TOP > 国内特許検索 > X線CT画像処理方法,X線CTプログラムおよび該プログラムが搭載されたX線CT装置

X線CT画像処理方法,X線CTプログラムおよび該プログラムが搭載されたX線CT装置

国内特許コード P110005683
整理番号 S2010-0364-N0
掲載日 2011年8月24日
出願番号 特願2010-022623
公開番号 特開2011-156302
登録番号 特許第5590548号
出願日 平成22年2月3日(2010.2.3)
公開日 平成23年8月18日(2011.8.18)
登録日 平成26年8月8日(2014.8.8)
発明者
  • 前田 新一
  • 石井 信
  • 福田 航
  • 兼村 厚範
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 X線CT画像処理方法,X線CTプログラムおよび該プログラムが搭載されたX線CT装置
発明の概要 【課題】従来技術を用いた画像再構成と比べて、より低いX線被曝量で従来と同程度の再構成画像が取得可能で、メタルアーティファクトを低減可能なX線CT画像処理方法、プログラム及び装置を提供する。
【解決手段】本発明のX線CT画像処理方法は、再構成画像に関する事前知識をおいて統計推定を行うX線CT画像処理方法であって、観測されるフォトンに関してポアソン分布などの物理モデルで表現され、上記の再構成画像に関する事前知識は、再構成画像の各画素の領域において定義されるパラメータで、撮像対象の各組織の存在割合を表現するパラメータと、各組織のX線吸収係数を表現するパラメータと、各組織の空間的に連続する度合いを表現するパラメータと、によって特徴付けられる確率分布で表現され、上記の統計推定は、事後確率最大化による推定(MAP推定)、或いは、事後確率の期待値によるベイズ推定であり、画像再構成及び組織クラス推定を行う。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



従来から、メタルアーティファクトの低減技術や、より低いX線被曝量で従来と同程度のCT画像を再構成する技術など、X線CTの高精度化を可能にするアルゴリズムが研究されている。一般に、X線CTは、X線管にX線検出器を対向配置するとともに、これらの間にターンテーブルを配置した構成を取る。このターンテーブルの回転軸は、X線管とX線検出器を結ぶX線光軸に対して直交する向きとされる。X線CT装置においては、測定対象物を360°回転させて透過X線データを収集しなければCT断層画像の再構成を行うことができない。





メタルアーティファクトは、測定対象物にX線を強く吸収する金属などの密度の高い物質があると、再構成画像にノイズがのるというものである。すなわち、鉄などの比較的X線が透過しにくい測定対象物のCT撮像を行った場合、360°回転させながら透過X線データを採取すると、密度の高い物質がX線の透過方向に重なった状態での透過X線データが得られることになって、フィルター補正逆投影法(FBP)などの既存手法を用いた場合、再構成画像にはメタルアーティファクトと呼ばれる虚像が生じ、正確な画像の再構成ができないという問題がある。

従って、メタルアーティファクトの低減によって、X線CTの高精度化が図れることになる。





一方、X線は強力であれば、再構成画像のSN比が高いことから、X線被曝量の低減とSN比はトレードオフの関係がある。より低いX線被曝量で従来と同程度のSN比の再構成画像を得る技術とは、従来と同じX線強度,撮像枚数でも解像度の高い画像が得られるという解像度向上を図る技術や、従来と同じX線強度や解像度でも、より撮像枚数を減らして撮像時間を短縮できる撮像時間の短縮を図る技術や、従来と同じ解像度でもX線強度を弱めて被曝量を減らせる被曝量の低減を図る技術、従来と同じX線強度や解像度でも再構成画像に含まれるアーティファクト(もしくはノイズ)を低減できるノイズ除去を図る技術、従来と同じX線強度や解像度でも再構成画像のコントラスト分解能(再構成画像を何階調で表せるか、すなわち、X線吸収係数の精度)を向上するコントラスト分解能の向上を図る技術がある。





