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表面ハイパーブランチまたはデンドリマー修飾無機ナノ粒子および気体分離膜 コモンズ

国内特許コード P110005557
整理番号 2008-0079
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2009-074711
公開番号 特開2010-222228
登録番号 特許第5626950号
出願日 平成21年3月25日(2009.3.25)
公開日 平成22年10月7日(2010.10.7)
登録日 平成26年10月10日(2014.10.10)
発明者
  • 川上 浩良
  • 青山 聡史
  • 坪川 ありさ
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
  • 信越化学工業株式会社
発明の名称 表面ハイパーブランチまたはデンドリマー修飾無機ナノ粒子および気体分離膜 コモンズ
発明の概要 【課題】無機ナノ粒子の分散性を改善し、また高分子膜の気体透過特性を改善する。
【解決手段】ナノオーダーの粒子径を有するシリカナノ粒子のような無機ナノ粒子の表面に、ハイパーブランチ高分子またはデンドリマー高分子を付加することにより得られた表面ハイパーブランチまたはデンドリマー修飾無機ナノ粒子をマトリクス樹脂中に分散し、製膜することにより気体分離膜を作製する。表面ハイパーブランチ修飾シリカナノ粒子は、例えば、シリカナノ粒子をアミノ基含有トリアルコキシシランで処理し、次いでこの粒子を1個のカルボキシル基および2個以上のアミノ基またはハロゲン原子を有する化合物と反応させることにより作製することができ、表面デンドリマー修飾シリカナノ粒子は、例えば、シリカナノ粒子をアミノ基含有トリアルコキシシランで処理し、次いでこの粒子を3個以上のカルボキシル基を有する化合物で処理、反応させた後、2個のアミノ基を有する化合物で処理、反応させ、これを繰り返すことにより作製することができる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



近年、ナノテクノロジー研究の一還として、平均粒子径が1nm位から数百nm位までのナノメートルオ一ダーの粒子径を有する微粒子(ナノ粒子)に関する研究が盛んに行われている。素材をナノサイズ化したナノ粒子では、従来のバルク材料とは異なり、様々な機態・特性を発現・付与できることが知られており、幅広い産業分野での応用が期待されている。ナノ粒子は一次粒子としての製造は可能であるが、その微細さに由来して凝集性が強く、放置しておくとマイクロオーダーの粒子径を有する凝集体となってしまう。例えば、上述したような無機物ナノ粒子を有機成分中に添加した場合、耐熱性の向上や機械的強度の向上が期待できる一方で、無機物粒子はその凝集性の強さから、そのままでは有機溶媒中や高分子マトリクス中でマイクロオーダーの凝集体を形成し、結果として期待したような有機-無機複合材料の特性・性能を得られない可能性がある。このため、一次粒子としての分散性を維持するために、粒子表面に対して均一な化学修飾を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。





加えて現在、無機成分と有機成分をナノレベルまたは分子レベルで混ぜ合わせることによって、両者のメリットを相乗的に高めることのできる有機-無機複合材料が注目を集めている。この概念は、エネルギー・環境問題を解決する上でその有用性が注目されている高分子気体分離膜にも適応がなされており、高分子マトリクス中に無機物ナノ粒子を添加した有機-無機複合材料の作製によって、既存の方法では達成できなかった高い機械的強度や熱的安定性、気体透過特性の達成が望まれている。





高分子膜の気体透過特性を利用して気体を分離する方法は、気体の相変化を伴わずに気体の分離・回収ができ、他の気体分離法に比べて操作が簡便で装置の小型化が可能であり、また連続的に気体分離を行うことができるため、環境負荷が少ないという特性を有している。このような省エネルギー型の高分子気体分離膜法は、近年、特に温室効果ガスの分離・回収や酸素富化空気の作製、天然ガスの精製技術として注目を集め、実用化が期待されているが、さらに気体分離性能および気体透過量の点での改善が必要とされる。





前記したように、高分子膜に無機物ナノ粒子を含有させることにより気体透過特性を改善する試みもなされているが、前記ナノ粒子の凝集の問題は、有機-無機複合気体分離膜の作製においても同様に問題となっており、既存の有機-無機複合気体分離膜では、高分子マトリクス中で無機物ナノ粒子が凝集することにより、膜強度の低下や、高粒子含有率を達成できないことから、気体透過性を数倍程度までしか向上できないことが課題となっている。





