの非破壊検査装置が知られている。渦流探傷装置は、一般的に、交流磁場を出力するためのコイルと、このコイルに所定の交流電流を通電するための電源回路と、前記コイルから出力した交流磁場に対する被検体の応答信号を検出するためのセンサと、このセンサで検出した応答信号を解析する解析部とを備えている。



すなわち、渦流探傷装置では、コイルから所定の交流磁場を出力すると、ファラディの電磁誘導法則に基づいて被検体の表面に渦電流を発生させることができ、この渦電流によって被検体にはコイルで印加した交流磁場に反発する磁場が形成されることとなる。なお、以下において、特に言及しない限り、被検体は通電性を有しているものとする。



渦流探傷装置では、被検体に生じた渦電流に基づく磁場の変動として計測される応答信号をセンサで検出し、この応答信号を解析することにより被検体における欠陥の有無を検知している。すなわち、被検体に欠陥が存在している場合には、欠陥によって渦電流の生成が阻害されるので、欠陥が存在しない場合と比較して応答信号が変化することを利用しているものである。



なお、渦流探傷装置では、人工的に欠陥を形成した試験体を用いて、この試験体を被検体とした場合に得られる応答信号の情報をあらかじめ登録しており、この試験体における応答信号と、被検体における応答信号とを比較して、最も信号波形の似ている試験体の応答信号を特定することにより、被検体における欠陥の有無、及びその欠陥の形状などを判定している。



しかしながら、被検体には、様々な形状や種類の欠陥が形成されるため、これら全ての欠陥を網羅した試験体における応答信号を得ることは現実的に困難であって、より近いと思われる試験体の応答信号の波形形状から欠陥を特定することにより、欠陥の位置や形状に関する正確な情報を得ることは現実問題として不可能であるとともに、欠陥を誤検出する可能性もあった。



このような渦流探傷装置で構成された非破壊検査装置の一形態として、鋸波状の波形の交流磁場を出力して被検体の計測を行い、センサから出力された電気信号を高速フーリエ変換して周波数関数とすることにより複数種類の周波数の交流磁場を印加したことに相当する応答信号の検出を行う非破壊検査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。



特に、この非破壊検査装置では、得られた応答信号の情報から被検体の内部に生じている欠陥を三次元表示することも行っている。



また、ロックインアンプ回路を用いることにより、周波数の異なる複数の交流磁場による被検体の応答信号を検出するとともに、各周波数に対する応答信号の同相信号と、この同相信号から位相を90度ずらした90度位相信号を生成して、これらの信号を用いて被検体における欠陥の有無だけでなく、被検体の材質の特定が可能であることが記載されている(例えば、特許文献2参照。)。

【特許文献1】特開2003-149208号公報

【特許文献2】特開2006-30004号公報

産業上の利用分野


本発明は、被検体に印加した交流磁場に対する被検体からの応答信号を検出して、被検体を検査する非破壊検査装置、及びこの装置による検査方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定のパルス状の電流を出力する電源回路と、
前記電流に基づいて磁場を生成する印加コイルと、
前記磁場によって被検体に誘導した誘導磁場を検出して電気信号として出力するセンサと、
前記電源回路からの前記電流の出力に応じた前記電気信号の解析を行う解析部と
を備えるとともに、
前記解析部には、
前記被検体で誘導された誘導磁場を前記センサで検出して得た電気信号である第1の信号と、前記被検体がない場合に前記印加コイルで生成された磁場を前記センサで検出して得たバックグラウンドの電気信号である第2の信号の情報を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された第1の信号の情報と第2の信号の情報とから前記被検体の応答特性を特定する振幅情報と位相情報を生成する応答特性特定手段と
を備えた非破壊検査装置において、
前記応答特性特定手段では、
前記第1の信号から前記第2の信号を減算して第3の信号を生成し、
この第3の信号をフーリエ変換するとともに、フーリエ変換された前記第3の信号の振幅を、フーリエ変換した前記第2の信号の振幅で規格化して前記振幅情報を生成し、
フーリエ変換した前記第1の信号における偏角とフーリエ変換した前記第2の信号における偏角の差から前記位相情報を生成する
ことを特徴とする非破壊検査装置。

【請求項2】
前記解析部は、
前記被検体に設定した複数の計測位置でそれぞれ前記振幅情報と前記位相情報を特定して前記記憶手段に記憶し、各計測位置での前記振幅情報と前記位相情報を用いて前記被検体の内部構造を特定する内部構造特定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査装置。

【請求項3】
前記被検体は前記センサに対して移動可能とした移動手段に装着し、
前記解析部で前記移動手段を操作することにより前記被検体の複数の位置において前記振幅情報と前記位相情報を順次生成することを特徴とする請求項2記載の非破壊検査装置。

【請求項4】
前記センサは、複数の検出部をアレイ状に配置して構成し、各検出部でそれぞれ前記第1の信号及び前記第2の信号の検出を行うことを特徴とする請求項2記載の非破壊検査装置。

【請求項5】
前記センサから出力される電気信号から直流成分を消去するオフセット回路と、
このオフセット回路から出力された電気信号を増幅する増幅回路
を設けたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。

【請求項6】
解析部に入力される前記第1の信号及び前記第2の信号をそれぞれデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路を設けたことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。

【請求項7】
前記アナログ・デジタル変換回路には、前記電源回路から出力する前記パルス状の電流の出力タイミングを示すトリガ信号を入力し、このトリガ信号をデジタル信号に変換して前記解析部に入力していることを特徴とする請求項6記載の非破壊検査装置。

【請求項8】
前記電源回路は、前記パルス状の電流をガウス関数波形として出力することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。

【請求項9】
前記センサは、ホール素子、磁気抵抗素子、磁気インピーダンス効果素子、フラックスゲート又は、超伝導量子干渉素子のいずれか一種であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。

【請求項10】
電源回路から出力したパルス状の電流によって生成したパルス状の磁場に対して被検体に誘導された誘導磁場をセンサで検出し、このセンサの出力信号を用いて解析装置で解析することにより前記被検体を検査する検査方法であって、
前記誘導磁場の検出に応じて前記センサから出力された第1の信号を記憶するステップと、
前記被検体がない場合の前記パルス状の磁場に応じて前記センサから出力された第2の信号を記憶するステップと、
前記電源回路から出力されるパルス状の電流の出力タイミングを示すトリガ信号に基づいて、前記第1の信号及び前記第2の信号を調整するステップと、
前記第1の信号から前記第2の信号を減算して誘導磁場成分だけを抽出した第3の信号を生成するステップと、
前記第3の信号をフーリエ変換するととともに、フーリエ変換された前記第3の信号の振幅をフーリエ変換した前記第2の信号の振幅で規格化して前記被検体の応答特性を特定する振幅情報を生成するステップと、
フーリエ変換した前記第1の信号における偏角とフーリエ変換した前記第2の信号における偏角の差から前記被検体の応答特性を特定する位相情報を生成するステップと
を有する検査方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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