上記の従来技術は、統計推定を行うものと統計推定を行わないものに大きく2つに分類できる。

先ず、統計推定を行わない従来技術としては、画像再構成法の主流であるフィルター補正逆投影法(FBP:Filtered

Back Projection)や、FBPを改良したPCLIS(Projection Completion

Method based on a Linear Interpolation in the Sinogram)が挙げられる。FBPは、撮像対象に対して色んな方向からX線を照射して、その投影像(X線の吸収像、投影像のセットをシノグラムと呼ぶ)を得た後、得られた投影像を逆方向に投射して画像再構成する際に、シノグラムに周波数領域上でフィルターをかけてボケ除去を行う画像再構成法である。PCLISは、メタルなどのX線を強く吸収する物体によってほとんどX線を観測できなかったシノグラムの部分に対してシノグラム上で線形補間を行ってからFBPを行うことでメタルアーティファクトなどの極端な虚像の発生を抑えるものである。

次に、統計推定を行なう従来技術としては、再構成画像に関する事前知識をおかない最尤推定法(ML)がある。最尤推定法(ML)は、観測における不確実性を含む物理過程を確率モデルで表現して、その確率モデルを基に最も尤もらしい再構成画像を推定するものである。観測における不確実性を含む物理過程には、観察されるフォトンに関する揺らぎ(ショットノイズ)などが含まれる。





また、撮像対象の物体を異なる位置・角度から撮影した投影画像を複数枚用意できる場合、それら複数の投影画像の情報を処理することで、元の物体の断面像を再構成できることが知られている。投影画像を使用して元の物体の断面像を復元する画像再構成法のうち統計的な解法に関する従来の研究は、最尤推定法(ML),MAP(maximum a posteriori)推定法,ベイズ推定法の3手法が存在する。

産業上の利用分野



本発明は、体内組織構成を考慮したX線CTアルゴリズム、そのアルゴリズムを有するプログラムおよび該プログラムが搭載されたX線CT装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
X線吸収係数に関する事前知識を用いて、画像再構成及び組織クラスの統計推定を行うX線CT画像処理方法であって、
前記事前知識は、
再構成画像の各画素の領域において定義されるパラメータで、
撮像対象の各組織クラスの存在割合を表現するパラメータと、
各組織クラスのX線吸収係数を表現するパラメータと、
各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータと、
によって特徴付けられる確率分布で表現され、
X線吸収係数の事前分布は、組織クラスを隠れ変数とする事前分布を用い、組織クラスの事前分布は、各組織クラスの存在割合を表現するパラメータに関する項と、各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータに関する項との和で表されるエネルギー関数をもつボルツマン分布を用い、
前記統計推定は、
前記事前知識と尤度から計算される事後分布を用いて、
事後確率最大化による推定(MAP推定)、或いは、事後確率の期待値によるベイズ推定により画像再構成及び組織クラス推定を行う、
ことを特徴とするX線CT画像処理方法。

【請求項2】
前記X線吸収係数を表現するパラメータに関する分布としてガウス分布を用い、ガウス分布における平均の値は組織クラスごとに設定されることを特徴とする請求項1に記載のX線CT画像処理方法。

【請求項3】
前記MAP推定は、再構成画像の各画素の領域が属する組織クラスとX線吸収係数の両方に関する事後分布において最も尤もらしい組合せを推定することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線CT画像処理方法。

【請求項4】
前記ベイズ推定は、再構成画像の各画素の領域が属する組織クラスとX線吸収係数の両方に関する事後分布の推定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線CT画像処理方法。

【請求項5】
X線吸収係数に関する事前知識を用いて、画像再構成及び組織クラスの統計推定を行うX線CT画像処理方法であって、
1)投影画像と少なくともX線強度を含む計測条件を入力するステップと、
2)前記投影画像に観測されるフォトンに関して物理過程を確率分布で表現するステップと、
3)前記事前知識として、再構成画像の各画素の領域において定義されるパラメータであって、撮像対象の各組織クラスの存在割合を表現するパラメータと、各組織クラスのX線吸収係数を表現するパラメータと、各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータと、によって特徴付けられる確率分布で表現し、X線吸収係数の事前分布は、組織クラスを隠れ変数とする事前分布を用い、組織クラスの事前分布は、各組織クラスの存在割合を表現するパラメータに関する項と、各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータに関する項との和で表されるエネルギー関数をもつボルツマン分布を用いるステップと、
4)前記事前知識と尤度から計算される事後分布を用いて、事後確率最大化推定(MAP推定)により画像再構成及び組織クラス推定を行うステップと、
を備えたことをX線CT画像処理方法。

