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流動調整装置、マイクロリアクター及びそれらの用途 コモンズ 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P110005355
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-503721
登録番号 特許第5145559号
出願日 平成18年2月17日(2006.2.17)
登録日 平成24年12月7日(2012.12.7)
国際出願番号 JP2006302803
国際公開番号 WO2006088120
国際出願日 平成18年2月17日(2006.2.17)
国際公開日 平成18年8月24日(2006.8.24)
優先権データ
  • 特願2005-044660 (2005.2.21) JP
発明者
  • 阪田 祐作
  • 武藤 明徳
  • タラダ・バスカル
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 流動調整装置、マイクロリアクター及びそれらの用途 コモンズ 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要

複数の液体が導入される複数の導入流路21,22と、該複数の導入流路21,22が合流する合流部23と、該合流部23の下流に配置された反応流路41とを備えたマイクロリアクターにおいて、前記合流部23の下流かつ前記反応流路41の上流の位置に流動調整部80が配置され、該流動調整部80の流路81内に移動可能な粒子82が含まれていることを特徴とするマイクロリアクターとする。これにより、反応流路41内における流動状態を調整し、再現性のよい流動状態を実現することのできるマイクロリアクターを提供することができる。

従来技術、競合技術の概要


従来の化学反応プロセスにおいては、スケールアップによる効率化が求められていた。しかしながら最近では、環境負荷の軽減、省資源及び省エネルギーの要求などから、反応器のスケールを小さくしたマイクロリアクターが注目されるようになってきている。特に、微細加工技術や微量分析技術の進展に伴って現実味を一段と帯びてきている。



反応器を小さくすることによって、以下のような効果が得られることが知られている。(1)マイクロリアクターはその寸法の小ささゆえに反応空間が狭い。そのため分子の拡散距離が短く、混合や抽出などの分子移動が速やかに起こり、反応や抽出に要する時間を短縮することができる。(2)単位体積あたりの表面積が大きいので、液体と液体あるいは液体と固体の界面での反応や分子移動が効率的に行われる。(3)流路(チャネル)内の液体の熱容量が小さいので速やかな熱交換が可能であり、均一な反応温度を維持することが容易であるとともに、速やかに加熱したり冷却したりすることも容易である。



以上のように、マイクロリアクターはこれまでの大きな反応装置には見られない特徴を有しており、化学薬品のスクリーニングのための合成反応試験などにおいて大きな期待が寄せられている。さらに、新しい化学プロセスの開発のためにも役立つと期待されている。また、一部のファインケミカルの分野では、マイクロリアクターを用いて工業的に製品を製造することも期待されている。



しかしながら、反応場を小さくしていくと、従来のマクロなスケールでの反応とは異なった流動現象が発現する。例えば、流路の径を非常に小さくした場合には、レイノルズ数が小さくなり、層流が支配的になる。したがって、マクロなスケールにおける機械的撹拌による乱流発生とは大きく異なった流動現象が発現することになる。しかも、体積に対する表面積が大きくなるために表面張力の影響も大きくなる。したがって、マクロなスケールでの反応とは大きく異なった流動状態が発現することになるので、それを確実に制御することが重要である。



マイクロリアクターにおいて、反応液の混合を促進するための方法は多数提案されている。例えば、特許文献1には、それぞれ多数の流路に分割された複数の反応物を反応室に供給して混合させる方法が記載されている。特許文献2には、超音波振動子によって撹拌混合する方法が記載されている。また、特許文献3には、流路中の凹部でカーボンナノチューブからなる微小な撹拌子を回転させて撹拌し、層流から乱流に変化させて反応時間を短縮することが記載されている。しかしながら、上記方法を採用する場合には、流路の形態を複雑にしたり、混合のための振動子や撹拌子を配置したりすることが必要であり、装置設計上必ずしも容易ではなかった。また、互いに相溶しない液体を細かく分散させ過ぎた場合には、再度液体を分離させて回収することが困難になる可能性がある。



互いに相溶しない2種類の液体をマイクロリアクターで混合して反応させた後に、溶媒の再利用や生成物の精製や分析のことを考慮すれば、反応後に両液を再度分離させて回収することが好ましい。特許文献4には、2つの導入口から導入された2種類の反応液を合流させた後、層流状態で接触させながら界面反応を行わせ、その後分離させて2つの回収口から回収する方法が記載されている。この方法では、二相流で取り扱いがなされるが、再現性良く分離回収するのは必ずしも容易ではないと考えられる。また、非特許文献1には、比重の異なる2液を合流させた後、セトラー部(プール)において2液を分離させて回収する方法が記載されている。しかしながら、その回収性は流路中での流動状態の影響を大きく受ける。ポンプの性能や流速などにより、流動状況は変化しやすいので、再現性良く取り扱うことは容易ではなかった。



