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イミノ基を含有する化合物の製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110005337
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-061057
公開番号 特開2008-222612
登録番号 特許第5140828号
出願日 平成19年3月9日(2007.3.9)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
登録日 平成24年11月30日(2012.11.30)
発明者
  • 國信 洋一郎
  • 高井 和彦
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 イミノ基を含有する化合物の製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】イミンやケトンなどの炭素-水素結合に対して分極した不飽和結合を挿入して、新たな炭素-炭素結合を形成して、原子効率良くイミノ基又はカルボニル基を含有する化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】マンガン化合物などの遷移金属触媒によって、イミンやケトンなどのβ位の炭素-水素結合を活性化し、そこにカルボニル基などの分極した不飽和結合を挿入してから、水酸基、アミノ基又はチオール基の保護が可能な化合物と反応させ、保護されたアルコール、アミン又はチオールを得る。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


複雑な化合物を合成するためには、入手容易な化合物を原料とし、炭素-炭素結合の形成を繰り返すことが必要であることから、炭素-炭素結合生成反応は、有機合成において重要な反応である。例えば、カルボニル化合物に対して炭素-炭素結合を形成する反応の代表例がグリニャール反応である。これはカルボニル基への有機マグネシウム反応剤(グリニャール反応剤)の付加反応であり、二級、三級アルコール及びその誘導体の合成法として有用な炭素-炭素結合形成反応である。しかし、このグリニャール反応には二つの問題点がある。一つは、求核剤となるグリニャール反応剤をハロゲン化アルキルとマグネシウムから、あらかじめ調製しておく必要があるという点である。二つめは、量論反応であることから、反応後に1当量以上のマグネシウム塩が副生する点である。



近年では、簡単かつ経済的に合成できるのみならず、環境に優しい反応であることも重要視されるようになっている。上記グリニャール反応の場合のように、通常、炭素-炭素結合形成に利用されるのはハロゲンなどの反応性の高い官能基である。これらの官能基は原料にあらかじめ導入しておく必要があるが、反応後には失われてしまうため、原子効率が悪かった。これに対し、炭素-水素結合を活性化させる手法は、官能基をあらかじめ原料に導入しておく必要がないため、経済的であって環境に調和した、原子効率の良い分子変換法である。遷移金属錯体触媒を用いて、炭素-水素結合を活性化することにより炭素-炭素結合を形成する反応は、近年大きな発展を遂げている。



従来、炭素-水素結合の活性化を経由する化学反応には、主にルテニウムやロジウムなどの高価な金属錯体が用いられてきた。また、これらの金属錯体を用いた反応は、分極していない不飽和分子(オレフィン、アセチレン)の炭素-水素結合への挿入反応に限られていた。そのような反応として、非特許文献1に記載されている芳香族ケトンとオレフィンの反応がよく知られている(下記式(1)参照)。この反応では、カルボニル基の酸素がルテニウム原子に配位することによって、芳香族ケトンの芳香環のオルト位の炭素-水素結合が活性化される。そして活性化された炭素-水素結合にオレフィンが挿入し、炭素-炭素結合が形成される。



【化学式1】




一方、本発明者らは、レニウム錯体による炭素-水素結合の活性化を利用した、炭素-炭素結合形成反応を報告している。レニウム錯体を用いることにより、アセチレンなどの分極していない分子だけでなく、イソシアナートやアルデヒドといった、分極した不飽和分子が炭素-水素結合へ挿入することが可能であることを見いだしている。例えば、アルデヒドのカルボニル基が炭素-水素結合へ挿入することについては非特許文献2に報告されている。それによると、芳香族イミンのイミノ基のβ位(芳香環のオルト位)の炭素-水素結合が活性化され、グリニャール型の反応によりアルデヒドが挿入し、さらに分子内での求核的な環化反応が進行し、イソベンゾフラン誘導体が収率良く得られる(下記式(2)参照)。



【化学式2】





【非特許文献1】S. Murai、外6名、Nature、1993年、第366巻、p.529-531

【非特許文献2】Y. Kuninobu、外3名、Journal of American Chemical Society、2006年、第128巻、p.12376-12377

産業上の利用分野


本発明は、イミノ基を含有する化合物の製造方法に関する。特に、β位に水素原子を有するイミンに対してカルボニル化合物を反応させて、水酸基が保護されたイミノアルコールを製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(VIII)
【化学式1】


[式中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基であり;R11、R12、R13及びR14は、相互に結合して環を形成してもよい。また、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基又はアリールアゾ基であり;R及びRは相互に結合して環を形成している。
で示されるイミンと、下記式(II)
【化学式2】


[式中、=Yは、=Oを示し;は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよい複素環基であり;は水素原子である。
で示されるアルデヒドと、水酸基の保護が可能な下記式(IV)
【化学式3】


[式中、Zは、ケイ素原子であり、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよい複素環基であり;R、R及びR10は、相互に結合して環を形成してもよい。]
で示される化合物とを、マンガン化合物又はレニウム化合物からなる触媒の存在下で反応させることを特徴とする、下記式(IX)
【化学式4】


[式中、、R11、R12、R13、R14及びYは、前記式(VIII)及び式(II)と同じ。Prot.は、ZR10であり、Z、R、R及びR10は、式(IV)と同じである。
で示される化合物の製造方法。

【請求項2】
前記式(VIII)で示される化合物において、Rがアルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基からなる群から選択される1種である請求項記載の製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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