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ケイ素吸収に関与する遺伝子の利用 コモンズ

国内特許コード P110005338
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-065580
公開番号 特開2008-220306
登録番号 特許第4613318号
出願日 平成19年3月14日(2007.3.14)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
登録日 平成22年10月29日(2010.10.29)
発明者
  • 馬 建鋒
  • 山地 直樹
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 ケイ素吸収に関与する遺伝子の利用 コモンズ
発明の概要

【課題】 これまでに同定されていないケイ素吸収に関与する遺伝子を同定し、その遺伝子の利用方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、イネおよびトウモロコシから、ケイ素またはケイ素化合物の吸収および輸送に関与する遺伝子(Lsi16,ZmLsi6,ZmLsi1)を同定した。同定した遺伝子が導入された形質転換体は、ケイ素吸収能力が付与されるため、複合ストレス耐性植物として利用できる。一方、同定した遺伝子を抑制した形質転換体は、ケイ素吸収能力が抑制され、やわらかくなるため、家畜飼料やバイオマス燃料の原料として利用できる。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


多くの植物は、ケイ素(Si)を多量に吸収する機能を有していないのに対し、イネやコムギなどの単子葉植物は、ケイ素を多量に吸収する代表的な植物である。ケイ素は、植物の必須元素ではないものの、ケイ素の蓄積量の違いによって、植物の性質は大きく異なる。



例えば、ケイ素は、植物の生育に関与しており、ケイ素の蓄積量が多くなると、
(i)病害および虫害に対する抵抗性(例えば、イネのいもち病、紋枯病、および、ごま葉枯病に対する抵抗性)
(ii)耐塩性および耐乾性の向上
(iii)ミネラルストレスに対する耐性(例えば、アルミニウム、および、マンガンなどの無機物による毒性の軽減、または、植物体内でのリン酸の有効利用度の向上など)
等の性質を、植物に与える。



とりわけ、ケイ素の蓄積量の増加によって、病害や虫害に対する抵抗性が強化されることは、植物の生育が促進される大きな原因となっている。



従って、ケイ素の蓄積量を増加させることは、植物の健全的な生育、および、安定した収量の確保のために、有効であるといえる。また、ケイ素蓄積量の増加は、生物的ストレス、および、非生物的ストレスなどの種々のストレスの軽減にも、有効であるといえる。



なお、このような複合ストレスに対する耐性は、葉、茎、または果実の表面などの組織(地上部の組織)に、大量に蓄積したケイ素によって、発揮されるとされている。



また、ケイ素は、植物の硬さにも関与しており、ケイ素の蓄積量が少なくなると、植物は、やわらかくなる。例えば、やわらかいイネは、ケイ素の蓄積量が低い。これは、細胞のケイ素蓄積量が増加するとポリマー(シリカ)が形成され、このポリマーが、細胞を硬くするためである。



従って、ケイ素の蓄積量を減少させることは、植物の硬さを変える(やわらかくする)ために、有効であるといえる。



このように、植物のケイ素吸収を促進してケイ素の含有量を高くすれば、複合ストレスに対する耐性を植物に付与し、植物の生育を促進することができる。一方、植物のケイ素吸収を抑制してケイ素の含有量を低くすれば、硬い植物をやわらかくすることができる。



本発明者は、ケイ素(ケイ酸)集積性植物であるイネから、既にいくつかのケイ素吸収に関与する遺伝子を同定することに成功している(特許文献1および2)。具体的には、本発明者は、互いにケイ素吸収メカニズムの異なるLsi1遺伝子およびLsi2遺伝子を取得している。Lsi1遺伝子は、細胞内にケイ素を取り込むトランスポーターとして機能するLsi1タンパク質をコードしている。一方、Lsi2は、細胞の中から外へケイ素を輸送するトランスポーターとして機能するLsi2タンパク質をコードしている。

【特許文献1】特開2006-187209号公報(2006年7月20日公開)

【特許文献2】国際出願番号PCT/JP2006/315959 (国際出願日2006年8月11日,優先日2005年8月18日)

産業上の利用分野


本発明は、植物の生育および硬さを調節するケイ素の吸収に関与する遺伝子の利用に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の(m)~(p)のいずれかのポリヌクレオチドの発現を抑制することを特徴とする葉鞘および葉身におけるケイ素吸収を抑制する方法。
(m)配列番号2または4に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(n)配列番号2または4に示されるアミノ酸配列において、1個または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、または付加されたアミノ酸配列からなり、細胞内へのケイ酸輸送活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(o)配列番号1または3に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(p)以下の(7)または(8)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、細胞内へのケイ酸輸送活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド:
(7)配列番号1または3に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(8)配列番号1または3に示される塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド。

【請求項2】
下記の(a)~(d)のいずれかのポリヌクレオチドの発現を抑制することを特徴とする飼料用イネの葉鞘および葉身におけるケイ素吸収を抑制する方法。
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1個または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、または付加されたアミノ酸配列からなり、細胞内へのケイ酸輸送活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(d)以下の(1)または(2)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、細胞内へのケイ酸輸送活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド:
(1)配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(2)配列番号1に示される塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド。

【請求項3】
下記の(e)~(h)のいずれかのポリヌクレオチドの発現を抑制することを特徴とするバイオマス燃料製造用トウモロコシの葉鞘および葉身におけるケイ素吸収を抑制する方法。
(e)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(f)配列番号4に示されるアミノ酸配列において、1個または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、または付加されたアミノ酸配列からなり、細胞内へのケイ酸輸送活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(g)配列番号3に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(h)以下の(3)または(4)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、細胞内へのケイ酸輸送活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド:
(3)配列番号3に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(4)配列番号3に示される塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド。
産業区分
  • 農林
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
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技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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