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等価容量型アクチュエータの駆動装置及び駆動方法 コモンズ

国内特許コード P110005494
整理番号 0810-23
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-335598
公開番号 特開2010-158128
登録番号 特許第5047153号
出願日 平成20年12月28日(2008.12.28)
公開日 平成22年7月15日(2010.7.15)
登録日 平成24年7月27日(2012.7.27)
発明者
  • 水野 毅
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 等価容量型アクチュエータの駆動装置及び駆動方法 コモンズ
発明の概要

【課題】センサ無しで等価容量型アクチュエータの駆動が可能な駆動装置を提供する。
【解決手段】静電アクチュエータ20と、静電アクチュエータ20に直列接続した可変キャパシタ30と、直列接続した静電アクチュエータ20及び可変キャパシタ30の両端に電圧を印加する定電圧源10と、静電アクチュエータ20と可変キャパシタ30とを直列接続した接続箇所の電圧と可変キャパシタ30の静電容量とから静電アクチュエータ20の状態を推定する推定手段60と、推定手段60の推定結果に基づいて可変キャパシタ30の静電容量を制御する制御手段50とを備え、可変キャパシタ30の静電容量を制御して、静電アクチュエータ20への印加電圧を調整する。この駆動装置は、静電アクチュエータ20のギャップを検知するセンサを用いずに、静電アクチュエータ20の状態を推定することができる。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


静電アクチュエータは、従来から、静電力を利用して物体を浮上させる静電浮上装置や静電浮上搬送装置などに用いられている。これらの装置は、対象物を汚さずに非接触で保持・移送することができ、クリーンルームでのシリコンウエハやアルミディスクの保持・移送などに適している。また、静電アクチュエータは、構造が簡単で、小型化するほど重量当たりの出力向上が期待できるため、マイクロマシーン用アクチュエータとしての利用も注目されている。



また、圧電アクチュエータは、電界を加えると伸び縮みする圧電素子の性質を利用したアクチュエータであり、物体の精密位置決めなどに使用されている。圧電素子(電歪素子とも呼ばれる。)は、印加電圧に対して素早く応答し、高精度に変位する。圧電アクチュエータは、この圧電素子の高速応答、高精度変位及び高分解能の性質を利用して、半導体製造装置の微細位置制御や高速プリンタの駆動源等に使用されており、また、マイクロ・メカトロニクスのキーデバイスとしても注目されている。



しかし、静電力は、磁気力に比べて単位面積当たりの利用可能な力の上限が桁違いに小さいため、静電力を用いて物体の非接触浮上等を行う場合、キロボルトオーダの高電圧を電極に印加する必要があり、浮上物体の安定化や搬送駆動のために、その電圧を素早く変化させる必要がある。
また、圧電素子は、全長の1/1000程度の歪みを生じさせるのに1000V/mm程度の電界の印加を必要とし、大きな変位が得られるように電極で挟んだ圧電層を複数積層した積層型圧電素子では、キロボルトオーダの高電圧を印加する必要があり、その変位を適応的に制御するために、印加した高電圧を素早く変化させる必要がある。
こうした高電圧の変化を可能にする高速応答性能を備えた高電圧増幅器は、大掛かりで高コストである。



静電アクチュエータや圧電アクチュエータは、電気回路的にキャパシタと等価なものとして扱うことができ、等価容量型アクチュエータと呼ばれているが、本発明者は、先に、この等価容量型アクチュエータを、高電圧増幅器を用いずに、低コストで駆動することができる駆動装置を提案している(下記特許文献1)。
この等価容量型アクチュエータの駆動装置は、図13の等価回路に示すように、等価容量型アクチュエータ120に直列接続した可変キャパシタ130と、直列接続した等価容量型アクチュエータ120及び可変キャパシタ130の両端に一定の高電圧を印加する定電圧源110とを備えており、可変キャパシタ130の静電容量を変えることで、等価容量型アクチュエータ120への印加電圧を制御している。



この場合、定電圧源110の一定の高電圧をE、可変キャパシタ130の静電容量をCv、等価容量型アクチュエータ120の静電容量をCa、等価容量型アクチュエータ120の両端の電位差をVaとすると、Vaは、(数1)に示すように、
a={Cv/(Cv+Ca)}E (数1)
となる。そのため、可変キャパシタ130の静電容量Cvを変えることで、等価容量型アクチュエータ120の両端の電位差Vaを変えることができる。
この駆動装置に用いる定電圧源110は、一定の高電圧を発生するものであれば良く、高電圧増幅器に比べて極めて低コストで入手することができる。



図14は、この駆動装置を用いた静電浮上装置を示しており、この装置では、浮上体123を安定的に浮上させるため、静電アクチュエータ120が4対の電極121、122を具備している。
図15は、この静電アクチュエータ120における電極121、122の表示を1対に省略した静電浮上装置を模式的に示している。



