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分光特性測定装置及びその校正方法

国内特許コード P110005719
整理番号 S2011-0348-N0
掲載日 2011年9月2日
出願番号 特願2011-043171
公開番号 特開2012-181060
登録番号 特許第5648961号
出願日 平成23年2月28日(2011.2.28)
公開日 平成24年9月20日(2012.9.20)
登録日 平成26年11月21日(2014.11.21)
発明者
  • 石丸 伊知郎
出願人
  • 国立大学法人 香川大学
発明の名称 分光特性測定装置及びその校正方法
発明の概要 【課題】広視野分光イメージングを行う場合であっても高精度に分光特性を測定することができる分光特性測定装置及びその校正方法を提供する。
【解決手段】測定モードでは被測定物の各輝点から発せられた光を分割光学系を通して第1及び第2反射部に入射させ、そこで反射された光を結像光学系によって干渉像を形成する。第1反射部を移動させることにより分割光学系から第1及び第2反射部を経て結像光学系に向かう第1及び第2反射光の間の相対的な光路長差を伸縮させ、そのときの干渉像の光強度変化に基づき被測定物の各輝点のインターフェログラムを求める。校正モードでは、輝点から出射される所定波長λの光を分割光学系に入射させることにより、該輝点に対応する複数の干渉像を形成させ、そのときの光強度変化に基づき該光強度変化の1周期に対応する第1反射部の移動量を求め、輝点の波長λ、第1反射部の移動量、前記干渉像の画角θから前記第1反射部の設置角を求める。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


分光特性の測定技術として、波長分散型分光法或いはフーリエ分光法と呼ばれる分光技術を用いた手法が提案されている(非特許文献1参照)。
波長分散型分光法は、測定試料を透過した光、或いは測定試料面で反射した光(以下、物体光という)を回折格子や音響光学可変波長フィルタ(AOTF;Acousto-Optic Tunable Filter)に照射したときに得られる回折光の回折角が、当該物体光の波長に応じて異なる原理を利用した分光法である。



一方、フーリエ分光法(FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計:Fourier Transform Infrared Spectroscopy))は、マイケルソン型の2光束干渉光学系を用いた位相シフト干渉による分光計測技術である。物体光をハーフミラーなどのビームスプリッタにより2分岐し、それぞれの光束をミラーにより反射させて再度ハーフミラーに到達させ、2光束を合流させて干渉現象を観察する。2分岐した光束のうちの一方(参照光)を反射するミラーは参照ミラーと呼ばれる。フーリエ分光法では、参照ミラーを光の波長よりも短い分解能で高精度に移動させて干渉光強度を変化させ、いわゆるインターフェログラムを検出し、このインターフェログラムを数学的にフーリエ変換することにより分光特性を取得する。



測定試料面から射出される物体光の光線方向は、散乱、屈折、反射等により様々な方向となる。このように多様な方向の光線成分が回折格子や参照ミラーに照射されると、分光精度が低下する。
そのため、いずれの分光法においても物体光の空間的コヒーレンシー(可干渉性)を高めるために、微小開口を有するピンホールやスリットを用いて物体光のうち特定方向の光線成分のみを回折格子や参照ミラーに照射させている。求められる分光性能にもよるが、分散型分光法では穴径が数十ミクロン程度のピンホールが用いられ、フーリエ分光法では数ミリ程度の開口幅を有するスリットが用いられる。



このようにピンホールやスリットを用いると、大半の物体光はピンホールやスリットを通過せず測定に供しないことから、光の利用効率が低い。一方、生体膜の内部を透過あるいは反射した散乱光は極微弱光であり、従来の分光技術ではこのような生体膜内部から生じる散乱光等の分光特性を評価することが困難であった。



そこで、本発明者は、被測定物を光学的に構成する各輝点から生じる物体光束の干渉現象を利用することにより被測定物のインターフェログラムを求める手法を提案した(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の手法では、各輝点から生じる透過光や拡散・散乱光等の物体光は対物レンズを介して位相シフターの固定ミラー部と可動ミラー部に導かれ、これら2つのミラー部から反射される物体光束が結像面において干渉像を形成する。可動ミラー部はピエゾ素子などにより移動されるようになっており、該可動ミラー部の移動に伴い干渉像強度が変化して、いわゆるインターフェログラムを形成する。従って、このインターフェログラムをフーリエ変換することにより物体光の分光特性(スペクトル)を取得することができる。



このように特許文献1に記載の手法では、分割光学系(対物レンズ、固定ミラー部、可動ミラー部)を通過してきた光の全てを分析に用いることができるため、光の利用効率が高く、微弱光であってもその分光特性を測定することができる。

