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時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラム コモンズ

国内特許コード P110005637
整理番号 06071P
掲載日 2011年8月18日
出願番号 特願2007-040715
公開番号 特開2008-202719
登録番号 特許第5245085号
出願日 平成19年2月21日(2007.2.21)
公開日 平成20年9月4日(2008.9.4)
登録日 平成25年4月19日(2013.4.19)
発明者
  • 寺嶋 一彦
  • 福田 高宏
出願人
  • 国立大学法人豊橋技術科学大学
発明の名称 時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラム コモンズ
発明の概要

【課題】時変形システムに対する高い制振効果が得られる振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラムを提供すること。
【解決手段】実施形態の時変形システムに対する振動抑制入力の決定方法によれば、アーム長変動に伴う固有振動数ωの変動を考慮した振動抑制制御入力u(t)を決定することができるので、その振動抑制制御入力u(t)をX軸サーボモータ40に入力することにより、アーム長の変動に拘わらず、高い制振効果を得ることができる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


工場などにおいて、クレーン、ガントリローダ、ロボットアームなどの搬送システムが用いられている。これらの搬送システムは、生産効率の向上のために高速性が要求されている。



図16は、従来の搬送システムの一例を模式的に示す図である。この搬送システムは、レール100と、そのレール100を走行する台車101と、アーム102とが設けられており、アーム102により被搬送物103を吊り下げて搬送するシステムである。この搬送システムにおいて、制振制御を行わずに台車101を高速で走行させると、台車101の加速時、または減速時に被搬送物103に大きな振動が発生する。台車101の走行時に被搬送物103が大きく振動すると周囲の作業者にとって危険である。また、停止した後、短時間で次の工程に移るために、被搬送物103の残留振動は可能な限り小さいことが望ましい。搬送システムでは、高速化と振動は相反する問題であるが、高速化と制振を同時に実現するための様々な制御法が提案されている。



図17を参照して、制振制御の一例である逆位相入力制御(Preshaping制御)について説明する。図17(a)は、従来の逆位相入力制御においてモータに入力される入力加速度を示すグラフであり、図17(b)は、その入力加速度をモータに与えた結果、得られる制振効果を示すグラフである。



図17(a)に示すように、時間tにおいて第1入力aを加えたとする。この第1入力aに起因して、図17(b)に実線で示すような振動が生じる。そして、その振動の半周期後である時間tに、図17(a)に示すように、第2入力aを加える。すると、この第2入力aに起因して、図17(b)に波線で示すような振動が生じる。この第2入力aに起因する振動が、第1入力aに起因する振動と同じ振幅を有し、且つ逆の位相を有していれば、第1入力aに起因する振動と、第2入力aに起因する振動とが互いに相殺し合い、図17(b)の一点鎖線で示すように、振動を抑制することができる。



このような、第1入力aと第2入力a、およびこれらの入力を加える時間t,tは、搬送システムの固有振動数に基づいて算出することができる。図16に示すような搬送システムにおいて、アーム長Lおよび荷物103の質量mを常に一定に保てば、固有振動数は一定であるので、第1入力aと、第2入力aと、時間t,tを、公知の公式により求めることができ、制御入力を簡単に整形することができる。




【特許文献1】米国特許第4916635号明細書

【特許文献2】米国特許第6102221号明細書

産業上の利用分野


本発明は時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラムに関し、特に、高い制振効果が得られる時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラムに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
搬送体を駆動装置により移動させる間に、前記搬送体に保持された被搬送物の質量、液位、または搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させる場合の振動を抑制するために、前記駆動装置に加える振動抑制制御入力を決定する時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法であって、 前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得する時変形システム振動数取得工程と、
前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、前記駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力を取得する基準振動抑制入力取得工程と、
その基準振動抑制入力取得工程により取得された基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得工程により取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を反映させた、振動抑制制御入力を決定する振動抑制制御入力決定工程とを備え、前記記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記振動抑制制御入力決定工程は、式(1)のu(t)に基づく振動抑制制御入力を決定することを特徴とする時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。

