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エステル、カルボン酸及びアミドの製造方法 コモンズ

国内特許コード P110005336
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-060948
公開番号 特開2008-222606
登録番号 特許第5309318号
出願日 平成19年3月9日(2007.3.9)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
登録日 平成25年7月12日(2013.7.12)
発明者
  • 國信 洋一郎
  • 高井 和彦
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 エステル、カルボン酸及びアミドの製造方法 コモンズ
発明の概要

【課題】1,3-ジカルボニル化合物を原料とし、温和な条件下で収率良く、エステル、カルボン酸及びアミドを製造する方法を提供する。
【解決手段】1,3-ジカルボニル化合物とアルコールを反応させてエステルを製造する。1,3-ジカルボニル化合物と水を反応させてカルボン酸を製造する。1,3-ジカルボニル化合物とチオールを反応させてチオエステルを製造する。1,3-ジカルボニル化合物とアミンを反応させてアミドを製造する。これらの反応においては、インジウム塩などの金属触媒を使用することが好ましい。また、1,3-ジカルボニル化合物からアシル基を脱離させてケトンを製造する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


エステル、カルボン酸、アミドなどは、様々な構造のものが広く用いられていて、実用上重要な化合物である。例えば、エステルは、果実などの香りの成分であるものが多いことから、香料として有用であるし、塗料や接着剤などの溶媒やプラスチックの可塑剤としても用いられている。また、カルボン酸やカルボン酸アミドも極めて広汎に使用されている。医薬品や電子材料などに用いられる精密合成品としてもこれらの化合物は重要である。



従来のエステル合成法としては、カルボン酸とアルコールの脱水縮合が最も一般的である。しかし、触媒として硫酸などの強酸の添加を必要とすることが多いため、酸に敏感な官能基を有するエステルの合成は困難だった。また、酸塩化物や酸無水物とアルコールとの反応もよく利用されるが、反応後に塩化水素やカルボン酸が副生するため、やはり系中が酸性になるという問題点があった。そこで、酸の添加や副生を伴わない、中性条件下でのエステル合成反応が求められていた。この点は、アミドの合成でも同様である。



1,3-ジカルボニル化合物(β-ジカルボニル化合物)は、これまでにも合成反応の原料として用いられてきた。例えば、非特許文献1には、1,3-ジケトン(β-ジケトン)とアルコールを塩化インジウム触媒の存在下で反応させて、1,3-ジケトンのα位に炭素-炭素結合を導入する反応が報告されている(下記式(1)参照)。この反応によれば、アルコールの水酸基が脱離する形で炭素-炭素結合が導入される。



【化学式1】




また、非特許文献2には、1,3-ジケトンとアルコールとをイッテルビウムトリフラートの存在下で反応させて、β-ケトエノールエーテルを合成する反応が報告されている(下記式(2)参照)。この反応によれば、アルコールの水酸基が1,3-ジケトンのカルボニル基の一方に対して求核攻撃してから脱水反応が進行して、炭素-酸素結合が形成される。



【化学式2】





【非特許文献1】M. Yasuda、外2名、Angewandte Chemie Int. Ed.、2006年、第45巻、p.793-796

【非特許文献2】M. Curini、外2名、Tetrahedron Letters、2006年、第47巻、p.4697-4700

産業上の利用分野


本発明は、1,3-ジカルボニル化合物を原料とするエステル、カルボン酸及びアミドの製造方法に関する。具体的には、1,3-ジカルボニル化合物とアルコールからエステルを製造する方法、1,3-ジカルボニル化合物と水からカルボン酸を製造する方法、1,3-ジカルボニル化合物とチオールからチオエステルを製造する方法、及び1,3-ジカルボニル化合物とアミンからアミドを製造する方法に関する。また、1,3-ジカルボニル化合物からアシル基を脱離させるケトンの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)
【化学式1】


[式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基であり;R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基であり;R、R、R及びRは、相互に結合して環を形成してもよい。]
で示される1,3-ジカルボニル化合物と、下記式(II)
【化学式2】


[式中、-X-は、-O-、-S-又は-NR-を示し;R及びRは、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基であり;R及びRは、相互に結合して環を形成してもよく、R又はRが式(I)におけるR、R、R又はRと結合していてもよい。]
で示される化合物を、インジウムトリフラート又は銅トリフラートから選択されるルイス酸触媒の存在下に反応させることを特徴とする、下記式(III)
【化学式3】


[式中、X、R及びRは、上記式(I)及び式(II)と同じ。]
で示される、エステル、カルボン酸及びアミドからなる群から選択される1種の化合物の製造方法。

【請求項2】
式(I)で示される1,3-ジカルボニル化合物において、R、R、R及びRが相互に結合して環を形成していて、式(III)で示される化合物が、ケトエステル、ケトカルボン酸及びケトアミドからなる群から選択される1種の化合物である請求項1記載の製造方法。

【請求項3】
式(I)で示される1,3-ジカルボニル化合物と式(II)で示される化合物の濃度をいずれも1モル/L以上として反応させる請求項1又は2に記載の製造方法。

【請求項4】
60~200℃の反応温度で反応させる請求項1~のいずれか記載の製造方法。

【請求項5】
下記式(I)
【化学式4】


[式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基であり;R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基であり;R、R、R及びRは、相互に結合して環を形成してもよい。]
で示される1,3-ジカルボニル化合物と、下記式(II)
【化学式5】


[式中、-X-は、-O-、-S-又は-NR-を示し;R及びRは、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基であり;R及びRは、相互に結合して環を形成してもよく、R又はRが式(I)におけるR、R、R又はRと結合していてもよい。]
で示される化合物を、インジウムトリフラート又は銅トリフラートから選択されるルイス酸触媒の存在下に反応させることを特徴とする、下記式(IV)
【化学式6】


[式中、R、R及びRは、上記式(I)及び式(II)と同じ。]
で示されるケトンの製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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