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軟骨マーカー コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110005373
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-154179
公開番号 特開2009-023993
登録番号 特許第5463013号
出願日 平成20年6月12日(2008.6.12)
公開日 平成21年2月5日(2009.2.5)
登録日 平成26年1月24日(2014.1.24)
優先権データ
  • 特願2007-161916 (2007.6.19) JP
発明者
  • 大橋 俊孝
  • 稲川 喜一
  • 西田 圭一郎
  • 二宮 善文
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 軟骨マーカー コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】軟骨組織に特異的に結合する軟骨マーカー,及びこれに基づく検出可能な軟骨マーカーを提供すること。
【解決手段】 アルギニン残基6~20個のポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドを含んでなる軟骨マーカー,及び該ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドに直接又は間接的に結合した蛍光物質その他の信号発生手段を更に含んでなるものである,軟骨マーカー。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



膝関節等,関節には,骨相互の間に生じる摩擦を緩和し,衝撃を吸収するための軟骨組織が存在している。軟骨組織は,軟骨細胞とそれを取り囲む基質からなる支持組織である。様々な原因によって軟骨組織を形成する軟骨基質が変性すると,含水率が低下して,その機能を維持することが難しくなり,慢性の関節炎を伴う関節疾患である変形性関節症(OA;osteoarthritis)が発症する。これは,関節の構成要素の変性により軟骨の破壊と骨及び軟骨の増殖性変化を来たす疾患である。日本における変形性関節症の総患者数は,約800万人とされており,人口の高齢化とともに数はさらに増加することが予想されている。





変形性関節症により軟骨及び骨の損傷・破壊が進行すると現段階ではそれらを元どおりに戻すことはできない。しかしながら、早期に発見して適切な治療を施せば,症状の進行を遅らせることは可能である。変形性関節症の症状の現れ方や進み方は人により千差万別であるため,適切な治療を選択するには,患者個々の関節軟骨の状態を早期に精密に検査し,異常を把握することが極めて重要である。これと同様に,臨床以前の問題としても,関節組織の変性に対する効果の高い治療剤を開発する上で,少なくとも実験動物の関節軟骨の変性を定性的及び定量的に,また可能な限り生きた状態(in vivo)で経時的に,評価できることも,極めて重要である。





現在,ヒト患者における関節の検査には,単純X線撮影,関節液検査,関節鏡検査などが一般的に行われている。単純X線検査は安価でありどの医療機関でも実施可能ではあるものの,関節軟骨の主要成分がコンドロイチン硫酸とケラタン硫酸側鎖を含有するプロテオグリカンであるアグリカンと,コラーゲンとであるため(特許文献1参照),X線検査では関節軟骨自体は写らない。実験動物においても同様である。従って,X線撮影では,関節裂隙(関節における向かい合った2個の骨端間の間隙)の狭小化その他,関節周囲の骨の変化を見ることで関節破壊の程度を調べることはできても,軟骨自体の変化については間接的な評価に止まる。すなわち,X線撮影では,軟骨が現に受けている損傷や変性の程度を直接検出はできず,従って,その定量化もできない上,症状の進んでいない状態での関節軟骨の損傷の発見が困難である。一方,他の方法である関節液検査では,関節軟骨の状態を,生理学的ないし生化学的変化を指標として用いて捉えることはできても,関節軟骨の厚みや変形等の物理的状態を知るには無力である。また,直接に関節軟骨を画像診断する方法として,関節鏡を用いた方法がある。それらは,例えば関節鏡の先端からレーザー光を照射し、軟骨組織から発生する超音波を検出することで軟骨の物性を測定する方法(特許文献1参照)、軟骨の圧縮変形に伴う吸光度の時間的変化を近赤外線水分計を用いて測定することによって、軟骨の変性の程度を初期段階から客観的に評価する方法(特許文献2参照)等であるが,何れも高度に侵襲性であり,大きな身体的負担や感染その他リスクを患者に強いるという欠点がある。このためそれらの方法をヒト患者に適用するには場合が限定され,実験動物においても,そのような侵襲の影響は関節疾患に対する薬物評価に必要な経時的検査に行うのを困難にするため,利用に適さない。





これらに対し,近年,ヒト患者では軟骨イメージングにMRIが利用されるようになりつつあり,軟骨自体の質的評価を可能にする検査手段として期待されているが,MRI装置は極めて高価であるためこれを導入できる医療機関はごく限られ、しかも解像度には未だ問題を残しており,その点からも利用は困難である。





このような状況にあって,軟骨の状態を早期に診断する方法やそのための正確な疾患マーカーの開発が進められている(特許文献3及び4参照)。





一方,近年,生体内部組織の3次元画像を選択的に作成する技術として,蛍光分子を用いてex vivoで生体組織の光学投影断層撮影(Optical Projection Tomography:OPT)を行う蛍光イメージング装置が開発されている。これによれば,蛍光染色された生体組織に対して,励起光としてパルスレーザを照射して個々のパルス照射毎に生体組織の照射部位より発生するフォトンを光電子増倍管によって増幅して検出し,これを時間相関単一光子計数法で処理して得られたデータを画像化処理に付すことにより,目的組織の任意の断面画像やその組織全体の画像(3次元画像,断面画像)を作成することができる。また,生きたラットやマウス等の小動物の体内の蛍光標識物質の位置を外部から検出して画像化することができるin vivo蛍光イメージングシステムも,近年開発され市販されている(eXplore Optix,GE HEALTHCARE)。これによれば,目的とする組織に特異的に集積する蛍光標識を動物に投与し,その3次元的分布を経時的に測定して画像化することができる。in vivo蛍光イメージングは非侵襲性で行われるため安全であり,しかも高感度であることから,生きた実験動物の特定の組織やその成分をマークして経時的に画像化し,タンパク質の動態や,病変の状態変化を評価することに利用され始めており,将来的にはヒト組織について同様な利用が期待されている。しかしながら,軟骨組織に関しては,これに特異的に結合して集積するマーカーはこれまで知られておらず,このためin vivo蛍光イメージングを利用することはできない。

【特許文献1】

開2004-024855号公報

【特許文献2】

開2005-055224号公報

【特許文献3】

開2003-225093号公報

【特許文献4】

表平10-502807号公報

産業上の利用分野



本発明は,軟骨マーカーに関し,より具体的には,軟骨基質に特異的に結合する性質を有するペプチドよりなる軟骨マーカーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドを含んでなる関節軟骨マーカーと水性媒質とを含んでなる関節腔内投与用関節軟骨標識用剤であって,該ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドが,アルギニン残基又はリジン残基6~20個からなるものであり,該関節軟骨マーカーが,該ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドに結合した信号発生手段を更に含んでなるものである,関節腔内投与用関節軟骨標識用剤

【請求項2】
該信号発生手段が,該ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドのC末端又はN末端に結合しているものである,請求項関節腔内投与用関節軟骨標識用剤

【請求項3】
該信号発生手段が,該ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドのC末端又はN末端に直接又は他のアミノ酸を介して結合しているものである,請求項関節腔内投与用関節軟骨標識用剤

【請求項4】
該信号発生手段が蛍光物質又はX線吸物質である,請求項ないしの何れかの関節腔内投与用関節軟骨標識用剤
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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