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含水湿潤ゲルの乾燥方法及び含水湿潤ゲルの乾燥装置 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110005548
整理番号 2008-0069
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2009-036476
公開番号 特開2010-189229
登録番号 特許第4712879号
出願日 平成21年2月19日(2009.2.19)
公開日 平成22年9月2日(2010.9.2)
登録日 平成23年4月1日(2011.4.1)
発明者
  • 梶原 浩一
  • 前花 亮平
  • 桑谷 俊伍
  • 金村 聖志
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 含水湿潤ゲルの乾燥方法及び含水湿潤ゲルの乾燥装置 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】含水湿潤ゲルを乾燥させる過程で、ゲルに手を加えず、かつ有機溶媒や気体など亀裂の発生を抑制するための試薬を使用することなく、ゲルの亀裂の発生を簡単、安価に抑制する方法を提供する。
【解決手段】含水湿潤ゲルを乾燥する際に、まず含水湿潤ゲルから水を除去して含水湿潤ゲルの水含有量を減少させ、次いで、残りの溶媒を除去することにより湿潤ゲルを乾燥する。例えば、湿潤ゲル3と溶媒を含有する含水湿潤ゲルが収容された湿潤ゲル容器1を加熱する。これにより、溶媒3は湿潤ゲル容器1の上部空間8に蒸気となって蒸発する。この溶媒含有気体は、湿潤ゲル容器に嵌合された脱水剤容器2内に孔7を通して拡散し、脱水剤により水が除去される。この状態を1~2日保持することにより、溶媒3中の水はほぼ除去される。その後脱水剤容器2を取り外し、水の除去された湿潤ゲルを加熱することにより溶媒をほぼ完全に除去した後、さらに高温で加熱して溶媒を完全除去すれば、亀裂の無い乾燥ゲルが得られる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


ゾル-ゲル法によるゲルの合成は、合成温度が溶融法や気相混合法に比べて低いこと、高濃度のフッ素ドープが行えること、またこの結果導入されたSiF基によってSiOH基を除去し、真空紫外域の光透明性を向上できること、などの利点があることから、機能性ガラス、セラミックス、無機-有機複合体の新しい合成法として、材料分野で注目されている技術である。しかし、湿潤ゲルを乾燥させて乾燥ゲルを得る過程では、溶媒の蒸発に伴ってゲル細孔中に形成された気-液界面(メニスカス)で毛細管力が生じてゲルが収縮するため、乾燥ゲルに亀裂が入りやすいという問題がある。



水は、モノマーの重合剤や溶媒として、多くの湿潤ゲルの作製に用いられているが、水はアルコールのような他の汎用溶媒に比べて表面張力が大きく、また沸点も高いため、乾燥の最終段階で濃縮され、大きな毛細管力を生じる。このため、水を含む湿潤ゲルを短時間で乾燥させたり、大きな乾燥ゲルを得ることは極めて困難である。ゲルの割れを抑制しつつ再現性良く乾燥ゲルを得るためには、乾燥中の収縮応力の原因である毛細管力を小さくし、かつゲル全体で均一な溶媒蒸発及び均一な収縮を起こさせることが必要である。



亀裂のない乾燥ゲルを得る方法として、化学的方法と物理的方法が従来より知られている。化学的方法とは、ゲルの製造過程において試薬等を添加し、ゲル骨格の化学構造などに手を加えるものであって、(1)高沸点かつ表面張力の小さい溶媒を乾燥制御剤として添加した湿潤ゲルを作製し、乾燥の最終段階での毛細管力を下げる方法(例えば、非特許文献1参照)、(2)毛細管力が細孔径に反比例することに着目し、湿潤ゲルの細孔径を大きくする方法(例えば、非特許文献2参照)、(3)湿潤ゲルに微粒子を加えることで湿潤ゲルの細孔径を増大させ、かつ湿潤ゲルの強度を高める方法(例えば、特許文献1、2参照)、(4)ゲル骨格の化学構造を修飾し、ゲルの柔軟性を高めつつ毛細管力を小さくする方法(例えば、特許文献3参照)などが知られている。



一方、物理的方法とは、湿潤ゲルにほとんど手を加えずに亀裂のない乾燥ゲルを得る方法であって、(5)乾燥を極めてゆっくり行ってゲルを均一に収縮させる方法、(6)温度と雰囲気を厳密に制御して乾燥を行う方法(例えば、特許文献3~7、非特許文献3参照)、(7)超臨界状態を経ることによって気-液界面をなくす超臨界乾燥を行い、毛細管力が働かないようにする方法、などが知られている。

産業上の利用分野


本発明は、湿潤ゲルに含有されている水を含む複数の溶媒分子の内、まず表面張力が大きい溶媒である水の含有量を低下し、次いで、湿潤ゲルの乾燥を行う含水湿潤ゲルの乾燥方法及びこの方法に用いる湿潤ゲルの乾燥装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
含水湿潤ゲルの乾燥方法であって、まず含水湿潤ゲルを収容する含水湿潤ゲル収容部の溶媒蒸気含有気体を脱水剤収容部に送り、溶媒蒸気含有気体を脱水剤と接触させた後、接触後の溶媒蒸気含有気体を再度含水湿潤ゲル収容部に移送することにより、該含水湿潤ゲルから水を除去して含水湿潤ゲルの水含有量を減少させ、次いで、残余の溶媒を除去することにより湿潤ゲルを乾燥することを特徴とする含水湿潤ゲルの乾燥方法。

【請求項2】
脱水剤がモレキュラーシーブであることを特徴とする請求項1に記載の含水湿潤ゲルの乾燥方法。

【請求項3】
前記含水湿潤ゲルが含水シリカゲルであることを特徴とする請求項1または2に記載の含水湿潤ゲルの乾燥方法。

【請求項4】
前記残余の溶媒が有機溶媒を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の含水湿潤ゲルの乾燥方法。

【請求項5】
前記有機溶媒が、アルコール類、アミド類、炭化水素類、ケトン類、エステル類またはエーテル類を含むことを特徴とする請求項4に記載の含水湿潤ゲルの乾燥方法。

【請求項6】
請求項1に記載の含水湿潤ゲルの乾燥方法に用いる乾燥装置であって、
含水湿潤ゲル収容部、脱水剤収容部、および該含水湿潤ゲル収容部と脱水剤収容部とを結ぶ連通部を有し、
前記連通部が連通管であり、該連通管に気体移送装置が設けられていることを特徴とする含水湿潤ゲルの乾燥装置。

【請求項7】
加熱部がさらに設けられていることを特徴とする請求項6に記載の含水湿潤ゲルの乾燥装置。

【請求項8】
請求項6または7に記載の含水湿潤ゲルの乾燥装置において、前記脱水剤がモレキュラーシーブであることを特徴とする含水湿潤ゲルの乾燥装置。

【請求項9】
請求項6~のいずれかに記載の含水湿潤ゲルの乾燥装置において、前記含水湿潤ゲルが含水湿潤シリカゲルであることを特徴とする含水湿潤ゲルの乾燥装置。
産業区分
  • 無機化合物
  • 処理操作
  • 加熱冷却
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009036476thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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