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アズキ加工食品のアズキ原料品種判定方法 コモンズ 実績あり

国内特許コード P110005368
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-088153
公開番号 特開2008-271959
登録番号 特許第4719917号
出願日 平成20年3月28日(2008.3.28)
公開日 平成20年11月13日(2008.11.13)
登録日 平成23年4月15日(2011.4.15)
優先権データ
  • 特願2007-093680 (2007.3.30) JP
発明者
  • 田原 誠
  • 山下 裕樹
  • 中川 藍
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 アズキ加工食品のアズキ原料品種判定方法 コモンズ 実績あり
発明の概要

【課題】アズキ加工食品のアズキ原料の品種を高精度に判定する方法の提供。
【解決手段】判定対象アズキ品種のゲノムの特定部位にPhare-1レトロトランスポゾンが挿入されているか否かを、アズキ加工食品から抽出したDNAを鋳型とする核酸増幅反応を用いて、増幅産物の有無を検出することによりアズキ原料品種の判定が可能となる。増幅産物の長さが短くなるようプライマーを設計できるので、加工食品から抽出したDNAが高度に断片化されていても正確な判定が可能である。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


植物の新品種育成者の権利は、植物品種保護制度が整備され、国際的にも保護されている。ところが、近年、国内の農業研究機関などが開発した新品種の農作物を許可なく海外で栽培し、加工食品として輸入するといった不正行為が増加しており、国内の農家を圧迫するという問題が生じている。また、消費者保護の観点から、加工食品の原料の不正表示を防止することも重要な課題となっている。しかしながら、加工食品の原料に使用されている植物の品種を判定する技術は未だ開発されておらず、加工食品の原料品種を鑑定する実用化技術の開発が待ち望まれている。



一方、植物の品種を識別する技術としては、DNAの多型検出法が注目されている。具体的には、RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)、RAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism)、SSR(Simple Sequence Repeat)、CAPS(Cleaved Amplified Polymorphic Sequence)、ISSR(Inter-Simple Sequence Repeat)、SNP(Single Nucleotide Polymorphism)などが検討されており(非特許文献1参照)、イネ、イグサ、イチゴ、インゲンなどでは、上記の方法を用いた品種識別技術が実用化されている。



植物のゲノム中には、転移因子が存在する。転移因子は、「転移性遺伝因子」または「可動性遺伝因子」とも呼称されるが、染色体上のある部位から別の部位へ転移する能力を備えた、あるいは、進化の過程で染色体上を転移したことが示されたDNA配列である。転移因子の転移に伴い、DNAの重複、欠失、あるいは、染色体の再編成が生じる。自然界で起こる突然変異の約70~80%は、このような転移因子の活動が原因であるとされている。



レトロトランスポゾンは、転移因子の一種である。レトロトランスポゾンの転移は、ゲノム中の配列が転写された後、逆転写反応により元の配列の複製となったDNAがゲノムに挿入されるという過程をとり、一旦挿入された配列は安定的に遺伝する。植物ゲノムには、進化の過程でこのようにして複製された配列が多数存在するが、そのほとんどは、転移活性を失っている。また、レトロトランスポゾンの多数の複製配列はゲノム中に散在しており、優れた遺伝子マーカーとなることが知られている。



このようなレトロトランスポゾンを遺伝子マーカーとして、品種を識別する技術として、例えば特許文献1及び2には、サツマイモゲノム中にトランスポゾンが挿入されているか否かを検出することにより、サツマイモ原料の品種を識別判定する方法が開示されている。



また、非特許文献2及び3には、RAPD法及びSSR法を用いたアズキ品種の識別方法が記載されている。

【特許文献1】特開2005-229921号公報(平成17(2005)年9月2日公開)

【特許文献2】特開2006-42808号公報(平成18(2006)年2月16日公開)

【非特許文献1】矢野博、DNA多型分析による品種識別の可能性-植物におけるDNA多型検出技術とその応用-、農業および園芸、79:131-136(2004)

【非特許文献2】北海道立中央農業試験場、(参考資料5)“DNA分析による小豆品種の識別”、[online ]、[平成19年3月26日検索]、インターネット<URL :http://www.hinsyu.maff.go.jp/DNAgaido/san5.pdf >

【非特許文献3】北海道立中央農業試験場、(参考資料6)“DNA分析による小豆のあん品種の識別”、[online ]、[平成19年3月26日検索]、インターネット<URL :http://www.hinsyu.maff.go.jp/DNAgaido/san6.pdf >

【非特許文献4】Waugh, R., K. McLean, A. J. Flavell, S. R. Pearce, A. Kumar, B. B. T. Thomas and W. Powell. Genetic distribution of Bare-1-like retrotransposable elements in the barley genome revealed by sequence-specific amplification polymorphisms (S-SAP). Mol Gen Genet 253: 687-694 (1997)

