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非水電解液系二次電池用負極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110005546
整理番号 2008-0009
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2008-319136
公開番号 特開2010-146732
登録番号 特許第5400370号
出願日 平成20年12月16日(2008.12.16)
公開日 平成22年7月1日(2010.7.1)
登録日 平成25年11月1日(2013.11.1)
発明者
  • 金村 聖志
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 非水電解液系二次電池用負極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】三次元規則配列多孔構造(3DOM構造)を有する非水電解液系二次電池用負電極のサイクル特性を改善する。
【解決手段】導電性基板上のフォトレジスト膜に、各々独立した多数の微細な空所を形成し、このフォトレジスト膜の空所にポリスチレンなどの微細粒子を充填した後、リチウムと合金化する金属によりめっきし、微細粒子およびフォトレジスト膜を溶解除去することにより、マイクロドメイン構造(微細な多数の島状)の非水電解液系二次電池用負電極を形成する。島状電極は、高さが10~50μm、大きさが10~30μm、島状電極間の幅が1~50μm、気孔率が50~80%で、円柱形状であることが好ましい。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


現在、携帯電話、ラップトップコンピュータ、カメラ一体型VTRなど携帯型電子機器が広く普及している。近年、これら携帯型電子機器は高性能化により消費電力が増す傾向にあり、それらの電源として用いられるリチウムイオン二次電池の更なる高容量化が期待されている。このようなリチウムイオン二次電池の高容量化を達成するための方法として、電極の高密度化や、電極表面に凹凸を形成することなどにより電極の表面積を大きくすることなど種々の方法が提案されている。



ところで、現在、リチウムイオン二次電池の負極にはグラファイトが用いられている。グラファイトは、リチウムと層間化合物LiC6を形成することで372mAh/gの理論容量を示すが、現在製品化されているリチウムイオン二次電池ではこの理論容量の95%程度を利用しているため、電池の容量をさらに増大させるためには、新規負極材料の開発が必要とされている。



グラファイトに変わる負極材料として、リチウムと合金化する金属材料を用いる研究が鋭意行われており、これまでスズ、シリコン、及びこれらを含む材料がリチウムと合金を形成し、372mAh/gより大きい容量が得られることが報告されている。これらの中でも、スズはリチウムと合金化・脱合金化を繰り返すことにより充放電が可能で、993mAh/gという高い理論容量を示すことから、近時、負極材料として注目されている。しかし、スズは合金化の際にLi4.4Snとなるため、その体積が約4倍に膨張する。これが原因となってスズが微粉化し、集電性が低下するため良好なサイクル特性を示さないという問題を有している。これまで、リチウムと反応しない金属を予めスズと合金化させておくことで、充放電の際に起こる体積膨張が抑制され、サイクル特性が向上することが報告されている(非特許文献1参照)。例えばスズ-ニッケル(Sn-Ni)合金負極では、薄膜(~1.0μm)において良好な充放電容量(600mAh/g)およびサイクル特性(50サイクル後の容量維持率が70%)が確認されている。しかし、単位面積あたりの活物質量を増大させると、容量およびサイクル特性が低下する問題がある。充放電容量が低下する理由としては、電解液-電極活物質界面が平板電極では小さいためであると考えられる。また、サイクル特性が低下する要因として、活物質量の増大に伴い膜厚が増加し、Li+イオンとの合金化・脱合金化にともない活物質が大きく膨張収縮し、その結果として内部応力がより増大するためであると考えられる。これらの問題を解決するため三次元規則配列多孔構造(three dimensionally ordered macroporous structure、以下「3DOM構造」と略記する。)を有するスズ、スズ-ニッケル合金などの電極の検討が行われてきた(例えば、特許文献1参照)。



