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医薬組成物 コモンズ

国内特許コード P110005370
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-114729
公開番号 特開2009-057364
登録番号 特許第5283962号
出願日 平成20年4月25日(2008.4.25)
公開日 平成21年3月19日(2009.3.19)
登録日 平成25年6月7日(2013.6.7)
優先権データ
  • 特願2007-204664 (2007.8.6) JP
発明者
  • 竹居 孝二
  • 李 順愛
  • 山田 浩司
  • 公文 裕巳
  • 那須 保友
  • 渡部 昌実
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 医薬組成物 コモンズ
発明の概要

【課題】本発明は、新規な医薬組成物を提供することを課題とする。詳しくは、ダイナミン機能阻害作用を有する化合物の仮足形成阻害剤に関し、さらには当該化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む抗腫瘍剤または免疫抑制剤などの新規医薬組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】以下の一般式Iで示されるダイナミン機能阻害作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩からなる細胞の仮足形成阻害剤による。(式中、R~Rは、各々同一又は異なって水素、水酸基、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。)


【選択図】図8

従来技術、競合技術の概要


アクチンは分子量約42,000の球状タンパク質であり、生理的条件下では重合してアクチン線維となり細胞骨格としての役割をはたす。試験管内においては、生成したアクチン線維は、非常に安定した状態であるが、細胞内でのアクチン線維は、重合、脱重合がダイナミックに制御され、常にその状態は変化している。例えば、運動している細胞の先端部の葉状仮足では、細胞膜の直下でアクチンの重合が起こる一方、細胞の中心に近い仮足の基部では、アクチンの脱重合が起こる。その結果、アクチン線維内のモノマーは常に入れ替わっている。



細胞が方向性を持って動くとき、まず先端部で糸状仮足という細長い突起が生じ、方向性を探った後、葉状仮足という平板状の膜の伸展により細胞が駆動力を獲得する。細胞の後部ではストレスファイバーが発達し、後部を萎縮させることで、細胞は前方で伸び、後方で収縮して進む。糸状仮足、葉状仮足、ストレスファイバーは、いずれも細胞内のアクチン重合により形成される構造体である。細胞先端部での化学遊走因子のシグナルは、低分子量Gタンパク質に伝えられ、非常に速いアクチン線維の再構築を促す。細胞運動の推進力は、RhoファミリーGタンパク質によるアクチン線維の重合により発生する。RhoファミリーGタンパク質は、アクチン重合を調節することで、細胞の形や運動を制御している。主にCdc42、Rac及びRhoの3種よりなり、Cdc42が糸状仮足形成を、Racが葉状仮足形成を、及びRhoがストレスファイバー形成を制御する。



アルファ平滑筋アクチン(SMA)活性を調節する薬剤の治療的使用について、報告がある(特許文献1)。本文献では、癌患者の腫瘍細胞転移の予防のために、SMA阻害剤を有効成分として含む医薬組成物の使用について開示がある。腫瘍細胞の転移を引き起こす原因のひとつとして、血管内及び血管外へ細胞が通過することが示されている。



神経末端におけるシナプス小胞のエンドサイトーシスはシナプス伝達の維持に不可欠であるが、その分子メカニズムには不明な点が多く残されている。ダイナミン(Dynamin)ファミリーのアイソフォームは、脳に強く発現し、神経細胞の前シナプス部に局在し、シナプス小胞のエンドサイトーシスに機能する細胞内タンパク質である。ダイナミンは共重合し、エンドサイトーシス小胞を被覆するクラスリンとともに、クラスリン依存性のエンドサイトーシスの一端を担うことが知られている。このタンパク質群は、非神経細胞にも存在し、細胞膜受容体のエンドサイトーシスを介したリポタンパク質代謝や、糖輸送担体を介した糖代謝においても役割を担うと考えられる。



ダイナミンの機能を阻害する物質について、報告がある(非特許文献1)。ここでは、いくつかの低分子候補化合物について、ダイナミンのGTPase活性抑制を確認することで、スクリーニングを行い、阻害物質であるダイナソア(Dynasore)を得たことが開示されている。本文献では、ダイナソアはダイナミンに依存するエンドサイトーシスの機能を抑制することが確認されている。また、その他の作用についても、ダイナミンに依存する作用が抑制されることが確認され、ダイナミン非依存的な機能には影響を及ぼさないことが報告されている。しかし、仮足形成の阻害作用についての報告はない。また、エンドサイトーシスが、腫瘍細胞の浸潤や遊走に果たす役割についても全く記載されていない。

【特許文献1】特開2004-167270号公報

【非特許文献1】Developmental Cell 10, 839-850 (2006)

産業上の利用分野


本発明は、新規医薬組成物に関する。詳しくは、ダイナミン機能阻害作用を有する化合物の仮足形成阻害剤に関し、さらには当該化合物を有効成分として含む抗腫瘍剤又は免疫抑制剤などの新規医薬組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の一般式Iで示される化合物又はその薬学的に許容される塩からなる、細胞の仮足形成阻害剤:
式I;
【化学式1】


(式中、R~Rは、各々同一又は異なって水素、水酸基、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。)

【請求項2】
一般式Iの化合物が、以下の式IIで示される化合物である請求項に記載の仮足形成阻害剤:
式II;
【化学式2】



【請求項3】
以下の一般式Iで示される化合物又はその薬学的に許容される塩からなる、マクロファージの食作用阻害剤:
式I;
【化学式1】


(式中、R~Rは、各々同一又は異なって水素、水酸基、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。)

【請求項4】
一般式Iの化合物が、以下の式IIで示される化合物である請求項3に記載のマクロファージの食作用阻害剤:
式II;
【化学式2】



【請求項5】
請求項1~4のいずれか1に記載の仮足形成阻害剤若しくはマクロファージの食作用阻害剤を有効成分として含む抗腫瘍剤

【請求項6】
請求項1~4のいずれか1に記載の仮足形成阻害剤若しくはマクロファージの食作用阻害剤を有効成分として含む免疫抑制剤
産業区分
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008114729thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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