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金微粒子の分散・固定化方法およびそれにより得られる材料 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110005525
整理番号 2007-0079
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-091587
公開番号 特開2009-240951
登録番号 特許第5010522号
出願日 平成20年3月31日(2008.3.31)
公開日 平成21年10月22日(2009.10.22)
登録日 平成24年6月8日(2012.6.8)
発明者
  • 大橋 弘範
  • 春田 正毅
  • 武井 孝
  • 石田 玉青
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 金微粒子の分散・固定化方法およびそれにより得られる材料 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】金ナノ粒子の形成が難しかった酸性担体を初めとするあらゆる担体材料上に、簡便に金ナノ粒子を分散・固定化する方法を提供する。
【解決手段】金化合物溶液にカルコゲン化物を添加して形成された金-カルコゲン系イオンを担体と接触させて担体に金-カルコゲン系イオンを吸着させる、あるいはさらに溶液を酸性とすることにより担体表面に金カルコゲナイドを沈殿析出させ、その後担体を分離後加熱することにより担体表面に金微粒子を析出させて金微粒子が表面に分散・固定化された担体を得る。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


貴金属は、種々の装飾材料、歯科用材料、電子回路材料、触媒材料、例えば有機物の酸化あるいは還元反応触媒、自動車排気ガスの浄化触媒や、燃料電池用の触媒などとして広く用いられている。触媒として用いる場合、貴金属は高価なことと、その性能を最大限引き出すため、貴金属をナノ粒子として露出表面積を大きくする工夫がなされている。具体的には、比表面積が大きく、熱的、化学的安定性の高いシリカやアルミナ、チタニアなどの金属酸化物、あるいは活性炭、カーボンブラックなどの炭素材料を担体に用い、その表面に貴金属がナノ粒子として分散・固定された状態で用いられている。貴金属粒子を担体上に固定化する方法としては、たとえば、含浸法(例えば、非特許文献1参照)、共沈法(例えば、特許文献1参照)、滴下中和沈澱法、還元剤添加法、pH制御中和沈澱法(これらについては、例えば特許文献2参照)、カルボン酸金属塩添加法(例えば、特許文献3参照)、析出沈澱法(例えば、特許文献4参照)、有機金錯体吸着法(例えば、特許文献5参照)、ウォッシュコート法(例えば、特許文献6参照)、コロイド焼成法(例えば、特許文献7参照)など、種々の方法が知られている。



貴金属中、金は他の貴金属に比べれば安価であるものの、触媒活性が極めて乏しいと従来考えられていた。これに対し、本発明者らは、金を好ましくは直径10nm以下の超微粒子として種々の金属酸化物担体上に分散・固定することにより、高い触媒活性が発現されること、さらに金ナノ粒子触媒は、低温CO酸化、プロピレンの気相一段エポキシ化、低温水性ガスシフト反応、酸素と水素からの直接過酸化水素合成、炭化水素類の部分酸化など、多くの反応に対して、他の貴金属より優れた触媒活性を発現することを見出している(例えば、特許文献8および非特許文献1参照)。また、その他にも、金ナノ粒子触媒は、不飽和化合物の水添、アルコールの酸化、NOxの除去、エポキシ化合物の合成、脂肪族アミンのカルボニル化などの触媒活性についても報告されている。さらに、本発明者らは、金の粒子径が2nm以下、原子数で300個以内のクラスターになると、触媒特性がさらに激変する場合があることも見出した。



これら金ナノ粒子を担体に分散・固定化する方法としては、従来、含浸法、共沈法、析出沈殿法、コロイド混合法、気相グラフティング法、液相グラフティング法などの方法が採られているが、金属酸化物などの無機担体に金ナノ粒子を担持させる方法としては、析出沈殿法が一般的に採用されている。この方法では、金前駆体をアルカリ水溶液中で加水分解し、金前駆体水溶液中で水酸化金(III)を担体上に析出沈殿させた後、加熱することで金の析出、固定化を行い、金ナノ粒子担持担体を得ている。この方法では、担体の種類によっては水酸化金(III)が析出しないものもあり、このため金ナノ粒子が担持できる担体が限定されていた。特に酸性担体(酸化タングステン、酸化モリブデン、Nafion(登録商標)(パーフルオロスルホン酸/ポリテトラフルオロエチレン共重合体)膜などの上には水酸化金(III)の析出沈殿が全く起きず、金ナノ粒子の担持が困難であった。また、従来の析出沈殿法では、水酸化金(III)を析出させるために、溶液の液性は中性ないしアルカリ性が必須であった。このため、中性ないしアルカリ性において溶解性のある金属の酸化物(例えば、酸化モリブデンや酸化タングステンなど)、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩などには適用できなかった。



