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モーション習得システムおよびモーション習得方法 コモンズ

国内特許コード P110005584
整理番号 6086
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-053868
公開番号 特開2008-213092
登録番号 特許第5017649号
出願日 平成19年3月5日(2007.3.5)
公開日 平成20年9月18日(2008.9.18)
登録日 平成24年6月22日(2012.6.22)
発明者
  • 大石 潔
  • 桂 誠一郎
  • 鈴山 駿行
出願人
  • 国立大学法人長岡技術科学大学
発明の名称 モーション習得システムおよびモーション習得方法 コモンズ
発明の概要

【課題】従操作者の動きが主操作者に戻ることなく、主操作者の動きを従操作者に十分教示できるようにする。
【解決手段】操作システム31で抽出した操作者Oの動作を、トレーナシステム51で再現する。トレーナシステム51は、操作者Oの動作を第1加速度応答として出力する仮想トレーナ57と、操作者O’の操作力に応じた第1等価加速度が加えられる可動可能なマスタシステム55と、環境E’からの反作用力に応じた第2等価加速度が加えられる可動可能なスレーブシステム56と、を備えている。さらに仮想トレーナ57,マスタシステム55,およびスレーブシステム56の間で、仮想トレーナ57に対して非同期にマスタシステム55とスレーブシステム56を加速度制御するマルチラテラル制御手段63を備えている。
【選択図】図7

従来技術、競合技術の概要

モーションコントロールは、ここ10年ほどの間に急速に発展してきた技術分野である。従来の閉環境下におけるモーションコントロールでは、外乱の抑圧に主眼が置かれていたが、最近はロボットの社会への普及や介護システムの開発などの、ヒューマンインタラクションを前提にした新しいモーションコントロールが望まれている。特に近年、ロボットによる低侵襲性外科医療や熟練者のスキル保存といった人間の高度な作業支援のためのスキル抽出技術の確立が求められている。

これまでに、画像情報に基づいて人間のスキルを抽出する研究が数多く行なわれている。また、環境との接触動作を繰り返し行なうようなタスクの抽出と再現には力制御に基づく動作が必要であり、仮想環境を用いて再現を行なうものや、位置と力のハイブリッド制御を用いたものなどが提案されている。しかしながら,現状では必ずしも満足のいく力制御系が計装されておらず、実現が容易ではない。それは、力覚情報は本来「作用・反作用の法則」に支配される双方向的情報であるにもかかわらず、現状の力制御系は所謂アクチュエータに印加する電流をコントロールして、その結果として生じる軸トルクを制御する単方向(Unilateral)性の力制御であり、アクチュエータに加えられる外力に応じて力覚フィードバックを行なうような双方向(Bilateral)性の情報を取り扱う基本的な手法を欠いているためである。

具体的な例として、例えば特許文献1には、ワークである皿内面に対しての筆記動作に関する筆記情報とワーク情報を、マスター機構部によって認識すると、コントローラがスレーブ機構のロボットアームとスレーブ側皿を動作制御して、前記筆記動作を再現させるシステムが開示されているが、これは位置情報だけでモーションの抽出と再現を行なおうとしているので、環境との接触・被接触の繰り返し動作を再現することが難しい。

環境との接触を伴う動作を実現するためには、ロバスト性を失うことなく制御剛性をゼロに制御する加速度制御が必要不可欠であることが知られている。こうした加速度制御に基づく制御系を導入すれば、人間の実際の力入力(アクチュエータにとっては外乱となる)を指令値としたロバストな力覚フィードバック制御が実現できる。さらに、マスタ・スレーブシステムに基づくバイラテラル力覚フィードバック制御系を構成することにより、「作用・反作用の法則」に支配される双方向的情報である力覚情報から、人間の作用力と環境からの反作用力とをそれぞれ抽出することが可能になる。

遠隔地の力覚情報を手元で感じるためのバイラテラル制御は、これまでに多くの手法が提案されてきた。しかし、従来のバイラテラル制御法ではマスタシステムに力制御,スレーブシステムに位置制御を行なう力帰還型をはじめとして、より多くのシステム間における力覚情報の共有制御にそのまま拡張することはできず、確立されているとは言い難い。そこで、本願の発明者らは、これまでに加速度制御に基づく新しいバイラテラル制御系を提案し、実世界における力覚情報の鋭敏な再現に成功している(特願2006-57632)。具体的には、マスタシステムとスレーブシステムとの間を加速度制御による制御を行なうことにより、力制御と位置制御の統合を容易に実現することができ、遠隔地における「作用・反作用の法則」の人工再現が可能になる。また、この加速度制御に基づく制御手法は無限次元のロボットシステムに拡張することが可能であるため、所謂マルチラテラル制御として一般化が可能である。