但し
uV:基準振動抑制入力
XV:被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、駆動装置に基準振動抑制入力uVを入力した場合における被搬送物の振動
【数式1】


ki(t)は、時間tにおけるi次モードのプロセスゲイン、ωi(t)は時間tにおけるi次モードの固有振動数
【数式2】


【数式3】


【数式4】


nはモード数
【数式5】




【請求項2】
前記駆動装置に所定のテスト入力を入力し、前記搬送体を移動させる間に、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さを変動させるテスト工程と、そのテスト工程により、前記搬送体を移動させる間における、前記被搬送物の振動を測定する振動測定工程と、前記テスト工程により入力されたテスト入力と、前記振動測定工程により測定された振動との関係から、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定とした場合の固有振動数である基準固有振動数を同定するパラメータ同定工程とを備え、前記基準振動抑制入力取得工程は、そのパラメータ同定工程により同定された基準固有振動数に基づいて、基準振動抑制入力を取得することを特徴とする請求項1記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。


【請求項3】
前記パラメータ同定工程により、複数のモードの基準固有振動数が同定された場合、前記基準振動抑制入力取得工程は、前記複数のモードに対応した基準振動抑制入力を取得することを特徴とする請求項2記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。


【請求項4】
前記時変形システム振動数取得工程は、前記テスト工程により入力されたテスト入力と、前記振動測定工程により測定された振動との関係から、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得するものであることを特徴とする請求項2または3に記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。


【請求項5】
前記テスト工程は、前記被搬送物を第1位置から第2位置まで移動させる間に、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さを変動させる工程であり、前記時変形システム振動数取得手段は、前記被搬送物を第1位置から第2位置まで移動させる間における、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を取得することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。


【請求項6】
前記振動抑制制御入力決定工程により決定された振動抑制制御入力を、前記テスト工程におけるテスト入力として入力し、そのテスト入力に基づいて、前記時変形システム振動数取得工程と、前記パラメータ同定工程と、前記基準振動抑制入力取得工程と、前記振動抑制制御入力決定工程とを繰り返す繰り返し工程とを備えることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。


【請求項7】
前記基準振動抑制入力取得工程により取得される基準振動抑制入力は、少なくとも1つの入力と、その入力に起因する振動と逆位相の振動を生じさせる1以上の入力とを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。


【請求項8】
請求項1から7のいずれかの方法により決定された振動抑制制御入力を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された振動抑制制御入力が入力される駆動装置と、その駆動装置により駆動されると共に、被搬送物を保持する搬送体とを備えたことを特徴とする搬送システム。


【請求項9】
前記搬送体は、前記駆動装置により水平方向へ駆動されると共に、アームを介して前記被搬送物を吊り下げるものであり、前記搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させるアーム長変動手段を備えることを特徴とする請求項8記載の搬送システム。


【請求項10】
請求項1に記載の、時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法を利用する搬送システムであって、被搬送物を保持する搬送体と、その搬送体を移動させる駆動装置と、前記搬送体を駆動装置により移動させる間に、前記搬送体に保持された被搬送物の質量、液位、または搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させる場合の振動を抑制するために、前記駆動装置に加える振動抑制制御入力を決定する時変形システムに対する振動抑制制御入力決定手段とを備えた搬送システムであり、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得する時変形システム振動数取得手段と、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、前記駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力を取得する基準振動抑制入力取得手段とを備え、前記振動抑制制御入力決定手段は、その基準振動抑制入力取得手段により取得された基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得手段により取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を反映させ、前記の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法により振動抑制制御入力を決定するものであることを特徴とする搬送システム。

【請求項11】
求項1に記載の、時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法により決定される振動抑制制御入力演算プログラムであり、搬送体を駆動装置により移動させる間に、前記搬送体に保持された被搬送物の質量、液位、または搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させる場合の振動を抑制するために、前記駆動装置に加える振動抑制制御入力を、コンピュータに演算させる時変形システムに対する振動抑制制御入力プログラムであって、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得する時変形システム振動数取得ステップと、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、前記駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力を取得する基準振動抑制入力取得ステップと、その基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得ステップにより取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を反映させた、前記振動抑制制御入力を演算する振動抑制制御入力演算ステップとを、コンピュータに演算させる時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラム。
産業区分
  • 機構・伝動
  • その他運輸
  • 工業用ロボット
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007040715thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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