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金属アルコキシドによる、ナノスケールの凹凸を有する基材の表面処理方法 コモンズ

国内特許コード P110005457
整理番号 1587
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-322725
公開番号 特開2010-142732
登録番号 特許第5311017号
出願日 平成20年12月18日(2008.12.18)
公開日 平成22年7月1日(2010.7.1)
登録日 平成25年7月12日(2013.7.12)
発明者
  • 白鳥 世明
  • 古池 潤
出願人
  • 学校法人慶應義塾
発明の名称 金属アルコキシドによる、ナノスケールの凹凸を有する基材の表面処理方法 コモンズ
発明の概要

【課題】 ナノスケールの凹凸を有する基材表面を金属アルコキシド溶液により処理して該基材上に薄膜を形成するか又は該基材表面の機能化を行う方法において、ナノスケールの凹凸内部まで金属アルコキシドで充填する、あるいはナノスケールの凹凸内部表面を金属アルコキシドで効果的に機能化する方法を提供する。
【解決手段】 金属アルコキシド溶液により処理して基材上に薄膜を形成するか又は該基材表面の機能化を行う前に、該基材を無水溶媒中で加熱処理することにより、ナノスケールの凹凸の内部及び外表面に付着している水分を除去する。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


既存の物質表面に新たな機能を付加する表面処理技術は、ドライプロセスとウェットプロセスに分類されるが、ウェットプロセスでは、機能化またはコーティングしたい物質を薬液に加え、この薬液中に浸漬・攪拌する、あるいは該薬液をキャスト、ディップコーティング、スピンコーティング、交互積層するなどして、新たな機能を付加するものである



ところで金属アルコキシドを加水分解すると金属酸化物のゾルもしくはゲルが生成することはよく知られている。
前述の薄膜形成または機能化方法において、この金属アルコキシドのゾル/ゲル法を用いた方法が用いられるが、この場合、一般的には、アルコール系溶媒を用い、これに金属アルコキシドを溶解した溶液中に、浸漬・攪拌処理するか、あるいはディップコーティング処理、スピンコーティング処理などにより、基材表面に新たな機能を付加している。また、金属アルコキシドに対して、無水溶媒を利用し、表面機能化に取り組む例も見られる。



例えば、非特許文献1では、無水溶媒中でキレート剤を利用して金属アルコキシドの安定なゾル溶液を調整したのちに、この溶液に紙をディップすることで、紙上に光触媒を生成している。本手法の場合、多量の金属アルコキシドを基材に添着することが可能となる。
また、特許文献1では、無水溶媒により金属ハロゲン化アルコキシドを安定化させ、その溶液中に基板を浸漬し、その後この溶液中にハロゲン化アルコキシドを少なくとも加水分解するための化学量の「水」を添加している。



一方、既存の物質表面に新たな機能を付加する表面修飾技術は、気相中又は液相中での有害分子除去をするために吸着剤やフィルタ、或いは繊維の撥水性又は親水性コーティングなどの分野においても重要な問題であり、金属アルコキシドによる修飾が用いられている。



すなわち、吸着剤やフィルタの性能は、面積当たりの官能基数と表面積により基本的に決定される。現存のフィルタは、活性炭のように高表面積の場合、面積あたりの化学的官能基数が少ないため、吸着量は大きくみえるが、脱着を起こす。つまり、吸着除去した分子は再放出されてしまう。
そこで、吸着剤やフィルタ表面に、前述の金属アルコキシド修飾を施すことが提案されている。
例えば、特許文献2では、活性炭と金属アルコキシドを、密閉した容器内あるいは乾燥気流中に別々に置き、金属アルコキシドの蒸気を発生させ、次いで活性炭に吸着させた後、水蒸気と接触させて、吸着された金属アルコキシドを加水分解することで金属酸化物を担持した活性炭を得ている。



また、基材の撥水性は、表面の物理的構造と化学的性質の二つが揃って発現する。つまり、撥水コーティングを施したい基材表面に物理的凹凸構造を形成し、その表面を低表面エネルギーにする必要がある。現状では、ディップコーティングやスピンコーティング、スプレー法で凹凸を形成し、その後、化学的処理を施す方法や、前記の方法で凹凸の形成と化学的処理を同時に行う方法などが行われている。
いずれの手法においても、凹凸構造が脆いため、耐久性に欠けるという欠点がある。つまり高耐久性の撥水加工を施すには、撥水性に寄与する凹凸構造を維持しつつ、物理的凹凸構造を強化する必要がある。
その一例として、非特許文献2では、TEOS(tetraethyl orthosilane)とコロイド状シリカとFOETES((heptadecafluoro-1,1,2,2-tetrahydrodecyl) triethoxysilane)の3成分を原材料として、フッ素化アルキル官能基被覆シリカ粒子の膜を一段階で製造しており、この技術では、微粒子同士及び微粒子と基材表面とのネッキング(接着)を促進するバインダーとして、金属アルコキシドが用いられている。

【特許文献1】特開平8-239202号公報

【特許文献2】特開平8-245210号公報

【非特許文献1】浦元明、高橋雅樹、市浦英明「ゾル-ゲル法を用いたナノ薄膜の創製に関する開発研究」 愛媛県工業系研究報告 No.45 第64~65頁

【非特許文献2】M.Hikita,et al.,Langmuir,21,7299(2005)

産業上の利用分野


本発明は、ナノスケールの凹凸を有する基材への薄膜形成及び/又は該基板の機能化技術に関し、特に、金属アルコキシド溶液により処理して該基材上に薄膜を形成するか又は該基材表面の機能化を行う表面処理方法、及びこの表面処理方法により金属アルコキシド溶液による処理が施された、ナノスケールの凹凸を有する基材に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノスケールの凹凸を有する基材表面を金属アルコキシド溶液により処理して該基材上に薄膜を形成するか又は該基材表面の機能化を行う方法であって、予め、該基材を無水溶媒中、水の沸点以上で無水溶媒の沸点以下の温度で加熱処理することにより、前記凹凸の内部及び外表面に付着している水分を除去する工程を設けたことを特徴とする表面処理方法。

【請求項2】
前記無水溶媒が、トルエン、ヘキサン、DMF、2-アミノエタノール、1-ブタノール、ジメチルスルホキシド、アセト酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール・エチルラクテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル及びそれらの無水物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。

【請求項3】
前記金属アルコキシドが、前記機能化に必要な官能基を少なくとも1つ有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理方法。

【請求項4】
前記金属アルコキシド溶液は、金属アルコキシドが無水溶剤中に溶解されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表面処理方法。

【請求項5】
前記基材を、金属アルコキシド溶液中に浸漬することにより、薄膜の形成又は機能化をおこなうことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の表面処理方法。

【請求項6】
ナノスケールの凹凸を有する基材が、活性アルミナ、活性炭、メソポーラスシリカ、ナノファイバ、又は交互積層膜のいずれかであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の表面処理方法。

【請求項7】
ナノスケールの凹凸を有する基材であって、その表面に、請求項1~6のいずれか1項に記載された表面処理方法により金属アルコキシド溶液による処理が施されていることを特徴とする基材。
産業区分
  • 塗料・接着剤
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008322725thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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