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分散ノード通信システム

国内特許コード P110005767
整理番号 S2010-0511-N0
掲載日 2011年9月13日
出願番号 特願2010-039521
公開番号 特開2011-176650
登録番号 特許第5414055号
出願日 平成22年2月25日(2010.2.25)
公開日 平成23年9月8日(2011.9.8)
登録日 平成25年11月22日(2013.11.22)
発明者
  • 松藤 信哉
  • 松元 隆博
  • 畔柳 功芳
  • 大竹 孝平
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 分散ノード通信システム
発明の概要

【課題】通信ノード群からなる通信段を複数配置し送受信タイミングを統合的に制御して、多様な形態の応用分野に適用可能な通信システムを提供する。
【解決手段】無線信号を送信する送信ノードと、受信し記憶した復調信号を無線中継信号に変換して送信する1つ以上の中継ノードからなる中継段と、無線信号を受信する受信ノードと、これらのノードの送受信タイミングを制御する送受信時点制御手段とを有し、送信ノードと受信ノードの間の通信空間に中継段が配置された分散ノード通信システムである。送信ノードは、リンク識別用拡散系列を使用した基底帯域送信信号を生成する手段と、該基底帯域送信信号を含む無線信号を送信する手段を備える。中継ノードは、中継機能とともに前段の伝送リンクで生じた位相回転量を修正する機能を備える。受信ノードは、位相回転量を修正する機能と軟出力を硬判定して送信ノードが送信した送信データを検出する機能を備える。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


本発明のシステムと構成上類似する従来の無線伝送システムについて説明する。まず、多入力多出力方式(MIMO:Multiple Input Multiple Output)と呼ばれるシステムについて、その一例を図16を参照して説明する。送信機TXから受信機RXに送信データが送られる。送信データ系列{d}は送信部TX0において、2個のデータ系列{d1},{d2}に分離され、内蔵する変調器により無線信号に変換された後、2個の送信増幅器AMPTを経てアンテナTA1,TA2からそれぞれ送信される。



受信機RXにおいて、受信信号は受信アンテナRA1,RA2から受信増幅器AMPRを経て、2個の受信信号が復調部RX0に送られる。送受信機間の伝搬定数を要素とする伝搬行列をH(h11,h21,h12,h22)とすると、トレーニング期間におけるパイロット信号の伝送を利用して、パイロット応答回路PR1,PR2が伝搬行列のレプリカ^H(^h11,^h21,^h12,^h22)を予め生成し記憶している。ここで「^H」,「^h」等の表記は「^」を上部に伴うそれぞれの英字記号を表すものである。このように、この明細書では「^」,「~」を上部に伴う英字の代理表記として「^」,「~」を前置した英字を用いる場合がある。



復調部RX0の信号処理部AYZは、2系列に分離された送信信号が伝搬行列により変換され、さらに多重化された形で受信された2系列の受信信号をレプリカ^Hを用いて分析することにより、2系列のデータ成分の軟出力{~d1},{~d2}を分離生成する。これらの成分内の個々のデータ成分を判定器DECにより硬判定し、送信データ系列の検出値{^d1},{^d2}を生成する。



このようなMIMO方式の利点は、送受信に1個ずつのアンテナを用いる方式に比べ、送受信に2個ずつのアンテナを用いることにより、同じ伝送帯域幅であっても伝送容量を倍増できることにある。このような利点を得るためには、伝搬行列の要素が互いに無相関であること、受信機がレプリカ^Hを予め取得し、受信信号をこのレプリカ^Hにより分析する必要がある。伝搬定数を無相関にするためには、送信アンテナ相互の設置間隔および受信アンテナ相互の設置間隔を搬送波の波長の1/2以上に設定する必要がある。また、見通し内伝搬環境では、伝搬定数間の相関が増大するので、2系列の分離は困難となり容量の増大は不可能である。



上記の問題を解決する手法として、図16の中央下部の破線枠で示すように、中継段REP1,REP2を送受信機間に挿入する技術がある。このような技術の例としては、下記の特許文献1,2のような通信方式が知られている。



図16において、伝搬経路上に破線枠で示した中継段REP1,REP2を挿入することにより、送信機TXの出力は2個の中継器REP1,REP2を経て受信機RXに伝送される。この場合の伝搬行列Hは送信側の伝搬行列HT(h1R1,h2R1,h1R2,h2R2)と受信側の伝搬行列HR(hR11,hR21,hR12,hR22)の積として与えられ、見通し内環境でも伝搬定数間の相関が減少するので、復調部RX0における信号分離が達成される。このような中継段を備えたMIMO方式(以下、MIMO-REP方式という)は、外観上は本発明の構成と類似しているが、後述するように本質的に異なる技術である。