【特許文献1】特開2006-62052号公報

産業上の利用分野

本発明は、例えば熟練者などのモーションの抽出,保存,再現を可能にするモーション習得システムおよびモーション習得方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
主操作システムで抽出した主操作者の動作を、従操作システムで再現するモーション習得システムであって、
前記従操作システムは、前記主操作者の動作を第1加速度応答として出力する仮想出力手段と、
従操作者の操作力に応じた第1等価加速度が加えられ、この第1等価加速度と第1加速度参照値を入力して、第2加速度応答を出力する可動可能なマスタシステムと、
前記従操作者の操作に伴う環境からの反作用力に応じた第2等価加速度が加えられ、この第2等価加速度と第2加速度参照値を入力して、第3加速度応答を出力する可動可能なスレーブシステムと、
前記第1等価加速度と前記第2等価加速度が前記仮想出力手段に出力されないように、前記第1加速度応答,前記第2加速度応答,前記第3加速度応答,前記第1等価加速度,および前記第2等価加速度から、前記マスタシステムへの前記第1加速度参照値と、前記スレーブシステムへの前記第2加速度参照値をそれぞれ算出して、前記マスタシステムと前記スレーブシステムを加速度制御するマルチラテラル制御手段と、を備えたことを特徴とするモーション習得システム。
【請求項2】
前記マルチラテラル制御手段は、i番目の前記従操作システムにおいて、
前記第1等価加速度と前記第2等価加速度との和が0になるように、前記第1等価加速度と前記第2等価加速度との加算値を、力サーボの制御パラメータと乗算して、和モードの加速度参照値x・・icrefを算出し、
前記第1加速度応答と前記第2加速度応答との間の偏差が位置次元で0になるように、前記第1加速度応答から前記第2加速度応答を差し引いた偏差を、位置レギュレータの制御パラメータと乗算して、差モードの第1加速度参照値x・・id1refを算出し、
前記第2加速度応答と前記第3加速度応答との間の偏差が位置次元で0になるように、前記第2加速度応答から前記第3加速度応答を差し引いた偏差を、前記位置レギュレータの制御パラメータと乗算して、差モードの第2加速度参照値x・・id2refを算出し、
前記第1加速度応答と前記第2加速度応答との偏差に比例したアシスト力が前記マスタシステムに生じるように、前記第1加速度参照値x・・imrefと前記第2加速度参照値x・・isrefを、次の数式でそれぞれ算出するものであることを特徴とする請求項1記載のモーション習得システム。
【数1】



【請求項3】
前記アシスト力を記憶するアシスト力記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載のモーション習得システム。
【請求項4】
前記仮想出力手段は、前記主操作システムで抽出した主操作者の動作情報を保存する記憶部と、この記憶部の前記動作情報から前記第1加速度応答を出力する出力部と、により構成されることを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載のモーション習得システム。
【請求項5】
主操作システムで抽出した主操作者の動作を、従操作システムで再現するモーション習得方法であって、
前記従操作システムは、前記主操作者の動作を第1加速度応答として出力する仮想出力手段と、
従操作者の操作力に応じた第1等価加速度が加えられ、この第1等価加速度と第1加速度参照値を入力して、第2加速度応答を出力する可動可能なマスタシステムと、
前記従操作者の操作に伴う環境からの反作用力に応じた第2等価加速度が加えられ、この第2等価加速度と第2加速度参照値を入力して、第3加速度応答を出力する可動可能なスレーブシステムと、を備え、
前記第1等価加速度と前記第2等価加速度が前記仮想出力手段に出力されないように、前記第1加速度応答,前記第2加速度応答,前記第3加速度応答,前記第1等価加速度,および前記第2等価加速度から、前記マスタシステムへの前記第1加速度参照値と、前記スレーブシステムへの前記第2加速度参照値をそれぞれ算出して、前記マスタシステムと前記スレーブシステムを加速度制御するマルチラテラル制御を行なうことを特徴とするモーション習得方法。
【請求項6】
前記マルチラテラル制御では、i番目の前記従操作システムにおいて、
前記第1等価加速度と前記第2等価加速度との和が0になるように、前記第1等価加速度と前記第2等価加速度との加算値を、力サーボの制御パラメータと乗算して、和モードの加速度参照値x・・icrefを算出し、
前記第1加速度応答と前記第2加速度応答との間の偏差が位置次元で0になるように、前記第1加速度応答から前記第2加速度応答を差し引いた偏差を、位置レギュレータの制御パラメータと乗算して、差モードの第1加速度参照値x・・id1refを算出し、
前記第2加速度応答と前記第3加速度応答との間の偏差が位置次元で0になるように、前記第2加速度応答から前記第3加速度応答を差し引いた偏差を、前記位置レギュレータの制御パラメータと乗算して、差モードの第2加速度参照値x・・id2refを算出し、
前記第1加速度応答と前記第2加速度応答との偏差に比例したアシスト力が前記マスタシステムに生じるように、前記第1加速度参照値x・・imrefと前記第2加速度参照値x・・isrefを、次の数式でそれぞれ算出することを特徴とする請求項5記載のモーション習得方法。
【数2】



【請求項7】
前記アシスト力をアシスト力記憶手段に記憶することを特徴とする請求項記載のモーション習得方法。
【請求項8】
前記仮想出力手段において、前記主操作システムで抽出した主操作者の動作情報を保存し、その後で前記動作情報から前記第1加速度応答を出力することを特徴とする請求項の何れか一つに記載のモーション習得方法。
産業区分
  • その他運輸
  • 工業用ロボット
  • 入出力装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007053868thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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