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MALTリンパ腫の検査方法及びキット コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P110005385
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-521274
登録番号 特許第5009289号
出願日 平成19年6月15日(2007.6.15)
登録日 平成24年6月8日(2012.6.8)
国際出願番号 JP2007062139
国際公開番号 WO2007145325
国際出願日 平成19年6月15日(2007.6.15)
国際公開日 平成19年12月21日(2007.12.21)
優先権データ
  • 特願2006-167817 (2006.6.16) JP
発明者
  • 近藤 孝美
  • 吉野 正
  • 大内田 守
  • 岡 剛史
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 MALTリンパ腫の検査方法及びキット コモンズ 外国出願あり
発明の概要

本発明は、MALTリンパ腫の診断および病型の同定、病態の進展、発症の予測に利用できる遺伝子診断データを提供するMALTリンパ腫の検査方法ならびにその方法を実施するためのキットを提供することを目的とする。検体中の2種以上の癌抑制遺伝子または癌関連遺伝子、特に、11遺伝子よりなる遺伝子群から2種以上の遺伝子を選択し、その選択した遺伝子の発現レベルまたは遺伝子発現調節の状態を調べる。具体的には遺伝子産物を定量し、その定量結果に基づいて当該遺伝子群の発現プロファイルを作成するか、あるいは発現の調節をメチル化頻度の検出により調べることに基づいて高感度・高精度な早期検出・診断を行う。MALTリンパ腫診断のための、また治療を要する病型に進展する可能性を評価するためのデータ、さらに予後不良病型への進展を早期検出するデータを得ることができる。

従来技術、競合技術の概要


各種癌の遺伝子診断技術の開発研究が近年、急速に進展している(非特許文献1参照)。これは、悪性腫瘍およびこれに関係する遺伝子に関する医学的理解が深化するとともに、ゲノム研究ならびに遺伝子取り扱い技術の発展と相俟って、両者を結合する形で研究が進められていることによるものである。遺伝子診断の対象と内容も多岐にわたるが、(i)遺伝子異常を指標とした癌細胞の有無、(ii)癌の悪性度または薬剤、放射線への感受性の癌細胞の性質、(iii)癌発症前の診断および発症リスク推定などに大別される。



遺伝子診断技術において、遺伝子変異に基づく機能(発現、調節)の変化を追跡することが多い。一方DNAのメチル化に基づく異常が注目されている。造血器腫瘍を対象とする遺伝子診断のために、遺伝子発現を制御するプロモーター領域に存在するCpG島(CpGisland)のメチル化を検出して造血細胞の増殖異常を識別する試みにおいて、造血細胞増殖の異常に関わると想定される遺伝子、約80種についてメチル化の探索が行なわれた(特許文献1参照)。



本発明者らは、一つの遺伝情報により造血器腫瘍細胞の有無を最大4段階で確認するという特異性の高い方式をこれまでに提案してきた(特許文献2参照)。すなわち、造血器細胞を含む検体中に含まれる、造血器細胞に特異的なプロテインチロシンホスファターゼSHP1タンパク質またはmRNAを定量するとともに、検体から得られるSHP1遺伝子の塩基配列中に含まれるCpG島のDNAメチル化を同定し、さらに対立遺伝子の喪失を検出する方法である。



さらに本発明者は、検体中の細胞から核酸を抽出する工程を省き、かつポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅させる工程を含めることにより、微量の細胞検体からメチル化されたDNAを検出することができる方法を開発した(特許文献3参照)。



一方、わが国における悪性リンパ腫の発生は、漸増傾向にあり、その大半を占める非ホジキンリンパ腫は、全身のあらゆる場所に発生する。粘膜付随リンパ組織(Mucosa-associatedlymphoid tissue: MALT)から発生する低悪性度リンパ腫は、リンパ組織がもともと存在しない胃にも発生する。Helicobacterpyloriの慢性感染が、萎縮性胃炎などの胃病変発症に深く関与し、胃癌および胃MALTリンパ腫発症との関連が強く示唆されている。その菌と胃癌および胃MALTリンパ腫発症との関係の実体は、解明の途上にあるが、除菌による癌予防医学からも意義深い。



MALTリンパ腫の遺伝子診断では、対象とするMALTリンパ腫に関わる遺伝子の発現変化と同定された病態とを統計的なデータの裏づけのもとに結び付ける指標の提示が臨床現場サイドからは期待される。さらにMALTリンパ腫進行のモニタリング、MALTリンパ腫の前臨床期の状態にある可能性、あるいは発症する可能性、再発可能性を予測評価するためのデータも望まれる。しかしながらそうしたデータを提供する検査方法の開発は、未だMALTリンパ腫については見当たらない。

