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蛍光性化合物及びそれから成る標識剤 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P110005459
整理番号 1050
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-513292
登録番号 特許第5177427号
出願日 平成19年4月27日(2007.4.27)
登録日 平成25年1月18日(2013.1.18)
国際出願番号 JP2007059168
国際公開番号 WO2007126052
国際出願日 平成19年4月27日(2007.4.27)
国際公開日 平成19年11月8日(2007.11.8)
優先権データ
  • 特願2006-126208 (2006.4.28) JP
発明者
  • 鈴木 孝治
  • 梅澤 啓太郎
  • 牧野 弘
  • チッテリオ ダニエル
出願人
  • 学校法人慶應義塾
発明の名称 蛍光性化合物及びそれから成る標識剤 コモンズ 外国出願あり
発明の概要

要約
高い光耐久性、高い蛍光量子収率、鋭い吸収スペクトルを持ち、かつ、長波長領域の蛍光を発し、モル吸光係数が高い新規な蛍光性化合物及び標識剤としてのその用途が開示されている。下記一般式[I]において、R1とR2、及び/又は、R6とR7で特定のヘテロ環を形成することにより、ボロンジピロメテン骨格を含む蛍光色素が有する高い光耐久性、高い蛍光量子収率及び鋭い吸収スペクトルという優れた特性を維持したまま、蛍光の長波長化及びモル吸光係数の向上が達成される。

従来技術、競合技術の概要


蛍光色素は、試料を可視化する目的で用いられ、生物および生化学分野においては標識材料(ラベル化色素)や染色色素、生体関連物質の認識プローブ、光線力学療法(PDT)などに広く用いられる。また、長波長とりわけ近赤外領域(具体的には650 900nm)に吸収および蛍光を有する蛍光色素は、生体組織や血液、脂質や水といった生体物質の存在下でもこれらの光学的妨害を受けることなく測定できる。さらに低エネルギーかつ高い光浸透性といった利点から、生体深部組織のイメージングへの応用が期待される。



また、長波長の蛍光色素は生物や生化学分野に限らず化学系およびその他の分野でも用いられる。例えば赤色の表示材料や色素レーザー、光学記録材料などに頻繁に用いられる。このように、長波長の蛍光色素は生物分野のみならず、幅広い分野で求められている。



優れた長波長蛍光色素、たとえば生体物質の標識材料を目的とした蛍光色素として求められる特性は、以下のような項目がある。
1) 長波長の蛍光
2) 高いモル吸光係数
3) 高い蛍光量子収率
4) 鋭い吸収スペクトル
5) 非環境応答性(溶媒に対する応答が小さいこと)
6) 波長の多様性(さまざまな波長の色素が合成できること)



現在、上記の条件の一部を満たす分子として、下記構造式で示されるボロンジピロメテン骨格(4,4-difluoro-4-bora-3a,4a-diaza-s-indacenes)がある。



【化学式1】




ボロンジピロメテン骨格は、高い光耐久性、高い蛍光量子収率、鋭い吸収スペクトルをもつ優れた色素であるが、基本骨格の蛍光波長はおおよそ500 nm前後であるため、近赤外蛍光色素としての十分な機能を持っていない。そこでボロンジピロメテンの長波長化に関する研究がいくつか行われてきた。その手法としては、1)強い電子供与基の導入、2)骨格の堅牢化、3)共役系の拡張などが挙げられる。



1)に関しては、例えば特許文献1や非特許文献1に代表されるように、R1とR7に強い電子供与基を導入することで長波長化は達成できるが、 モル吸光係数の向上は達成できていない。また導入する官能基の電子供与性が強くなるほど、光誘起電子移動(PET)が起こり易くなるため、蛍光量子収率の低下が起こるとともに、溶媒極性に対する蛍光量子収率の依存性が強くなる。具体的には、水やメタノールなどの極性溶媒中においては、これらの分子の蛍光量子収率は著しく低下するため、バイオ分析などには適していない。



2)は、例えば非特許文献2に代表されるように、ボロンジピロメテンのR1およびR7に導入された電子供与基を、R2およびR6と適切なメチレン鎖ないしはヘテロ原子で架橋することで長波長化している報告例であるが、モル吸光係数の向上は達成しておらず、合成法も煩雑であるためバリエーションは限定される。



