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形質転換植物及びその作出方法 コモンズ

国内特許コード P110005406
整理番号 RIBS29
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-066299
公開番号 特開2009-219402
登録番号 特許第5311539号
出願日 平成20年3月14日(2008.3.14)
公開日 平成21年10月1日(2009.10.1)
登録日 平成25年7月12日(2013.7.12)
発明者
  • 鳴坂 義弘
  • 鳴坂 真理
  • 宇野 久仁子
出願人
  • 岡山県
発明の名称 形質転換植物及びその作出方法 コモンズ
発明の概要

【課題】植物における病害抵抗性及び環境ストレス耐性の向上と成長の促進とを同時に行なうことができる新たな技術を提供すること。
【解決手段】植物におけるSIB A遺伝子の機能を抑制することにより、野生型植物よりも顕著に病害抵抗性及び環境ストレス耐性を向上させるとともに、成長を促進させることが可能であることを見出した。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


陸生植物は、乾燥、低温、熱、機械的な摂動、創傷及び病原体の感染といった様々な環境ストレスに曝される。これら環境ストレスに植物が曝されると、特定の遺伝子発現といった生化学的、生理学的及び分子的な反応が誘導され、環境ストレスに対する応答性及び順応性を示すことが知られている。このような反応は、植物細胞内における刺激の認識及びシグナル伝達の結果として進行する。



植物に病気を引き起こす原因としては、伝染性の生物的病原(病原体)と非伝染性の環境的病原とがあり、植物の感染病の80%以上は、糸状菌(カビ・菌類)によって引き起こされ、残りは細菌、ウイルス、ウイロイド、ファイトプラズマ、リケッチア様微生物、線虫、原虫などが原因である。植物は常にこれら病原体の攻撃にさらされており、独自の生体防御反応により病原体の感染から身を守っている。一例として、Florの唱える遺伝子対遺伝子説によると、植物側の抵抗性遺伝子産物が菌由来のエリシター(非病原性遺伝子産物)を認識し、病原菌に対する一連の抵抗反応を発現すると考えられている。このような反応は、植物細胞内における刺激の認識及びシグナル伝達の結果として進行する。しかしながら、このメカニズムの詳細については未だ解明されていないのが現状である。



植物の生産性の向上は、伝統的な、もしくは経験に基づく品種改良による育種や、殺菌剤や殺虫剤を例とする農薬の使用による病虫害の駆除、成長調整剤の使用等により行われてきた。しかし、近年の分子生物学の急速な進展により、今日では遺伝子組み換え植物などの分子育種の手法により、より短い期間での生産性の高い植物の開発が可能となった。例えば、遺伝子組み換えにより、植物の成長促進、植物に対する病虫害抵抗性の付与や環境ストレス耐性の付与、植物の開花時期の調節など、直接的又は間接的に植物の生産性を向上しうる技術の開発がなされてきた。植物への病害抵抗性の付与に関しては、例えば、WRKY45遺伝子をイネで恒常的に発現させることで、病害抵抗性が付与されたことが報告されており(非特許文献1)、また、環境ストレス耐性に関しては、乾燥、高塩、低温のストレス下で正常に生育できるシロイヌナズナの開発が報告されている(非特許文献2)。



しかしながら、病虫害抵抗性や環境ストレス耐性を付与することが、必ずしも植物の生産性の向上につながらない場合もある。例えば、病虫害抵抗性や環境ストレス耐性に関する遺伝子を植物体で恒常的に発現させた場合、植物体の成長が損なわれることが報告されており(非特許文献3)、成長を確保するためには何らかの工夫を要することが記載されている(非特許文献1~5)。



このように、植物の生産性向上のための、植物への病虫害抵抗性や環境ストレス耐性の付与と、植物の成長の促進とは、個別の技術として研究されてきたため、従来、双方の特性を植物に同時に付与するためには、双方の技術を適用する必要があった。しかしながら、この場合でも、それぞれの技術を単独で適用した場合と同様の表現型が、植物において同時に発現しないことも想定されるため、あるいは、育種に要する期間の短縮化のため、1つの技術の適用で、植物への病虫害抵抗性や環境ストレス耐性の付与と植物の成長の促進とを同時に満たすことができる技術の開発が、強く望まれていた。

【特許文献1】特開2007-202461号公報

【非特許文献1】Shimono et al.,2007.Plant Cell,19(6):2064-2076

【非特許文献2】Kasuga M et al.,1999.Nat Biotechnol.,17:287-291

【非特許文献3】Nakashima et al.,2007.Plant J.,51:617-630

【非特許文献4】Miyagawa et al.,2001.Nat Biotechnol.,19(10):965-969

【非特許文献5】Tang et al.,1999.Plant Cell,11:15-29

【非特許文献6】Morikawa et al.,2002.FEBS Lett.,514:300-304)

産業上の利用分野


本発明は、野生型植物と比較して病害抵抗性及び環境ストレス耐性が向上し、かつ、成長が促進している形質転換植物、並びに該形質転換植物の部分若しくは繁殖材料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
内因性のSIB A遺伝子の発現を人為的に抑制することを特徴とする、野生型植物と比較して、病害抵抗性及び環境ストレス耐性が向上し、かつ、成長が促進している形質転換植物の作出方法。
産業区分
  • 農林
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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