産業上の利用分野


本発明は、広視野イメージングに有用な分光特性測定装置及びその校正方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
a) 被測定物の測定点から出射された光を第1反射部と第2反射部に導く分割光学系と、
b) 前記第1及び第2反射部によって反射された光を同一点に導き干渉像を形成する結像光学系と、
c) 前記第1反射部を移動させることにより前記分割光学系から前記第1反射部を経て前記結像光学系に向かう第1反射光と前記分割光学系から前記第2反射部を経て前記結像光学系に向かう第2反射光の間の光路長差を伸縮する光路長差伸縮手段と、
d) 前記第1反射部の移動量を検出する移動量検出部と、
e) 前記干渉像の光強度を検出する、複数の検出素子が2次元配列された光検出部と、
f) 前記光路長差伸縮手段によって前記光路長差を伸縮させることにより前記光検出部で検出される光強度変化に基づき、前記被測定物の測定点のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する処理部と
を備える分光特性測定装置において、
さらに、輝点から波長が既知の校正光を出射させる校正光出射手段と、
前記光路長差伸縮手段によって前記光路長差を伸縮させることにより前記光検出部で検出される前記輝点の干渉像の光強度変化の1周期に相当する前記第1反射部の移動量と、前記輝点の干渉像の画角と、前記校正光の波長とに基づき、前記第1反射部の設置角を求める設置角算出部と、
前記被測定物の測定点の画角を求める画角検出部とを備え、
前記処理部は、前記第1反射部の設置角と前記測定点の画角とから、前記第1反射部の移動量に対応する前記光路長差を求め、該光路長差に基づきスペクトルを校正することを特徴とする分光特性測定装置。

【請求項2】
前記設置角算出部が、前記校正光の前記第1反射部への入射点を原点とするxyz座標系であって、前記第1反射部の反射面の法線を含む面をxz平面、該xz平面に垂直な軸をy軸とする校正光学座標系を定義し、当該校正光学座標系における前記設置角φy(ただし、設置角φyは前記第1反射部の反射面の法線の前記y軸回りの回転角を示す。)を以下の式
φy=(90°+θy)+cos-1{(λ/2Mλ)×θx}
(上記式において、θx及びθyは、前記輝点の干渉像の画角であって当該干渉像と前記校正光学座標系の原点とを結ぶ線とx軸及びy軸との角度、λは前記校正光の波長、Mλは前記輝点の干渉像の光強度変化の1周期に相当する前記第1反射部の移動量を示す。)
から算出することを特徴とする請求項1に記載の分光特性測定装置。

【請求項3】
前記設置角算出部は、z軸が前記輝点の干渉像と原点とを結ぶ線となる前記校正光学座標系における前記設置角φyを算出することを特徴とする請求項2に記載の分光特性測定装置。

【請求項4】
前記処理部は、前記光路長差Lを、以下の式
L={2Mcos(φy-θ1'y)}/cos(θ1x) (ただし、θ1'y=θ1y+90°)
(上記式において、θ1x及びθ1yは前記測定点の画角、Mは前記第1反射部の移動量を示す。)
から算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の分光特性測定装置。

【請求項5】
校正光出射手段が、波長が既知の単色光源から発せられた光が入射するように配置された、複数の離散輝点を形成するフライアイレンズから構成されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の分光特性測定装置。

【請求項6】
a) 被測定物の測定点から出射された光を第1反射部と第2反射部に導く分割光学系と、
b) 前記第1及び第2反射部によって反射された光を同一点に導き干渉像を形成する結像光学系と、
c) 前記第1反射部を移動させることにより前記分割光学系から前記第1反射部を経て前記結像光学系に向かう第1反射光と前記分割光学系から前記第2反射部を経て前記結像光学系に向かう第2反射光の間の光路長差を伸縮する光路長差伸縮手段と、
d) 前記第1反射部の移動量を検出する移動量検出部と、
e) 前記干渉像の光強度を検出する、複数の検出素子が2次元配列された光検出部と、
f) 前記光路長差伸縮手段によって前記光路長差を伸縮させることにより前記光検出部で検出される光強度変化に基づき、前記被測定物の測定点のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する処理部と、
前記被測定物の測定点の画角を求める画角検出部と
を備える分光特性測定装置において、
点から出射された波長が既知の校正光を前記分割光学系に入射させ、そのとき前記結像光学系によって形成される干渉像の光強度変化1周期に相当する前記第1反射部の移動量を前記移動量検出部から取得し、
当該第1反射部の移動量と、前記輝点の干渉像の画角と、前記校正光の波長とに基づき、前記第1反射部の設置角を求め、
前記第1反射部の設置角と前記測定点の画角とから、前記第1反射部の移動量に対応する前記光路長差を求め、該光路長差に基づきスペクトルを校正することを特徴とする分光特性測定装置の校正方法。

【請求項7】
前記第1反射部の設置角が、前記校正光の前記第1反射部への入射点を原点とするxyz座標系であって、前記第1反射部の反射面の法線を含む面をxz平面、該xz平面に垂直な軸をy軸とする校正光学座標系における前記設置角φy(ただし、設置角φyは前記第1反射部の反射面の法線の前記y軸回りの回転角を示す。)であり、当該設置角φyを以下の式
φy=(90°+θy)+cos-1{(λ/2Mλ)×θx}
(上記式において、θx及びθyは、前記輝点の干渉像の画角であって当該干渉像と前記校正光学座標系の原点とを結ぶ線とx軸及びy軸との角度、λは前記校正光の波長、Mλは前記輝点の干渉像の光強度変化の1周期に相当する前記第1反射部の移動量を示す。)
から算出することを特徴とする請求項6に記載の分光特性測定装置の校正方法。

【請求項8】
前記校正光学座標系は、そのz軸が前記輝点の干渉像と原点とを結ぶ線であることを特徴とする請求項7に記載の分光特性測定装置の校正方法。

【請求項9】
前記光路長差Lは、以下の式
L={2Mcos(φy-θ1'y)}/cos(θ1x) (ただし、θ1'y=θ1y+90°)
(上記式において、θ1x及びθ1yは前記測定点の画角、Mは前記第1反射部の移動量を示す。)
から算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の分光特性測定装置の校正方法。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011043171thum.jpg
出願権利状態 登録


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