この装置は、浮上体123を静電力で浮上させる静電アクチュエータ120の電極121、122と、電極122と浮上体123との間隔を検出するギャップセンサ140と、可変キャパシタ130を構成する固定電極132及び可動電極131と、可動電極131を可動するボイスコイルモータ(VCM)133と、ギャップセンサ140の検出結果に基づいてVCM133を制御するコントローラ150と、一定の高電圧を発生する定電圧源110とを備えており、定電圧源110は、直列接続した静電アクチュエータ120及び可変キャパシタ130の両端に一定の高電圧を印加している。
この装置では、静電アクチュエータ120の電極122と浮上体123との間隔が常にギャップセンサ140で検出され、検出結果がコントローラ150に送られる。
コントローラ150は、この間隔が目標値と一致するようにVCM133を駆動して、固定電極132に対する可動電極131の距離を変え、可変キャパシタ130の静電容量Cvを調整する。そのため、静電アクチュエータ120の電極121、122に印加される電圧Vaは、(数1)により変化し、浮上体123を浮上させる静電力が変わり、電極121、122及び浮上体123間の間隔と目標値とのずれが修正される。

【特許文献1】WO2006/082807 A1

産業上の利用分野


本発明は、静電力を利用する静電アクチュエータや逆圧電効果を利用する圧電アクチュエータ等の駆動装置及び駆動方法に関し、特に、これらのアクチュエータの駆動制御を低コストで実現するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
等価容量型アクチュエータと、
前記等価容量型アクチュエータに直列接続した可変キャパシタと、
直列接続した前記等価容量型アクチュエータ及び可変キャパシタの両端に電圧を印加する定電圧源と、
前記等価容量型アクチュエータの変位量を制御するために、前記可変キャパシタの静電容量を変えて前記等価容量型アクチュエータの印加電圧を調整する制御手段と、を備える等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、
前記等価容量型アクチュエータと前記可変キャパシタとを直列接続した接続箇所の電圧であって、前記等価容量型アクチュエータの両端の電位差に相当する電圧前記可変キャパシタの静電容量とから前記等価容量型アクチュエータの変位量を推定する推定手段を備え
前記制御手段が、前記推定手段の推定結果に基づいて前記可変キャパシタの静電容量を制御して、前記等価容量型アクチュエータへの印加電圧を調整することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。

【請求項2】
請求項1に記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、前記制御手段が、前記推定手段を兼ねることを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。

【請求項3】
請求項1に記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、前記定電圧源が、直流高電圧を出力する直流定電圧源と、前記直流高電圧に高周波の交流電圧を重畳する交流電圧源とから成り、前記等価容量型アクチュエータと前記可変キャパシタとを直列接続した接続箇所の電圧を扱い易い低電圧に変換して前記推定手段に出力する電圧変換手段を有することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。

【請求項4】
請求項2に記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、前記定電圧源が、直流高電圧を出力する直流定電圧源と、前記直流高電圧に高周波の交流電圧を重畳する交流電圧源とから成り、前記等価容量型アクチュエータと前記可変キャパシタとを直列接続した接続箇所の電圧を扱い易い低電圧に変換して前記制御手段に出力する電圧変換手段を有することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。

【請求項5】
請求項3または4に記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、前記電圧変換手段が、前記等価容量型アクチュエータと前記可変キャパシタとを直列接続した接続箇所の電圧から高周波成分を取出すハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタが取出した高周波成分を検波して出力する検波回路とを備えることを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。

【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の駆動装置であって、前記等価容量型アクチュエータが静電アクチュエータであり、前記推定手段が、前記静電アクチュエータの変位量を推定することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。

【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の駆動装置であって、前記等価容量型アクチュエータが圧電アクチュエータであり、前記推定手段が、前記圧電アクチュエータの変位量を推定することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。

【請求項8】
等価容量型アクチュエータに可変キャパシタを直列接続し、
直列接続した前記等価容量型アクチュエータ及び可変キャパシタの両端に定電圧を印加し、
前記等価容量型アクチュエータと前記可変キャパシタとを直列接続した接続箇所の電圧であって、前記等価容量型アクチュエータの両端の電位差に相当する電圧前記可変キャパシタの静電容量とから前記等価容量型アクチュエータの変位量を推定し、
推定結果に基づいて前記可変キャパシタの静電容量を制御して前記等価容量型アクチュエータへの印加電圧を調整することにより前記等価容量型アクチュエータの変位量を制御することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。

【請求項9】
等価容量型アクチュエータに可変キャパシタを直列接続し、
直列接続した前記等価容量型アクチュエータ及び可変キャパシタの両端に高周波の交流電圧を重畳した定電圧を印加し、
前記等価容量型アクチュエータと前記可変キャパシタとを直列接続した接続箇所の電圧であって、前記等価容量型アクチュエータの両端の電位差に相当する電圧を扱い易い低電圧に変換し、
前記低電圧と前記可変キャパシタの静電容量とから前記等価容量型アクチュエータの変位量を推定し、
推定結果に基づいて前記可変キャパシタの静電容量を制御して前記等価容量型アクチュエータへの印加電圧を調整することにより前記等価容量型アクチュエータの変位量を制御することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。

【請求項10】
請求項9に記載の等価容量型アクチュエータの駆動方法であって、前記低電圧を得るために、前記等価容量型アクチュエータと前記可変キャパシタとを直列接続した接続箇所の電圧の高周波成分をハイパスフィルタで取出し、前記ハイパスフィルタで取出した高周波成分を検波回路で検波することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。
産業区分
  • 発電、電動
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2008335598thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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