産業上の利用分野


本発明は、加工食品、特にアズキを原料に含むアズキ加工食品のアズキ原料品種を高精度に判定する方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
アズキ加工食品に含まれるアズキ原料の品種を判定する方法であって、
アズキゲノムの特定部位にレトロトランスポゾンが挿入されているか否かを検出し、配列番号2に示される、特定のアズキ品種であるきたのおとめ固有のPhare-1レトロトランスポゾン挿入部位の有無を調べることにより、アズキ原料の品種を判定する検出工程を含むことを特徴とするアズキ原料品種判定方法。

【請求項2】
アズキ加工食品に含まれるアズキ原料の品種を判定する方法であって、
アズキゲノムの特定部位にレトロトランスポゾンが挿入されているか否かを検出し、配列番号5に示される、特定のアズキ品種であるしゅまり固有のRLVAレトロトランスポゾン挿入部位の有無を調べることにより、アズキ原料の品種を判定する検出工程を含むことを特徴とするアズキ原料品種判定方法。

【請求項3】
配列番号2に示される、特定のアズキ品種であるきたのおとめ固有のPhare-1レトロトランスポゾン挿入部位における、該Phare-1レトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列(配列番号2における第1位~第63位の塩基配列)に基づいて設計されるプライマーと、
Phare-1レトロトランスポゾンの塩基配列(配列番号2における第64位~第203位の塩基配列)に基づいて設計されるプライマーとを組み合わせたプライマーセットを用いて、アズキ加工食品から調製したDNAを鋳型として核酸増幅反応を行い、増幅産物の有無を確認する方法を用いることを特徴とする請求項1に記載のアズキ原料品種判定方法。

【請求項4】
配列番号5に示される、特定のアズキ品種であるしゅまり固有のRLVAレトロトランスポゾン挿入部位における、該RLVAレトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列(配列番号5における第99位~第600位の塩基配列)に基づいて設計されるプライマーと、
RLVAレトロトランスポゾンの塩基配列(配列番号5における第1位~第98位の塩基配列)に基づいて設計されるプライマーとを組み合わせたプライマーセットを用いて、アズキ加工食品から調製したDNAを鋳型として核酸増幅反応を行い、増幅産物の有無を確認する方法を用いることを特徴とする請求項2に記載のアズキ原料品種判定方法。

【請求項5】
上記増幅産物の断片長が40bp~600bpであることを特徴とする請求項3または4に記載のアズキ原料品種判定方法。

【請求項6】
上記検出工程では、配列番号2に示される、特定のアズキ品種であるきたのおとめ固有のPhare-1レトロトランスポゾン挿入部位の有無を検出し、
上記Phare-1レトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号4に示される塩基配列からなるプライマーであり、
上記Phare-1レトロトランスポゾンの塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号3に示される塩基配列からなるプライマーであることを特徴とする請求項に記載のアズキ原料品種判定方法。

【請求項7】
上記検出工程では、配列番号5に示される、特定のアズキ品種であるしゅまり固有のRLVAレトロトランスポゾン挿入部位の有無を検出し、
上記レトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号7に示される塩基配列からなるプライマーであり、
上記レトロトランスポゾンの塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号6に示される塩基配列からなるプライマーであることを特徴とする請求項4に記載のアズキ原料品種判定方法。

【請求項8】
アズキ加工食品に含まれるアズキ原料の品種を判定するために用いるプライマーであって、
配列番号3および4に示される塩基配列からなることを特徴とするアズキ原料品種判定用プライマー。

【請求項9】
アズキ加工食品に含まれるアズキ原料の品種を判定するために用いるプライマーであって、
配列番号6および7に示される塩基配列からなることを特徴とするアズキ原料品種判定用プライマー。

【請求項10】
アズキ加工食品に含まれるアズキ原料の品種を判定するためのアズキ原料品種判別キットであって、
配列番号2に示される、特定のアズキ品種であるきたのおとめ固有のPhare-1レトロトランスポゾン挿入部位における、該Phare-1レトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列(配列番号2における第1位~第63位の塩基配列)に基づいて設計されるプライマーと、Phare-1レトロトランスポゾンの塩基配列(配列番号2における第64位~第203位の塩基配列)に基づいて設計されるプライマーとを含むことを特徴とするアズキ原料品種判別キット。

【請求項11】
配列番号3に示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号4に示される塩基配列からなるプライマーとを含むことを特徴とする請求項10に記載のアズキ原料品種判別キット。

【請求項12】
アズキ加工食品に含まれるアズキ原料の品種を判定するためのアズキ原料品種判別キットであって、
配列番号5に示される、特定のアズキ品種であるしゅまり固有のRLVAレトロトランスポゾン挿入部位における、該RLVAレトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列(配列番号5における第99位~第600位の塩基配列)に基づいて設計されるプライマーと、RLVAレトロトランスポゾンの塩基配列(配列番号5における第1位~第98位の塩基配列)に基づいて設計されるプライマーとを含むことを特徴とするアズキ原料品種判別キット。

【請求項13】
配列番号6に示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7に示される塩基配列からなるプライマーとを含むことを特徴とする請求項12に記載のアズキ原料品種判別キット。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
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