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シロアリの卵認識フェロモンの構成成分としてβ-グルコシダーゼを用いた擬似卵およびそれを用いたシロアリ駆除 コモンズ 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P110005372
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-144663
公開番号 特開2011-062080
登録番号 特許第4258785号
出願日 平成20年6月2日(2008.6.2)
公開日 平成23年3月31日(2011.3.31)
登録日 平成21年2月20日(2009.2.20)
発明者
  • 松浦 健二
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 シロアリの卵認識フェロモンの構成成分としてβ-グルコシダーゼを用いた擬似卵およびそれを用いたシロアリ駆除 コモンズ 実績あり 外国出願あり
発明の概要


【課題】従来のものより運搬活性が高い害虫の擬似卵、特にシロアリの擬似卵を提供すること、さらに効率の良い駆除・防除方法および生物学研究ツール等を提供する。
【解決手段】害虫、特にシロアリの卵を模した基材に卵認識フェロモンの構成成分としてβ-グルコシダーゼ、その塩、その生物学的フラグメントまたはβ-グルコシダーゼ関連ペプチドを含有せしめた擬似卵、それを用いる害虫の駆除・防除方法および生物学研究ツール等。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


害虫による被害は世界中で深刻な問題となっており、これまで様々な駆除方法が開発されてきた。害虫のなかでもシロアリは木造家屋に対して甚大な損害を与えるため、その駆除剤および駆除方法に関してとりわけ熱心に研究・開発がなされている。



シロアリの駆除方法としては有機リン剤、カーバメート剤、ピレスロイド剤などの溶液型薬剤を侵入箇所に注入して殺虫する方法、または臭化メチルなどで燻煙を行い殺虫する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。



薬剤散布型処理法に代わるものとして、遅効性の殺虫有効成分を餌に混入してシロアリに摂食させ、その駆除を行うベイト法がある(例えば、非特許文献2参照)。



従来の駆除技術は基本的には加害された木材の外側から大量に薬剤を投入して殺虫するというものであり、シックハウス症候群などの健康被害や環境汚染につながっている。また、シロアリのコロニーの一部でも残存すると、別の箇所に被害を拡大してしまうという問題がある。最も重大な問題は、駆除に要する労働コストがかかりすぎる点である。頻繁に実施されているのは臭化メチルを用いた燻蒸法であるが、臭化メチルはオゾン層破壊の原因物質であり、近年使用を規制しようとする動きが強まっている。



シロアリと同様に社会生活を営むアリの駆除法としては毒物にアリの嗜好物を混入して餌として与え、巣に持ち帰らせて全集団を捕殺する方法が有効である。しかしシロアリは営巣している木材自体を摂食するため、毒餌剤を用いて巣の外部から巣の内部に薬剤を運搬させるベイト法は必ずしも効果的ではない。特にヤマトシロアリ属シロアリではベイト法によって巣を根絶することは難しい(非特許文献2参照)。



ベイト法よりもさらに効率よく活性成分を害虫に摂取させる方法として、害虫の基本的社会行動である卵運搬本能を利用した「擬似卵運搬による害虫駆除法」が開発された(特許文献1)。シロアリの卵認識フェロモンの主成分はリゾチームという抗菌タンパク質であり、リゾチーム単体でも卵認識フェロモン活性を有することが明らかになっている(非特許文献3参照)。また、シロアリ卵認識フェロモンの補助物質としてセルラーゼ(EC3.2.1.4)、すなわちエンド-1,4-β-グルカナーゼを添加することにより、擬似卵の運搬活性を高める効果があることが知られている(特許文献2、非特許文献3参照)。



これまでにも擬似卵の運搬活性を安定化させる補助物質としてリゾチームにセルラーゼ(EC3.2.1.4)を添加する方法はあったが、セルラーゼによる運搬活性の向上は顕著なものではなく(特許文献2、非特許文献3)、本物のシロアリ卵の抽出物に匹敵する、あるいはそれを上回る卵運搬活性は得られていない。

【特許文献1】特開平2000-342149号公報

【特許文献2】特願2007-035030

【非特許文献1】「シロアリと防除対策」、社団法人日本しろあり対策協会、2000年、p.219

【非特許文献2】「モニタリングステーションを用いた日本産地下シロアリの活性評価とベイト法による防除」、生存圏における昆虫生態のモニタリング技術の新展開、2006年、p.48

【非特許文献3】Matsuura, K., Tamura, T. Kobayashi, N., Yashiro, T. Tatsumi, S.: The antibacterial protein lysozyme identified as the termite egg recognition pheromone. PLoS ONE 2(8): e813. doi:10.1371/journal.pone.0000813

産業上の利用分野


本発明は、害虫、特にシロアリの駆除・防除のための新規擬似卵、ならびにそれを用いた害虫、特にシロアリ駆除・防除方法および生物学研究ツール等に関する。詳細には、本発明は、シロアリの卵認識フェロモンの構成成分としてβ-グルコシダーゼあるいはその関連ペプチド等を用いたシロアリの擬似卵、それを用いるシロアリの駆除・防除方法および生物学研究ツール等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
シロアリの卵を模した基材に卵認識フェロモンとしてβ-グルコシダーゼ(シロアリの唾液腺から抽出したβ-グルコシダーゼを除く)、その塩、その生物学的フラグメントまたはβ-グルコシダーゼ関連ペプチドを含有せしめた擬似卵。

【請求項2】
殺虫活性成分、孵化阻害物質、生殖阻害物質、発育阻害活性成分、または昆虫病原菌からなる群より選択される1またはそれ以上の成分をさらに含有する請求項1記載の擬似卵。

【請求項3】
請求項2記載の擬似卵をシロアリに与え、卵運搬行動を利用して巣内に運搬させることを特長とする、シロアリの駆除方法。

【請求項4】
請求項1または2記載の擬似卵を必須として含む生物学研究ツール。
産業区分
  • その他農林水産
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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