【特許文献1】特表2004-528837号公報

【特許文献2】特開2004-128号公報

【特許文献3】特開2005-58217号公報

【非特許文献1】Harris NL, et al.,Hematology . 2001;1:194-220.,Staudt LM, Dave S. Adv Immunol. 2005;87:163-208

産業上の利用分野


本発明は、MALTリンパ腫の検査方法およびキットに関し、詳しくは、検体中の少なくとも2種以上の癌抑制遺伝子または癌関連遺伝子の発現レベルを調べることにより、MALTリンパ腫の検出および/または診断のためのデータ、あるいはMALTリンパ腫の進展を評価するためのデータ、あるいは発症を予見するためのデータを提供する、MALTリンパ腫の検査方法およびキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 非腫瘍群とMALTリンパ腫群との区別、ならびにMALTリンパ腫群間の判別を可能とする検査方法であって、検体中のKIP2遺伝子、p15遺伝子、p16遺伝子、p73遺伝子、hMLH遺伝子、DAPK遺伝子、MGMT遺伝子、MINT1遺伝子、MINT2遺伝子、MINT31遺伝子およびHCAD遺伝子よりなる遺伝子群の遺伝子のプロモーター領域におけるCpG島のメチル化頻度を測定することによりメチル化プロファイルを作成し、得られた遺伝子メチル化パターンから、指標としてCIMPおよびMSP陽性平均遺伝子数を求め、CIMPの値が4以上であるか、あるいはMSP陽性平均遺伝子数が1.4を超える場合に悪性リンパ腫群として非腫瘍群から区別すること、さらにこれらの指標の変化ならびにKIP2遺伝子についてのメチル化状況の変化を基に悪性リンパ腫群間の病型を判別することを含み、MALTリンパ腫の検出および/または診断のためのデータ、MALTリンパ腫の進展を評価するためのデータ、あるいはMALTリンパ腫の発症を予見するためのデータを提供することを特徴とするMALTリンパ腫の検査方法。
【請求項2】 Helicobacter pyroli菌キャリアである被験者からの検体について実施される、請求項1に記載のMALTリンパ腫の検査方法。
【請求項3】 MALTリンパ腫の検出および/または診断のためのデータ、MALTリンパ腫の進展を評価するためのデータ、あるいはMALTリンパ腫の発症を予見するためのデータは、MALTリンパ腫発症の証拠または前臨床期状態の検出、MALTリンパ腫の病型の判別、高悪性度MALTリンパ腫もしくはDLBCLへの進展の評価、あるいはMALTリンパ腫の発症可能性の評価を可能とするデータである、請求項1または2に記載のMALTリンパ腫の検査方法。
【請求項4】 前記メチル化頻度の検出にメチル化感受性制限酵素を用いることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のMALTリンパ腫の検査方法。
【請求項5】 前記メチル化頻度の検出を、検体を溶解して得た細胞溶解液を直接に重亜硫酸塩で処理し、検体から遺伝子DNAを抽出せずに行なうことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のMALTリンパ腫の検査方法。
【請求項6】 前記検体が、扁桃、骨髄、リンパ節、消化器、呼吸器、脾臓、肝臓、感覚器、中枢神経系、運動器、皮膚、泌尿生殖器、乳腺を含む外分泌器、甲状腺を含む内分泌器および末梢血よりなる群から選択された器官、組織から採取された細胞含有検体である、請求項1~5のいずれかに記載のMALTリンパ腫の検査方法。
【請求項7】 請求項1~6のいずれかに記載の検査方法を実施するためのキットであり、検体を溶解するための溶解液、重亜硫酸塩含有試薬、メチル化検出増幅試薬を少なくとも含み、検体中のKIP2遺伝子、p15遺伝子、p16遺伝子、p73遺伝子、hMLH遺伝子、DAPK遺伝子、MGMT遺伝子、MINT1遺伝子、MINT2遺伝子、MINT31遺伝子およびHCAD遺伝子よりなる遺伝子群の遺伝子プロモーター領域におけるCpG島のメチル化頻度を測定してそれらのメチル化パターンのプロファイルを作製することを特徴とするキット。
【請求項8】 前記検体が、扁桃、骨髄、リンパ節、消化器、呼吸器、脾臓、肝臓、感覚器、中枢神経系、運動器、皮膚、泌尿生殖器、乳腺を含む外分泌器、甲状腺を含む内分泌器および末梢血よりなる群から選択された器官、組織から採取された細胞含有検体であり、これを前記溶解液によって溶解して得られた細胞溶解液を、それよりDNAを抽出することなく直接に重亜硫酸塩の処置をすることを特徴とする請求項7に記載のキット。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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