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水循環式環境調節システム コモンズ

国内特許コード P110005346
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-095942
公開番号 特開2008-256227
登録番号 特許第4892733号
出願日 平成19年3月31日(2007.3.31)
公開日 平成20年10月23日(2008.10.23)
登録日 平成24年1月6日(2012.1.6)
発明者
  • 米谷 俊彦
  • 田中丸 重美
  • 宮下 晃一
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 水循環式環境調節システム コモンズ
発明の概要

【課題】傾斜地の勾配の大きさによる影響を受けにくい環境調節システムを提供する。
【解決手段】第1の高度に基端を設け、この第1の高度よりも低い第2の高度に折返部を設けて折り返し、基端に隣接させて先端を設けた導水管と、この導水管の先端から基端に水を送給する給水器とを備え、導水管は、基端を先端よりも高い位置に配置して、給水器で基端に水を送給することにより、導水管に沿って水を循環させ、所定の位置に、気温よりも低い温度の低温領域に配設して水を冷却する蓄冷部を設けるとともに、この蓄冷部の下流側に構造物の内部空間に配設してこの内部空間を冷却する冷却部を設ける。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来の環境調節システムは通常、ポンプにより水等の冷媒を凝縮器と蒸発器との間で循環させ、冷房の際は、蒸発器での液状冷媒の蒸発により空気中の熱を奪って冷気を作り、その冷気を送風機で室内に送り、蒸発した冷媒(冷媒蒸気)は凝縮器で外気に熱を放出して液化冷媒に戻るというサイクルを行っている。逆に暖房の際には、凝縮器での冷媒蒸気の液化により熱を空気中に放出して暖気を作り、その暖気を送風機で室内に送り、液化した冷媒は蒸発器で外気により暖められて冷媒蒸気に戻るというサイクルを行っている。



このような環境調節システムは、冷媒の循環のためにモータ等でポンプを作動させる必要があるとともに、冷気や暖気を送風機で室内に送る必要があるため、電力等の作動エネルギーの供給が不可欠であった。



一方、近年、自然エネルギーとしての地熱を利用した環境調節システムが提案されている(特許文献1参照)。この環境調節システムは、地中に熱交換パイプを鉛直に埋設し、この熱交換パイプの上端開口部を建物の床板の蓄熱室内に設け、この蓄熱室から建物の天井裏まで立設した通気パイプを天井下で開口させるとともに、その通気パイプ内に電動ファンを設けたものである。そして、夏期の冷房の際は、電動ファンで蓄熱室から冷気を吸い上げて天井下から室内に送るとともに、その吸い上げによる減圧で、地中で冷やされた熱交換パイプ内の冷気を吸い上げて蓄熱室に補充している。冬期の暖房の際は、電動ファンで蓄熱室に天井下から吸い込んだ室内の空気を送り、その増圧で蓄熱室内の空気を、地中で暖められた熱交換パイプ内に通して暖めてから室内に送っている。



あるいは、自然エネルギーとしての地熱と太陽熱とを利用した環境調節システムも提案されている(特許文献2参照)。この環境調節システムは、地中に熱交換パイプを水平に埋設し、この熱交換パイプの一端を外気に開放するとともに、切換弁を介して他端を建物内への通気パイプに接続し、さらに建物外に太陽光によって暖められるソーラーウォールを設けて、前記切換弁を介してソーラーウォールを建物内への通気パイプに接続し、この通気パイプ内に電動ファンを設けたものである。そして、夏期の冷房の際は、地中で冷やされた熱交換パイプを切換弁で通気パイプに接続し、電動ファンで熱交換パイプ内の冷気を室内に送っている。冬期の暖房の際は、ソーラーウォールを切換弁で通気パイプに接続して電動ファンでソーラーウォール内の暖気を室内に送っている。



これらの環境調節システムは、冷媒の循環のためにモータ等でポンプを作動させる必要はないものの、冷気や暖気を電動ファンで室内に送る必要があるため、電力の供給は不可欠であり、それゆえ近年の省エネルギーの要請に沿うものではなかった。



一方、自然エネルギーとしての地熱と太陽熱とを利用した他の環境調節システムも提案されている(特許文献3参照)。この環境調節システムは、地中に熱交換パイプを埋設し、この熱交換パイプの一端を外気に開放するとともに他端を建物内へ導き、また建物の屋根上に太陽光によって暖められるダクトを傾斜させて設け、このダクトの一端を外気に開放するとともに他端を建物内へ導いたものであり。そして、夏期の冷房の際には、屋根上のダクト内で暖められた空気を外気に放出することで建物内の空気をそのダクト内に吸出し、これによる減圧で、地中で冷やされた熱交換パイプ内の冷気を吸い出して建物内に送っている。