産業上の利用分野


本発明は送受信および中継伝送機能を有する通信ノードからなるノード群(通信段)を、通信空間内に多段に配置し、ある通信ノードが送信した信号が一般に複数の通信段を順次経由して中継伝送される分散ノード通信システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
無線信号を送信する送信ノード(A)と、
前記送信ノードが送信した無線信号を受信してその無線信号を復調した復調信号を記憶するとともに、記憶した復調信号を無線中継信号に変換して送信する1つ以上の中継ノードからなる中継段(B,C)と、
無線信号を受信する受信ノード(D)と、
前記送信ノードおよび前記中継ノードの送信開始時点と、前記中継ノードおよび前記受信ノードの受信開始時点とを制御し、同一の中継段に属する全ての中継ノードに対して同一のタイミングで受信開始および送信開始の動作を行わせる送受信時点制御手段とを有し、
前記送信ノードと前記受信ノードの間の通信空間に1段以上の段数の前記中継段が配置された分散ノード通信システムであって、
前記送信ノードは、送信データによりリンク識別用拡散系列を変調して基底帯域送信信号を生成する手段と、該基底帯域送信信号により搬送波を変調して生成した無線信号を送信する手段を備えたものであり、
前記中継ノードは、受信した無線信号を局部搬送波により復調して基底帯域受信信号を生成し、前段ノードの用いたリンク識別用拡散系列によりそれぞれ逆拡散して得た各軟出力に対し、前段ノードと該中継ノード間の伝送で生じた搬送波の位相回転量をそれぞれ修正する位相修正処理を施すことにより各修正軟出力を生成し、これらの修正軟出力を加算して合成修正軟出力を生成する合成修正軟出力生成手段と、該合成修正軟出力によりリンク識別用拡散系列を変調して基底帯域送信信号を生成する手段と、該基底帯域送信信号により搬送波を変調して生成した無線信号を送信する手段を備えたものであり、
前記受信ノードは、受信した無線信号を局部搬送波により復調して基底帯域受信信号を生成し、前段中継ノードの用いたリンク識別用拡散系列によりそれぞれ逆拡散して得た各軟出力に対し、前段中継ノードと該受信ノード間の伝送で生じた搬送波の位相回転量をそれぞれ修正する位相修正処理を施すことにより各修正軟出力を生成し、これらの修正軟出力を加算して合成修正軟出力を生成する合成修正軟出力生成手段と、該合成修正軟出力を硬判定することにより前記送信ノードが送信した送信データを検出する手段を備えたものである分散ノード通信システム。
【請求項2】
送信データにより搬送波を変調して生成した無線信号を送信する送信機能と、受信した無線信号を局部搬送波により復調することにより生成した復調信号を記憶するとともに、記憶した復調信号を無線信号に変換して中継送信する中継機能と、前記復調信号を用いて送信データを検出する受信機能とを備えた通信ノードを1つ以上備え、該通信ノードが全て同一のタイミングで動作する通信段(A,B,C,D)と、
前記通信ノードの送信開始時点と受信開始時点とを制御し、同一の通信段に属する全ての通信ノードに対して同一のタイミングで受信開始および送信開始の動作を行わせる送受信時点制御手段とを有し、
複数の前記通信段が通信空間内に配置された分散ノード通信システムであって、
前記通信ノードは、
受信した無線信号を復調することにより生成した復調信号を、前段の通信段の各通信ノードが用いた第2拡散系列によりそれぞれ逆拡散して得た各軟出力に対し、前段の各通信ノードと自局通信ノード間の伝送で生じた搬送波の位相回転量をそれぞれ修正する位相修正処理を施すことにより各修正軟出力を生成し、これらの修正軟出力を加算することにより合成修正軟出力を生成する合成修正軟出力生成手段と、
該通信ノードを始点とする送信データにより送信点識別用第1拡散系列を変調して第1拡散信号を生成する手段と、
前記第1拡散信号と前記合成修正軟出力とを加算した出力によりさらに伝送リンク識別用第2拡散系列を変調して第2拡散信号を生成する手段と、
前記第2拡散信号により搬送波を変調して生成した無線信号を送信する手段と、
前記合成修正軟出力を、取得したいデータを送信した相手局の通信ノードが用いた第1拡散系列により逆拡散することにより受信軟出力信号を生成する手段と、該受信軟出力信号を硬判定することにより該相手局の通信ノードの送信した送信データを検出する手段とを備えたものである分散ノード通信システム。
【請求項3】
請求項1,2のいずれか1項に記載した分散ノード通信システムであって、