一方、カルコゲナイド(特にS)と金は、HSAB理論では“SOFT”であるため親和性が高く、このため金担持触媒に対して悪影響を及ぼすと考えられている。また、従来硫化金(I,III)の化学はほとんど研究されていないというのが現状である。金鉱床の生成メカニズムについての研究において、[Au(HS)2-という錯体が金生成過程で存在するのではないかと予想されていることが報告されている例が見受けられるが、これ以外では硫化金に関する報文などはほとんど見出せない。したがって、Au-S相互作用を何かに利用しようという動きはあっても、Au23をAuへ還元させようと考える“土壌”は従来存在しなかった。




【特許文献1】特開昭60-238148号公報

【特許文献2】特開昭63-252908号公報

【特許文献3】特開平2-252610号公報

【特許文献4】特開平3-97623号公報

【特許文献5】特開平7-171408号公報

【特許文献6】特開平6-182205号公報

【特許文献7】特開平11-47611号公報

【特許文献8】特公平5-49338号公報

【非特許文献1】エム ハルタ(M.Haruta)、ケミストリー レコード(Chem. Record)第3巻、第2号、第75-87頁、2003年

産業上の利用分野


本発明は、担体表面に金微粒子を分散・固定化する方法、特にアルカリに可溶な酸性担体をも含む担体に金微粒子を分散・固定化する方法およびそれにより得られる材料並びに金微粒子が分散・固定化された触媒に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
金化合物溶液にカルコゲン化物を添加して形成された金-カルコゲン系イオンを担体と接触させて担体に金-カルコゲン系イオンを吸着させる、あるいはさらに該溶液を酸性とすることにより担体表面に金カルコゲナイドを沈殿析出させ、その後担体を分離後加熱することにより担体表面に金微粒子を析出させることを特徴とする担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。

【請求項2】
前記カルコゲン化物が、硫化ナトリウムまたは硫化水素であり、形成される金-カルコゲン系イオンが金-カルコゲン系錯体イオンであることを特徴とする請求項1に記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。

【請求項3】
前記溶液が水溶液であり、金化合物水溶液にカルコゲン化物を加えたのち、粒状担体を該水溶液に分散させることを特徴とする請求項1または2に記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。

【請求項4】
前記担体がIII族、IV族、V族、VI族またはXIV族金属の酸化物、炭素材料または高分子材料であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。

【請求項5】
前記III族、IV族、V族、VI族またはXIV族金属の酸化物が、ケイ素、チタン、バナジウム、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、またはセリウムの酸化物であり、炭素材料が活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、またはグラファイトであることを特徴とする請求項4に記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。

【請求項6】
前記金化合物が、四塩化金酸、四塩化金酸塩、三塩化金、シアン化金、シアン化金カリウム、三塩化ジエチルアミン金酸、エチレンジアミン金錯体、ジメチル金β-ジケトン誘導体金錯体、およびジエチル金β-ジケトン誘導体金錯体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。

【請求項7】
上記担体の加熱が80~800℃であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定化する方法。

【請求項8】
前記金微粒子の平均粒子径が20nm以下であり、金が担体に対し0.01重量%~50重量%担持されることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の担体上に金微粒子を分散・固定する方法。

【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の方法により得られた、表面に金微粒子が分散・固定された担体。

【請求項10】
請求項9に記載の表面に金微粒子が分散・固定された担体からなる触媒。

【請求項11】
前記触媒が酸化触媒であることを特徴とする請求項10に記載の触媒。

【請求項12】
前記触媒が還元触媒であることを特徴とする請求項10に記載の触媒。
産業区分
  • その他無機化学
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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