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金微粒子を担体に分散・固定する方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110005513
整理番号 2006-0061
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-106198
公開番号 特開2008-259993
登録番号 特許第4970120号
出願日 平成19年4月13日(2007.4.13)
公開日 平成20年10月30日(2008.10.30)
登録日 平成24年4月13日(2012.4.13)
発明者
  • 春田 正毅
  • 石田 玉青
  • 奥田 一平
  • 黒田 杏子
  • 木下 直人
  • 末永 隼也
  • 山口 祐介
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 金微粒子を担体に分散・固定する方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】担体の材質に関係なく、短時間且つ簡便にナノオーダーの金微粒子あるいは金クラスターを担体上に担持する方法を提供する
【解決手段】昇華性の金前駆体(ジメチル金アセチルアセトナート錯体、ジメチル金トリフルオロアセチルアセトナート錯体、クロロトリメチルホスフィン金錯体、メチル(トリメチルホスフィン)金錯体など)と無機または有機担体(高分子、無機酸化物、活性炭、多孔性金属錯体など)とを室温下常圧で機械的摩擦を加えながら固相混合した後還元処理することにより、担体表面に金微粒子を分散・固定する。これによって得られた金ナノ粒子または金クラスター担持担体は、グルコースのグルコン酸への酸化などの酸化触媒として、また着色剤として優れた特性を示す。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


貴金属は、種々の装飾材料、歯科用材料、電子回路材料、触媒材料、例えば有機物の酸化あるいは還元反応触媒、自動車排気ガスの浄化触媒や、燃料電池用の触媒などとして広く用いられている。触媒として用いる場合、貴金属は高価なことと、その性能を最大限引き出すため、ナノ粒子として露出表面積を大きくする工夫がなされている。具体的には、比表面積が大きく、熱的、化学的安定性の高いシリカやアルミナ、チタニアなどの金属酸化物、あるいは活性炭、カーボンブラックなどの炭素材料を担体に用い、その表面に貴金属がナノ粒子として分散・固定された状態とされて用いられている。



貴金属中、金は他の貴金属に比べれば安価であるものの、触媒活性が極めて乏しいと従来考えられていた。これに対し、発明者は、金を好ましくは直径10nm以下の超微粒子(ナノ粒子)として種々の金属酸化物担体上に分散・固定することにより、高い触媒活性が発現されること、さらに金ナノ粒子触媒は、低温CO酸化、HCHO酸化、プロピレンの気相一段エポキシ化、低温水性ガスシフト反応、酸素と水素からの直接過酸化水素合成、炭化水素類の部分酸化など、多くの反応に対して、他の貴金属より優れた触媒活性を発現することを見出している(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。また、その他にも、金ナノ粒子は、不飽和化合物の水添、アルコールの酸化、NOxの還元、エポキシドやアミンのカルボニル化などの触媒活性を有することも報告されている。さらに、本発明者は、金の粒子径が2nm以下、原子数で300個以内のクラスターになると、触媒特性がさらに激変する場合があることも見出した。



金属酸化物に金微粒子を分散・固定化する方法としては、従来、含浸法、共沈法、析出沈殿法等、種々の方法が知られているが、これらの方法は、水などの溶媒を用いることが必要とされる上、高温での焼成が必要とされることから、担体として有機高分子を用いる場合には採用できない。また、炭素材料上に金微粒子を分散固定する方法として、例えば塩基前処理した活性炭を用い、含浸法でナノサイズに粒径を揃えた活性炭担持白金触媒の粉体と、フェロセンあるいはルテノセンの粉体を固相混合し水素還元することにより、活性炭担持Ru-Pt、Pt-Feバイメタリック触媒を調製する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。この方法では、一段階目の白金担持の際含浸法を用いており、含浸法では水溶液としてPt前駆体を活性炭に含浸させることが必要とされ、比表面積の小さい高分子担体に対してはこのような含浸法は採用できない。また、この方法では、固相混合も高温、不活性気体中で行うことが必要とされる。



高分子表面への金微粒子の分散・固定化方法として、表面析出還元法が知られている。しかしこの方法においても溶媒中での処理が必要とされるし、無機酸化物ではナノオーダーの小さな粒径の金微粒子は得られない。これ以外にも、高分子結晶と硝酸銀水溶液もしくは硝酸銀メタノール溶液とをメノウ乳鉢で混合し、光還元することにより平均粒径5nm程度の銀ナノ粒子を調製する方法が知られている(例えば、非特許文献3、4参照)。しかし、この方法では、ポリムコン酸のカルボキシレートを銀イオンに交換すること、および担体は層状高分子結晶であることが必須である。さらには、NaOH水溶液で前処理した第四級アンモニウム基を官能基として有するイオン交換樹脂を加熱乾燥後金前駆体水溶液で処理し、150℃で6時間加熱することにより金ナノ粒子を担持させる方法(非特許文献5参照)、陽イオン交換樹脂に金微粒子を担持する方法(非特許文献6参照)も知られているが、これらの方法は、特定のイオン交換樹脂を用いる、水溶液中で処理する、加熱処理するあるいは還元剤を用いるなどの必要性がある。



さらには、金微粒子の担体への分散・固定化法として、気相蒸着法が知られている(例えば、非特許文献7~9参照)。この方法は無機酸化物、高分子担体両方に適用でき、従来法の中では最も汎用性は高いが、上述の方法に比べ得られる金微粒子の粒径が比較的大きくなる欠点がある。また、有機金錯体減圧吸着法も知られている(例えば、特許文献2参照)が、この方法では減圧装置を用いることが必要とされ、また金前駆体による担体処理方法も煩雑である。




【特許文献1】特公平5-49338号公報

【特許文献2】特開平9-122478号公報

【非特許文献1】Haruta,M.Chem.Record,2003,3(2),75-87.