3)は、例えばシアニン系色素のようにオレフィンなどの共役二重結合を拡張することにより長波長化するというものであるが、これはシアニン系色素などでしばしば報告されているようなオレフィンの光異性化に由来する光安定性や蛍光量子収率の低下が懸念されるため、有効は手法とはいえない。また、例えば特許文献2および特許文献3に代表されるように、芳香環をR2, R3およびR5, R6に縮合することで長波長化を達成することができるが、モル吸光係数の向上は達成できていない。また、報告されている合成法では、縮合できる環も芳香環に限定され、色素のバリエーションも限られる。




【特許文献1】米国特許第5,248,782号

【特許文献2】米国特許第5,433,896号

【特許文献3】米国特許第6,005,113号

【非特許文献1】A. Burghart et. al. J. Org. Chem. 1999, 64, 7813.

【非特許文献2】J. Chen et. al. J. Org. Chem. 2000, 65, 2900.

【非特許文献3】Current Medicinal Chemistry 2005, 12, 795-895.

産業上の利用分野


本発明は、蛍光性化合物及びそれから成る標識剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 下記一般式[I]
【化学式1】
(ただし、式中、
R1とR2は互いに協働して、イオウ、酸素、窒素及びリンから成る群より選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員若しくは6員のヘテロ環を形成するか又は該ヘテロ環を形成しない場合には互いに独立に水素原子若しくは前記化合物の蛍光を阻害しない任意の基を表し、
R6とR7は互いに協働して、イオウ、酸素、窒素及びリンから成る群より選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員若しくは6員のヘテロ環を形成するか又は該ヘテロ環を形成しない場合には互いに独立に水素原子若しくは前記化合物の蛍光を阻害しない任意の基を表し、
(1)R1とR2、及び、(2)R6とR7、の少なくともいずれか一方は上記ヘテロ環を形成し、
Qは炭素原子又は窒素原子を表し、
R3、R4及びR5は互いに独立に水素原子又は前記化合物の蛍光を阻害しない任意の基を表し(ただし、Qが窒素原子の場合にはR4は存在しない)、
R8及びR9は互いに独立にハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、
前記R1とR2、及び/又はR6とR7により形成される前記ヘテロ環が、互いに独立に、下記式
【化学式2】
(ただし、これらの式中、X、Y及びZは、互いに独立にイオウ、酸素、窒素又はリン原子を示し、R10ないしR17は互いに独立に水素原子又は前記化合物の蛍光を阻害しない任意の基を表す)
で表されるいずれかの構造を有する
で示される構造を有する蛍光性化合物。
【請求項2】 前記ヘテロ環が、
【化学式3】
(ただし、これらの式中、X、Y及びZは、互いに独立にイオウ、酸素、窒素又はリン原子を示し、R10ないしR13は互いに独立に水素原子又は前記化合物の蛍光を阻害しない任意の基を表す)
で表されるいずれかの構造を有する請求項記載の化合物。
【請求項3】 前記R10ないしR17が互いに独立に水素原子又は電子供与性基である請求項又は記載の化合物。
【請求項4】 前記電子供与性基がアルキル基、フェニル基、p-アルコキシフェニル基、p-ジアルキルアミノフェニル基、2-チエニル基、2-フリル基又はジアルコキシフェニル基である請求項記載の化合物。
【請求項5】 前記電子供与性基が炭素数1~10のアルキル基、アルキル部分の炭素数が1~10のアルコキシフェニル基若しくはアルキル部分の炭素数がそれぞれ1~10のジアルコキシフェニル基である請求項記載の化合物。
【請求項6】 前記一般式[I]中、R8及びR9が互いに独立にハロゲン原子である請求項1ないしのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】 前記一般式[I]中、R8及びR9がフッ素原子である請求項記載の化合物。
【請求項8】 請求項1ないしのいずれか1項に記載の化合物から成る標識剤。
【請求項9】 請求項記載の標識剤で標識した物質を反応に供し、反応後、該標識剤を発光させて該物質を測定することを含む標識物質の測定方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008513292thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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