この環境調節システムでは、地中で冷やされた熱交換パイプ内の冷気を、ダクトで建物内を減圧することで吸い出して建物内に供給するものであるため、建物の出入り口の開閉等による建物内の圧力変化の影響を受けやすく、建物内の冷房を充分に行えなかった。



このような中で、本発明者らは、傾斜地にその斜面に沿って埋設されて地温により冷却される地中流路と、地中流路の上端部に接続された外気取り入れ口と、構造物の内部空間に設けられて地中流路の下端部に接続された空気吐出口を備え、地中流路内の空気をその地中流路で冷却するととともに、その地中流路内を下降流動させて空気吐出口から構造物の内部空間に吐出させ、その地中流路内の空気の下降流動に伴って外気取り入れ口から外気がその地中流路内に取り入れられるようにした環境調節システムを発明した。



この環境調節システムでは、ポンプやモータなどの駆動装置が一切不要であり、電力の供給が困難な山間地等で効果的に利用可能となっているものである。

【特許文献1】特開2005-201463号公報

【特許文献2】特開2005-221101号公報

【特許文献3】特開昭60-185032号公報

産業上の利用分野


本発明は、水を熱媒体として循環させて所定の構造物の内部空間を冷却または加温する水循環式環境調節システムに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1の高度に基端を設け、この第1の高度よりも低い第2の高度に折返部を設けて折り返し、前記基端に隣接させて先端を設けた導水管と、
この導水管の前記先端から前記基端に水を送給する給水器と
を備え、
前記導水管は、前記基端を前記先端よりも高い位置に配置して、前記給水器で前記基端に水を送給することにより、前記導水管に沿って水を循環させ、
所定の位置に、気温よりも低い温度の低温領域に配設して水を冷却する蓄冷部を設けるとともに、この蓄冷部の下流側に構造物の内部空間に配設してこの内部空間を冷却する冷却部を設けた水循環式環境調節システム。

【請求項2】
前記蓄冷部または前記蓄冷部よりも下流側の前記導水管には、一方の端部を吸気口とし、他方の端部を排気口として空気を送通させる通気管を挿通もしくは並設させるとともに、前記排気口を前記構造物の内部空間内に設けたことを特徴とする請求項1に記載の水循環式環境調節システム。

【請求項3】
前記吸気口部分には、空気を集める集風手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の水循環式環境調節システム。

【請求項4】
前記冷却部は前記折返部に設けたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水循環式環境調節システム。

【請求項5】
前記低温領域は地中であって、前記導水管を傾斜面に沿って設けたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の水循環式環境調節システム。

【請求項6】
前記低温領域は、気温よりも低い温度の池、川、湖、沼、海、氷室、蓄雪室、貯水槽のいずれか一つとしたことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の水循環式環境調節システム。

【請求項7】
第1の高度に基端を設け、この第1の高度よりも低い第2の高度に折返部を設けて折り返し、前記基端に隣接させて先端を設けた導水管と、
この導水管の前記先端から前記基端に水を送給する給水器と
を備え、
前記導水管は、前記基端を前記先端よりも高い位置に配置して、前記給水器で前記基端に水を送給することにより、前記導水管に沿って水を循環させ、
所定の位置に、気温よりも高い温度の高温領域に配設して水を加温する蓄熱部を設けるとともに、この蓄熱部の下流側に構造物の内部空間に配設してこの内部空間を加温する加温部を設けた水循環式環境調節システム。

【請求項8】
前記高温領域は地中であって、前記導水管を傾斜面に沿って設けたことを特徴とする請求項7に記載の水循環式環境調節システム。

【請求項9】
前記高温領域は、気温よりも高い温度の池、川、湖、沼、海、温泉、高温廃熱体、高温廃熱室、貯水槽のいずれか一つとしたことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の水循環式環境調節システム。

【請求項10】
前記給水器は、太陽熱で生成した水蒸気で駆動することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の水循環式環境調節システム。

【請求項11】
前記給水器は、風を受けて回転する風車の回転力で駆動することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の水循環式環境調節システム。

【請求項12】
前記給水器は、太陽電池パネルを用いた太陽光発電システム、または風力発電システムで生成した電力で駆動することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の水循環式環境調節システム。
産業区分
  • 加熱冷却
  • 太陽熱利用
  • 省エネルギー
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007095942thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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