【請求項6】
X線吸収係数に関する事前知識を用いて、画像再構成及び組織クラスの統計推定を行うX線CT画像処理方法であって、
1)投影画像と少なくともX線強度を含む計測条件を入力するステップと、
2)前記投影画像に観測されるフォトンに関して物理過程を確率分布で表現するステップと、
3)前記事前知識として、再構成画像の各画素の領域において定義されるパラメータであって、撮像対象の各組織クラスの存在割合を表現するパラメータと、各組織クラスのX線吸収係数を表現するパラメータと、各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータと、によって特徴付けられる確率分布で表現し、X線吸収係数の事前分布は、組織クラスを隠れ変数とする事前分布を用い、組織クラスの事前分布は、各組織クラスの存在割合を表現するパラメータに関する項と、各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータに関する項との和で表されるエネルギー関数をもつボルツマン分布を用いるステップと、
4)前記事前知識と尤度から計算される事後分布を用いて、事後確率の期待値推定(ベイズ推定)により画像再構成及び組織クラス推定を行うステップと、
を備えたことをX線CT画像処理方法。

【請求項7】
X線吸収係数に関する事前知識を用いて、画像再構成及び組織クラスの統計推定を行うX線CT画像処理プログラムであって、
コンピュータに、
1)投影画像と少なくともX線強度を含む計測条件を入力するステップと、
2)前記投影画像に観測されるフォトンに関して物理過程を確率分布で表現するステップと、
3)前記事前知識として、再構成画像の各画素の領域において定義されるパラメータであって、撮像対象の各組織クラスの存在割合を表現するパラメータと、各組織クラスのX線吸収係数を表現するパラメータと、各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータと、によって特徴付けられる確率分布で表現し、X線吸収係数の事前分布は、組織クラスを隠れ変数とする事前分布を用い、組織クラスの事前分布は、各組織クラスの存在割合を表現するパラメータに関する項と、各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータに関する項との和で表されるエネルギー関数をもつボルツマン分布を用いるステップと、
4)前記事前知識と尤度から計算される事後分布を用いて、事後確率最大化推定(MAP推定)により画像再構成及び組織クラス推定を行うステップと、
を実行させるためのX線CT画像処理プログラム。

【請求項8】
X線吸収係数に関する事前知識を用いて、画像再構成及び組織クラスの統計推定を行うX線CT画像処理プログラムであって、
コンピュータに、
1)投影画像と少なくともX線強度を含む計測条件を入力するステップと、
2)前記投影画像に観測されるフォトンに関して物理過程を確率分布で表現するステップと、
3)前記事前知識として、再構成画像の各画素の領域において定義されるパラメータであって、撮像対象の各組織クラスの存在割合を表現するパラメータと、各組織クラスのX線吸収係数を表現するパラメータと、各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータと、によって特徴付けられる確率分布で表現し、X線吸収係数の事前分布は、組織クラスを隠れ変数とする事前分布を用い、組織クラスの事前分布は、各組織クラスの存在割合を表現するパラメータに関する項と、各組織クラスの空間的に連続する度合いを表現するパラメータに関する項との和で表されるエネルギー関数をもつボルツマン分布を用いるステップと、
4)前記事前知識と尤度から計算される事後分布を用いて、事後確率の期待値推定(ベイズ推定)により画像再構成及び組織クラス推定を行うステップと、
を実行させるためのX線CT画像処理プログラム。

【請求項9】
請求項7又は8に記載のX線CT画像処理プログラムを搭載したX線CT画像装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2010022623thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close