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デンドリマーからなるカーボンナノチューブ用分散剤及びそれを用いたカーボンナノチューブの分散方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110005392
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2009-035490
公開番号 特開2010-189552
登録番号 特許第5294263号
出願日 平成21年2月18日(2009.2.18)
公開日 平成22年9月2日(2010.9.2)
登録日 平成25年6月21日(2013.6.21)
発明者
  • 高口 豊
  • 池内 亮太
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 デンドリマーからなるカーボンナノチューブ用分散剤及びそれを用いたカーボンナノチューブの分散方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】特にカーボンナノチューブ用分散剤として好適な新規デンドリマーを提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示されるデンドリマー。


[式中、Aの両側にある括弧内の構造は分岐構成単位を表したものであり、該分岐構成単位は繰返し結合されていてもよく、Aは、主鎖の鎖長が20~300である2価の脂肪族炭化水素基又は上記一般式(2)で示される2価の有機基から選択されるコアユニットであり、[式中、Rは炭素数4~20の2価の脂肪族炭化水素基であり、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、nは1~20の整数である。];Bは、分岐ユニットであり;Cは、延長ユニットであり;Dは、末端ユニットであり;Xは、任意の構成単位であり、炭化水素基以外の2価の置換基である。]
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


カーボンナノチューブに代表される炭素材料、特にカーボンナノチューブ薄膜に期待される用途は広く、例えば、半導体色素としての性質を利用した太陽電池用薄膜、導電性を利用した透明電極用薄膜、生体適合性を利用したバイオインターフェース薄膜などの研究開発が行われている。カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(以下「SWNTs」と略記することがある)、二層カーボンナノチューブをはじめとする比較的安価で導電性の高い多層カーボンナノチューブ(以下「MWNTs」と略記することがある)、ピーポッドと呼ばれる分子内包カーボンナノチューブなどに分類される。分子内包カーボンナノチューブは、様々な分子を内包することができ、半導体的な性質を自在にチューニングすることが可能なことから次世代の半導体材料として期待されている。



ここで、カーボンナノチューブは炭素材料特有の高い凝集力のため分散性や混和性が低いことが知られている。カーボンナノチューブの分散性や混和性を向上させる方法として、非特許文献1には、ドデシルスルホン酸ナトリウムに代表される低分子界面活性剤を分散剤として用いることが記載されている。また、ポリマーとの相互作用を利用するポリマーラッピングと呼ばれる方法(非特許文献2)やポルフィリン誘導体とカーボンナノチューブ表面とのπ-π相互作用によりカーボンナノチューブを可溶化させる方法(非特許文献3)等も知られている。



しかしながら、これら非特許文献に記載された方法では、長さが1μm未満のカーボンナノチューブ(以下「短いカーボンナノチューブ」と略記することがある。)や、直径が0.8~1.2nm未満の範囲にあるカーボンナノチューブ(以下「細いカーボンナノチューブ」と略記することがある。)を分散することはできても、長さが1μm以上のカーボンナノチューブ(以下「長いカーボンナノチューブ」と略記することがある。)、分散剤との相互作用が比較的弱いとされる直径が1.2~1.8nmの範囲にある直径の大きなカーボンナノチューブ(以下「太いカーボンナノチューブ」と略記することがある。)、二層カーボンナノチューブをはじめとする多層カーボンナノチューブ、及びピーポッドと呼ばれる分子内包カーボンナノチューブ等を高濃度でかつ安定的に分散することが困難であった。特に、カーボンナノチューブ薄膜を透明電極として用いる場合には、高い導電性が要求される観点から長いカーボンナノチューブが分散されたカーボンナノチューブ薄膜が望まれていた。



上記ポリマーラッピングによる分散は、比較的多くのカーボンナノチューブに適用できるとされているが、この方法ではカーボンナノチューブのバンドル構造をバラバラにすることは困難で、分散の際にバンドル構造が保たれたままであるとされている。したがって、透明電極など、高濃度での分散かつカーボンナノチューブを一本一本バラバラにした形での分散状態が要求される用途への応用が困難であった。



このように、上述の低分子界面活性剤を分散剤として用いる方法やポリマーラッピングによる分散では、カーボンナノチューブ表面への分散剤の吸着を厳密にコントロールすることが難しく、また、超分子複合体と呼ばれるカーボンナノチューブが低分子分散剤や高分子分散剤で包まれた状態において、カーボンナノチューブ表面に存在する官能基やその官能基密度を制御することも困難であった。



また、本発明者らは、カーボンナノチューブの分散性や混和性を向上させる観点から、狙い通りの官能基を表面に多数配置することが可能なデンドリマー型分散剤について報告している。具体的には、アントラセン骨格を焦点部位に持つポリアミドアミンデンドロン(非特許文献4)、フラーレン骨格を焦点部位に持つポリアミドアミンデンドロン(非特許文献5)、ドデカメチレン骨格をコアに持つポリアミドアミンデンドリマー(非特許文献6)等のデンドリマー型分散剤について報告しており、単層カーボンナノチューブの分散が可能である。しかしながら、デンドリマー型分散剤を用いた場合であっても、多層カーボンナノチューブをはじめ、長いカーボンナノチューブや太いカーボンナノチューブの分散は困難であるとともに、アントラセンやフラーレン等を焦点部位として用いた場合にはコスト高となる問題もあり、改善が望まれていた。



一方、カーボンナノチューブ薄膜を作製するにあたっては、ピロリジン誘導体を用いてカーボンナノチューブに化学修飾を施す方法(非特許文献7)、やカーボンナノチューブとポリマーとを複合化する方法(非特許文献8)等が報告されている。しかしながら、カーボンナノチューブ表面に化学反応等により官能基を導入することによって分散性を向上させる方法では、官能基の導入や反応後の処理に多くの手間がかかるためプロセスが煩雑になるとともに、コスト高となる問題があった。また、カーボンナノチューブとポリマーとを複合化する方法では、高濃度での分散が困難であるとともに、膜厚を薄くすることが難しいという問題があった。更に、カーボンナノチューブ薄膜を多層化する技術として、プラズマ処理により膜表面の親和性を高める方法(非特許文献9)等が提案されているが、大面積の処理が困難であるとともに、コスト高となる問題があった。

産業上の利用分野


本発明は、分散剤として有用な新規デンドリマーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)で示されるデンドリマーからなるカーボンナノチューブ用分散剤。
【化学式1】


[式中Aは、主鎖の鎖長が20~300である2価の脂肪族炭化水素基又は下記一般式(2)で示される2価の有機基から選択されるコアユニットであり、
【化学式2】


[式中、Rは炭素数4~20の2価の脂肪族炭化水素基であり、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、nは1~20の整数である。];
Bは、窒素原子又は3価の芳香族炭化水素基から選択される少なくとも1種からなる分岐ユニットであり;
Cは、酸素原子又は2価の有機基から選択される少なくとも1種からなる延長ユニットであり;
Dは、アルコキシ基、エステル基、アミノ基、アミド基、水酸基及びその塩、カルボキシル基及びその塩、メソゲン基、糖鎖、及びポリエチレングリコール鎖からなる群から選択される少なくとも1種を含む1価の置換基からなる末端ユニットであり;
Xは、任意の構成単位であり、炭化水素基以外の2価の置換基である。]

【請求項2】
請求項1記載の分散剤を用いるカーボンナノチューブの分散方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 処理操作
  • 無機化合物
  • その他無機化学
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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