例えば、高分子膜に無機物ナノ粒子を含有させて気体分離膜特性を改善する方法として、シリカナノ粒子表面をアミノ基含有シランカップリング剤で処理して表面をシリル化し、さらにこのシリル化粒子をポリマーで処理することによりポリマーグラフトシリカ粒子を作製し、こうして得られたれポリマーグラフトシリカ粒子をポリマー中に分散させて樹脂膜とし、この膜の気体分離膜としての性能を調べた報告もなされている(非特許文献1参照)が、気体の透過量などにおいて十分といえる結果は得られていない。

産業上の利用分野



本発明は、表面ハイパーブランチまたはデンドリマー修飾シリカナノ粒子を含有する気体分離膜に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノオーダーの粒子径を有するシリカナノ粒子の表面に、ハイパーブランチ高分子またはデンドリマー高分子が付加されてなる表面ハイパーブランチまたはデンドリマー修飾シリカナノ粒子とマトリクス樹脂とを含有することを特徴とする気体分離膜。

【請求項2】
請求項1に記載の気体分離膜において、ハイパーブランチ高分子またはデンドリマー高分子がシリカナノ粒子の表面の基と共有結合により結合されていることを特徴とする気体分離膜

【請求項3】
請求項2に記載の気体分離膜において、シリカナノ粒子の表面を官能基含有化合物により処理することにより表面官能基修飾シリカナノ粒子を調製し、次いでハイパーブランチモノマーまたはデンドリマーモノマーで処理することにより前記官能基にハイパーブランチ高分子またはデンドリマー高分子が付加されてなることを特徴とする気体分離膜

【請求項4】
請求項3に記載の気体分離膜において、前記官能基含有化合物が官能基含有シランカップリング剤であることを特徴とする気体分離膜

【請求項5】
請求項4に記載の気体分離膜において、前記官能基含有シランカップリング剤が下記一般式(1)で表される化合物であり、この化合物による処理により表面アミノ基修飾シリカナノ粒子を得ることを特徴とする気体分離膜
【化1】


(式中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は炭素数1~5のアルキレン基を表す。)

【請求項6】
請求項5に記載の気体分離膜において、前記表面アミノ基修飾シリカナノ粒子を、さらに一般式(2):
HOOC-R-COOH (2)
(式中、R3は炭素数1~20のアルキレン基または芳香族基を表す。)
で表される化合物またはその酸無水物で処理することにより表面カルボキシル基修飾シリカナノ粒子を調製することを特徴とする気体分離膜

【請求項7】
請求項5に記載の気体分離膜において、ハイパーブランチモノマーとして1個のカルボキシル基と2個以上のアミノ基またはハロゲン原子を有する化合物を用いることにより、ハイパーブランチ高分子が付加されてなることを特徴とする気体分離膜

【請求項8】
請求項6に記載の気体分離膜において、ハイパーブランチモノマーとして1個のアミノ基と2個以上のカルボキシル基またはハロゲン原子を有する化合物を用いることにより、ハイパーブランチ高分子が付加されてなることを特徴とする気体分離膜

【請求項9】
請求項5に記載の気体分離膜において、デンドリマー形成モノマーとして3個以上のカルボキシル基を有する化合物と2個のアミノ基を有する化合物を用いることにより、デンドリマー高分子が付加されてなることを特徴とする気体分離膜

【請求項10】
請求項6に記載の気体分離膜において、デンドリマー形成モノマーとして3個以上のアミノ基を有する化合物と2個のカルボキシル基を有する化合物を用いることにより、デンドリマー高分子が付加されてなることを特徴とする気体分離膜

【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の気体分離膜において、マトリクス樹脂がポリイミド、ポリスルホン、ポリジメチルシロキサン、ポリ置換アセチレン、ポリ-4-メチルペンテン-1および天然ゴムの少なくとも1種であることを特徴とする気体分離膜。

【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の気体分離膜において、表面ハイパーブランチまたはデンドリマー修飾シリカナノ粒子の含有量が1~50重量%であることを特徴とする気体分離膜。

【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の気体分離膜において、気体分離膜はキャスティング法により形成され、膜厚が10~100μmであることを特徴とする気体分離膜。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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