【非特許文献2】Hodoshima,S.et al,Stud.Surf.Sci.Catal.2001,132、323-326.

【非特許文献3】Matsumoto,A.et al,Macromol.Chem.Phys.2006,207,361.

【非特許文献4】Matsumoto,A.et al,Chem.Lett.2004,33,42.

【非特許文献5】Feng Shi他4名,J.Am.Chem.Soc.2005,127,21,4182-4183.

【非特許文献6】Gitanjani Majumdar他4名,Langmuir,2005,21,5,1663-1667.

【非特許文献7】Okumura,M.et al,“Chemical Vapor Deposition of Gold Nanoparticles on MCM-41 and Their Catalytic Activities for the Low-temperature Oxidation of CO and H2”,Chem.Lett.1998,315-316.

【非特許文献8】Roland A.Fischer他4名、“Loading of porous metal-organic open frameworks with organometallic CVD precursors:inclusion compounds of the type[LnM]a@MOF-5”,J.Mater.Chem.2006,16,2464-2472.

【非特許文献9】Roland A. Fischer他7名、“Metal@MOF:Loading of Highly Porous Coordination Polymers Host Lattices by Metal Organic Chemical Vapor Deposition”,Angew.Chem.Int.Ed.2005,44,6237-6241.

産業上の利用分野


本発明は、金微粒子を担体に分散・固定する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
昇華性の金前駆体と無機または有機担体とを、室温で、機械的摩擦を加えながら固相混合することにより前記無機または有機担体に前記昇華性の金前駆体を担持させた後、還元することを特徴とする担体表面もしくは担体の細孔内部に金微粒子を分散・固定する方法。

【請求項2】
昇華性の金前駆体と無機または有機担体とを、室温で、機械的摩擦を加えながら固相混合することにより前記無機または有機担体に前記昇華性の金前駆体を担持させた後、還元することにより担体表面もしくは担体の細孔内部に金微粒子を分散・固定する方法において、
前記昇華性の金錯体が、(CH32Au(CH3COCHCOCH3)、(CH32Au(CF3COCHCOCH3)、(CH32Au(CF3COCHCOCF3)、(C252Au(CH3COCHCOCH3)、(CH32Au(C65COCHCOCF3)、ClAuP(CH33、CH3AuP(CH33および下記一般式(1)あるいは(2)で表される金錯体から選ばれた少なくとも一種であり、
【化学式1】


(式中、R1は-CH3または-CF3を表す。)
【化学式2】


(式中、R2は、-CH3または-CF3を表し、R3は、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、チグロイル基、アンゲロイル基、セネシオイル基、フェニル基、チエニル基、またはフリル基を表す。)
前記無機または有機担体が、高分子、金属錯体、炭素系物質、金属酸化物、金属水酸化物および金属硫化物から選ばれた少なくとも一種で、多孔質の粒子であり、
前記還元が、還元性ガス雰囲気下で行われることを特徴とする担体表面もしくは担体の細孔内部に金微粒子を分散・固定する方法。

【請求項3】
昇華性の金前駆体と無機または有機担体とを、室温で、機械的摩擦を加えながら固相混合することにより前記無機または有機担体に前記昇華性の金前駆体を担持させた後、還元することにより担体表面もしくは担体の細孔内部に金微粒子を分散・固定する方法において、
前記昇華性の金錯体が、(CH32Au(CH3COCHCOCH3)、(CH32Au(CF3COCHCOCH3)、(CH32Au(CF3COCHCOCF3)、(C252Au(CH3COCHCOCH3)、(CH32Au(C65COCHCOCF3)、ClAuP(CH33、CH3AuP(CH33および下記一般式(1)あるいは(2)で表される金錯体から選ばれた少なくとも一種であり、
【化学式1】


(式中、R1は-CH3または-CF3を表す。)
【化学式2】


(式中、R2は、-CH3または-CF3を表し、R3は、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、チグロイル基、アンゲロイル基、セネシオイル基、フェニル基、チエニル基、またはフリル基を表す。)
前記無機または有機担体が、高分子、金属錯体、炭素系物質、金属酸化物、金属水酸化物および金属硫化物から選ばれた少なくとも一種で、多孔質の粒子であり、
前記還元が、焼成還元法により行われることを特徴とする担体表面もしくは担体の細孔内部に金微粒子を分散・固定する方法。

【請求項4】
金微粒子の平均粒径が20nm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の担体表面もしくは担体の細孔内部に金微粒子を分散・固定する方法。
産業区分
  • その他無機化学
  • 無機化合物
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007106198thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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