一方、非特許文献2及び非特許文献3には、互いに相溶しない2種類の液体を、流路内において交互に流して反応させる方法が記載されている。このような方法によれば、層流支配の状況において、再現性良く交互流を形成させることが可能であり、2種類の液間の比界面積を大きくすることができる。しかしながら、微量の液を交互に供給することのできる特殊なポンプを用いる必要があり、装置を小型化、簡略化する上で障害となっていた。




【特許文献1】特表平9-512742号公報

【特許文献2】特開平11-347392号公報

【特許文献3】特開2004-321063号公報

【特許文献4】特開2004-181298号公報

【非特許文献1】武藤明徳、外3名、「セトラーを備えた合流型微小チャンネルマイクロリアクタと銅イオンの抽出特性」、化学工学論文集、2004年3月、第30巻、第2号、p.159-163

【非特許文献2】岡本秀穂、「マイクロ反応化学に関する実用化の動向」、化学装置、株式会社工業調査会、2004年9月、第46巻、第9号、p.74-80

【非特許文献3】岡本秀穂、外2名、「New methods for increasing productivity by using microreactors of planar pumping and alternating pumping types」、ケミカルエンジニアリングジャーナル(Chemical Engineering Journal)、2004年8月、第101巻、第1-3号、p.57-63

産業上の利用分野


本発明は、液体が導入される複数の導入流路と、該複数の導入流路が合流する合流部とを備えた流動調整装置に関する。また、液体が導入される複数の導入流路と、該複数の導入流路が合流する合流部と、該合流部の下流に配置された反応流路とを備えたマイクロリアクターにおいて、前記反応流路内における流動状態を調整することのできるマイクロリアクターに関する。さらに、そのような流動調整装置やマイクロリアクターの用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 液体が導入される複数の導入流路と、該複数の導入流路が合流する合流部と、該合流部の下流に配置された流動調整部とを備え、該流動調整部の流路内に移動可能な粒子が1個だけ含まれており、交互流形成されることを特徴とする流動調整装置。
【請求項2】 前記導入流路の等価円直径が0.01~2mmである請求項1記載の流動調整装置。
【請求項3】 前記流動調整部の流路内において、前記粒子が周期的に揺動することが可能である請求項1又は2記載の流動調整装置。
【請求項4】 前記粒子が、球状である請求項1~3のいずれか記載の流動調整装置。
【請求項5】 前記流動調整部における流路の下面又は上面が湾曲している請求項1~4のいずれか記載の流動調整装置。
【請求項6】 磁界又は電界を印加することによって前記粒子を強制的に動かせる請求項1~5のいずれか記載の流動調整装置。
【請求項7】 液体が導入される複数の導入流路と、該複数の導入流路が合流する合流部と、該合流部の下流に配置された反応流路とを備えたマイクロリアクターにおいて、前記合流部の下流かつ前記反応流路の上流の位置に流動調整部が配置され、該流動調整部の流路内に移動可能な粒子が1個だけ含まれており、交互流形成されることを特徴とするマイクロリアクター。
【請求項8】 前記反応流路の等価円直径が0.01~2mmである請求項7記載のマイクロリアクター。
【請求項9】 前記流動調整部における流路の断面積が前記反応流路の断面積よりも大きく、前記粒子の寸法が、流動調整部の流路内で移動することが可能でありながら反応流路内に入ることができない寸法である請求項7又は8記載のマイクロリアクター。
【請求項10】 前記反応流路が周期的に屈曲している請求項7~9のいずれか記載のマイクロリアクター。
【請求項11】 前記反応流路が上下方向に屈曲している請求項7~10のいずれか記載のマイクロリアクター。
【請求項12】 前記反応流路の下流に断面積の大きい分離部を備え、該分離部の上部と下部それぞれに分離後の液を導出するための流路が繋がっている請求項7~11のいずれか記載のマイクロリアクター。
【請求項13】 請求項7~12のいずれか記載のマイクロリアクターを用いた化学反応方法であって、互いに相溶しない複数の液体が前記複数の導入流路に導入され、前記反応流路において交互流が形成されて化学反応が進行することを特徴とする化学反応方法。
【請求項14】 前記粒子が周期的に揺動することによって交互流が形成される請求項13記載の化学反応方法。
【請求項15】 前記マイクロリアクターが、前記反応流路の下流に断面積の大きい分離部を備え、該分離部の上部と下部それぞれに分離後の液を導出するための流路が繋がっていて、密度の低い液体が上部の流路から導出され、密度の高い液体が下部の流路から導出される請求項13又は14記載の化学反応方法。
【請求項16】 請求項7~12のいずれか記載のマイクロリアクターを用いた抽出方法であって、互いに相溶しない複数の液体が前記複数の導入流路に導入され、前記反応流路において交互流が形成されて抽出が進行することを特徴とする抽出方法。
産業区分
  • 処理操作
  • その他機械要素
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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