前記合成修正軟出力生成手段は、前記復調信号を前段の通信段の各通信ノードが用いた第2拡散系列によりそれぞれ逆拡散して得た各軟出力に対し、前段の各通信ノードと自局通信ノード間の伝送で生じた搬送波の位相回転量をそれぞれ修正する位相修正処理を施すことにより各修正軟出力を生成し、これらの修正軟出力のうち平均電力が予め設定した閾値以下の値を取る修正軟出力を除いた全ての修正軟出力を加算することにより前記合成修正軟出力を生成するものである分散ノード通信システム。
【請求項4】
請求項1,2のいずれか1項に記載した分散ノード通信システムであって、
前記合成修正軟出力生成手段は、前記復調信号を前段の通信段の各通信ノードが用いた第2拡散系列によりそれぞれ逆拡散して得た各軟出力に対し、前段の各通信ノードと自局通信ノード間の伝送で生じた搬送波の位相回転量をそれぞれ修正する位相修正処理を施すことにより各修正軟出力を生成し、それらの修正軟出力の電圧振幅を当該修正軟出力に含まれる信号対雑音比に応じて調整した調整軟出力を生成し、該調整軟出力を加算することにより前記合成修正軟出力を生成するものである分散ノード通信システム。
【請求項5】
請求項2に記載した分散ノード通信システムであって、
前記通信段は、内側の通信段に対して、その通信段に隣接する外側の通信段が環状に内側の通信段を包囲するように配置されたものである分散ノード通信システム。
【請求項6】
請求項2に記載した分散ノード通信システムであって、
複数段の前記通信段は順次距離を隔てて配置されており、
複数段の前記通信段は、前記通信ノードが1つの通信段と、前記通信ノードが複数の通信段とを含むものである分散ノード通信システム。
【請求項7】
請求項2に記載した分散ノード通信システムであって、
前記通信段は、円環状に配置された複数個の前記通信ノードからなる円環状通信段を含むものであり、
複数の前記通信段が、前記円環状通信段の円環が含まれる平面と直交する方向に互いに距離を隔てて配置されたものである分散ノード通信システム。
【請求項8】
請求項7に記載した分散ノード通信システムであって、
前記円環状通信段(B,C,D)の中心点を結ぶ曲線の近傍に沿って移動局(M)が移動するものであり、
前記送受信時点制御手段は、前記移動局(M)の移動に伴って、前記移動局(M)の近傍位置にある前記円環状通信段に属する全ての通信ノードに対して同一のタイミングで受信開始および送信開始の動作を行わせるものであるとともに、前記移動局(M)の近傍位置にある前記円環状通信段の通信ノードと通信可能となるようなタイミングで前記移動局(M)に送信開始および受信開始の動作を行わせるものであり、
前記移動局(M)は、
受信した無線信号を復調することにより生成した復調信号を、近傍位置にある前記円環状通信段の各通信ノードが用いた第2拡散系列によりそれぞれ逆拡散して得た各軟出力に対し、それらの各通信ノードと自局間の伝送で生じた搬送波の位相回転量をそれぞれ修正する位相修正処理を施すことにより各修正軟出力を生成し、これらの修正軟出力に基づいて合成修正軟出力を生成する合成修正軟出力生成手段と、
前記合成修正軟出力を、データ受信を希望する相手局の通信ノードが用いた第1拡散系列により逆拡散することにより受信軟出力信号を生成する手段と、該受信軟出力信号を硬判定することにより該相手局の通信ノードの送信した送信データを検出する手段とを備えたものである分散ノード通信システム。
【請求項9】
請求項7に記載した分散ノード通信システムであって、
前記円環状通信段(B,C,D)の中心点を結ぶ曲線の近傍に沿って移動局(M)が移動するものであり、
前記移動局(M)が既に通過した後方の近接する前記円環状通信段の各通信ノードは、当該円環状通信段に割り当てられた送信タイミングで無変調搬送波を送信し、
前記移動局(M)は、前記無変調搬送波の受信に対応して自局が記憶するデータを読み出して送信し、
前記移動局(M)の移動方向の前方の近接する前記円環状通信段の各通信ノードは、前記移動局(M)の送信データを受信するものであり、
さらに、前記移動局(M)が既に通過した後方の近接する前記円環状通信段の各通信ノードは、当該円環状通信段に割り当てられた送信タイミングで前記無変調搬送波と異なる周波数の搬送波を用いて書き込みデータを含む送信信号を送信し、
前記移動局(M)は、受信した書き込みデータを自局の記憶手段に記憶するものである分散ノード通信システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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