図5に、従来公知の3DOM構造を有するスズあるいはSn-Ni合金電極のチャージ前およびチャージ中の概念図を示す。図中左はチャージ前の多孔質電極、右側はチャージ中の多孔質電極を示す。例えば、3DOM構造のスズあるいはSn-Ni合金電極は、電極内部に規則配列した連通する空孔が存在しており、電極の膜厚が増大しても、電解液が電極内部に浸透することが可能である。また、活物質が最も厚くなる部分は3DOM構造の空孔を形成するフレーム部の厚みとなるため、活物質の最大膜厚を薄膜と同程度に維持したまま、単位面積当たりの活物質を増加させることが出来る。さらに、スズとリチウムの合金化による体積膨張が起きても、電極内部に多数存在する孔が内部応力を分散させて電極の劣化を抑制出来る。孔内部方向に堆積膨張が起こるのであれば見かけの体積変化も抑制することとなる。



このような3DOM構造を有するスズ(Sn)あるいはスズ-ニッケル(Sn-Ni)合金電極は、コロイド結晶鋳型法(colloidal crystal templating method)を用いて容易に作製することができ、鋳型となるコロイド粒子のサイズを選ぶことにより、空孔の大きさを制御することが可能である(特許文献1参照)。コロイド結晶鋳型法で形成された3DOM構造を有するSn-Ni合金電極の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、図6(a)に示す。また、この合金電極の充放電曲線を図6(b)に示す。図6(b)から、約0.5 V vs. Li/LiにおいてLiの合金・脱合金化(Liの挿入・脱離反応)による電位平坦部が確認され、放電容量は約370mAh/gを示した。このことより、3DOM構造を有するSn-Ni合金電極はリチウムイオン二次電池用電極として利用可能であることが示唆された(非特許文献2参照)。



【特許文献1】特開2006-260886号公報【非特許文献1】H.Mukaibo,T.Momma,M.Mohamedi,T.Osaka,Journal of the Electrochemical Society,152(2005) pp.A560-A565【非特許文献2】F.Ke,L.Huang,H.Jiang,H.Wei,F.Yang,S.Sun,Electrochemistry Communications,9(2007) pp.228-232

産業上の利用分野


本発明は、非水電解液系二次電池用負極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池に関し、より詳しくはマイクロドメイン構造(多数の微細な島状の構造)を有する非水電解液系二次電池用負極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
導電性基板上に、スズまたはスズ-ニッケル(Sn-Ni)合金の多孔質体からなるマイクロドメイン構造を有する多数の島状電極を有し、
前記島状電極の厚みが10~50μmであり、大きさが10~30μmであり、島状電極間の幅が1~50μmであり、
前記のマイクロドメイン構造における気孔は多数の球形状の孔が規則的に配列され、且つ少なくとも一部の球形状の孔は連通されており、該気孔の気孔率が50~80%であり、
前記島状電極が円柱形状で規則的に配列している非水電解液系二次電池用負極。
【請求項2】
請求項1に記載の非水電解液系二次電池用負極において、前記気孔は、前記導電性基板上のフォトレジスト膜に、各々独立した多数の微細な空所を形成し、
前記フォトレジスト膜の空所に微細粒子を充填し、
前記微細粒子が充填された基板を前記スズまたは前記スズ-ニッケル(Sn-Ni)合金によりめっきし、
前記微細粒子およびフォトレジスト膜を除去することにより形成される空孔である非水電解液系二次電池用負極。
【請求項3】
請求項に記載の非水電解液系二次電池用負極において、前記微細粒子が粒径0.1~5μmのポリマーからなり、該ポリマーの除去がポリマーを溶剤に溶解することにより行われることを特徴とする非水電解液系二次電池用負極。
【請求項4】
請求項に記載の非水電解液系二次電池用負極において、前記微細粒子が充填された基板がメッキされる前に、前記充填されたポリマーが熱溶着されることを特徴とする非水電解液系二次電池用負極。
【請求項5】
請求項に記載の非水電解液系二次電池用負極において、前記めっきは、前記基板をめっき浴に浸漬し、スズ-ニッケル合金がめっきされることを特徴とする非水電解液系二次電池用負極。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の非水電解液系二次電池用負極を用いてなるリチウムイオン二次電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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